ビタミンCサプリの摂り方のコツ

ビタミンCの一日の必要量はどれぐらい?

 

ビタミンCをしっかり摂ると、美容や健康に役立つと言われていますが、実際にどのぐらいの量を摂れば良いのでしょうか。

厚生労働省が定めたビタミンCの一日の所要量は100㎎とされています。これは欠乏症である壊血病を防ぐために最低限必要な量です。これは、野菜や果物など、食事から摂るべき量と考えると良いでしょう。

それに加えて、さらに健康増進や美容効果を期待する場合は、意識的にもっとたくさんのビタミンCを摂った方が良いと言われています。

美容目的や健康増進を目的として摂る場合の摂取量は、個人差はありますが一日500㎎~2000㎎程度であると言われています。これだけの量を食事だけから摂るというのはかなり無理がありますので、ここでサプリメントの出番です。

 

ビタミンCサプリの必要性について

しかし、そもそも栄養摂取は食事から摂るのが基本と言われているのに、わざわざサプリメントでビタミンCを摂る必要が本当にあるのでしょうか?この疑問に対して、栄養療法の世界的権威であるジョナサンライト医師は、「ビタミンC欠乏は、人間の遺伝的宿命である」としています。→詳しくはこちら

特に、「ビタミンCをたくさん摂るべき人」に当てはまる方は、意識的にビタミンC摂取量を増やしたほうが良いと考えられます。

ビタミンCのおすすめの摂り方

ビタミンCサプリを摂るのには、ちょっとしたコツがあります。

ビタミンCは一度にたくさん摂っても吸収されにくくなってしまいますので、一日の摂取量を3回に分け、三度の食事の時にとるのがおすすめです。

食事のすぐ後に摂ることで、ビタミンCの働きで鉄分や亜鉛など重要なミネラルの吸収も助けてくれますし、胃に食べ物が入っている状態であればビタミンCの酸が下痢を起こす心配もありません。

ビタミンCサプリには錠剤や粉末などいろいろなタイプがありますが、個人的には何も混ぜ物の入っていない純粋な結晶のビタミンC(粉末=ピュアクリスタル)が好きです。炭酸水に混ぜて飲んだり、そのままスプーンに入れて水と一緒にパフっと飲んでしまうこともあります。ただし、その場合はビタミンCの酸が直接歯につかないように、舌の真ん中に入れる感じにしています(笑)

ミキサーで果物ジュースを作る方は、ビタミンCの粉末を振りかけてから作れば果物のビタミンC破壊を防いでくれますし、醤油に混ぜて酢醤油ならぬビタミンC醤油にすることもできます。焼酎の水割りに入れるのもおすすめです。

他にも、工夫次第で色々な使い方ができそうですよね(*^^*)

 

 

次回は、ビタミンCサプリの副作用についてです。

 

 

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ビタミンCをたくさん摂るべき人とは?

 

体内でビタミンCを作ることができない私たち人間にとって、ビタミンCを食事から摂取することは欠かせません。

ビタミンCの必要量を増大させる要因はたくさんあり、体調や状況に合わせてビタミンCを意識的にたくさん摂ることで健康増進に役立つということがわかっています。

それでは、どんな時にビタミンCをたくさん摂った方が良いのでしょうか。

こんな時は特に、身体がビタミンCをたくさん必要としている

①ストレスが大きい時・疲れているとき

ビタミンCはストレス時にたくさん消耗されます。なぜなら、ストレスに対応するために分泌されるホルモンを作るためにビタミンCが大量に必要とされるからです。(詳しくはこちら

ある動物実験によると、ストレスのない時とある時ではビタミンCの消費量が3~8倍にもなるという結果がでているそうです。

また、ストレスが多い時には細胞が活性酸素の害を受けやすく、体内の抗酸化力も低下しています。そのような時には、抗酸化ビタミンとしても働くビタミンCが役立ちます。体内の細胞の酸化ストレス状態や、身体の抗酸化力は、血液検査の「間接ビリルビン」「尿酸値」などからも推測することができますので、健康診断等の結果が手元にある方はぜひチェックしてみてください。

さらに、ビタミンCは脂肪酸を燃やしてエネルギーを発生させるためにも欠かせないので、ビタミンCが不足するとエネルギーを作りにくくなり、疲れやすくなってしまいます。

疲れているときや、精神的または肉体的にストレスを感じているときは特に、ビタミンCを積極的に摂るようにしましょう。

 

②飲酒する人

ビタミンCは血液中のアルコールの排泄促進のためにも働きます。また、肝臓のアルコール代謝を助け、肝臓をサポートしてくれる働きもあります。つまり、アルコールをたくさん飲むと、それだけビタミンCがたくさん使われることになります。そのため、お酒を呑む時にはビタミンCを多めに摂ると、悪酔いや二日酔いの予防効果が期待できます。

③汗をたくさんかくとき

激しい運動や労働によって大量の汗をかくと、その汗とともにビタミンCも失われていきます。もちろん、汗とともに重要なミネラル分も失われるので、補給がかかせません。

④病気の時

病気で身体が弱っているときも、ビタミンCがたくさん必要となります。例えば、ガン患者はビタミンCが著しく減るということがわかっています。ガンに限らず、病気で免疫力が弱っているときは、身体の自然治癒力を高めるためにビタミンCが有効であると考えられます。

⑤妊娠中・授乳中の女性

妊娠によって、必要エネルギーが増加し、当然ビタミンやミネラルの生理的な必要量も増えます。また、授乳を通して乳児に栄養素が移行しますので、妊娠中や授乳中はビタミンCに限らず、しっかりとビタミン・ミネラルを補給することが大切です。

⑥喫煙者

喫煙することによって、体内のビタミンCが消耗されますので、需要量も増えます。なぜなら、有害物質を解毒するためにもビタミンCが使われるからです。さらに、喫煙者は腸管におけるビタミンCの吸収も悪くなってしまうこともわかっています。

⑦高齢者

ビタミンCはアンチエイジングにも欠かせないということでもよく知られていますが、加齢に伴い、体内のビタミンCが減っていくことがわかっています。それは、老化に伴い食事量の減少や腸管からの吸収力の低下、各組織のビタミンC保持能力の低下などが起こるからです。特に、長期入院中の高齢者のビタミンC減少は顕著で、そのような高齢者にビタミンCをしっかり摂らせるとアルブミン(血液中のたんぱく質)が増え、体重の増加、皮膚の内出血の減少が見られ、身体の状態が改善されてくるというデータもあるようです。

⑧薬を常用する人

ビタミンCには有害物質を解毒する作用がありますが、これは薬でも同じで、科学的に合成された薬が身体に入ってくると、身体はそれを体外に排泄しようとするメカニズムが働き、ビタミンCが消耗されます。実際、長期間にわたって薬を服用している人は、薬の種類によっても程度は異なりますが身体のビタミンCが減少するということが分かっています。ちなみに、アメリカでは、薬を常用する人はビタミンCも一緒に摂るのが常識なのだそうです。

 

このように、生活の様々な場面でビタミンCは必要とされています。ビタミンCを十分摂ることはとても大切なことですが、もちろん、ビタミンCが健康のすべてありません。食事の基本となる三大栄養素(糖質・脂質・たんぱく質)に加え、不足しがちなビタミンミネラルや食物繊維を食事からしっかりと摂った上で、ビタミンCを積極的に摂ることを心がけたいですね。

 

次回は、ビタミンCサプリの上手な摂り方について説明したいと思います。

 

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ビタミンCの錠剤にビタミンB2とカルシウムが入っている理由

ビタミンCの色は黄色??

 

美容と健康のために欠かせないビタミンC。栄養素は食事から摂るのが基本ですが、よりビタミンCの健康効果を得るために、サプリメントや医薬品を利用している方も多いと思います。

ビタミンCの錠剤は、だいたい黄色い色をしています。よく見かけるビタミンCのドリンクも黄色です。「ビタミンCといえばレモン」のイメージ通りの色ですね。

ということは、ビタミンCの色は黄色なのでしょうか。

 

ところが、、、粉末状になった純粋なビタミンCを見てみると、黄色ではなく、色は白です。つまり、ビタミンCのサプリやドリンクは、着色料を使用しているのでしょうか?

そこで、ビタミンC製品でも有名な「タケダ」の「ビタミンCタケダ」(第三類医薬品)を詳しく見てみると、含まれている成分は「ビタミンC・カルシウム(アスコルビン酸カルシウム)・ビタミンB2」となっており、着色料らしきものは入っていません。

これはいったいどういうことなのでしょうか??

 

ビタミンCの錠剤に含まれる色素の正体

実は、ビタミンCの錠剤の黄色の正体は、ビタミンCの色ではなくビタミンB2の色なのです。「チョコラBB」など、ビタミンBの錠剤を飲むと尿が黄色くなるという経験をしたことがあるという方もいらっしゃると思いますが、あれはビタミンB2の色素が尿中に排泄されている状態です。

実は、ビタミンC製品にビタミンB2が添加されているのは、「ビタミンCと言えばレモン」のイメージを忠実に再現するために黄色い色を付けるというのがメインの目的なのです。

ちなみに、本物のレモンのあの黄色い色はビタミンB2の色ではなく、「エリオシトリン」と呼ばれるレモン特有のポリフェノールの色です。

 

ビタミンCにカルシウムを添加する理由

ところで、「ビタミンCタケダ」に限らず、ビタミンCの錠剤にカルシウムも添加されている製品も良く見かけますが、これも何かわけがあるのでしょうか?それともただ単に、「不足しがちなカルシウムをプラスして栄養補給」的な目的で添加しているのでしょうか??

実は、これにもちゃんと理由があります。

それは、ビタミンCにアルカリ性のカルシウムを加えることで、ビタミンCの酸度を抑え、酸味を抑えているのです。実際、ビタミンCの原末を舐めてみると、かなり酸っぱい味がします。この酸味が苦手でビタミンCを摂るのに抵抗があるという場合も、これなら問題なくビタミンCを摂ることができます。中にはビタミンCの酸によって下痢を起こしやすい人もいますが、それも防いでくれます。

ただ、少量ではあるものの、あえてカルシウムを摂りたくない!という考え方もあると思いますので、そのような場合は何も添加されていない純粋なビタミンC粉末を摂ると良いでしょう。

ストレスが多い時や、疲れて体力・免疫力が落ちているときなどは特に、しっかり補給したいビタミンC。サプリメント(または医薬品)などを上手に利用して、健康な体を維持していきましょう!

