血液検査の「LDH」からわかること。疲れやすい人は、血液検査のLDHをチェックしてみましょう

LDHとは

血液検査データの「LDH=乳酸脱水素酵素」について説明します。

ちなみに、「LDH」は、Lactate(乳酸) DeHydrogenase(デヒドロゲナーゼ)=「乳酸脱水素酵素」のことです。

この酵素はその名の通り、乳酸を分解する働きをします。解糖系と糖新生の両方に関わるため、ぶどう糖がエネルギーに変換されるために欠かせません。

LDHが高値の場合

LDHは赤血球の中に多く含まれます。例えば、細胞膜の健康に関わるビタミンEが不足していたりすると、赤血球が血管内で壊れやすくなり、LDHの値が少し高く出るようになります。(詳しくは、「溶血」についてチェック!)

LDHの値が高めで、ビリルビン値もという人は、溶血の可能性が高いと言えます。この場合、MCVなども大きくなっていないかどうかチェックしてみましょう。

LDHはその他にも、組織が壊れる心筋梗塞や筋疾患などがあると、AST・ALT・CK・CPKと併せて上昇します。また、脂肪肝、アレルギー、アトピー、運動直後(筋肉運動の影響)、細胞破壊亢進、甲状腺機能低下、慢性腎炎など、そして降圧剤の種類によっても高値になることがあります。

このように、LDHを上昇させる因子はたくさんあるので、血液データを読むときにはデータのマスクを考慮していく必要があります。

 

尚、小児や成長期の場合も、LDH値は高くなります。

LDHが低値の場合

LDHが低いと、乳酸分解がスムーズにできず疲れが取れにくくなってしまいます。LDHが低値の場合、他のデータとあわせてナイアシン欠乏症を予想することができます。なぜなら、この酵素が働くためにはナイアシンを必要とするからです。ナイアシンは、エネルギーを生み出すためにも欠かせない栄養素なので、LDHが低い人はエネルギー不足のため元気がなかったり、疲れやすいと感じていたりすることが多いです。

また、LDHが低いと神経過敏にもなりやすく、うつ病、神経症、統合失調症の発症リスクが高まるということがわかっています。

LDHは180ぐらいはあるのが理想的です。100代前半だったりする人は、相当疲れやすさを感じているかもしれません。逆に、身体の状態が良くないのにLDHがばっちりという人は、どこかの組織にトラブルがあってLDH値が上がっているのかもしれないと考えられます。

アレルギーがある人も要注意です。アレルギーの人はナイアシン欠乏があってもこの値が高めになるため、ナイアシンの不足症状に該当する場合は、LDH値が十分でもナイアシン欠乏である場合もあります。

 

ナイアシンについて

ナイアシンとは、ビタミンB群の一種で、ビタミンB3(ニコチン酸)とも呼ばれます。ナイアシンにはたくさんの働きがあります。特に、三大栄養素の代謝に必要で、循環系・消化系・神経系の働きを促進します。また、お酒を飲んだ時の悪酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解し、二日酔いを防止する働きもあるという点も要注目です。

ナイアシンは、魚や肉、卵、豆類など、たんぱく質を多く含む食材に豊富に含まれるだけでなく、たんぱく質に含まれるトリプトファンから合成されます。トリプトファンの合成が行われるのは身体の中だけでなく、腸内の腸内細菌からも、トリプトファンからナイアシン合成が行われます。

そのため、LDHが低い場合は、摂取量が少ないというだけでなく、腸内環境が悪い→ナイアシン不足→LDH低値となっているということも考えられます。

 

まとめ

・LDHは、乳酸を分解する酵素で、エネルギー代謝において欠かせない。

・LDHは、溶血、心疾患、脂肪肝、アレルギー、アトピー、運動直後(筋肉運動の影響)、細胞破壊亢進、甲状腺機能低下、慢性腎炎、薬の影響などで高値になる。

・LDHが低い場合、ナイアシン不足が疑われる。ナイアシン不足は、エネルギー不足だけでなく神経疾患を引き起こすこともある。

・ナイアシン不足がある場合、食事内容だけでなく腸内環境を整えることが大切

 

 

 

頭痛を治すためには、首こりを治すと良い理由とは

慢性頭痛の9割は、「首こり」が原因?!

 

いつも頭痛薬が手放せない、何をやっても頭痛が消えない、頭痛のせいでやる気が出ない、、

頭痛って、本当に辛いですよね。

日本ではおよそ3000万人の人が、慢性的な頭痛で悩まされていると言われています。ざっと計算して3人に1人と考えると、ものすごい数字です。最近では子どもでも頭痛を訴える子が増えていると言われています。

脳神経外科医の青山尚樹先生によると、慢性的な頭痛に悩んでいる人を日々診ているうちに、ある共通点に気が付いたと言います。 “頭痛を治すためには、首こりを治すと良い理由とは” の続きを読む

血液検査の「AST」と「ALT」からわかること。ASTとALT値からビタミンB6の不足を読み取る

AST・ALTとは

 

血液検査の項目を見ると、AST(GOT)・ALT(GPT)という項目がありますね。この二つの項目を、栄養学的に読み取る方法について説明します。 “血液検査の「AST」と「ALT」からわかること。ASTとALT値からビタミンB6の不足を読み取る” の続きを読む

データの「マスク」とは?

データの「マスク」とは

血液データを読むときに忘れてはいけない、データの「マスク」について説明します。

脱水があったり、体内のどこかに微小な炎症が起こっていたり、栄養状態が悪かったりする場合、血液検査の値が本来の値よりも高くなったり低くなったりする場合があります。このような状態を、データの「マスク」といいます。

血液データの測定値は、値を上昇させる因子と下降させる因子のつなひきが行われ、そのバランスによって決まります。
そのため、一見理想値に近い値になっていても、両方の因子が働き合ってそのような値になっている場合もあるため、注意が必要なのです。
例えば、栄養療法を行って体調は良くなったのに一時的にデータが悪くなったようになることもあります。これは栄養状態が改善することによって脱水が補正され、そのようなデータが出ているという可能性も考えられます。

 

脱水とデータのマスク

一番わかりやすいのは脱水です。脱水があれば、血液が濃縮されているので実際の値よりも計測値が高くなります。
ただし、血糖値やコレステロール値などは、赤血球内と血漿内の濃度が同じ物質を測っているので、脱水があっても値は変化しません。
一方、脱水によって上昇するものの例としては、総蛋白、アルブミン、BUN、ヘモグロビン、ヘマトクリット、血小板数、クレアチニン、LDH、AST、ALT、Fe(鉄)、K(カリウム)、などが挙げられます。
目安としては、総蛋白7.5以上、ヘモグロビン16以上だったりする場合は脱水の可能性が高いと考えられます。
ただし、もしも検査データが理想的な値だったとしても、データのマスクによって値が実際のものよりも高くなったり低くなったりしていることによって見かけ上は丁度良い値になっているという場合もあるため、「この値なら絶対にOK!」などと言うことはできません。

 

脱水の原因

脱水があると、高血圧や狭心症を引き起こしやすく、血液粘度が高まると血栓を作りやすくなってしまいます。
以下のような状態があると、脱水になりやすいため、注意が必要です。
・検査前の水分摂取不足
・低栄養(低たんぱく)
・肥満傾向
・高血糖で多尿になっている
・利尿剤など薬の影響

 

データの「マスク」を引き起こしやすいそのほかの因子

脱水の他にも、血液検査の値を変化させる因子は色々あります。
代表的なものの例を挙げると、溶血・肝機能低下・室温放置(血液の保存状態)・運動後の影響・組織障害・成長期・妊娠後期・体質・食後(脂肪食)・ビタミン不足・たんぱく質代謝低下・甲状腺機能低下 etc.

