分子栄養学について。

「分子栄養学」ってなに??

 

今日は、私が今勉強中の「分子栄養学」について。

「分子栄養学」の考え方は、1960年代に、米国の化学者ライナス・ポーリング博士と、精神科医エイブラハム・ホッファー氏によって作られました。

正式には「分子整合栄養医学」(Ortho-Molecular Nutrition and Medicine)としてポーリング博士が名付けたものが、省略して「分子栄養学」と呼ばれています。ちなみにポーリング博士は、ノーベル化学賞・ノーベル平和賞と、二度のノーベル賞を受賞した天才化学者として知られているすごい方です。

 

従来の栄養学との違い

 

従来の栄養学は、「欠乏の栄養学」であると言われています。

ビタミンの摂取量では、ビタミン欠乏症にならない程度の量を摂ることが指導されます。

ビタミンは欠乏症を補うためのものなので、微量で十分、という考え方で、例えば、ビタミンCなら、壊血病にならない程度、ビタミンB1なら脚気にならない程度を摂れば良い、ということになります。

 

しかし、実際には、人それぞれ個人差があり、消化吸収力、ストレス状態、生活環境、年齢、病気など、様々な条件によって、必要とする栄養素量は大きく異なるはずです。

 

ポーリング博士は、栄養素の不足が病気を引き起こすので、それを十分補充することで、病態の改善が見込めるのではないかと提案しました。

 

分子栄養学と栄養療法

 

分子栄養学に基づいた栄養療法では、身体の中にある分子(栄養素)をその人にとって最適な濃度にまで到達させて、体内の組織(臓器)や細胞の分子構造を変化させたりすることで、身体の機能を向上させ病態を改善させる、という治療法が行われます。

例えば、栄養素の医学的効果を得るために、時には通常の数十倍~数百倍の量のビタミンを用いることもあります。

  

私は医者ではないので、「治療」という観点で栄養療法を行うことはもちろんできないわけですが、分子栄養学の知識を活用して今の体の状態を把握することで、身体の中でどんな栄養素が足りないのか、なぜその栄養素が足りなくなってしまったのかを知ることや、食事以外でも、ライフスタイルを改善したり、ストレスを軽減する方法を考えたり、アプローチできることはたくさんあります。

 

そんなわけで、私なりに、難しい言葉ではなく、誰にでもわかる言葉で、分子栄養学に関する情報もお伝えしていけたら良いなと思っています。

ピロリ菌が栄養不足を引き起こす?!

ピロリ菌と栄養障害

 

これまで数回に渡って、胃酸の話や胃の不調によって身体に及ぼす影響についてブログに書いてきましたが、胃のトピックの中で忘れてはならないのが、ピロリ菌に関する問題です。

 

ピロリ菌とは、胃の粘膜に生息する悪い菌で、胃がんや慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、萎縮性胃炎などの病気を引き起こすおそれがあるということでも知られています。

 

胃の中の菌は通常、胃の強酸によって殺菌されるのですが、ピロリ菌は「ウレアーゼ」という酵素を出していて、この酵素が胃の中の尿素を分解してアルカリ性のアンモニアを作り出し、ピロリ菌自身の周りを中和して胃の中で生き延びることができてしまうのです。

 

日本人に胃がんや胃潰瘍が多いのは、塩辛いものや熱いものが好きだからなどと言われることもありますが、それよりも大きな原因として考えられるのは、胃の中にピロリ菌を持った人が多いからであると言えます。

 

ピロリ菌は、胃の粘膜を委縮させて胃の働きを抑え込んでしまうことから、胃の粘膜障害と同じような状態になり、胃や十二指腸を痛めてしまうのですが、それだけでなく、ピロリ菌は栄養障害にも関係が深いと言われています。

 

その不調、もしかして、ピロリ菌のせい?!