 

 

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ポリフェノールサプリメントの害について

ポリフェノールとは

ポリフェノールとは、植物に含まれる色素や苦味の成分で、ほとんどの植物に存在します。ポリフェノールの種類は5000種類以上もあるとも言われています。

例えば、緑茶のカテキン、ブルーベリーのアントシアニン、生姜に含まれるショウガオール、カカオに含まれるカカオポリフェノールなどが有名ですよね。

お酒を呑む人に人気のウコンの主成分であるクルクミンも、ポリフェノールの一種です。

ポリフェノールには強い抗酸化作用があり、ストレスや過労、加齢などによって起こる酸化の害を防ぎ、身体を疲れにくくしてくれたり、老化を遅らせたりする効果が期待できると言われています。また、種類によってそれぞれ独自の機能があることも分かっています。

 

ポリフェノールサプリの過剰摂取がなぜ害になる?

ポリフェノールを積極的に摂取することは、身体にとって様々な良い効果をもたらすことが期待できる反面、ポリフェノールサプリなどの過剰摂取によって逆に悪影響を与えてしまうこともあるという報告もあり、注意が必要であると言われています。

なぜなら、ポリフェノールは体内で代謝されてフェノールという物質に変化します。フェノールは毒性のある物質なので、体内のフェノールが過剰になると様々な弊害が出てきます。特に、ストレス状態にある人や、代謝機能が滞っている人は、フェノールを代謝できずにこの悪影響を受けやすい状態になっているので要注意。代謝機能が滞る原因としては、様々なことが関係していますが、ストレスや、それによる消化機能の不調、腸内環境の悪化などは大きな影響を与える要素となります。

ポリフェノールの過剰によって起こる症状と対策

ポリフェノールの過剰によって起こる症状としては、疲労感や血糖コントロール能力の低下、情緒不安定、不眠などが挙げられます。

これらは副腎疲労と似たような症状ですね。

原因不明の体調不良を感じていて、ポリフェノールをたくさん摂り過ぎているような場合は、いったんポリフェノールを控えて2週間ぐらい様子を見てみると良いでしょう。

ただし、不調の原因は一つだけでないことの方が多いため、ポリフェノールをやめることで症状が完全に良くなるパターンは少ないかもしれなせん。また、ポリフェノールの抗酸化作用による恩恵もあるため、もちろん「ポリフェノール=悪者」というわけではありません。

とはいえ、ポリフェノールによる悪影響も十分に考えられることから、長期的に多量のポリフェノールばいのサプリを摂ることに関しては注意が必要であると言われています。

 

ポリフェノールに限らず、ただやみくもにサプリメントを摂るのではなく、自分の体調を見ながら、量や摂り方を調節しながら取り入れていくのはとても大切なことですよね!

 

 

 

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片頭痛が母親から娘へ遺伝しやすい理由

片頭痛と酸化ストレスの関係

私たちの身体は、生きるために必要なエネルギー(ATP)を作り出すと時に酸素を使っています。この時、細胞の中でATPを生み出すエネルギー工場であるミトコンドリア内では、活性酸素が発生します。

活性酸素は生きていくうえで避けられないものですし、ウイルスなどを撃退するという良い働きもあるのですが、活性酸素が過剰に産生されると、脳の血管や脳細胞にも活性酸素が作用して、痛みを引き起こす生理活性物質の発生を促進します。これを、「酸化ストレスが強い状態」といいます。

ミトコンドリア活性がもともと低い人は代謝活性が低いので活性酸素も発生しやすく、酸化ストレスが強くなり、ちょっとした血流の変化によっても片頭痛などの症状も起こりやすくなってしまいます。

 

「疲れやすい」や「頭痛」は、母親の遺伝?!

片頭痛に悩む方の中には、母親も頭痛持ちだったり、母親が身体が弱く、その体質が自分にも遺伝していると感じている方が結構いらっしゃるようです。その理由の一つに、ミトコンドリアの遺伝が関係していると考えられます。

ミトコンドリアは独自のDNAを持っており、精子に含まれるミトコンドリアはすべて死滅し、卵子に含まれるミトコンドリアのDNAだけが子どもへと受け継がれるということが分かっています。つまり、ミトコンドリア機能に関しては、100%が母親からの遺伝ということになるのです。

ミトコンドリア機能が低いということは、エネルギーを生み出す力が弱いということですので、疲れやすいと感じたり、様々な不調を引き起こしやすい状態であると言えます。

特に、男性に比べて女性のほうが脳内のセロトニン合成量が少ないため、片頭痛などの症状を引き起こしやすいと言われています。また、女性の月経周期に伴うホルモンの変化がセロトニンに影響を与え、片頭痛を引き起こすケースも多くみられます。

さらに、筋肉量の少ない女性は首の血流も悪くなりやすく、それが片頭痛の要因となっていることもあります。

 

このような理由から、母親のミトコンドリア機能の低く、その体質が娘に遺伝し、片頭痛などの症状を引き起こしている場合があるというわけです。

 

片頭痛を予防するためだけでなく、私たちが元気で活動するためにはミトコンドリアの元気が欠かせません。ミトコンドリア機能が気になる方はぜひ、「ミトコンドリア機能をアップさせる方法」を実践してみてください。

 

 

 

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「アルカリ性食品は身体に良い」は迷信?!

「酸性食品」と「アルカリ性食品」とは??

pHとは、水素イオンの濃度を示す数値で、酸性・アルカリ性・中性に分けられます。水素イオンが多いほど、酸性の度合いが高くなり、アルカリ性溶液では水素イオンが少なります。人間の体液は常にph7.35~7.45(弱アルカリ性)に保たるように調整されており、食べた食品によって簡単に身体が酸性やアルカリ性に偏ることはありません。

食物を「酸性」と「アルカリ性」に分類する基準は、食物自体の酸性度ではなく、食物が消化吸収されて体内で代謝された時に生まれる産物が、酸性なのかアルカリ性なのかによって分類されます。

 

体内のpH調整の仕組み

通常の代謝によって体内では常に酸が発生しており、これを中和して血液や細胞外液を弱アルカリ性に維持していく必要があります。

体液のpH調整には、呼吸や尿が使われます。例えば、酸性食品を摂ると尿が酸性に、アルカリ性食品を摂ると尿がアルカリ性になって、酸やアルカリを体外に排出してバランスを取っています。

体内のアルカリ成分の多くは、ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウムなどのミネラル。一方、酸性ミネラルとして挙げられるのは、硫黄・リン・塩素・ヨウ素などです。

 

体内が過剰に酸性になるとどうなる?

体内の酸性過剰状態は、細胞機能の低下やミネラルの枯渇を招き、ガンや骨粗しょう症を引き起こす原因となると言われています。
例えば、がん細胞には、酸性の環境で良く成長するけれど、アルカリ性の環境では生きていくことができないという性質があります。(pHが7.4を少し上回る程度の時に、がん細胞は休眠中となる)
また、過度の酸性状態では、骨のミネラルが抜き取られ、骨粗しょう症を引き起こします。食事から必要なミネラルが十分に供給されないと、骨や歯からミネラルが取り出され、酸を中和した後のミネラルは、腎臓を経由して除去されるため、体内のミネラルは枯渇していってしまいます。

 

体内の酸の源となるものとは

①食物の代謝・・

食物の代謝によっても体内で酸が作られます。たんぱく質は、代謝されるときに硫酸、リン酸、尿酸を生成しますし、炭水化物と脂肪は、酢酸や乳酸を生成します。また、ケトン体も酸性物質です。

②細胞呼吸

細胞が呼吸する際には、酸素を消費し二酸化炭素を生じています。また、運動によって、乳酸や二酸化炭素が生成されます。

③ストレス

ストレスを受けると、代謝機能が向上し、心拍数増加・発汗・ホルモンレベルの変化などに伴って、酸が生成されます。

 

食品の酸性とアルカリの分類

食物には、「体内で酸を発生する要素」と「アルカリ性を発生する要素」の両方が含まれており、その比率で酸発生食品かアルカリ発生食品かのどちらかに振り分けられます。つまり、酸とアルカリを同じ割合で含み、pHが7.0に近いものは、中性の食品ということになります。日本人の主食である米は、中性食品と言われていますが、玄米に比べて白米は、やや酸性よりです。

 

酸発生食品に分類される食品・・

肉類、魚類、乳製品、小麦製品、ナッツ類、酒類などは酸を発生しやすい食品です。また、加工食品・合成甘味料(リン酸塩)・清涼飲料水・砂糖などは高酸性であるため注意です。酸性食品の中にも、健康に良いとわれるもの(例:クランベリー・ブルーベリーなど)もありますが、アルカリ食品と組み合わせてバランスを取ることが望ましいと言えます。

アルカリ発生食品・・

「アルカリ発生食品」は、代謝されると酸を緩衝して中和する塩基を産生して体内のphバランスを調整してくれます。尿をアルカリ性にすることは、痛風や尿路結石の予防・治療にも効果があります。

アルカリ性のミネラルとは、ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウムなどです。

果物や野菜には、有機酸が豊富に含まれており、体内で代謝されて二酸化炭素と水に分解され、体内の酸を中和するためのアルカリ性ミネラル残ります。海藻類もアルカリ発生食品です。私達が摂取するアルカリ性食品の内のほとんどは、野菜と果物が占めています。

大まかにいうと、肉や魚(リンや硫黄を多く含むもの)が酸性、野菜や果物や根菜や海草類(カリウム・カルシウムを多く含むもの)がアルカリ食品となります。

どちらの食品も私たちが生きていくために欠かせない栄養素を含んでいますが、現代人の食生活では食事が酸発生食品に偏りがちであるため、果物や野菜などのアルカリ発生食品を増やすよう心掛けることが大切です。