例えば、多少肝臓が悪くても、たんぱく質の代謝低下やビタミンB6不足があると、値が理想的な値になっているということもあり得るというわけです。
血液データを見るときは、このようなデータの「マスク」について考慮しながら見ていくようにしましょう。

血液検査の「コレステロール」からわかること。血中のコレステロール値は、低ければ低いほど良いのでしょうか?

 

総コレステロールとは

総コレステロールとは、血液中に含まれるコレステロールの総量のことです。

血中コレステロールは、たんぱく質代謝を見る良い指標になります。 “血液検査の「コレステロール」からわかること。血中のコレステロール値は、低ければ低いほど良いのでしょうか?” の続きを読む

血液検査の「アルブミン」からわかること

アルブミン(Alb)とは

アルブミンは、食べたものを材料にして肝臓のみで合成されるたんぱく質で、肝臓のたんぱく質合成能力を反映します。血液中のたんぱく質の約60%を占め、栄養素や薬等を各臓器や細胞に運ぶ役割を持っています。 “血液検査の「アルブミン」からわかること” の続きを読む

このままじゃだめだ!と思っているあなたへ

今の生き方に満足していますか?

 

突然ですが、あなたは今、自分の生き方に満足していますか?

 

身体の不調がある場合、私たちは何が原因なのだろうか、と考えますよね。生活習慣?食生活?腸内環境のせい?運動不足??

そして、忘れてはならないのが、心の問題です。 “このままじゃだめだ!と思っているあなたへ” の続きを読む

80歳を超えてもフサフサの黒髪を保つ、ホンヤオ族に伝わる米のとぎ汁洗髪法とは?!

 

フジテレビの「元気な国に学べ!世界のマル秘健康法」を観ていたら、髪の毛をふさふさに保つ驚きの健康法を紹介していました。中国の「ホンヤオ村」という村にすむ女性たちは、みんな美しいつやつやの黒髪で、なんど80歳を超えた女性でも髪の毛が真っ黒で、しかもみんなふっさふさ!!

高齢になってもあんなに綺麗な髪の毛を保っている彼女たちの生活にはどんな秘密があるのでしょうか?! “80歳を超えてもフサフサの黒髪を保つ、ホンヤオ族に伝わる米のとぎ汁洗髪法とは?!” の続きを読む

アミノ酸サプリを摂る目的とは

お肉は身体に悪いの?良いの??

 

皆さんは、「動物性食品は身体に悪いので、なるべく控えましょう」というフレーズを耳にしたことがあるかと思います。

その一方で、「たんぱく質は大事なので、たんぱく質を効率よく摂ることのできるお肉をしっかりと食べましょう」というフレーズを耳にしたことがある方も多いと思います。

この二つの意見は、どちらも正しいと言える反面、必ずしもそうとは言い切れないという側面もあります。

そこで今回は、動物性食品の良し悪しについて、白黒ハッキリするのではなく、「消化」という観点からたんぱく質について考えてみたいと思います。 “アミノ酸サプリを摂る目的とは” の続きを読む

眠れない原因は、腸だった?!

快適な睡眠のためには、「セロトニン」と「メラトニン」が重要!

 

私たちの脳内では、「神経伝達物質」が働くことによって、精神状態や、いわゆる「気分」がつくられています。

数ある神経伝達物質の中でも、「アドレナリン」や「ドーパミン」、「セロトニン」といった言葉は、皆さんもよく耳にしたことのあるものだと思います。

 

「アドレナリン」の前駆体は「ノルアドレナリン」と呼ばれる物質で、アドレナリンと共に、生存本能(闘争または逃避)を司り、交感神経系を刺激し、心身を覚醒させる働きを持ちます。
ドーパミンやノルアドレナリンなどは、もちろん生きていくうえで必要なものなのですが、これらが暴走すると、様々な悪影響が出てきます。ドーパミンが過剰になると多動の原因になったりするし、ノルアドレナリンが過剰になれば、怒りや不安、恐怖感などを過度に引き起こします。

 

一方、「セロトニン」は、ノルアドレナリンやドーパミンの分泌をコントロールして、心のバランスを整えてくれる作用を持っています。
そのため、セロトニンが不足すると、精神状態が不安定になり、幸福感が感じられにくくなることでも知られています。また、平滑筋の収縮をスムーズにして心臓発作を予防する働きも持っています。

さらに、セロトニンは心を落ち着けてくれるだけでなく、睡眠との深い関りがあります。なぜなら、セロトニンは、「眠りのホルモン」であるメラトニンの材料となるからです。自然な生活サイクルの維持と睡眠のために欠かせないホルモンです。
セロトニンが不足するとメラトニンがうまく生成できなくなり、不眠症などを引きおこす原因となります。

 

メラトニンをしっかり分泌させるにはどうしたら良いの??

 

快適な睡眠のために欠かせないメラトニンをしっかり分泌させるには、どうしたらよいのでしょうか。

①日中に太陽の光を充分浴びる

メラトニンは夜間に分泌されるのに対して、セロトニンは日中にたくさん分泌されます。日中しっかりと太陽の光を浴びることで、セロトニンの分泌量が増加し、それが夜のメラトニン分泌につながるということが分かっています

 

②トリプトファンの摂取

 

セロトニンの材料になるのは、必須アミノ酸の一つであるトリプトファンです。

脳内のセロトニンは、トリプトファンが脳内で変換されて作られます。トリプトファンは、肉や魚、大豆製品や卵、ナッツ類、バナナなどにも豊富に含まれます。

(ただし、脳内のセロトニンを増やすために、トリプトファンが入っているアミノ酸サプリメントをたくさん摂れば良いのか?というと、どうやらそんなに単純な話でもないようです。→詳しくはこちら。)

 

 

③腸内環境の改善

食事の内容はもちろん大切ですが、それ以前に、胃腸の状態が悪くて十分な消化吸収ができていない状況である場合にも、セロトニンの材料であるトリプトファンが不足してしまうことがあります。

さらに、トリプトファンをセロトニンに変換するためにはビタミンB6などの栄養素が欠かせません。ビタミンB6は、食事から摂取して供給されるだけでなく、腸内でも作られますので、腸内環境が悪いとうまくビタミンB6が作られず、不足してしまうことがあります。

例えば、血液検査のASTが10前半、ALTが一桁だったりする場合、かなりのビタミンB6の不足が疑われると言われていますが、それだけビタミンB6が不足すれば、「眠れない」、「楽しいことがない」(うつ状態)、などといった症状や悩みが出やすくなってきます。

(血液検査データでは一見問題がないように見えても、実はビタミンB6不足というパターンも多々あるので、注意が必要です)

 

また、セロトニンがメラトニンになるには、ビタミンB12やマグネシウムといった栄養素が欠かせません。これらの栄養素を消化吸収できるかどうかも、やはり腸内環境が大きくかかわっています。

ちなみに、腸内では「腸内セロトニン」が作られますが、腸内セロトニンは血液脳関門を通過できないため、脳内セロトニンとは別のものではありますが、腸内セロトニンの量と脳内セロトニンの量は相関すると言われているようです。

 

つまり、なかなか寝付けない、よく眠れない、といった睡眠に関する悩みの原因は、実は腸内環境が悪いせいだったりするわけです。

 

睡眠と腸なんて、一見関係なさそうに見えることでも、大いに関係あり!なのですね!!

やはり、腸内環境って、大事です!!!