日本でピロリ菌に感染している人はおよそ6000万人といわれており、特に50歳以上の人で感染率が高くなっています。中年以上にピロリ菌感染者が多いのは、井戸水が原因ではないかと言われていますが、衛生環境が整ったことによって、ピロリ菌に感染している割合は年々減少しており、若い世代では低くなってきていると報告されています。

とはいえ、若い人でも、栄養療法などを実施してもなかなか状態が良くならない方の場合、調べてみると、胃にピロリ菌を持っている人が多く、ピロリ菌除菌後に同じ方法で栄養療法を行うと、見違えるように症状が改善されるという報告もあるため、注意が必要です。

 

食生活を見直して体調を改善したいと考えた場合、まずはピロリ菌が胃にいないことが大前提になるといえます。

 

ピロリ菌の検査は、病院で採血をして調べてもらうこともできますし、自分で採血する検査キットも色々売られていて、簡単に調べることができます。

 

ただし、お医者様の話によると、血液結果で陰性だからといって、100%ピロリ菌の心配がないというわけではないとのこと。体内でピロリ菌に対する抗体を作る元気もない場合は、陰性になってしまうらしいΣ(゚д゚lll)

 

明らかに胃の調子が悪い場合は油断せずにしっかりと医療機関で検査をしてもらった方が良さそうです。

 

ピロリ菌の除菌

 

胃内のピロリ菌を除菌するには、病院で処方された抗生剤を一定期間飲むという方法が一般的ですが、抗生剤を飲む治療の一番の副作用は、薬の影響で腸内細菌のバランスが崩れ、下痢をはじめとする消化器症状を引き起こしてしまうことです。

その辺をしっかりと考慮してくれるクリニックでは、副作用を防止するために、除菌を行う一カ月ほど前から腸内細菌バランスを整えるサプリメントを処方してくれます。

 

いくら食べても太れない、胃潰瘍を繰り返す、食後の胸焼けを感じる、慢性胃炎である、しっかりと食べているのに栄養素の欠乏が見られる、などの症状が気になっている方は、胃酸の分泌状況の改善や精神的ストレスの軽減などだけでなく、ピロリ菌の感染も疑って、一度調べてみると良いかもしれません。

胃酸を抑える「制酸剤」の副作用

 

胃酸を抑える薬「制酸剤」について

 

今日のテーマは、制酸剤についてです。

 制酸剤(胃酸を抑える薬)は、胃酸が過剰に分泌されてしまうことによる不調を改善するための薬です。

胃液のpHを化学的に中和することで、胃や食道の粘膜を保護し、胸焼けなどの症状の緩和に用いられます。

 

一般には、制酸剤は副作用が少ない薬であると言われていますが、胃酸が過剰なわけではないのに、対処療法として制酸剤を飲むことは、たんぱく質の消化酵素などの生産に悪影響を与える恐れがあるため、注意が必要であると言われています。

 

これまでのブログを読んでくださった方は、胃酸がいかに大切かをおわかりいただいているかと思います。

 

胃酸を抑えることによって、たんぱく質の消化不十分だけでなく、炭水化物や脂質の消化力の低下や、ビタミン・ミネラルの吸収低下、さらに、腸内環境の悪化などによって、様々な不調を引き起こす恐れがあると考えられます。

 

以前のブログでも書いたように、胃の不調の原因となっているのが、実は胃酸の不足によって起こっているケースが多いということを考えると、胃薬を飲むことには慎重になるべきであると考えられます。

 

そして、胃が適正量の胃酸を作り出す能力を回復させるようにすることや、消化を助ける工夫をすることで胃の負担を軽減するように心がけることが大切です。

胃酸が不足しているとわかった時の対処法

胃酸が不足していても、いなくても、必ず心がけたいこと

 

これまで数回にわたって、胃酸の大切さについて書いてきました。(最初から読みたい方はこちら

ご自身の胃酸が不足しているとわかったら、ぜひ実践していただきたいことがあります。これは、胃酸が不足していない方にとっても大切なことです。

それは、食事に集中して、よく噛んで食べる!ということです。

 

咀嚼という行為は、食べ物を物理的に分解するだけでなく、消化酵素や胃酸を分泌するのを促進するため、非常に重要なものなのです。

 

忙しくて十分に食事時間を取れずに急いで食事をしていたり、テレビを見ながら、仕事をしながら、といった、「ながら食べ」をしている方は特に、要注意です。

食べ方によって、胃酸の分泌や、消化吸収力はだいぶ変わってきます。まずは、よく噛んで、食事に集中して食べるということを心がけましょう。落ち着いてゆっくりと食べれば、満腹感も起こりやすく、食べすぎを防ぐことにもつながります。

 

 

ストレスコントロールも大事!