ヒートショックプロテインを増やして細胞を元気にする方法とは

話題の「ヒートショックプロテイン」を増やして細胞を元気にする方法について解説します。

たんぱく質の構造と、ヒートショックプロテインの役割

たんぱく質は、アミノ酸が「ペプチド結合」と呼ばれる結合により鎖状に繋がってできていますが、鎖状と言っても、1本の糸のようなものではなく、複雑な立体構造をしています。アミノ酸がペプチド結合で1本の鎖のような構造を形成しているだけものは、「一次構造」と呼ばれ、まだたんぱく質としての機能は持っていません。次の段階として、ペプチドの鎖が、平板のシート状や二重のらせん状構造を形成したものを「二次構造」といいます。これもまだたんぱく質としての機能はありません。そして、二次構造のものが組み合わさり、立体的な構造を形成したものは「三次構造」とといい、たんぱく質としての機能を発現するものもあります。さらに、三次構造を形成したものがいくつか集まり、さらに大きなたんぱく質を形成したものを、「四次構造」といいます。このように、たんぱく質は、ポリペプチドが複雑な立体構造を形成することによって作られており、その立体構造が少しでも崩れると、たんぱく質としての機能を失ってしまいます。

「ヒートショックプロテイン」は、たんぱく質分子が正しく折りたたまれるのを助ける働きをするたんぱく質で、細胞に短期的な刺激が加わることで出てくることが分かっています。ヒートショックプロテインは立体構造の崩れた不良たんぱくを良いたんぱくに修復してくれるだけでなく、細胞の障害がひどく修復不可能な時は、細胞を死へ導いてくれる(=アポトーシスを促す)といわれています。

 

加温のメリット

温熱ドームに入り40分の加温(舌下温度が約2℃上昇)を行った実験によると、ヒートショックプロテインが増加するピークは加温2日後であるという結果が出ています。身体を温めることによるメリットとして挙げられるのは、以下の通りです。

細胞が元気になる                            HSPが増える
免疫力が高まる
ストレス耐性が高まる
放射線障害を軽減できる
エコノミークラス症候群を防ぐ(血流が良くなり下肢血流のうっ滞を防ぐ)
疲労しにくくなる
筋疲労を軽減し、運動機能を向上させる
傷害を受けた細胞の回復を促進する
代謝が活発になり、脂肪が燃焼しやすくなる
老化を予防する

アスリートの試合前や試験前、また、手術前に加温して回復力アップを図るという方法も勧められています。(本番の2~3週間前から加温し始め、本番2~3日前にHSPが最高になるように加温して本番に備えると良い)

また、疼痛緩和にも効果があると言われています。(ガン末期、帯状疱疹、前立腺肥大などに。加温により、痛みの緩和物質であるエンドルフィンが増加する)

 

ヒートショックプロテインを増加させる因子

ヒートショックプロテインは、温めるだけでなくても、適度なストレス(刺激)が加わることによって増加することがわかっています。

例えば、精神的ストレスによってもヒートショックプロテインが増加します。断食をすることでもヒートショックプロテインが増えるともいわれています。

ただし、長期ストレスは逆にヒートショックプロテインを減らしてしまいます。
テスト前や試合前など、適度な緊張感を伴う精神的ストレスも、ヒートショックプロテインを増やしてくれます。ただしこの場合、その人の精神状態が非常に大切で、「がんばるゾ!」という気持ちが強ければヒートショックプロテインも増えてくれるのですが、「もうだめだ」とあきらめてしまっていると、不思議なことにヒートショックプロテインは減ってしまうのだそうです。

そして、ストレスから解放された後は、ヒートショックプロテインが一気に低下し、風邪をひいたりしやすくなると言われています。大事な仕事や試験が終わって緊張の糸が切れた後に、風邪をひいたり体調を崩したりという経験をしたことがある方もいらっしゃるのではないのでしょうか。

 

自分でできるHSPの増やし方

実験によると、加温によって体温を2度上げると最高にヒートショックプロテインを増加させることが出来るということが分かっています。
特殊な温熱ドームに入らなくても、週二回、高めのお風呂で(40~41℃、慣れたら42℃で10分を目標に。)温まるだけでも良いと言われています。

入浴後は水分補給を必ず行い、タオルなどを巻いて暖かくして10~15分保温するようにします。

温度や時間については個人差があるため、体調を見ながら自分にあったやり方を見つけると良いでしょう。

 

尚、より効果を得たい場合はお風呂のみよりも、遠赤外線加温装置(温熱ドーム)の力を借りるとさらに効果的であると言われています。

 

ヒートショックプロテインと温熱療法

一般的に知られているガンの「温熱療法」の目的は、熱によってがん細胞を殺すことです。がん細胞が死ぬ43度以上の温熱や、さらに高い60℃~100℃以上の熱で細胞を焼き殺したり、熱凝固を利用した方法(ラジオ波熱凝固療法)もあります。
一方、ヒートショックプロテインの原理を用いた温熱療法では、細胞を強く元気にすることが目的となります。細胞に熱ストレスを与えることでヒートショックプロテインを増加させるために加温するので、直接がん細胞を熱で殺すもとのは若干考え方が異なります。体内のヒートショックプロテインを誘導するには、41度で身体を加温すれば良いと言われており、「マイルド加温療法」とも呼ばれます。

熱によるガン細胞へのダメージについて

マイルド加温療法では直接がんを熱で殺すわけではないのですが、ガン細胞に対して選択的に熱によるダメージを与えることができるという効果も期待できると言われています。

細胞は、42℃以下では何時間加温してもほとんど死にません。ところが、43℃で加温すると、細胞はすぐに死んでしまいます。それは、43℃を境に血液が凝固する、つまり、43℃が血液が固まってしまう臨界温度なのです。

本来、血管は温めれば広がり、血流が増加します。そのため、正常細胞では、身体に温熱を与えると、その熱は速くなった血液の流れですぐに運び去られてしまいます。つまり、正常細胞を加温しても、その部分の温度はそれほど高くなることはありません。

一方、がん組織の血管は、どんどん増えるガン細胞に栄養を補給するためにどんどん新しい血管が作られるのですが、その血管は神経支配を受けておらず、未熟で弱い血管です。従って、血管に温熱を加えても、血管は広がらず、血流も速くなることができません。そのため、ガン細胞に例えば外から周囲を44~45度で温めると、熱が逃げられずがん組織の温度が上がり、ガン組織が選択的に死滅すると言われています。(ちなみにこの場合正常組織では血流が7倍にもなり、熱はどんどん運び去られて41~42℃になります。)

そして細胞は、一度加温すると熱に対する耐性ができますので、同じように加温してもがん細胞が死ななくなるということも分かっています。このことにはヒートショックプロテインが関係しています。
例えば、細胞がほとんど死なない温度の40℃であらかじめ加温して、16時間後に細胞が必ず死ぬ45度で加温しても、ヒートショックプロテインの効果によって「温熱耐性」ができて、細胞は死なないのだそうです。ヒートショックプロテインは加温2日後をピークに、4日後まで増加することから、ガンの温熱療法は、週に1~2回のペースで行われると良いと考えられます。

栄養療法とサプリメント療法の違い

今日のテーマは、「栄養療法」と「サプリメント療法」の違いについてです。

「栄養療法」というと、足りないビタミンやミネラルなどの栄養素を見つけて、それをサプリメントで補う方法、というイメージをお持ちの方も多いのではないかと思います。

 

しかし、「栄養療法」と「サプリメント療法」は、似て非なるものであるといえます。

 

「栄養療法」の基本とは、食事から摂れる栄養素がしっかりと消化吸収されるように、条件や環境を整えることです。単なる「サプリメント療法」との違いは、なぜ、身体の不調が起きたり、炎症が起きたり、足りない栄養素があるのかを知ることを重視するということです。

 

そして、それをクライアントさん自身に知っていただくことも、とても大切なことです。

例えば、自分自身の身体の状況を理解せずに、お医者様から言われるがままに食べ、サプリメントを飲んでも、結局症状が改善されず、クリニックのはしごをすることになってしまうことにもなりかねないのです。

原因不明の慢性化症状(不定愁訴)がある背景には、必ず原因があると言われています。

それは、サプリメントや薬が足りないからではなく、食事や生活習慣が原因となっていることがほとんどなのです。栄養を入れることばかりではなく、胃腸の状態を整えることも非常に重要です。

ただし、症状の悪化が進んでいて食事だけでは改善が難しく、サプリメントや薬などを用いることが有効であるケースももちろんあります。

 

こうした考えに基づいて、食事や運動、必要に応じてサプリメントなどのアプローチを行っていくことが、「栄養療法」の基本となります。

 

活性酸素の毒を防ぐための食事

酸化ストレスから身体を守る栄養素とは?