 

トリプトファン不足の原因は、たんぱく質の摂りすぎ?!の不思議

トリプトファンとは

 

トリプトファンは、たんぱく質を豊富に含む食品に多く含まれている、必須アミノ酸の一つです。

 

トリプトファンは、神経伝達物質であるセロトニンや睡眠ホルモンのメラトニンに変換されます。また、トリプトファンからはナイアシン(ビタミンB3)も生合成されます。

うつや不眠と関係するセロトニンやメラトニンの原料となることから、「うつ予防にはトリプトファン」「よく眠れないときにはトリプトファン」ともよく言われています。

 

 

ムサシの「クアン」にトリプトファンが含まれていない理由

 

アミノ酸サプリで有名な「MUSASHI」の主力商品の「クアン」。

ヘルスメンテナンスやパワーアップ目的で摂取することを目的としたアミノ酸サプリメントということで、

「筋肉の成長に役立つ11種類のアミノ酸がバランスよく配合されています。」

とあります。

 

商品詳細

主成分
L-リジン、L-ロイシン、L-ヒスチジン、L-アルギニン、L-イソロイシン、グリシン、L-バリン、L-チロシン、L-トレオニン、L-フェニルアラニン、L-メチオニン

 

何かお気づきではないでしょうか。

 

そう、必須アミノ酸のうち、トリプトファンだけ含まれていません。

 

私は数年前にこの「クアン」を飲んでいて、ふと成分表を見てこのことに気づき、気になってお客様相談室に電話して聞いてみたことがありました。

 

担当の方の回答は、「トリプトファンは脳血液関門を通過する時に他のアミノ酸と競合してしまうので入れていない」というものでした。

 

私はその当時は、それを聞いても「へっ??? どゆこと?!」という感じだったのですが、よくよく調べてみると、なるほど~!という答えが見えてきました。

 特に参考になったのが、ジョナサンライト著「新・栄養療法」という本です。

 

うつ病治療とトリプトファンについて

 

「新・栄養療法」を元に、トリプトファンの効能とうつ病との関係を以下にまとめてみました。

①トリプトファンはうつ治療に効果がある

トリプトファンには、よく眠れるようにしたり、うつを軽くしたりする作用がある。この方法はうつの治療に広く用いられており、一般的に処方されている抗うつ剤と同等の効き目が得られる上に、薬と違って比較的無害で、短期的使用でも長期的使用でも、服用を急にやめても心配はないと言われている。しかし、そうした働きをするためには、十分な量のトリプトファンが脳の組織中に存在する必要がある。

②高たんぱく食によってうつが悪化する人は、脳内のトリプトファンが足りていない可能性がある

うつや不眠症に悩まされていて、高たんぱく食を始めてから悪化した人の場合、普通の人に比べてトリプトファンの代謝に問題がある体質である可能性が考えられる。このような体質の人の場合、高たんぱく食によって脳内に送られるトリプトファンの量が減少し、さらに症状が悪化することがある。

トリプトファンには、他のアミノ酸と競合して脳内に入りにくくなるという性質がある

トリプトファンは、他のアミノ酸(チロシン・フェニルアラニン・イソロイシン・ロイシン・バリンなど)と同じルートから脳内に吸収される。

トリプトファンはほかのアミノ酸に比べて、ほとんどのたんぱく質食品に比較的少量しか含まれていないアミノ酸である。

従って、高蛋白食品を食べた場合には、トリプトファンの血中値は高まるが、それ以外のアミノ酸の数値も一斉に高まることになり、トリプトファンが脳内に取り込まれにくくなってしまう。

トリプトファンを効率よく脳内に吸収させるためには炭水化物が必要!

ジョナサンライト氏の臨床経験によると、トリプトファンのサプリメントは炭水化物と一緒に摂り、高蛋白食品はその前後1時間半ずつの間は摂らない方が、トリプトファンの効果が表れやすいとのことです。また、ナイアシンアミドがトリプトファンの分解を妨げる働きを持つことから、トリプトファンが脳内に吸収される前に分解されるのを防ぐために、トリプトファンをナイアシンアミドと一緒に摂ると良いことを指摘しています。

トリプトファンを炭水化物と一緒に摂った方が良い理由は、炭水化物を摂取したときに分泌されるインスリンには、脳内にトリプトファンを取り込みやすくする作用があるからです。

炭水化物を摂取すると、血糖値が上がりますよね。すると、その血糖値を下げるために、膵臓からインスリンが分泌され、血中のインスリンの濃度が上がります。インスリンには、トリプトファンと競合するアミノ酸であるBCAAが骨格筋に取り込まれるのを促進する作用があるので、トリプトファンが効率的に脳内に入りやすくなるというわけです。

従って、トリプトファンを脳内に効率よく吸収させるためには、たんぱく質と一緒に適度な炭水化物も摂った方が良いということです。

人間はなぜ、ビタミンC合成能を失ったのか?!

 

ビタミンCは、1900年代初めに、壊血病の予防因子としてオレンジ果汁から抽出され発見された物質です。

化学名は「アスコルビン酸」と呼ばれます。

 

ビタミンCの役割

ここで、ビタミンCの重要な役割をいくつか挙げてみましょう。

コラーゲン生成に欠かせない

ビタミンCはコラーゲンを生成する際に欠かせません。コラーゲンとは、細胞と細胞をノリのような役割をするタンパク質で、身体のほとんどすべての組織を組織を形成するために必要とされます。皮膚や骨の健康のためにも不可欠なものとして知られていますよね。ビタミンCが不足するとコラーゲンが進まず、毛細血管が脆くなる、歯茎から出血しやすくなる、傷の治りが遅くなる、骨や血管、臓器が弱くなる、神経症状など、壊血病の症状が出ます。

強力な抗酸化作用

ビタミンCには抗酸化作用があるため、細胞が酸化することによる障害を防ぎ、加齢によるガンや、心臓疾患を防ぐ、などといった働きがあります。尚、ビタミンEはビタミンCと併用することで効率的に抗酸化作用を発揮することができます。

 

免疫力を高める

ビタミンCは免疫を刺激し、白血球の働きを助け、細菌やウイルスを抑える力を高めてくれます。白血球には、血中に含まれるビタミンCの80倍のビタミンCが含まれていると言われており、病気にかかったときやストレス時には、さらにビタミンCの必要量が上がることがわかっています。

 

抗ストレス作用
副腎には、血中濃度の150倍のビタミンCが存在すると言われています。ビタミンCは、副腎がコルチゾールなどのホルモンを産生するときの材料となるため、副腎は特にビタミンCを必要としている臓器なのです。また、ノルアドレナリンというホルモンを産生するためにも、ビタミンCが使われます。コルチゾールやノルアドレナリンは、ストレスに対抗するために分泌されるホルモンです。だから、ストレス時にはビタミンCの必要量が上がるのですね。

ガンや風邪に効力がある

1970年代、アメリカのライナスポーリング博士は、グラム単位のビタミンC摂取によって、風邪やガンなどに効力があるという報告をしました。ビタミンCは、欠乏症を予防するだけでなく、最適量を摂取することで、風邪を早く治す働きや、発がん物質を抑制する働きがあることがわかっています。ライナスポーリング博士は、分子栄養学の創始者でもあります。

腸管でのミネラルの吸収を良くする

鉄や銅、亜鉛、カルシウムなどのミネラルは、ビタミンCと一緒に摂ることで腸からの吸収率がアップします。

アミノ酸を代謝して神経伝達物質を作る

セロトニンやノルアドレナリンといった神経伝達物質を合成するときにも、ビタミンCが使われます。

トリプトファン(必須アミノ酸の一種)セロトニン

チロシン(必須アミノ酸フェニルアラニンから作られるアミノ酸)ノルアドレナリン

の反応の際にビタミンCが必要。)

甲状腺ホルモンを作るためにも必要

また、甲状腺ホルモンのチロキシンを作る際にも、ビタミンCは必要となります。チロキシンは、体内の代謝速度を調整するホルモンで、全身の細胞に影響を与えます。

 その他にも、LDLコレステロールの酸化抑制、カルニチン(アミノ酸)の合成促進、胆汁酸合成の促進、抗ヒスタミン作用、シミの予防などなど、実に様々な働きがあります。

 

ビタミンC欠乏は、人間の宿命?!