 

また、ストレスが胃酸の分泌に与える影響も、とても大きいと考えられます。ストレスがあると身体が緊張し、胃酸の分泌を減らしてしまうのです。

「毎日忙しくて、ストレスを減らすなんて無理!!」という方も多くいらっしゃるかもしれません。

 

しかし、ストレスが身体に与えるダメージを知れば知るほど、いかに心の状態が私たちの身体の状態を関係しているかということを痛感させられます。

 

なるべく、頑張り過ぎを避け、ストレスをためないようにして、せめて食事の時間だけでも、ゆったりとした気持ちで食べることができるように心がけていきましょう!

 

 

 

胃酸の働きを助ける食材

 

レモン汁で消化力アップ!

 

昨日のブログで、簡単にできる胃酸の分泌状況チェック法を紹介しました。

明らかに胃酸の不足があるとわかった場合には、その原因を探り、適切な対処をしていくことが大切ですが、体質的に胃酸の出にくい方や、ストレスの影響などで一時的に胃酸が出にくくなって消化が悪くなっているときなどは、一番手っ取り早い方法として、レモン水を用いる方法があります。

レモン水の作り方は簡単!

レモン汁を大さじ1杯(15ml)に、45mlの水を入れて薄めます。このレモン水は、胃酸のpHと近いため、これを食事と一緒に摂ることで胃酸を補う効果が期待できます。飲み方は、一口食べたら一口レモン水を飲む、という要領で行い、食事の前半にレモン水を飲み切ってしまってOKです。

これは昨日のブログで紹介した、胃酸の分泌状況の自己チェック方法と要領ですね。

 

胃酸の分泌を促す食材

 

胃酸の分泌を直接刺激する作用があるといわれている成分を含む食材もあります。

 生姜、ゴーヤ、パセリ、ペパーミントなどです。これらの食材を意識的に食事に取り入れたり、食事の前にショウガ湯やペパーミントティーを飲むのもおすすめです。

 

たんぱく質の消化を助ける食材

 

たんぱく質が豊富な食事をする場合には、胃酸の必要性が増すため、胃酸が少ないと感じている方は特に注意が必要となります。そこで、直接的に胃酸分泌を刺激するだけでなく、消化を助けるためにもおすすめの食材があります。

それは、たんぱく質の消化のために必要な「酵素」を含む食材です。

酵素には様々な種類があり、たんぱく質の消化を助ける働きを持つ酵素は、「プロテアーゼ」と呼ばれます。

 

プロテアーゼを含む食材の例 →大根、キャベツ、ショウガ、玉ねぎ、パイナップル、キウイ など (加熱していないものに限る)

 

これらの食材には、栄養素の分解を助ける働きを持つ酵素が含まれています。

 

例えば、肉料理にレモン汁や生のキャベツを添えたり、大根おろしとともに食べたりするのは、味の面だけでなく、消化の面でも理にかなっていると言えます。

 

 尚、たんぱく質の消化に限らず、炭水化物の消化を助ける「アミラーゼ」や脂質の消化を助ける「リパーゼ」も、食物を分解する上で大切な働きをしています。

 ちなみに、生の食品に含まれている酵素は、ほどんどが48℃以上の温度で変性して活性を失ってしまうため、酵素の面だけで考えた場合には、生で摂ることが有効であると言えます。

 ただし、食材の中にどれだけの量の酵素が含まれているかなどについては、まだハッキリとわかっていない点も多いようです。それを科学的に検証するには、膨大な費用と時間を費やすだろうと言われています。食物の種類や栽培方法などによっても、含まれる酵素の力は変わってきます。また、生の食材には、酵素が含まれている反面、加熱されていない分、消化に時間がかかり実は胃腸に負担がかかることもある、という、逆の面も持ち合わせているとも言われています。

そのため、その人の体質にもよりますが、生の食材を取り入れるのもほどほどにした方が良い場合もあります。

 

消化に関する「体質」については、またの機会にお伝えしていきたいと思います!