 

細胞にダメージを与える「酸化ストレス」の害を食い止めるのに役立つのが、食品に含まれる抗酸化物質です。抗酸化物質は体内に入ると、細胞膜の脂肪酸を保護する助けとなります。抗酸化物質として知られている栄養素は、ビタミン類(C・E・A)、植物に含まれるフィトケミカルや、グルタチオンなど。これらの物質は、体内の活性酸素と結びつくことで、細胞の酸化を防いでくれます。

特に、身体の細胞の中で特に酸化ストレスの影響を受けやすいのが赤血球です。血液検査の結果から溶血が疑われる場合は、抗酸化対策がとても重要となります。

①ビタミンC

ビタミンCは水溶性抗酸化物質として、細胞の内側や体液中などで活性酸素を中和する働きをしてくれます。生体内では還元型の「アスコルビン酸」という形で存在します。アスコルビン酸は、電子を失いやすい性質を持ち、自らが酸化することで体内の酸化を食い止め、酸化ダメージを防ぎます。
また、活性酸素と結びついたビタミンEは、ビタミンCの働きによって再び抗酸化力を回復して活性体になることができるため、ビタミンEとビタミンCと一緒に摂ることで、抗酸化力が一層高まります。

ビタミンCはかんきつ類やアセロラ、キウイ、イチゴ、キャベツ、じゃがいもなどに多く含まれるほか、ビタミンCを効率よく摂取するためのサプリメントも広く利用されています。

尚、人間は体内でビタミンCを作ることができない代わりに、抗酸化物質として働く尿酸を作り出していると言われています。尿酸値が高すぎれば高尿酸血症となってしまいますが、逆に尿酸値が低くなりすぎている人は抗酸化力が低く活性酸素を除去する力が弱くなっているということが予測されます。

 

②ビタミンE

ビタミンEにも高い抗酸化作用があり、脂溶性抗酸化物質として主に細胞膜の抗酸化に働きます。体内の細胞が酸化ストレスにさらされると、まず、細胞膜の脂質が酸化されて細胞膜が弱くなり、生体活動の低下につながるのですが、ビタミンEが細胞膜に存在することで、それを防いでくれます。同時にセレンや亜鉛などのミネラルは、抗酸化酵素や解毒反応の補因子として働きます。ビタミンEは、未精製穀物、小麦胚芽、種子類、緑黄色野菜、ナッツ類、多価不飽和植物油(大豆油や紅花油)、卵黄など、様々な食品に含まれています。尚、ビタミンEをサプリメントとして摂る場合、人工的に作られた合成ビタミンEは、小麦胚芽や植物油から抽出して作られた天然ビタミンEに比べて、生理活性が劣ることがわかっています。

③ビタミンA

ビタミンAも、脂溶性抗酸化物質として、細胞膜などで抗酸化作用を発揮し、がんなどを防ぐことでも注目されています。また、ビタミンAはたんぱく質の合成や細胞の分化にも関わっています。ビタミンAは、卵、レバー、魚などに豊富に含まれます。ベータカロテン(ビタミンAの前駆体)として摂取する場合には、ほうれん草や色の濃い緑黄色野菜、かぼちゃ、にんじん、オレンジ色の果物などに豊富に含まれます。ビタミンAの小腸での吸収率は80~90%であるのに対し、ベータカロテンの吸収率は、約1/3程度(低いものでは10%、高いものでも30~60%)であるといわれています。そのため、ビタミンAとして摂取したほうが効率は良いと言えます。ただし、ビタミンAは脂溶性ビタミンであるため、過剰症を引き起こしやすいうえに、動物性食品のカロリーやコレステロールの過剰摂取も気をつけるべきでもあります。一方、ベータカロテンは、低カロリーで食物繊維も豊富な植物性食品由来のものであり、必要量のみ体内でビタミンAに変換されるため、過剰摂取による害の心配が少ないという利点があります。一般に、ビタミンAとベータカロテンを半々程度で摂ると良いと言われています。

④フィトケミカル

果物や野菜の植物栄養素に含まれるフィトケミカルも、重要な抗酸化物質源となります。フィトケミカルには、たくさんの種類がありますが、鮮やかな色が特徴のカロテノイドや、お茶に含まれるカテキン、赤ワイン含まれるアントシアニン、ベリー類に含まれるプロアントシアニジンなどが有名です。

⑤コエンザイムQ10

エネルギーを生み出すために欠かせないコエンザイムQ10は、エネルギーの代謝時に発生する活性酸素を除去する抗酸化物質としても重要な役割を持ちます。コエンザイムQ10 をサプリメントで摂ることは、スポーツにより大量に発生した活性酸素を取り除きたい時や、持久力を高めパフォーマンスを維持したい時にも有効であると言われています。抗酸化のためには、ビタミンCやビタミンEとともにコエンザイムQ10を摂ることが効果的です。

⑥グルタチオン

グルタチオンは、抗酸化力の高いサプリメントとしても注目されている栄養素の一つです。グルタチオンは、肝臓や他の細胞で作られます。アミノ酸(グルタミン酸、システイン、グリシン)が連なってできたトリペプチドの一種で、グルタチオンには、酸化型ビタミンC(さび取りをして疲れたビタミンC)を還元型ビタミンCに戻す(もとの元気な形)作用があり、活性酸素によるダメージから細胞を守る抗酸化作用の他、肝機能を高め解毒力を高める働きもあります。グルタチオンは、ホウレンソウ、キャベツ、きゅうり、カボチャ、牛レバー、ブロッコリー、酵母、キウイフルーツ、アボカドなどに多く含まれますが、食品の鮮度や加熱調理などによっても変化すると言われています。

日本では1969年より医薬品の原料として市販され、現在でも日本では医薬品として扱われています。(海外ではサプリメントの素材としても広く知られています)

 

 

酸化ストレスとは?

「酸化ストレス」と、健康を保つために欠かせない「抗酸化」について説明します。

酸化とは

そもそも、「酸化」とは何でしょうか。

私たちの体の中では、常に細胞内で無数の化学反応が起き、代謝を行うことで生命活動を維持しています。化学反応において、一つの分子が電子を失うことを「酸化」と呼びます。すると、もう一方の分子では電子を得ることになります。これは「還元」と呼ばれます。これが「酸化/還元反応」ですね。酸化/還元反応は、細胞の生存と、体内の恒常性(ホメオスタシス)の維持のために不可欠な生理機構です。

細胞膜の構造

ところで、細胞の一番外側の膜の部分=細胞膜は、体内全ての細胞間のコミュニケーションを行い、細胞機能を正常に保つために非常に重要な働きをしています。細胞膜を形成するリン脂質は、疎水性の脂肪酸尾部が向かい合っていて、親水性のグリセロール頭部はそれぞれ反対側に並ぶというつくりになっています。つまり、細胞膜の内部には疎水性の脂肪酸が充満し、膜の外側(つまり細胞の内側と外側と接する部分)は親水性になっている、という構造。このような構造は「細胞膜の脂質二重層」と呼ばれます。
細胞膜がこのような構造をしていることによって、細胞膜全体は細胞内外の環境になじみ、内側には疎水性の脂肪酸が充満しているため細胞の内外をしっかり遮断することができるようになっているのです。

活性酸素はなぜ身体に悪い??

「活性酸素が身体に悪い」というのは皆さんもよく聞いたことのある言葉だと思います。活性酸素とは、代謝の過程で生成される反応性の高い(つまり酸化力の高い)酸素のことです。通常、物質を構成している元になっている原子はそれぞれの電子殻内の電子がペアになっていることで安定しているのですが、活性酸素では、最外殻(電子の通る軌道の一番外側の部分)に「不対電子」と呼ばれるペアになっていない電子を持つために、他の分子から電子を奪うか与えることによって安定しようとする性質を持ちます。活性酸素はこの反応性の高さにより、体内のたんぱく質・脂質・核酸にダメージを与えることで、健康な細胞にダメージを与える連鎖反応を引き起こすのです。

特に、活性酸素は、脂質過酸化反応を通して、細胞膜の脂質二重層にダメージを与えてしまいます。細胞膜がダメージを受けると、細胞内の酵素活性が低下したり、DNAの損傷を引き起こしたりすることもあります。DNAが損傷すると、複製や転写といった、細胞の増殖に必要な機能を妨害してしまうため、非常に大きなダメージとなります。

活性酸素は、体内に取り込まれた食物と化学物質の代謝過程で生まれるものであり、生きている限りこれを避けて通ることはできません。私たちの身体には、活性酸素を制御する機序が備わっているのですが、現代生活では、活性酸素が過度に生成される状況になることが多く、活性酸素を除去する作用が追い付かなると、細胞の損傷箇所を修復する働きとのバランスがとれなくなり、体内の細胞がダメージを受けることになります。これが、「酸化ストレス」が強い状態ということです。

細胞膜を健康に保つ脂肪酸

適切な細胞機能のためには、細胞膜の二重層をしっかりと形成させることが重要です。そのためには、材料となる飽和脂肪酸やコレステロール、必須脂肪酸を適度に組み合わせて供給することが欠かせません。

飽和脂肪酸やコレステロールは、膜の形成と安定を助け、必須脂肪酸である不飽和脂肪酸は、膜の滑らかな流動性の維持を助けます。不飽和脂肪酸の中でも、オメガ3系の不飽和脂肪酸とオメガ6系不飽和脂肪酸では、細胞膜において相反する働きを持ち、オメガ6は細胞膜を硬くする作用を持ち、オメガ3は細胞膜を柔らかくするという性質があります。身体が生きていくためには、どちらの作用も必要で、両方の機能がしっかりと働くことによって、膜の適度な流動性が保たれます。さらに、脂肪酸の種類は、体内の炎症とも大きな関係があります。オメガ3と6の間では変換ができないため、両方をバランスよく摂る必要があります。

また、トランス脂肪酸(人工的に作られた水素化油脂)は細胞膜を硬化させ、細胞の正常機能を妨げるため、極力避けるべきです。

活性酸素の原因となるものとは?