ヒト以外の多くの動物は、ビタミンCを合成することができる!

人が生きていくために不可欠なビタミンCですが、ヒトの体内ではビタミンCを合成することはできないので、食物などから摂取する必要があります。ところが、ヒト以外の多くの哺乳類たちは、ビタミンCを合成することができます。ビタミンCを体内で作ることができない動物は、モルモット、フルーツバット(果実食性コウモリ)、紅肛門鳴き鳥(熱帯産のヒヨドリ科の鳥)、そして、人間を含む霊長類と、ごくわずかであると言われています。

ビタミンCは、ぶどう糖を材料に、4種類の酵素の働きで作られます。人間の肝臓にも、ビタミンC合成に必要な酵素のうち、3種類までは揃っているのですが、最後のステップに必要な1種類(Lグロノラクトンオキシターゼという酵素)だけが欠けています。

栄養療法の世界的権威、ジョナサンライト医師によると、「血液中のビタミンC欠乏は、人類全体に共通した遺伝的障害である」としています。ビタミンCを合成することができる動物の場合、ストレス時にはビタミンC合成量が著しく増加することがわかっています。ガン物質を与えた実験でも、猛烈な勢いでビタミンCが合成されたと報告されています。

人類はなぜ、ビタミンC合成能を失ったのか?!

ビタミンC研究の第一人者であるライナスポーリング博士は、「人類がビタミンC合成能を失ったのは、脳を守るためだ」と言っていたのだそうです。

人間を始めとする霊長類は、社会生活に適応しながら進化する中で、脳容量が大きくなり、他の動物に比べて重量が重い。そのため、脳のエネルギー源となるブドウ糖糖の需要量も増えたわけです。

そこで、ビタミンCの材料は何だったか、思い出してみてください。そう、ブドウ糖がビタミンCの材料になるのですよね。もしも身体がビタミンCをたくさん必要としている時に、自分でビタミンCを合成する力があれば、ブドウ糖は激しく消費されることになります。

脳が大きい霊長類にとって、脳機能を維持するためにはブドウ糖が重要であるため、2500万年前の人類の遺伝子は、あえてビタミンC合成能を失うことで、ブドウ糖を温存するという道を選んだということでしょうか。また、果実など、ビタミンCを外から容易に摂取できる環境が整っていたという点も、ビタミンC合成能を失った一つの要因となっているのかもしれません。

壊血病と、ネイティブアメリカンの知恵

ビタミンCの欠乏症である壊血病は、古くから原因不明の奇病として恐れられてきました。壊血病の予防には柑橘類や野菜が有効であるということが知られるようになるまで、多くの人の命が壊血病によって失われました。日本では、一年を通して野菜が収穫できたことや、雪の多い地方では漬物を食べていたため、壊血病はあまり問題になることはなかったのだと考えられます。しかし、長期間にわたり航海を続けたり、作物を栽培する条件が厳しい地域に住んでいたヨーロッパの人々にとっては、大変な病気だったのです。

20世紀の初め頃、アメリカの歯科医であるプライス博士は、カナディアンロッキーの奥地に住んでいたネイティブアメリカン(インデアン)に出遭いました。彼らは冬になると、ビタミンCの摂取源となるような植物は育たない土地に住み、ほとんど野生の狩猟に頼って生きていたのですが、壊血病にかかることはなかったのだそうです。不思議に思ったプライス博士が彼らにその理由を尋ねると、彼らは

「ヘラジカや熊の副腎を食べて、病気を防いでいる」

と教えてくれたのだそうです。

ヘラジカや熊に限らず、私たち人間の身体の中で最もビタミンCが多く含まれる場所は副腎です。血中濃度を1とすると、脳には血中の20倍、白血球には80倍、副腎に至っては、上にも書いたように150倍ものビタミンCが存在すると言われています。ビタミンCがたくさん存在する場所には、それだけビタミンCの需要があるということです。副腎はストレスに対応するために「コルチゾール」と呼ばれる副腎皮質ホルモンを分泌しますが、この時に大量なビタミンCを必要とします。そのため、副腎にはたくさんのビタミンCが存在するというわけです。

ネイティブアメリカン達は何世紀にもわたって、動物の特定の内臓を食べるということを学び、経験的にビタミンCを摂取する術を知っていたのですね!!

 

ビタミンCの錠剤にビタミンB2とカルシウムが入っている理由はこちら

その他の栄養情報を調べたい方はこちら

血液データの読み方を調べたい方はこちら

 

 

 

上咽頭炎について

 

先日、第8期分子栄養学実践講座に参加してきました。

午前中の講義は、いとう耳鼻咽喉科 伊藤宏文先生による「Bスポット治療の実際」ということで、上咽頭の詳しい解剖や、慢性上咽頭炎とその治療法についての講義と、Bスポット治療の実演がありました。

 

上咽頭炎についての詳しい説明ははこちら

 

先日のブログで紹介した「病気が治る鼻うがい健康法」という本でも、上咽頭と自律神経の関係についての記述がありましたが、より詳しく説明をしていただき、とても興味深い内容でした。

“上咽頭炎について” の続きを読む

「病気が治る鼻うがい健康法」

 

鼻うがい健康法とは?

 

前回のブログを読んでいただいて、上咽頭炎が気になった方に、

 内科医の堀田修先生 著 「病気が治る鼻うがい健康法」

という本がお勧めです。

 

風邪のひき始めにつきものの、喉の痛み。

「喉の痛み」、というと、扁桃腺の炎症が引き起こしていると考える方も多いかもしれませんが、実際には、扁桃の炎症よりも、上咽頭の炎症が痛みを引き起こしている場合が多いそうです。そのため、風邪の予防のためには、一般的に行われている喉うがいよりも、鼻の奥の上咽頭の部分を洗浄できる「鼻うがい」の方が、実は数段効き目があるのだそうです。

  “「病気が治る鼻うがい健康法」” の続きを読む

もしかして、上咽頭炎かも?!6スポット治療を受けた感想

上咽頭炎とは

 

☑ 喉から風邪をひきやすい

☑ 後鼻漏が気になる(鼻水が喉の上の方に落ちてきて、痰が絡んだような感じになる)

☑ 朝起きたときに喉が痛くなりやすい

☑ 口呼吸

☑ 声がかれて話しにくい

上のような症状が一つでも当てはまる方は、もしかすると、慢性の上咽頭炎になっているかもしれません。

“もしかして、上咽頭炎かも?!6スポット治療を受けた感想” の続きを読む

ビタミンB群不足の原因を考える

 

足りない栄養素の見つけ方

 

最近、健康管理のためにサプリメントを利用する人が増えています。

 

分子栄養学をもとにした栄養療法でも、薬の代わりにサプリメントをうまく活用することで体調を改善する人が多くみられます。

 

でも、多すぎるサプリメントは、かえって肝臓に負担をかけてしまうこともあるし、ただやみくもにサプリメントを摂りまくれば良いわけではないですよね。

 

では、どのようにして足りない栄養素を見つければ良いのでしょうか。

  

分子栄養学では、血液検査データを栄養状態の指標の一つとして活用します。

 

具体的には、まずは、主訴や症状から、その方の状態を想像してから、主に以下の項目を読み取っていきます。

 

①たんぱく質が足りているか(タンパク代謝の低下)

②脂肪肝の有無

③鉄欠乏の有無(貧血チェック)

④ビタミンB群欠乏の有無

⑤血糖調節障害の有無

⑥亜鉛・銅バランス

⑦酸化ストレス負荷の有無

⑧抗酸化力

⑨交感神経の緊張状態

 

検査値が基準範囲内に入っていて、お医者様からは「問題ありません」と言われた場合でも、上記のような項目に着目してデータを読み取っていくと、実は色々と問題があることが判明することもあるのです。

 

例えば、病気ではないけれどなんとなく疲れやすいとか、朝起きられなくてつらいとか、眠れないとか、様々な不調にはやはり必ず何かしら原因があるので、それらを解決する糸口を見つけるためにも、血液データはかなり役立ちます。

 

 

ビタミンB群が不足する原因

 

では、もしも、例えばビタミンB群の不足が判明したら、どうしたら良いのでしょうか。

 

ビタミンB群が足りないなら、ビタミンBのサプリを飲めばOK!