 

消化酵素のサプリメントについて

 

食べ物の消化を助ける効果が期待できる、消化酵素サプリメントというものもあります。消化酵素サプリは、食後に胃がもたれる方や、胃腸の調子が悪い場合にも有効です。

 

これは、いわゆる「酵素ドリンク」とは異なり、食事と一緒に摂ることで消化酵素を補い、消化力の向上を助けるためのものです。

 

ちなみに、日本で一般的に健康食品として扱われている「酵素ドリンク」は、食品衛生法に基づく分類でいうと「清涼飲料水」にあたり、出荷前の段階で加熱処理をすることが法律で定められているため、酵素としての活性はほとんど失っていると考えられます。

 

中には非加熱のもの(粉末状のものなど)もあり、酵素をわずかに含んでいるものもあると言われていますが、これらも酵素ドリンクと同様、酵素自体が主成分になっているわけではありません。

 

しかし、だからといって「酵素ドリンク」を摂取する意味がないというわけではありません。

健康食品としての「酵素ドリンク」は、原材料をその食物のもつ酵素のチカラで発酵、熟成させることで、成分が分解されて低分子化しているので消化吸収されやすく、さらに発酵によって健康に役立つ有用菌も生まれていたりするので、これらの成分は消化器に負担をかけずに、栄養素や有効成分を身体に供給してくれるというメリットがあると言えるでしょう。

 

ただし、消化を助けるための消化酵素自体を補いたいのであれば、「酵素ドリンク」ではなく、「消化酵素サプリメント」が有効であるということです。

 

次回は、制酸剤の副作用についてです。

 

 

 

 

あなたの胃酸の量は足りていますか?

 

胃酸の量は自分でチェックできる?!

 

これまで数回に渡って、胃酸の重要性について書いてきました。

ここまで読んでいただいた方は、自分の胃酸が適切量分泌できているか、気になってきますよね。(最初から読みたい方はこちら

そこで今日は、自分の胃酸の分泌状況を自分でチェックする方法を紹介したいと思います。

 

栄養療法の進んでいるアメリカなどでは、胃酸の重要性がとても重視されており、胃酸の分泌量をチェックするための機器も普及しているそうです。

 

しかし、残念ながら、日本では、胃酸の重要性を認識している医療機関はまだまだ少なく、胃酸の分泌量を直接測定するような機器を持つ医療機関はありません。

 

ところが! 簡単に胃酸の分泌量をご自宅でチェックできる方法があります。

この方法は、最先端の栄養療法をレクチャーしている「栄養療法塾」を主宰する、佐藤章夫先生の講座でも紹介されており、実際に佐藤先生のクリニックでも患者さんに対して行ってもらっている方法だそうです。

 

胃酸の不足によって引き起こされる不調は実に様々ですが、直接的に引き起こされる症状としては、胃がもたれる、胃が痛む、胸焼け、膨満感、脱力感、眠気、おなかにガスがたまる、おなかがはる、ゲップなどがあります。

これらの症状が気になっているという方は、胃薬を飲む前に、まずは胃酸の分泌量のチェックをおこなってみると良いかもしれません。

(ただし、これはあくまでも自分で簡易にチェックを行うための方法であり、「診断」を行うためのものではありません。気になる症状が続く方は、別の原因が関係している場合も考えられますので、早めに医療機関を受診するようにしましょう。)

 

胃酸の分泌状況のチェック方法

1.レモン汁を大さじ1杯(15ml)に、45mlの水を入れて薄めます。

 2.食事を食べながら、レモン水を飲みます。チェックを行う場合は、たんぱく質などが十分に含まれる通常のメニューを食べます。一口食べたら一口レモン水を飲む、という要領で行い、食事の前半にレモン水を飲み切ってしまってOKです。

このレモン水は、胃酸のpHと近いため、これを食事と一緒に摂ることで、胃酸を補うのと同じ効果が得られるというわけです。

 3.食後2~3時間後に、自分の身体の状態をチェックし、判定します。

チェックの時に食べたものをメモしておくと尚良いです。一回だけではよくわからない場合もあるので、その場合は2~3回行ってみましょう。

 

判定

 ★胃が重く、不快感を覚えた場合→ 胃酸の分泌は、ある程度十分であると考えられます

 ★いつもよりスッキリすると感じたり、いつもより空腹感を感じり、疲れない、眠くならないと感じた場合→普段の胃酸の分泌量が不足している可能性があります

この方法は、とても手軽に自分で胃酸の分泌状態を調べることができる便利な方法ですが、中には、胃酸の量がとても少ないのにその状態が当たり前になってしまっていて、自分で調べても良くわからない、と感じる方もいらっしゃるようです。

 

胃酸の状態を、もっと数値化して調べたい!という場合には、血液中のペプシノーゲンを検査するという方法もあります。

それについては、また今度!