通常の代謝過程によっても生成されている活性酸素ですが、活性酸素を過度に生成させて体内の酸化ストレスが引き起こす要因となるものは色々あります。

過労や激しい運動、トランス脂肪や酸化した植物油、アルコールの摂りすぎ、重金属、農薬、X線・紫外線・大気汚染・煙草の煙・水質汚染・工業溶剤のような環境毒素なども酸化ストレスを引き起こす要因となります。

 

血液検査から見る体内の酸化ストレスの状態について

酸化ストレスの影響によって全身の細胞膜が弱くなっているとき、赤血球の細胞膜も障害を受けて壊れやすくなっています。そこで、血液検査の結果から溶血(赤血球が壊れること)の有無を調べることで、酸化ストレスの度合いを予測することができます。詳しくは「間接ビリルビン」の項目をチェックしてみてください。

また、酸化ストレスが大きいときには、間接ビリルビンだけでなく、網状赤血球血清鉄なども高値になる傾向が見られますので、血液検査データがある場合はぜひチェックしてみましょう。

体内の慢性炎症が強い場合も、かなり酸化ストレスが強い状態であると言えますので、要注意です。慢性炎症の有無は高感度CRPフェリチン値からも予測することができます。

そして活性酸素の害を防ぎ、細胞膜を元気に保つには、抗酸化物質の摂取が欠かせません。抗酸化作用がある栄養素としては、ビタミンEやC、ビタミンA、フィトケミカル、グルタチオンなどが挙げられます。これらの抗酸化物質については、またの機会に詳しく書いていきたいと思います。

また、不足しがちなオメガ3系の脂肪酸をしっかりと摂ることも大切です。

基本的にはこれらの栄養素は食品からとることが望ましいのですが、食生活や生活習慣によっては不足してしまうこともあるため、サプリメントによる摂取が有効な場合もあります。

 

まとめ

生きている限り、酸化ストレスを避けることはできないけれど、現代人の生活では酸化の害を受ける機会が多く、特に、ハードな日常生活を送っている方や、血液検査の結果から、高いストレス状態や体内の炎症、赤血球の損傷などがみられる場合などは要注意。

ストレスを避ける生活習慣や、脂肪酸の摂り方、抗酸化物質の摂取などを心がけることが大切である。

ミトコンドリア機能をアップさせて細胞を元気にする方法

細胞の中にある小さな臓器たち

私たちの体を作っているのは約37兆個もの細胞であると言われていますが、その細胞一つ一つの中には、「細胞小器官」と呼ばれる特殊な「小さな臓器」が存在しています。

細胞小器官を呼ばれるものは、「リボゾーム」・「ゴルジ体」・「リソソーム」・「ペルオキシソーム」・「ミトコンドリア」・「小胞体があり」、それぞれが異なる機能を持ち、細胞機能のすべてを担っています。

ミトコンドリアの構造と働き

「ミトコンドリア」は、細胞内で「ATP」(=細胞のエネルギー源)を作りだす重要な場所で、「細胞の発電所」とも呼ばれます。

ミトコンドリアは、平坦な外膜と折り重ねられた形状の内膜の二重膜の構造から成り、内膜の構造は「クリステ」とよばれ、折り重なった形状がエネルギー生産をおこすための表面積を増大させています。内膜に囲まれた中央の空洞の部分は、「マトリックス」と呼ばれます。マトリックスには、ミトコンドリア内の代謝機能に関わる酵素がたくさん存在しています。

細胞にしっかりと栄養素を送り届け、ミトコンドリアを最適な状態で機能させることは、豊富なエネルギーを供給し私たちが元気に生きていくために欠かせません。

ミトコンドリア機能と、「小胞体ストレス」

ミトコンドリアは細胞機能の中でも非常に重要な役割を持つ部分でありながら、とてもダメージの影響を受けやすい小器官でもあります。

なぜなら、ミトコンドリア内で行われるエネルギー(ATP)の産生は、酸素を必要とする反応なので、それに伴い活性酸素の害も受けやすくなるからです。また、ミトコンドリアと同じく細胞小器官の一つである「小胞体」との関りが非常に深く、ミトコンドリアと小胞体は互いに影響しあいながらその機能を保っています。

小胞体には、物質の合成と輸送という大切な役割があります。中でも注目したいのが「たんぱく質の工場」としての役割です。

たんぱく質は、遺伝情報に基づいてアミノ酸が配列され、そのアミノ酸配列に応じて固有の立体構造に折りたたまれて作られていきます。ところが、小胞体機能に異常があると、立体構造が乱れたたんぱく質が作られてしまいます。たんぱく質の立体構造は少しでも乱れていると、たんぱく質として機能しなくなってしまいます。すると小胞体からたんぱく質が出荷できずに「便秘」を起こして太ってきてしまいます。これを、「小胞体ストレス」といいます。小胞体とミトコンドリアには接触部位があり、お互いに影響をしあっているため、どちらかの機能が落ちるともう一方の機能低下に影響する、という現象が起こります。

したがって、小胞体ストレスをなくすことは、ミトコンドリア機能を上げるために重要ですし、ミトコンドリア機能を上げることは、小胞体機能を上げるためにも重要であるということになります。

 

小胞体ストレスをなくすために重要なキーワード①「オートファジー」

例えば、ガンなどの疾患は、細胞の「アポトーシス」がうまくできないことによって起こると言われています。

「アポトーシス」とは、細胞が必要に応じて(遺伝的な指令に基づいて)死ぬこと、つまり、プログラムされた細胞死のことです。アポトーシスは、不必要な細胞を除去するシステムとして働きます。

プログラムされた細胞死には、「オートファジー」と呼ばれるシステムもあります。「オートファジー」は、細胞内のたんぱく質を分解するための仕組みで、栄養環境が悪化した時(飢餓時)にたんぱく質のリサイクルを行うシステムです。つまり、細胞内の不要なたんぱく質を分解することで、飢餓時の生存システムとして働きます。これによって、小胞体ストレスが解消されます。

アポトーシスやオートファジーがうまく働けば、危険な細胞や細胞内の老廃物、損傷したミトコンドリア、変性したたんぱく質等を除去することができ、それが疾患の発症を抑制できると言われています。

 

小胞体ストレスをなくすために重要なキーワード②「ヒートショックプロテイン」

細胞内の小胞体ストレスがある状態とは、たんぱく質の不良在庫をたくさんかかえてしまっている状態。

このような状態では、小胞体と運命共同体ともいえるミトコンドリアの機能にも影響が出て、エネルギー生産がしづらくなり、身体全体の機能に悪影響が起こります。そこで、オートファジー機能を活性化させて小胞体の在庫を一掃して、正しい立体構造のたんぱく質を作れるようにしてあげれば、小胞体ストレスが改善され、ミトコンドリアも活性化して、細胞が元気になるというわけです。これは、ガンなどの疾患の予防にもつながります。

そのために役立つのが、「ヒートショックプロテイン」(分子シャペロン)と呼ばれる物質です。
ヒートショックプロテインは、たんぱく質分子が正しく折りたたまれるのを助けてくれるたんぱく質で、細胞に短期的な刺激が加わることで出てくることが分かっています。

つまり、適度なストレスは、分子シャペロンを作ることを促してくれるので、細胞にとって良い刺激になるということです。

ヒートショックプロテインは、不良たんぱくを良いたんぱくに修復するだけでなく、細胞の障害がひどく修復不可能な時は、細胞を死へ導いてくれる(=アポトーシスを促す)といわれています。

ミトコンドリア機能をアップさせるための具体的な方法

ミトコンドリア機能をアップさせるには、細胞を活性酸素の害から守り、必要な栄養を十分与え、小胞体ストレスをなくしていくことが重要となります。

①栄養素の補給

ミトコンドリアの働きを良くする栄養素としてよく知られているのは、ビタミンB群、コエンザイムQ10、亜鉛、マグネシウムなど。抗酸化ビタミン(ビタミンA・C・E)やコエンザイムQ10など、抗酸化作用のある栄養素も積極的に摂るようにしましょう。また、細胞内にしっかりと栄養素を送り届けるためには細胞膜の流動性を高めてくれるフィッシュオイルも有効であると言われています。(寝る前が〇)

②ヒートショックプロテインの活性化

ヒートショックプロテインを刺激するための適度な刺激として、高地トレーニング(低酸素トレーニング)、寒中水泳、一分間の息止め、朝日を浴びる(紫外線)なども有効であると言われています。

③断食

断食によってオートファジーを活性化し小胞体ストレスを解消することができると言われています。(断食までは無理という場合でも、まずは空腹時間をしっかりと作るようにするだけでも〇)

④運動

適度な運動は、ミトコンドリアの新生を促します。ミトコンドリアも筋肉と同じで、使わなければ減ってしまいます。(廃用性萎縮)

⑤動物性たんぱく質の摂りすぎに注意

代謝機能が落ちているのに動物性たんぱく質を摂りすぎていると、小胞体ストレスが起こりやすくなると言われています。その理由は、動物性たんぱく質の方が人間の体に近いので、細胞の外に未消化の動物性たんぱくのペプチドがあふれていた場合、小胞体が「たんぱく質の在庫がまだある」と勘違いしやすく、新たなたんぱく質の出荷を止めてしまう、つまり、小胞体ストレスになりやすいのだと考えられています。
ただし、身体が元気で日ごろからたくさん運動していて、多くのたんぱく質を必要としているような人は、どんどんたんぱく質を供給した方が良いと言えるでしょう。

 

 

食べ物に含まれる「レクチン」が遅延型アレルギーを引き起こす?!

「即時の食物アレルギー」と「遅延型の食物アレルギー」の違いとは?

アレルギーとは、体内へ侵入した異物に対する免疫反応が過剰すぎて、その結果生体に障害を与えてしまう現象が起こることを指します。

食物に対する過敏症のうち、即時型の「食物アレルギー」は全体の4~5%であると言われています。それ以外の90%以上は、厳密にいうと「食物アレルギー」ではなく、「食物不耐性」(食品過敏症)と呼ばれるものです。

本来の「食物アレルギー」とは、免疫反応が直接的な原因となり、少量でもすぐに発症するアレルギーです。場合人よっては生命を脅かす症状が出ることもあります。

一方「食物不耐性」は、直接的に免疫反応が関係しているわけではありません。ただし、間接的に免疫反応に関わる場合もあり、「遅延型アレルギー」とも呼ばれます。

即時型アレルギーを遅延型アレルギーの大きな違いは、遅延型の場合は同じ食品を食べても、その日の体調によって症状が出なかったりするということです。また、少量摂取では発症しないことが多く、段階的に発症し、自覚するには数時間または数日かかります。また、生命の危険に関わる症状は少ないというのも遅延型の特徴です。

 

遅延型アレルギー(食物不耐性)と「レクチン」

遅延型アレルギー(食物不耐性)の主な原因は、たんぱく質の分解不足です。

未消化のたんぱく質が腸から血液中に入ってしまうことで、血液中で異常な免疫反応が起こり、アレルギー症状を引き起こします。

たんぱく質の分解を阻害する原因の一つとして、「レクチン」が挙げられます。

「レクチン」は小腸の粘膜に結合することによって炎症を起こし、たんぱく質を分解する酵素のひとつである「エンテロキナーゼ」の生産を阻害し、たんぱく質の吸収障害を引き起こすことがあります。

レクチンとは??