と言いたいところですが、、、

 

単純にサプリメントだけで解決できるのかというと、必ずしもそうではないのです。

 

まず、ビタミンB群の不足があるときに一番注意したいのは、腸内環境の問題です

 

なぜなら、ビタミンは食事から摂るだけでなく、腸内でも作られているものも多いのですが、腸内環境が悪いとビタミンが十分に作られなくなってしまうからです。

 

また、胃の状態によって吸収率が大きく変ってしまうビタミンもあります。

それはビタミンB12。

ビタミンB12は、他のビタミンと異なり、たんぱく質と結合した構造をしているため、吸収のされ方がちょっと複雑です。ビタミンB12が吸収されるためには、胃酸と消化酵素(ペプシン)と内因子(内因子とは、胃壁細胞から分泌される糖たんぱくの一種)の3つがそろわないとダメなのです。従って、萎縮性胃炎などによって適切な塩酸や消化酵素、内因子の分泌が十分でなくなっている場合、ビタミンB12の吸収がうまく行われなくなってしまうというわけです。さらに、ビタミンB12は、リチウムなど、他のミネラルとの関係で不足することもあると言われています。

 

その他のビタミンB群の不足原因を考えると、

 

ビタミンB1不足・・糖質やアルコールの過剰摂取。(過剰な糖を代謝するためにビタミンB1が大量に使われてしまう)

 ビタミンB2不足・・脂質やアルコールの過剰摂取

ビタミンB3(ナイアシン)不足・・アルコールの飲みすぎ

ビタミンB6不足・・たんぱく質の過剰摂取、生まれつきの体質で慢性的な亜鉛とビタミンB6不足を起こす「ピロール障害」である

 

葉酸不足・・遺伝子異常

 

 

などといったことも考えられます。

 

 

もちろん、これらの原因や、個々の体質を考慮したうえで、サプリメントを上手に選んで活用していくことは、有効であると言えます。

 

でも、ビタミンB群に限らず、サプリメントを飲む前にアプローチできることって、結構たくさんあるので、不足原因を考えるのはとても大事!ということです。

血液検査の「基準値」とは?血液検査データからわかることとその活用法

 

血液検査データからわかること

 

皆さんは、健康診断や人間ドッグを定期的に受けているでしょうか?通常の健康診断や人間ドックで行われる血液検査では、主に肝臓の働きや腎臓の働きなどに異常がないかどうかをチェックしていますよね。

 健康診断では「異常なし!」と言われても、なんとなく身体の調子が優れないという方もいらっしゃるかと思います。

 そんな場合、血液データを分子栄養学的に読んでみると、栄養素の過不足や、酵素の活性、ストレスの度合い、抗酸化力や炎症の状態など、様々なことを推測することができるので、たとえ血液データが基準値内に入っていたとしても、色々と問題が存在することがあります。 “血液検査の「基準値」とは?血液検査データからわかることとその活用法” の続きを読む

分子栄養学について。

「分子栄養学」ってなに??

 

「分子栄養学」の考え方は、1960年代に、米国の化学者ライナス・ポーリング博士と、精神科医エイブラハム・ホッファー氏によって作られました。

正式には「分子整合栄養医学」(Ortho-Molecular Nutrition and Medicine)としてポーリング博士が名付けたものが、省略して「分子栄養学」と呼ばれています。ちなみにポーリング博士は、ノーベル化学賞・ノーベル平和賞と、二度のノーベル賞を受賞した天才化学者として知られているすごい方です。

 

従来の栄養学との違い

 

従来の栄養学は、「欠乏の栄養学」であると言われています。

ビタミンの摂取量では、ビタミン欠乏症にならない程度の量を摂ることが指導されます。

ビタミンは欠乏症を補うためのものなので、微量で十分、という考え方で、例えば、ビタミンCなら、壊血病にならない程度、ビタミンB1なら脚気にならない程度を摂れば良い、ということになります。

 

しかし、実際には、人それぞれ個人差があり、消化吸収力、ストレス状態、生活環境、年齢、病気など、様々な条件によって、必要とする栄養素量は大きく異なるはずです。

 

ポーリング博士は、栄養素の不足が病気を引き起こすので、それを十分補充することで、病態の改善が見込めるのではないかと提案しました。

 

分子栄養学と栄養療法

 

分子栄養学に基づいた栄養療法では、身体の中にある分子(栄養素)をその人にとって最適な濃度にまで到達させて、体内の組織(臓器)や細胞の分子構造を変化させたりすることで、身体の機能を向上させ病態を改善させる、という治療法が行われます。

例えば、栄養素の医学的効果を得るために、時には通常の数十倍~数百倍の量のビタミンを用いることもあります。

  

私は医者ではないので、「治療」という観点で栄養療法を行うことはもちろんできないわけですが、分子栄養学の知識を活用して今の体の状態を把握することで、身体の中でどんな栄養素が足りないのか、なぜその栄養素が足りなくなってしまったのかを知ることや、食事以外でも、ライフスタイルを改善したり、ストレスを軽減する方法を考えたり、アプローチできることはたくさんあります。

 

そんなわけで、私なりに、難しい言葉ではなく、誰にでもわかる言葉で、分子栄養学に関する情報もお伝えしていけたら良いなと思っています。

ピロリ菌が栄養不足を引き起こす?!

ピロリ菌と栄養障害

 

これまで数回に渡って、胃酸の話や胃の不調によって身体に及ぼす影響についてブログに書いてきましたが、胃のトピックの中で忘れてはならないのが、ピロリ菌に関する問題です。

 

ピロリ菌とは、胃の粘膜に生息する悪い菌で、胃がんや慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、萎縮性胃炎などの病気を引き起こすおそれがあるということでも知られています。

 

胃の中の菌は通常、胃の強酸によって殺菌されるのですが、ピロリ菌は「ウレアーゼ」という酵素を出していて、この酵素が胃の中の尿素を分解してアルカリ性のアンモニアを作り出し、ピロリ菌自身の周りを中和して胃の中で生き延びることができてしまうのです。

 

日本人に胃がんや胃潰瘍が多いのは、塩辛いものや熱いものが好きだからなどと言われることもありますが、それよりも大きな原因として考えられるのは、胃の中にピロリ菌を持った人が多いからであると言えます。

 

ピロリ菌は、胃の粘膜を委縮させて胃の働きを抑え込んでしまうことから、胃の粘膜障害と同じような状態になり、胃や十二指腸を痛めてしまうのですが、それだけでなく、ピロリ菌は栄養障害にも関係が深いと言われています。

 

その不調、もしかして、ピロリ菌のせい?!