胃酸の不足が逆流性食道炎や胃もたれ、胸やけなどを引き起こす理由

なぜ胃酸が足りないのに逆流性食道炎になるのか?

 

前回のブログで、「胃酸の不足が逆流性食道炎や胃もたれ、胸焼けの原因となっていることがある」と書きました。

 

それでは、なぜ、胃酸が不足していると、胃酸が食道まで逆流してきてしまったり、胃酸が過剰なように感じられたりすることがあるのでしょうか。

 

それは、胃酸には、「食道括約筋」という筋肉を働かせる役割もあることに起因します。

 

食道括約筋とは、食道と胃の境目にあり、胃酸が食道へ上がってくるのを防いでいる筋肉です。食道括約筋は、胃内のpHが胃酸のよって下がって強酸状態になると収縮して、食道と胃の通路を閉じる仕組みになっています。

 

中には、胃酸の分泌量が多すぎて、胸焼けや胃酸の逆流などが起こっているケースもありますが、胃酸の分泌量が少ないがために、食道括約筋の働きが弱くなってしまっていることがとても多いと言われています。

 

また、胃酸の刺激によって、消化物が小腸まで送られて、胃から先の消化を進めるためにも胃酸が不可欠となります。  胃酸の分泌量が少ないと、これらの機能が十分に働かなくなって、胃酸が食道まで逆流しやすくなったり、胃から腸へと食べ物が送られにくくなることによって、消化不良や膨満感を引き起こすことにつながります。 

 

胃の入り口や出口の筋肉は、加齢と共に弱くなってくるため、こういったトラブルは年齢を重ねるほど起こりやすくなると言われています。ただでさえ消化機能が弱くなっている所に、消化をコントロールしてくれるはずの胃酸を抑える薬を飲んでしまったら、ますます悪循環に陥ってしまう恐れがあるということです。  

 

従って、逆流性食道炎などの症状がある場合、できれば症状を抑える対処療法としてすぐに制酸剤(胃酸を抑える薬)を飲むのではなく、まずはご自身が十分な量を分泌できているのかどうかを知っておくべきであるといわれています。

 

もしも胃酸の分泌量が少ないということが分かった場合には、適正量の胃酸を作り出す能力を回復させるための対処をしていくことが望ましいと言えます。

 

 

胃酸不足によって様々な不調が起こりやすくなる!

 

その他にも、胃酸が不足すると、たんぱく質やビタミン・ミネラルの不足や、病原菌やバクテリアの増殖なども起こりやすくなります。

①たんぱく質の吸収力低下→ 貧血 、むくみ、筋力の低下、抵抗力の低下、イライラ、うつ、食欲不振、疲労、脱力、虚脱 など

②ビタミン・ミネラル吸収力低下→ 神経機能の低下、骨がもろくなる、抵抗力の低下、疲労、脱力 など

③病原菌・バクテリアの増殖によって起こること→ 胃炎、胃潰瘍、胃がん、カンジダ症 など

 

胃酸が不足すると、実に様々な不調を引き起こしやすくなってしまうのですね。

胃酸が不足する原因

尚、胃酸が不足する理由としては、様々な要因が考えられますが、もともと体質的に胃酸分泌が少ないタイプであったり、慢性ストレス、食生活、不適切なダイエット、加齢なども大きな要因となります。

 

また、長期的に糖質制限食を摂っていると、血糖値を上げる働きをもつ「グルカゴン」というホルモンの分泌が促進されると言われています。そして、グルカゴンは、血糖値を上げるだけでなく、胃酸を止める働きを持つとも言われています。従って、極端な糖質制限食を長期に渡って続けることは、重篤なⅡ型糖尿病などでない限り、あまりおすすめできません。

 

胃の調子が悪い時には、胃薬を飲んではいけない?!