「レクチン」とは、糖と特異的に結びつく性質を持つたんぱく質の一種です。レクチンは細胞膜表面に存在する糖と結合し、別の細胞同士を結合させます。簡単に言うと、レクチンは細胞と細胞をくっつける糊のような役割をする物質です。

レクチンは、植物にも動物にも広く存在し、数千種もの種類があるといわれています。レクチンの中には、細胞の働きやホルモン、免疫などの働きを向上させてくれる可能性のあるものもあることが報告されており、抗ガンや多発性硬化症治療への活用が期待されるものもあるといわれています。

レクチンの毒性

一方、レクチンには毒性のあるものや、細胞膜に悪影響を与えるものもあります。

レクチンが腸粘膜の細胞膜上の糖質と結合することで、小腸の代謝を阻害したり、腸絨毛や関節に損傷を与えることもあります。すると、吐き気、ガスの発生による膨満感、急性の胃腸症状、栄養素(特にたんぱく質と炭水化物)の消化吸収障害、大腸菌の増殖などが起こりやすくなります。

血液中でレクチンが過剰になると、レクチンが糊となって免疫複合体を形成したり、ナチュラルキラー細胞が正常な細胞を攻撃してしまいます。レクチンが原因となって関節痛などを引き起こす場合もあると言われています。

また、レクチンは、炭水化物の吸収と代謝にも影響いて、腸における糖の取り込みを抑制したり、体内での糖の代謝も阻害するものもあります。

例えば、「血糖値を下げる効果がある」と言われているナタマメですが、これはナタマメに多く含まれるレクチンの効果によるもので、実は健康のためにはかえって逆効果になる可能性もある、という意見もあるようです。

ただし、全てのレクチンが体に悪いわけではなく、人によってどの種類のレクチンに反応して炎症を引き起こすのかは異なると言われています。

 

レクチンを含む食材と、遺伝子組み換え食品の影響について

レクチンを多く含む食品として代表的なのは、小麦などの穀物・マメ科植物(ピーナッツ・大豆・インゲンなど)、ナス科植物(ナス・トマト・唐辛子・じゃがいも・くこ・ピーマン・パプリカなど)などです。

近年、以前に比べて食物不耐性(遅延型アレルギー)が増加していると言われていますが、その原因の一つとして、遺伝子組み換え(GMO)植物の増加が関係しているという可能性も指摘されています。

レクチンは、害虫から植物を保護するために有効であることから、遺伝子組み換えによって、レクチンの量を遺伝的に高めた植物の種子が多く作られるようになり、その結果食物不耐性も増加してしまった可能性もあるようです。

レクチンの影響を抑えるための方法

① 加熱

レクチンは熱に強いのですが、70℃で30分以上加熱すれば失活すると言われています。従って、できるだけ高い温度で時間をかけて調理することでレクチンの活性は抑えられると考えられます。

② 十分な消化

レクチンは、酸にも強く、プロテアーゼでも分解することは容易ではないと言われています。とはいえ、やはり胃酸と消化酵素を十分に分泌することも大切です。消化力の弱い方や高齢者の方などは特に、胃酸と消化酵素をサプリメントなどで補うことや、酵素の豊富に含まれた食材を食べ合わせることも考慮すると良いでしょう。

③ ねばねば食材

ばねば食材に多く含まれる「ムチン」(ムコ多糖類の一種)には、レクチンと結合する性質があります。そのため、ムチンを豊富に含む食材を一緒に摂ることで、レクチンの影響を最小限に抑えることができるといわれています。

ムチンを多く含む食材の例→山芋・長いも・里芋・レンコン・オクラ・モロヘイヤ・ツルムラサキ・昆布やメカブなど海草類・なめこ・納豆など。これらは日本で昔から食べられてきた食材で、前菜として出てくるものも多いですよね。

食物不耐性と除去食の考え方

遅延型アレルギー検査をしてみると、乳製品や卵に対して反応が出る人が非常に多くみられます。
しかし、遅延型アレルギー検査で反応が出ても、実際には食べても大丈夫な場合という場合も多いようです。検査結果が出たからといって除去食を行うことは必要がない場合もあるし、除去食を頑張りすぎたせいで逆に栄養不足やストレスを招いてしまうこともあるため注意が必要です。

もしも食物不耐性の症状が出ている場合でも、これらの食材に含まれるたんぱく質を分解できるようにすることが何よりも大切なことです。たんぱく質の分解能力が改善されなければ、一生除去食を行なうことになってしまいます。(もちろん、一時的に除去食をする必要がある場合もあります)

食物不耐性が気になる方は、胃酸分泌のチェック法血液検査のペプシノーゲン値胃酸不足時の対処法などもぜひチェックしてみてください。

 

腸の炎症によって引き起こされることとは?

「腸の炎症」があるとどうなるの?

 

前回のブログで炎症についての説明を行いましたが、炎症は腸にも起こります。腸の炎症に炎症があると、どのようなことが起こるのでしょうか。

 

①腸内環境が悪いと、腸に炎症が起こります。腸の炎症によって損傷が進むと、LGS※を引き起こし、栄養素の吸収障害が起こるようになります。栄養素の吸収障害は、例えば貧血や骨の弱化の原因にもなります。

※LGSとは?
LGS(腸管壁浸漏症候群)では、腸から大きな食物分子、バクテリア、真菌類など、本来腸から入るべきでないものが漏れ出して、血管や体内に侵入して、アレルギーをはじめとする免疫系疾患、肝臓への負担など、様々な悪影響が起こります。栄養素の吸収障害も起こります。
食物に対する過敏症のうち、即時型の「食物アレルギー」は全体の4~5%であり、それ以外の90%以上は、厳密にいうと「食物不耐性」(食品過敏症)であると言われています。即時型の食物アレルギーは、少量でもすぐに発症し、死亡など生命を脅かす症状が出るものです。一方、「食物不耐性」とは、「遅延型アレルギー」とも呼ばれ、たんぱく質の分解不足が主な原因となります。LGSがあると、未消化のたんぱく質が腸管から血液中に入り、遅延型アレルギーを引き起こします。遅延型アレルギーは、その日の体調によって症状が出なかったりしますので、即時型の食物アレルギーとは異なります。また、少量摂取では発症しないことが多く、生命にかかわる症状は少ないです。遅延型アレルギーは段階的に発症し、自覚するには数時間または数日かかるという特徴もあります。

②腸の炎症は、消化の問題を起こすだけでなく、炎症の影響が全身に回り、様々な不調を引き起こします。「なんとなく具合が悪い」という人は、腸の状態が悪いという場合が非常に多く見られます。

精神状態への影響

腸の炎症は、精神状態の悪化にも大きな関わりがあります。「腸脳相関」とも言われるように、腸は迷走神経を経由して脳とコミュニケーションをとっています。また、脳内の神経伝達物質の大半は腸内で作られます。従って、腸の状態が悪いと精神状態にも悪影響を与え、うつや不眠の原因にもなるのです。

免疫系への影響

腸の炎症は、アレルギーや上咽頭炎など、免疫系の異常を引き起こします。「腸管免疫」という言葉がある通り、免疫の70%は腸が担っています。

③逆に、歯周病や上咽頭炎、副鼻腔炎などが、腸の炎症を引き起こしている場合もあります。従って、腸の炎症を治したいときは他の部分も同時にケアする必要があるのです。

腸の炎症によって起こる症状の例
・便秘
・下痢
・おなかにガスがたまる
・便やガスの悪臭
食物不耐性(遅延型アレルギー)
・アレルギー(花粉症も)、抵抗力の低下
・不眠やうつ、イライラ、神経機能の低下
・貧血
・疲労
・なんとなく具合が悪い

腸の炎症の原因となるもの

腸の炎症が体に悪いことはよくわかりましたが、では、なぜ腸の炎症が起こってしまうのでしょうか。

原因として、以下のようなものが挙げられます。

・消化力の問題(胃酸不足、消化酵素不足、慢性胃炎、ピロリ菌など。未消化の食べ物は腸内環境を悪化させます。)

・食事内容(糖質の多い食事、小麦、乳製品、イースト菌 などのとり過ぎ。食物繊維などの不足。つまり、腸内の悪玉菌を増やしやすい食生活。
また、個人差がありますが、ナス科植物※によって炎症を起こしている人も多いようです。)

※ナス科植物:ナス、トマト、ピーマン、ジャガイモ、唐辛子、パプリカなど。詳しくはこちら

・カンジダ菌の過剰増殖(カンジダ菌はもともと腸内に存在する「常在菌」なのですが、増殖しすぎることで腸の炎症を引き起こします)

・ストレス(交感神経優位な状態はアドレナリンを分泌させます。アドレナリンが過剰だと、腸内の悪玉菌を増やします)

・カフェインや刺激物の摂りすぎ

制酸剤、抗生物質などの薬

・便秘

・重金属の蓄積

 

腸の炎症対策① 腸の炎症を起こさないための食事

胃腸の不調を感じている方や、いつもなんとなく疲れやすい、理由はわからないけれどなんとなく体調が悪い、という方は、実は腸の炎症が影響しているのかもしれません。腸の炎症が気になる方はぜひ、食事の内容を見直してみてください。

①体質に合った食事を心がける
体質に合う食事は、人それぞれ。胃腸の状態や体調を見ながら、食べるものや量を調節していきましょう。
②炭水化物(特に精製されたもの、小麦、甘いもの)は極力避ける。高糖質の食事は腸内の悪玉菌を増殖させるだけでなく、高血糖が血管を傷つけ血管の炎症を引き起こします。
③乳製品、カフェイン、アルコール、食品添加物も控える。
④トランス脂肪を避け、オメガ3食品を積極的に摂る
⑤胃酸不足・消化酵素対策
・食べたものをしっかりと消化吸収できるよう、食事に集中してよく噛んで食べます。(30回以上)
・腸の調子が悪い時には、無理に食べないようにします。
・食事は酸っぱいもの(梅、レモンなどの柑橘類、酢など)と組み合わせて食べると消化を助けてくれます。
・または、食事の時に、レモン汁大匙1と水大さじ3程度を混ぜたレモン水を少しずつ飲みながら食べるのもおすすめ。
(一口食べたら一口飲み、食事の最初の方に飲み終わってOK)
消化酵素サプリやクエン酸サプリなどを利用しても良いでしょう。
・食事と一緒に飲み物を飲むのは良いのですが、飲みすぎると胃酸が薄まってしまうので、飲み過ぎには注意しましょう。
⑥発酵食品、海藻類、野菜類などを積極的に摂りましょう。
⑦玄米など、未精製の穀物は有用な面もたくさんありますが、玄米に含まれるフィチン酸の消化が苦手な人も多いため、お腹の調子を見ながら取り入れましょう。

⑧アマルガム※、重金属の害をなくす(水銀は腸内環境を悪化させるだけでなく、体内で栄養素の代謝障害を引き起こします。尚、ミョウバン《ベーキングパウダーなどに含まれていることが多い》や胃薬《ガスターなど》に含まれるアルミも害になります。

※アマルガムがある場合は、安易に除去せず必ず専門医に相談を!