日本でピロリ菌に感染している人はおよそ6000万人といわれており、特に50歳以上の人で感染率が高くなっています。中年以上にピロリ菌感染者が多いのは、井戸水が原因ではないかと言われていますが、衛生環境が整ったことによって、ピロリ菌に感染している割合は年々減少しており、若い世代では低くなってきていると報告されています。

とはいえ、若い人でも、栄養療法などを実施してもなかなか状態が良くならない方の場合、調べてみると、胃にピロリ菌を持っている人が多く、ピロリ菌除菌後に同じ方法で栄養療法を行うと、見違えるように症状が改善されるという報告もあるため、注意が必要です。

 

食生活を見直して体調を改善したいと考えた場合、まずはピロリ菌が胃にいないことが大前提になるといえます。

 

ピロリ菌の検査は、病院で採血をして調べてもらうこともできますし、自分で採血する検査キットも色々売られていて、簡単に調べることができます。

 

ただし、お医者様の話によると、血液結果で陰性だからといって、100%ピロリ菌の心配がないというわけではないとのこと。体内でピロリ菌に対する抗体を作る元気もない場合は、陰性になってしまうらしいΣ(゚д゚lll)

 

明らかに胃の調子が悪い場合は、検査結果が陰性でもピロリ菌に感染しているという可能性も考えられるのですね。

 

ピロリ菌の除菌

 

胃内のピロリ菌を除菌するには、病院で処方された抗生剤を一定期間飲むという方法が一般的ですが、抗生剤を飲む治療の一番の副作用は、薬の影響で腸内細菌のバランスが崩れ、下痢をはじめとする消化器症状を引き起こしてしまうことです。

その辺をしっかりと考慮してくれるクリニックでは、副作用を防止するために、除菌を行う一カ月ほど前から腸内細菌バランスを整えるサプリメントや胃の調子を整えるためのサプリメントを処方してくれます。

 

いくら食べても太れない、胃潰瘍を繰り返す、食後の胸焼けを感じる、慢性胃炎である、しっかりと食べているのに栄養素の欠乏が見られる、などの症状が気になっている方は、胃酸の分泌状況の改善や精神的ストレスの軽減などだけでなく、ピロリ菌の感染も疑って、一度調べてみると良いかもしれません。

胃酸を抑える「制酸剤」の副作用

 

胃酸を抑える薬「制酸剤」について

 

今日のテーマは、制酸剤についてです。

 制酸剤(胃酸を抑える薬)は、胃酸が過剰に分泌されてしまうことによる不調を改善するための薬です。

胃液のpHを化学的に中和することで、胃や食道の粘膜を保護し、胸焼けなどの症状の緩和に用いられます。

 

一般には、制酸剤は副作用が少ない薬であると言われていますが、胃酸が過剰なわけではないのに、対処療法として制酸剤を飲むことは、たんぱく質の消化酵素などの生産に悪影響を与える恐れがあるため、注意が必要であると言われています。

 

これまでのブログを読んでくださった方は、胃酸がいかに大切かをおわかりいただいているかと思います。

 

胃酸を抑えることによって、たんぱく質の消化不十分だけでなく、炭水化物や脂質の消化力の低下や、ビタミン・ミネラルの吸収低下、さらに、腸内環境の悪化などによって、様々な不調を引き起こす恐れがあると考えられます。

 

以前のブログでも書いたように、胃の不調の原因となっているのが、実は胃酸の不足によって起こっているケースが多いということを考えると、胃薬を飲むことには慎重になるべきであると考えられます。

 

そして、胃が適正量の胃酸を作り出す能力を回復させるようにすることや、消化を助ける工夫をすることで胃の負担を軽減するように心がけることが大切です。

胃酸が不足しているとわかった時の対処法

胃酸が不足していても、いなくても、必ず心がけたいこと

 

これまで数回にわたって、胃酸の大切さについて書いてきました。(最初から読みたい方はこちら

ご自身の胃酸が不足しているとわかったら、ぜひ実践していただきたいことがあります。これは、胃酸が不足していない方にとっても大切なことです。

それは、食事に集中して、よく噛んで食べる!ということです。

 

咀嚼という行為は、食べ物を物理的に分解するだけでなく、消化酵素や胃酸を分泌するのを促進するため、非常に重要なものなのです。

 

忙しくて十分に食事時間を取れずに急いで食事をしていたり、テレビを見ながら、仕事をしながら、といった、「ながら食べ」をしている方は特に、要注意です。

食べ方によって、胃酸の分泌や、消化吸収力はだいぶ変わってきます。まずは、よく噛んで、食事に集中して食べるということを心がけましょう。落ち着いてゆっくりと食べれば、満腹感も起こりやすく、食べすぎを防ぐことにもつながります。

 

 

ストレスコントロールも大事!

 

また、ストレスが胃酸の分泌に与える影響も、とても大きいと考えられます。ストレスがあると身体が緊張し、胃酸の分泌を減らしてしまうのです。

「毎日忙しくて、ストレスを減らすなんて無理!!」という方も多くいらっしゃるかもしれません。

 

しかし、ストレスが身体に与えるダメージを知れば知るほど、いかに心の状態が私たちの身体の状態を関係しているかということを痛感させられます。

 

なるべく、頑張り過ぎを避け、ストレスをためないようにして、せめて食事の時間だけでも、ゆったりとした気持ちで食べることができるように心がけていきましょう!

 

また、胃酸の働きを助ける食材とサプリメントも参考にしてみてください。

 

 

 

胃酸の働きを助ける食材とサプリメント

 

レモン汁で消化力アップ!

 

昨日のブログで、簡単にできる胃酸の分泌状況チェック法を紹介しました。

明らかに胃酸の不足があるとわかった場合には、その原因を探り、適切な対処をしていくことが大切ですが、体質的に胃酸の出にくい方や、ストレスの影響などで一時的に胃酸が出にくくなって消化が悪くなっているときなどは、一番手っ取り早い方法として、レモン水を用いる方法があります。

レモン水の作り方は簡単!

レモン汁を大さじ1杯(15ml)に、45mlの水を入れて薄めます。このレモン水は、胃酸のpHと近いため、これを食事と一緒に摂ることで胃酸を補う効果が期待できます。飲み方は、一口食べたら一口レモン水を飲む、という要領で行い、食事の前半にレモン水を飲み切ってしまってOKです。

これは昨日のブログで紹介した、胃酸の分泌状況の自己チェック方法と要領ですね。

 

胃酸の分泌を促す食材

 

胃酸の分泌を直接刺激する作用があるといわれている成分を含む食材もあります。

 生姜、ゴーヤ、パセリ、ペパーミントなどです。これらの食材を意識的に食事に取り入れたり、食事の前にショウガ湯やペパーミントティーを飲むのもおすすめです。

 

たんぱく質の消化を助ける食材

 

たんぱく質が豊富な食事をする場合には、胃酸の必要性が増すため、胃酸が少ないと感じている方は特に注意が必要となります。そこで、直接的に胃酸分泌を刺激するだけでなく、消化を助けるためにもおすすめの食材があります。

それは、たんぱく質の消化のために必要な「酵素」を含む食材です。

酵素には様々な種類があり、たんぱく質の消化を助ける働きを持つ酵素は、「プロテアーゼ」と呼ばれます。

 

プロテアーゼを含む食材の例 →大根、キャベツ、ショウガ、玉ねぎ、パイナップル、キウイ など (加熱していないものに限る)

 

これらの食材には、栄養素の分解を助ける働きを持つ酵素が含まれています。

 

例えば、肉料理にレモン汁や生のキャベツを添えたり、大根おろしとともに食べたりするのは、味の面だけでなく、消化の面でも理にかなっていると言えます。

 

 尚、たんぱく質の消化に限らず、炭水化物の消化を助ける「アミラーゼ」や脂質の消化を助ける「リパーゼ」も、食物を分解する上で大切な働きをしています。

 ちなみに、生の食品に含まれている酵素は、ほどんどが48℃以上の温度で変性して活性を失ってしまうため、酵素の面だけで考えた場合には、生で摂ることが有効であると言えます。

 ただし、食材の中にどれだけの量の酵素が含まれているかなどについては、まだハッキリとわかっていない点も多いようです。それを科学的に検証するには、膨大な費用と時間を費やすだろうと言われています。食物の種類や栽培方法などによっても、含まれる酵素の力は変わってきます。また、生の食材には、酵素が含まれている反面、加熱されていない分、消化に時間がかかり実は胃腸に負担がかかることもある、という、逆の面も持ち合わせているとも言われています。

そのため、その人の体質にもよりますが、生の食材を取り入れるのもほどほどにした方が良い場合もあります。

 

消化に関する「体質」については、またの機会にお伝えしていきたいと思います!