逆流性食道炎や胃もたれ、胸やけの意外な原因とは

 

皆さんは、「逆流性食道炎」や「胸焼け」について、どのようなイメージをお持ちでしょうか。

 

「胃酸の量が多すぎて食道まで胃酸が上がってきてしまったり、胸が焼けるような不快を感じたりする症状だから、胃薬を飲んで胃酸を抑えることで、楽になる」

という考えが、一般的なものなのではないでしょうか。

私も、以前はそのような認識を持っていました。

 

確かに、この考え方は、間違いではありません。

胃酸の分泌量が多過ぎることが原因となって、胃酸の逆流や胸焼けが起こっているケースももちろんあります。

 

 しかし、それ以上に多いケースは、

「逆流性食道炎や胸焼けは、胃酸の過剰ではなくで、胃酸の不足によって起こっている」

ということなのです。

 

これはいったい、どういうことなのでしょうか。

 

胃酸の役割とは?

 

そもそも、胃酸とは、食べ物を消化するために必要なものなのですが、その働きは、ただ単に「胃の中の食べ物を消化するのを助ける」だけではなく、様々な役割を持っています。

胃酸の働きを簡単にまとめると、こんな感じです。

◇たんぱく質の消化に不可欠である。

◇強酸によって消化物を殺菌する。

◇膵臓や腸を刺激して、消化酵素を分泌させる。

◇腸内環境を整える

◇胃の入り口と出口の筋肉の働きを促進し、胃酸の逆流を防いだり、消化物を腸へ運ぶのを助けたりする。

◇ビタミン・ミネラルなどの吸収を助ける

 

つまり、胃酸は、食べたものをしっかりと消化吸収して、栄養素を身体の細胞にまで届け、私たちの健康を維持していくために、絶対にぜ~ったいに必要不可欠なものなのです。

そのため、胃酸が不足しているタイプの逆流性食道炎や胸やけに対して、胃酸を抑える働きのある制酸剤を用いると、食道まで逆流してきた胃酸が中和されて、一見症状が改善されたように感じられるかもしれませんが、根本的な解決にはなっておらず、むしろ更なる悪影響を及ぼす恐れすらあるのです。

 

次回のブログでは、胃酸の不足が逆流性食道炎を起こしたり胸焼けを引き起こす理由について、詳しく解説していきます。

 

消化吸収と〇〇が、健康へのカギ!

なぜ消化吸収が大切なのか?

 

前回のブログで、私たちの身体はもちろん、心も栄養からできている、というお話をしました。

だから、例えば、イライラしたり、うつ気味になったり、よく眠れなくなったり、といった問題も、実は栄養不足が原因であったりすることもあるわけです。

だったら、足りない栄養素をいっぱい食べて補えば、精神状態が良くなるのか?というと、必ずしもそれだけではうまくいかないことも多い。

 

 なぜなら、胃や腸の状態が悪ければ、せっかく食べても食べたものをしっかりと消化吸収できないし、体内でうまく利用することができないからです。また、精神的ストレスが強過ぎる状態では、どんなに栄養素を補っても追いつかず、いくら身体に良いことをしていたとしても、やはり体調を崩してしまいます。

 

特に胃や腸の状態は、自分でも気が付いていなくても、実は胃酸や消化酵素の量が少なすぎたり、腸内環境が悪かったり、といった問題が潜んでいることが非常に多いものです。

 

体調を万全に整えるためには、食生活を見直し、ストレスをなくし、胃と腸の状態を整え、体内の炎症を取り除き、重金属をデトックスして、遺伝的にリスクがある場合はそこを補って、、、

という感じになるのでしょうけれども、いざいきなり全部やろうとしても、うまくいくものではありません。

 

そこで、とりあえず、今日は一番簡単でてっとり早くできる方法を一つだけ挙げたいと思います。

 

それは、ものすごーく基本的なことですが、

よく噛んで食べる。

ということです!

 

「なあんだ。そんなことか。」

と、思った方こそ、もしかしたら、あまり噛まずに食べてしまっているかもしれません!!

ーく噛んで食べよう!