腸の炎症対策② 生活習慣の見直し

腸の炎症対策として、食生活以外にも、生活習慣の見直しや腸以外の炎症対策を行うことも非常に重要です。

・歯周病(歯の炎症)の改善
・上咽頭炎、副鼻腔炎の確認、口呼吸を改善する。
・姿勢の矯正(姿勢が悪いと、栄養の吸収も悪くなる)
・ストレスケア、頑張り過ぎを避ける(ストレスは栄養をものすごく使うので、身体の修復のために使えなくなってしまいます。また、ストレスホルモンであるコルチゾールが慢性的に出過ぎると副腎機能にダメージが起こります)
・運動(ミトコンドリアを増やし、代謝を良くする効果があります)

腸内環境を改善するサプリメント

腸の炎症対策①②を実行したうえで、腸内環境を改善するのを助けてくれるサプリメントを摂ることも有効です。

・乳酸菌、酪酸菌など(ビオスリー、ミヤリサンなど)、善玉菌と呼ばれる腸内細菌(プロバイオティクス)

・オリゴ糖や食物繊維など、善玉菌の栄養源となるもの(プレバイオティクス)

・フコダイン(もずくやめかぶに含まれる水溶性食物繊維)、ラクトフェリン、VA、VC、VD

・下痢気味の場合→グルタミンサプリ※

(※グルタミンサプリメントは、自閉症の子どもは禁忌です《グルタミンを体内でうまく処理できないため。》また、便秘の人が飲むとさらに便秘になりやすくなるため注意が必要です)

・便秘の場合→マグネシウム

体内の慢性炎症を作りやすい食生活とは?

炎症とは?

身体の組織が損傷した時、それを治そうとして生体内の反応が起こります。この時に引き起こされるのが炎症反応です。炎症は、本来は生体の防御反応として必要な反応なのですが、過剰な炎症時反応は生体の自己組織の損傷や、痛みの憎悪を引き起こしてしまいます。

炎症は、怪我、感染、激しい熱や刺激性の化学物質にさらされるなどといった要因によって引き起こされます。このような急性的な炎症は「急性炎症」と呼ばれます。

一方、慢性的な感染や、自己免疫疾患、あるいはストレス状態が続いていたり、身体に合わない食生活を続けていたりする場合には「慢性炎症」が起こり、免疫機能が絶え間なく働いて、徐々に組織の障害が進行し、健康を害することになります。

 

急性炎症のしくみ

細胞が損傷を受けたとき、細胞からは炎症性の化学物質(ヒスタミンなど)が放出されます。すると白血球が損傷個所に移動し、組織に侵入した細菌や細胞の残骸の貪食を始めます。
急性炎症の徴候は、発熱・赤み・痛み・腫脹(腫れ)・機能低下などが典型的な症状です。発熱や赤みは、血管拡張と血流の増加によって起こります。そして腫脹は、たんぱく質とリンパ液が、間質スペース(血管やリンパ管外のスペース)に移動することによって起こります。また、この時に生じる痛みは、炎症の過程で生じる様々な化学物質(ヒスタミン、プロスタグランジン、ブラジキニンなど)が関係していることがわかっています。急性炎症によって起こった発熱・赤み・痛み・腫脹・機能低下の徴候は、徐々に和らぎ始め、損傷が鎮静化するとともに、新しい組織が形成されていきます。

 

慢性炎症はなぜ体に悪い?

慢性炎症とは、免疫系が絶え間なく活性し慢性的に炎症が起こっている状態です。これによって、徐々に組織破壊が進行していき、さまざまな異常が引き起こされます。例えば、アレルギー・自己免疫疾患・アルツハイマー病・慢性感染症・心臓血管疾患などといった疾患にも大きく関係していると言われています。歯周病や上咽頭炎も慢性炎症の一つ。他にも、糖尿病で血糖値が高い状態が続くと、血管の壁を傷めつけて炎症を起こしますし、腸内環境が悪ければ腸に炎症が起こります。脂肪肝は肝臓に慢性的な炎症が生じている状態です。慢性炎症を防ぐためには、ストレスを軽減することや、食生活に留意することが非常に重要となります。

(血液検査の「高感度CRP」から炎症の有無を調べる方法はこちら

炎症と脂肪酸

私たちが食事から摂取する脂肪(脂肪酸)には色々な種類がありますが、摂取する脂肪酸の種類は体内の炎症反応と大きな関わりを持っています。

脂肪酸からは、「エイコサノイド」の一種である「プロスタグランジン」と呼ばれる生理活性物質が作られます。プロスタグランジンは、細胞間のコミュニケーションに関与し、血圧や血液の流れやすさ、免疫機能、炎症反応など、体内の様々な機能をコントロール働きを持っています。プロスタグランジンは、材料となる脂肪酸の種類によって働きが異なります。

 

炎症促進に働く脂肪酸と、炎症抑制に働く脂肪酸

脂肪酸の中で、二重結合と呼ばれる不安定な構造を持つ脂肪酸は「不飽和脂肪酸」と呼ばれます。不飽和脂肪酸は、脂肪酸の鎖の端(メチル端末‐CH3)から数えていくつめの炭素に最初の二重結合があるかによって、オメガ3・オメガ6・オメガ9系という分類ができます。そのうちオメガ3とオメガ6系脂肪酸は、食事から供給する必要のある必須脂肪酸です。なぜなら、ヒトの細胞は、脂肪酸のメチル端末から6番目以下の位置に二重結合をつくる酵素を持っていないので、オメガ6やオメガ3系を体内で自ら作ることができません。

そのうちオメガ6系脂肪酸からは、体内の炎症を促進する「プロスタグランジン2」が作られ、オメガ3系脂肪酸からは、炎症を抑制する「プロスタグランジン3」が作られます。オメガ6と3系脂肪酸は、体内で作ることができないだけでなく、オメガ6系と3系で互いに変換することもできないため、これらをバランスよく摂取することが必要となります。

 

脂肪酸の種類に限らず、糖質の多い食事やトランス脂肪酸、ビタミンやミネラルの欠乏した食生活は慢性炎症を引き起こしやすくなってしまうため注意が必要です。

慢性炎症を起こしやすい食生活

炎症を誘発するプロスタグランジンが作られやすい食生活は以下の通りです。

・肉類に偏った食生活、オメガ6系脂肪酸に偏った食生活(体内の炎症を測る「CRP定量」と、オメガ6系と3系脂肪酸を含む食品についてはこちら

・砂糖の摂りすぎ、単糖類の多い食事における高インスリン状態

・トランス脂肪(人工的に水素化した脂肪酸)

・亜鉛・ビタミンC・ビタミンB群などの栄養素の欠乏

腸の炎症にも注意

 

体内の慢性炎症の症状を緩和するための食事

一方、体内の炎症を鎮めるためには、オメガ3系脂肪酸を多く含む食品を積極的に摂り、炎症を促進する砂糖やトランス脂肪は最小限にすることが有効です。また、生姜やクルクミン、玉ねぎとにんにく(ケルセチンを含む食材)などは、炎症抑制作用のある食材として知られています。

その他にも、抗炎症作用を持つものとして、たんぱく質分解酵素サプリ(プロテアーゼ)を空腹時に摂取することも有効であると言われています。たんぱく質分解酵素が吸収されて血液中に入ると、炎症が起こっている箇所に蓄積した細胞の壊死組織片や古い免疫たんぱく質を分解するのを助けてくれます。

 

次回は腸の炎症についてです。

 

血液データを読むことでわかることと、血液データを読む際の注意点

血液検査データからわかることとは?

 通常の健康診断における血液検査では、大体20種類くらいの検査を行いますが、栄養療法では普通の検査項目よりも多い 50~60 項目を検査します。

これらの検査によって、栄養状態の過不足や、酵素活性の状態、ストレス度合などを推測することができます。

細かく言うと、たんぱく質が足りているかどうか・ ビタミン B 群が足りているかどうか・鉄、マグネシウム、亜鉛などのミネラルが足りているかどうか。・脂質が足りているかどうか・肝機能・胃腸の状態・炎症の有無・ 溶血・貧血・血糖コントロールの状態・自律神経バランス・ 酸化ストレス・抗酸化力など、様々な情報を推測していきます。

 

血液データを読むときの注意点

ただし、この血液検査の読み方は一般の医療には認められていないものです。大規模な 試験に基づくエビデンスもまだなく、あくまでも生化学的な理論や経験から推察されるものです。

また、栄養療法一辺倒になり過ぎて大きな疾患を見逃すようなことのないように注意する必要があります。 身体に異常がある場合は、必ず一般の医療の検査も受けることが大切です。

また、血液検査のデータを良くすることが本来の目的ではありません。

今ある症状はなぜ起こっているのか、根本原因を探りながら栄養療法を行うことがとても大切です。

 

甲状腺機能と血液検査

甲状腺機能の低下症状

甲状腺は、栄養素をエネルギーにする働きをする臓器です。

甲状腺機能は副腎機能に大きな影響を受けるため、副腎疲労の人は甲状腺機能の低下も起きている場合も多くみられます。

甲状腺機能低下の典型的な症状として、乾燥した髪、まばらな眉、眼のクマ、眼のむくみ、乾燥肌、低体温、疲労感などが挙げられます。ただし、これら全部の症状が出るわけでもなく、気が付かないうちに甲状腺機能が低下している場合もあります。