 

消化酵素のサプリメントについて

 

食べ物の消化を助ける効果が期待できる、消化酵素サプリメントというものもあります。消化酵素サプリは、食後に胃がもたれる方や、胃腸の調子が悪い場合にも有効です。

 

これは、いわゆる「酵素ドリンク」とは異なり、食事と一緒に摂ることで消化酵素を補い、消化力の向上を助けるためのものです。

 

ちなみに、日本で一般的に健康食品として扱われている「酵素ドリンク」は、食品衛生法に基づく分類でいうと「清涼飲料水」にあたり、出荷前の段階で加熱処理をすることが法律で定められているため、酵素としての活性はほとんど失っていると考えられます。

 

中には非加熱のもの(粉末状のものなど)もあり、酵素をわずかに含んでいるものもあると言われていますが、これらも酵素ドリンクと同様、酵素自体が主成分になっているわけではありません。

 

しかし、だからといって「酵素ドリンク」を摂取する意味がないというわけではありません。

健康食品としての「酵素ドリンク」は、原材料をその食物のもつ酵素のチカラで発酵、熟成させることで、成分が分解されて低分子化しているので消化吸収されやすく、さらに発酵によって健康に役立つ有用菌も生まれていたりするので、これらの成分は消化器に負担をかけずに、栄養素や有効成分を身体に供給してくれるというメリットがあると言えるでしょう。

ただし、消化を助けるための消化酵素自体を補いたいのであれば、「酵素ドリンク」ではなく、「消化酵素サプリメント」が有効であるということです。

 

 

 

 

 

 

 

あなたの胃酸の量は足りていますか?

 

胃酸の量は自分でチェックできる?!

 

これまで数回に渡って、胃酸の重要性について書いてきました。

ここまで読んでいただいた方は、自分の胃酸が適切量分泌できているか、気になってきますよね。(最初から読みたい方はこちら

そこで今日は、自分の胃酸の分泌状況を自分でチェックする方法を紹介したいと思います。

 

栄養療法の進んでいるアメリカなどでは、胃酸の重要性がとても重視されており、胃酸の分泌量をチェックするための機器も普及しているそうです。

 

しかし、残念ながら、日本では、胃酸の重要性を認識している医療機関はまだまだ少なく、胃酸の分泌量を直接測定するような機器を持つ医療機関はありません。

 

ところが! 簡単に胃酸の分泌量をご自宅でチェックできる方法があります。

この方法は、最先端の栄養療法をレクチャーしている「栄養療法塾」を主宰する、佐藤章夫先生の講座でも紹介されており、実際に佐藤先生のクリニックでも患者さんに対して行ってもらっている方法だそうです。

 

胃酸の不足によって引き起こされる不調は実に様々ですが、直接的に引き起こされる症状としては、胃がもたれる、胃が痛む、胸焼け、膨満感、脱力感、眠気、おなかにガスがたまる、おなかがはる、ゲップなどがあります。

これらの症状が気になっているという方は、胃薬を飲む前に、まずは胃酸の分泌量のチェックをおこなってみると良いかもしれません。

(ただし、これはあくまでも自分で簡易にチェックを行うための方法であり、「診断」を行うためのものではありません。気になる症状が続く方は、別の原因が関係している場合も考えられますので、早めに医療機関を受診するようにしましょう。)

 

胃酸の分泌状況のチェック方法

1.レモン汁を大さじ1杯(15ml)に、45mlの水を入れて薄めます。

 2.食事を食べながら、レモン水を飲みます。チェックを行う場合は、たんぱく質などが十分に含まれる通常のメニューを食べます。一口食べたら一口レモン水を飲む、という要領で行い、食事の前半にレモン水を飲み切ってしまってOKです。

このレモン水は、胃酸のpHと近いため、これを食事と一緒に摂ることで、胃酸を補うのと同じ効果が得られるというわけです。

 3.食後2~3時間後に、自分の身体の状態をチェックし、判定します。

チェックの時に食べたものをメモしておくと尚良いです。一回だけではよくわからない場合もあるので、その場合は2~3回行ってみましょう。

 

判定

 ★胃が重く、不快感を覚えた場合→ 胃酸の分泌は、ある程度十分であると考えられます

 ★いつもよりスッキリすると感じたり、いつもより空腹感を感じり、疲れない、眠くならないと感じた場合→普段の胃酸の分泌量が不足している可能性があります

この方法は、とても手軽に自分で胃酸の分泌状態を調べることができる便利な方法ですが、中には、胃酸の量がとても少ないのにその状態が当たり前になってしまっていて、自分で調べても良くわからない、と感じる方もいらっしゃるようです。

 

(胃酸の状態を、もっと数値化して調べたい!という場合には、血液中のペプシノーゲンを検査するという方法もあります。)

 

胃酸の不足が逆流性食道炎や胃もたれ、胸やけなどを引き起こす理由

なぜ胃酸が足りないのに逆流性食道炎になるのか?

 

前回のブログで、「胃酸の不足が逆流性食道炎や胃もたれ、胸焼けの原因となっていることがある」と書きました。

 

それでは、なぜ、胃酸が不足していると、胃酸が食道まで逆流してきてしまったり、胃酸が過剰なように感じられたりすることがあるのでしょうか。

 

それは、胃酸には、「食道括約筋」という筋肉を働かせる役割もあることに起因します。

 

食道括約筋とは、食道と胃の境目にあり、胃酸が食道へ上がってくるのを防いでいる筋肉です。食道括約筋は、胃内のpHが胃酸のよって下がって強酸状態になると収縮して、食道と胃の通路を閉じる仕組みになっています。

 

中には、胃酸の分泌量が多すぎて、胸焼けや胃酸の逆流などが起こっているケースもありますが、胃酸の分泌量が少ないがために、食道括約筋の働きが弱くなってしまっていることがとても多いと言われています。

 

また、胃酸の刺激によって、消化物が小腸まで送られて、胃から先の消化を進めるためにも胃酸が不可欠となります。  胃酸の分泌量が少ないと、これらの機能が十分に働かなくなって、胃酸が食道まで逆流しやすくなったり、胃から腸へと食べ物が送られにくくなることによって、消化不良や膨満感を引き起こすことにつながります。 

 

胃の入り口や出口の筋肉は、加齢と共に弱くなってくるため、こういったトラブルは年齢を重ねるほど起こりやすくなると言われています。ただでさえ消化機能が弱くなっている所に、消化をコントロールしてくれるはずの胃酸を抑える薬を飲んでしまったら、ますます悪循環に陥ってしまう恐れがあるということです。  

 

従って、逆流性食道炎などの症状がある場合、できれば症状を抑える対処療法としてすぐに制酸剤(胃酸を抑える薬)を飲むのではなく、まずはご自身が十分な量を分泌できているのかどうかを知っておくべきであるといわれています。

 

もしも胃酸の分泌量が少ないということが分かった場合には、適正量の胃酸を作り出す能力を回復させるための対処をしていくことが望ましいと言えます。

 

 

胃酸不足によって様々な不調が起こりやすくなる!