食べ物をしっかりと消化、吸収することは、何よりも大切なことのうちの一つです。消化吸収のためにはもちろん、胃腸の状態を整える必要がありますが、意外と忘れがちなのが、消化の第一段階である咀嚼。

咀嚼によって、食べたものを物理的に分解すると同時に、唾液アミラーゼによって化学的にも消化を助けるだけでなく、さらに、噛むことが刺激となって胃での消化酵素や胃酸を出すことを誘発することにもつながります。特に、日本人は胃酸の量が少なく消化が弱い人が多く、年齢と共に消化力が落ちていくことを考えると、まずはしっかり噛むということはかなり重要です。

 

まずは、自分が一口につき何回ぐらい噛んで食べているか、意識してみましょう。

もしも、あまり噛まずに飲み込んでしまっていると気が付いた場合は、一口につき少なくとも20回、できれば30回ぐらいは噛むように心がけてみてください!!

 

次回のブログからは、適切な消化吸収のために重要な、「胃」をテーマにしていきたいと思います。

イライラや憂鬱の原因とは? 神経伝達物質と「心」の関係

「心」って、何からできている?!

 

突然ですが、「心」って、何でできていると思いますか??

ここでいう「心」とは、精神論やスピリチュアル的なことはさておき、脳の化学的な反応の結果として起こる感情や思考や気持ちなどのこととして考えてみたいと思います。

脳の中には、膨大な数の脳神経細胞があることはよく知られていますよね。

この神経細胞どうしは直接つながっているのではなく、細胞と細胞の間にはごくごく小さな隙間があります。

そこに「神経伝達物質」と呼ばれる特別な化学物質が神経細胞から放出され、次の神経細胞を刺激することで、電気信号が伝わっていくという仕組みになっています。

その反応によって、私たちの思考や感情が起こり、行動することができます。

ところが、放出される神経伝達物質の量が過剰になったり不足したりすると、信号を正しく伝えることができなくなり、脳の働きのバランスが崩れ、身体や精神状態に影響を与えることになるのです。

 

「神経伝達物質」と聞くと、なんだか難しそうですが…

 

「GABA」とか、「ドーパミン」とか、「セロトニン」etc.

といった言葉を、皆さんも聞いたことがあるかと思います。

 

そう、これらも、「神経伝達物質」の一種なのです。

 

そして、「神経伝達物質」の原料となるのは、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、その他の天然の物質。これらは言うまでもなく、私たちが食べたものから得た栄養素です。

 

もちろん、脳の神経細胞そのものも、栄養素から作られます。

 

つまり、私たちの身体はもちろん、心も栄養からできている!!ということもできるのです。

 

だから、なんだか最近妙にイライラする、とか、憂鬱で眠れない、とか、そんな悩みがある方も、もしかしたら、栄養状態や、腸内環境が影響しているのかもしれません。

 

分子栄養学と栄養療法

 

食生活や胃腸の状態だけでなく、炎症、重金属の問題なども、とても重要な問題です。

遺伝的に精神的な不調が起こりやすい体質の方もいらっしゃるといわれています。

分子栄養学では、それらの問題を一つ一つ良くしていくために、カウンセリングをしたり、身体の状態を知るために血液検査(または毛髪検査や尿検査や便検査)などを行って、食事を見直したり、サプリメントを使用したり、様々な方法でアプローチを行っていくわけです。

 

「分子栄養学」を勉強すると、精神的トラブルがある場合に、副作用の多い薬に頼るだけでなく、もっとできることがあるということがわかります。また、深刻なうつや精神的な問題を持つ方にとっては、薬を全てやめるというのはなかなか難しいかもしれないが、薬を減らすことは可能であると言われているそうです。

 

最近読んでいる、「栄養素のチカラ」という本(ウィリアムウォルシュ博士 著)には、うつ病をはじめとする精神疾患(統合失調症、自閉症、ADHD、アルツハイマー病など)のタイプ分類の方法や、副作用の少ない栄養療法について書かれていて、非常に興味深いです。

 

この分野の研究がさらに進み、もっと広く認知されるようになれば、精神疾患や、その薬の副作用で苦しむ人をかなり減らすことができることでしょう。

「分子栄養学」の更なる発展に期待です!!