 

その他にも、胃酸が不足すると、たんぱく質やビタミン・ミネラルの不足や、病原菌やバクテリアの増殖なども起こりやすくなります。

①たんぱく質の吸収力低下→ 貧血 、むくみ、筋力の低下、抵抗力の低下、イライラ、うつ、食欲不振、疲労、脱力、虚脱 など

②ビタミン・ミネラル吸収力低下→ 神経機能の低下、骨がもろくなる、抵抗力の低下、疲労、脱力 など

③病原菌・バクテリアの増殖によって起こること→ 胃炎、胃潰瘍、胃がん、カンジダ症 など

 

胃酸が不足すると、実に様々な不調を引き起こしやすくなってしまうのですね。

胃酸が不足する原因

尚、胃酸が不足する理由としては、様々な要因が考えられますが、もともと体質的に胃酸分泌が少ないタイプであったり、慢性ストレス、食生活、不適切なダイエット、加齢なども大きな要因となります。

 

また、長期的に糖質制限食を摂っていると、血糖値を上げる働きをもつ「グルカゴン」というホルモンの分泌が促進されると言われています。そして、グルカゴンは、血糖値を上げるだけでなく、胃酸を止める働きを持つとも言われています。従って、極端な糖質制限食を長期に渡って続けることは、重篤なⅡ型糖尿病などでない限り、あまりおすすめできません。

 

胃の調子が悪い時には、胃薬を飲んではいけない?!

逆流性食道炎や胃もたれ、胸やけの意外な原因とは

 

皆さんは、「逆流性食道炎」や「胸焼け」について、どのようなイメージをお持ちでしょうか。

 

「胃酸の量が多すぎて食道まで胃酸が上がってきてしまったり、胸が焼けるような不快を感じたりする症状だから、胃薬を飲んで胃酸を抑えることで、楽になる」

という考えが、一般的なものなのではないでしょうか。

私も、以前はそのような認識を持っていました。

 

確かに、この考え方は、間違いではありません。

胃酸の分泌量が多過ぎることが原因となって、胃酸の逆流や胸焼けが起こっているケースももちろんあります。

 

 しかし、それ以上に多いケースは、

「逆流性食道炎や胸焼けは、胃酸の過剰ではなくで、胃酸の不足によって起こっている」

ということなのです。

 

これはいったい、どういうことなのでしょうか。

 

胃酸の役割とは?

 

そもそも、胃酸とは、食べ物を消化するために必要なものなのですが、その働きは、ただ単に「胃の中の食べ物を消化するのを助ける」だけではなく、様々な役割を持っています。

胃酸の働きを簡単にまとめると、こんな感じです。

◇たんぱく質の消化に不可欠である。

◇強酸によって消化物を殺菌する。

◇膵臓や腸を刺激して、消化酵素を分泌させる。

◇腸内環境を整える

◇胃の入り口と出口の筋肉の働きを促進し、胃酸の逆流を防いだり、消化物を腸へ運ぶのを助けたりする。

◇ビタミン・ミネラルなどの吸収を助ける

 

つまり、胃酸は、食べたものをしっかりと消化吸収して、栄養素を身体の細胞にまで届け、私たちの健康を維持していくために、絶対にぜ~ったいに必要不可欠なものなのです。

そのため、胃酸が不足しているタイプの逆流性食道炎や胸やけに対して、胃酸を抑える働きのある制酸剤を用いると、食道まで逆流してきた胃酸が中和されて、一見症状が改善されたように感じられるかもしれませんが、根本的な解決にはなっておらず、むしろ更なる悪影響を及ぼす恐れすらあるのです。

 

次回のブログでは、胃酸の不足が逆流性食道炎を起こしたり胸焼けを引き起こす理由について、詳しく解説していきます。

 

消化吸収と〇〇が、健康へのカギ!

なぜ消化吸収が大切なのか?

 

前回のブログで、私たちの身体はもちろん、心も栄養からできている、というお話をしました。

だから、例えば、イライラしたり、うつ気味になったり、よく眠れなくなったり、といった問題も、実は栄養不足が原因であったりすることもあるわけです。

だったら、足りない栄養素をいっぱい食べて補えば、精神状態が良くなるのか?というと、必ずしもそれだけではうまくいかないことも多い。 “消化吸収と〇〇が、健康へのカギ!” の続きを読む

イライラや憂鬱の原因とは? 神経伝達物質と「心」の関係

「心」って、何からできている?!

 

突然ですが、「心」って、何でできていると思いますか??

ここでいう「心」とは、精神論やスピリチュアル的なことはさておき、脳の化学的な反応の結果として起こる感情や思考や気持ちなどのこととして考えてみたいと思います。 “イライラや憂鬱の原因とは? 神経伝達物質と「心」の関係” の続きを読む

食生活について考える。目からウロコ!の栄養セラピー

「何を食べるか」よりも大切なこと

 

さて、今日のテーマは、健康を維持するための栄養の考え方についてです。

食生活について考える時、皆さんは何を意識しますか?

まずは、「何を食べるか」そして「どのぐらいの量食べるか」を考えますよね。

でも、それだけでは十分ではないのです。

なぜなら、食べ物を口の中に入れただけでは、まだ、本当の意味で体内に入ったわけではないからです。

食べたものが体内で消化・吸収されて、適切な状態で細胞にまでしっかりと届けられて初めて、体内に入ったと言えるのです。

 言われてみれば、すごーく当たり前のことなのですが、つい見逃しがちな点でもあります。

 消化吸収に影響を与えるものとは、栄養素の摂取状況はもちろん、胃や腸の状態、内分泌腺の状態、体内の酵素の状態、精神状態などが複雑に絡み合っているので、単に「栄養所要量を満たしているからOK!」とはいかないのです。

また、その人の体質によっても、栄養状態は大きく変わってきます。

 人それぞれの遺伝情報や生活環境、食習慣、ストレス状態、子どもの頃から食べてきたものなど、人によって違いがあります。だから、誰かにとって良い方法でも、それが他の人にとって最適な方法とは限らないのです。

 つまり、人によって「体質」が違うので、その人に合った食事法や健康法も様々であるというわけです。

 そして、忘れてはならないのが、「心」の問題です。

 私たちの身体は、単に物質として存在しているのではなく、目には見えない「心」の状態から多大な影響を受け、健康状態が大きく左右されています。

心の状態によって、自律神経やホルモンバランス、そして、体内で日々作られている細胞の遺伝情報にまでも影響が及ぶため、このようなことが起こります。

 例えば、同じものを食べても、それが身体にとってプラスになるかマイナスになるかということも、その人の心の状態によって変わり得るということです。

また、どんなに良い食事を摂って健康的な生活を送っていたとしても、精神的ストレスが大きい時には体調を崩してしまうこともあります。

逆に、自分の身体の自律神経やホルモンバランスや細胞の状態によって、精神状態は大きく左右されます。まさに、心と身体は一心同体!

 だから、体の状態をより良くするには、食事を見直すだけでなく、「心」の影響を重要な要素の1つとして捉えながら、生活習慣全体を見直すことが、とても大切!!

 これらの点を踏まえた上で、食生活について考えていきたいと思います。