 

甲状腺と関係するホルモン

甲状腺に関係するホルモンには、次のものがあります。

甲状腺刺激ホルモン TSH
甲状腺ホルモン FT3(遊離トリヨードサイロキシン)←活性度が高い。
FT4(遊離サイロキシン)

FT4はFT3に変換され、活性度の高いホルモンとなります。コルチゾールが多すぎる場合(つまり副腎疲労の反応期)T4からT3への変換が妨げられT3が少なくなり、甲状腺機能の低下が見られます。
さらに副腎疲労が進行しコルチゾールが低下すると(つまり副腎疲労の疲弊期)、T4は活性度の低いrT3(リバースT3)となってしまいます。

目安としては、TSHは1ぐらいが理想的です。TSHが多すぎる場合は甲状腺機能の低下があるため血中のFT4が減ってしまっているので、TSHをたくさん出して頑張っている状態であると推測されます。特に、TSH2以上は甲状腺機能低下の可能性があると考えられます。(ただし副腎疲労が進行すると低下することもあり)
そして、FT3の値は3ぐらい、FT4の値は1.5ぐらいが理想です。

尚、妊娠中は甲状腺機能が亢進するためTSHは低下します。

 

ヨウ素と甲状腺ホルモンについて

ヨウ素は甲状腺ホルモンの主原料となります。ヨウ素が不足すると甲状腺ホルモンの合成が損なわれ、 甲状腺機能低下症や、胎児においては死産や流産、先天性異常の原因となります。しかし、ヨウ素を過剰に摂取しすぎると、今度は逆に過剰なヨードが甲状腺機能を弱める結果となります。特に日本は海に囲まれた国なので、海藻(特に昆布とヒジキに多い)や魚介類を通じてヨウ素を過剰に摂取する機会は多いのかもしれません。
また、甲状腺疾患を持つ人がヨードを過剰に摂取することで甲状腺機能低下症を発症する可能性があるので注意が必要であるといわれています。また、バセドウ病を発症し治療を行っている人がヨードを摂取しすぎると、内服薬の効き目が弱くなることがあるようです。甲状腺ホルモンの産生を抑制するためにヨードの摂取を制限することもあります。

 

甲状腺機能低下による血液データへの影響

甲状腺機能が低下すると、コレステロール値は上昇する傾向が見られます。だだし、もともと低コレステロールの人はデータがマスクされてしまってコレステロール値が丁度よい値になっているというケースもあります。

甲状腺機能低下によって、コレステロール値だけでなく、MCVも上昇する傾向が見られます。一方、ALPは低下します。

 

甲状腺機能低下による血液データへの影響をまとめると、次の通りです。

コレステロール↑(上昇)

MCV↑

ALP↓(低下)

TSH↑(副腎疲労の人は低くなる場合もあり)

FT4↓

 

銅と亜鉛のバランスについて

銅と亜鉛の理想バランスとは

亜鉛(Zn)と銅(Cu)はバランスが非常に大切なミネラルの一つです。

亜鉛に対して銅が多すぎる場合、ドーパミンからノルアドレナリンへの変換が多くなり過ぎることで、不安感や攻撃性が増してしまいます。また、銅は鉄と同じく多すぎると酸化ストレスを引き起こすため注意が必要です。

血中銅と亜鉛のバランスは 、1:0.9~1 (銅1に対して亜鉛0.9~1ぐらい)が理想です。

 

銅が多くなる原因

脂肪肝などの炎症があると銅が多くなることがあります。銅は、ピルの服用、妊娠などによっても上がります。また、亜鉛には銅を下げる働きがありますので、亜鉛不足の食生活によって銅過剰が起こっている場合もあります。

亜鉛に関しては、ALPもチェックしてみましょう。

尚、血清亜鉛は日内変動が大きく、朝よりも午後の方が低下する一方、血清銅の日内変動はほとんどありません。

 

 

 

血液検査の「好中球」と「リンパ球」からわかること

白血球の5分画

血液を採取し、固まらないようにして試験管に入れて遠心分離器にかけると2層に分かれます、上層はやや黄白色がかった透明で、下層は赤い塊です。

この上の層は血液中の液体成分で、「血漿」と呼ばれます。血漿にはたんぱく質(アルブミンやグロブリン、フィブリノーゲンなど)や脂質(コレステロールなど)が溶け込んでいます。

下の層は細胞成分で、その表層には白っぽい層が重なっており、ここには白血球と血小板が含まれます。下の赤い塊は赤血球です。

白血球は、好中球(Neutroニュートロ)・好酸球(Eosinoエオジノ)・好塩基球(Basoバソ)・リンパ球(Lymphoリンホサイト)・単球(Monoモノサイト)の5つに分けることができます。これが白血球の5分画です。

 

好中球とリンパ球の割合から自律神経の状態を推測する

好中球には「ノルアドレナリン」の受容体があり、交感神経が緊張すると増加します。一方、リンパ球には「アセチルコリン」の受容体があり、副交感神経が優位になるとリンパ球が増加します。従って、リンパ球と好中球の割合は、その時点での自律神経のバランスを示します。

日中の活動時には交感神経優位になり好中球の割合が増え、夜間の睡眠時や休息時には副交感神経優位となりリンパ球の割合が増えるという日内変動が見られます。あるいは、気圧の変化によっても、気圧が高いと好中球が増え気圧が低いとリンパ球が増えるという変化も見られます。また、通常は男性よりも女性の方がリンパ球が多い傾向がみられるようです。

交感神経と副交感神経の切り替えがうまくなされていれば、そのバランスがうまく保たれますが、過労や悩み事といったストレスが長く続くことで自律神経のバランスが崩れ、常に交感神経が過度に緊張した状態になってしまうこともあります。また、寝不足などのストレスによってリンパ球は激減するといったように、その日の体調によっても大きく変わります。

個人差もありますが、好中球は 55%(50~60)ぐらいが理想で、高い場合は交感神経が高く過緊張状態であると考えられます。 一方、副交感神経を表すリンパ球は 30%(30~40)ぐらいが理想と言われています。

 

好中球の比率が高い時

好中球の比率が高いときは交感神経緊張があり、ストレス過多であると予測することができます。日常的にストレスにさらされていることによって、不眠、イライラや不安なども起こりやすくなります。尚、好中球は細菌感染でも上昇します。

正常範囲内の自律神経のバランスであれば、 交感神経は血圧を上げ、やる気や集中力を上げていき、 夜になると副交感神経が優位になりリラックスし眠りにつくことができます。好中球は細菌感染を防いだり、上皮の再生を促したりする大切な働きもしています。

しかし交感神経が優位になりすぎて好中球が増えすぎると、全身の血流障害を引き起こし、手足の冷えや低体温が起こりやすくなります。また、消化器の働きも悪くなります。胃潰瘍や潰瘍性胃腸炎、関節炎や腰痛、頭痛、さらにガンなどもかかりやすくなってしまいます。

特に、好中球が80%以上、またはリンパ球が20%以下というように好中球の割合がかなり増えてしまっている場合、ストレス状態がかなり強く、コルチゾールが過剰に分泌されている状態であると予想できます。この場合、副腎疲労になっている可能性がとても高いでしょう。

ちなみに、副腎疲労の検査として用いられるコルチゾールの唾液検査は一回20000円ぐらいかかりますが、この好中球とリンパ球の割合を調べる方法なら簡単で安上がりな方法であると言えます。(健康保険が適用されれば負担は数百円、白血球像だけなら自費でも2000〜4000円程度で済む)

 

リンパ球の比率が高い場合

副交感神経が適度に働いていると、血管が拡張して血流がよくなり、消化器の働きも高まります。しかし、副交感神経が働き過ぎてリンパ球の数値が高すぎるような場合は、だるさや疲労感が抜けない状態になってしまいます。

過度な副交感神経優位の状態が長く続くと、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、うつ病などの病気になり、身体の活動量が減ることで筋肉の発熱量が低下し、いずれは交感神経優位の場合と同様に低体温を引き起こす原因となります。

 

 

 

 

 

 

炎症を測る「高感度CRP」とは?

身体の慢性炎症を知る指標となる「高感度CRP定量」について説明します。

CRPとは

CRPとは、「C反応性たんぱく」と呼ばれるたんぱく質のことで、体のどこかに急性炎症が起こると、このたんぱく質が24時間以内に急増し、通常の濃度の1000倍もの濃度になることもあります。発熱を伴うような感染症や、風邪をひいていたりしても高くなります。

慢性炎症と「高感度CRP」

そして、動脈硬化やがん、うつ、認知症などの発症には、このような急性の強い炎症ではなく、小さな慢性炎症が関わっているということがわかってきました。慢性炎症があると、その細胞で活性酸素が慢性的に発生して、細胞を酸化させてしまいます。慢性炎症を起こすのは、高血圧、脂質異常、糖尿病、喫煙、肥満などです。「高感度CRP」では、このような小さな炎症を測ることができます。つまり、CRPが高値である場合、身体のどこかで微小な組織障害が起こっている状態であるということが予測されます。

高感度CRPの値は、0.05以下が望ましいとされています。

(ただし、CRP定量は、腸の炎症・脂肪肝・上咽頭炎などの慢性炎症があっても上昇はみられないと言われています)

慢性炎症と病気の関係

動脈硬化の指標は、コレステロールの値だけでなく、炎症のマーカーであるCRPの値も深く関係しており、CRPの値が高いほど将来的に心筋梗塞になる確率が高いということがわかっています。それ以外のメタボリックシンドロームも、炎症が深く関係しています。

また、例えば胃がんを引き起こすことで有名なピロリ菌ですが、実はピロリ菌自体の発がん性は低いけれど、菌が起こしている慢性の炎症ががんをひきおこしていると考えられています。同じように、C型肝炎による肝ガンの場合、C型肝炎ウイルス自体の発がん性は低いのにウイルスによって起こっている炎症が肝がんに関係していると言われています。最近は、うつ病などといった脳のトラブルも炎症が関係しているということがわかってきました。

また、口腔内のトラブルも、体内の炎症に関わりがあるということもわかっています。歯科医師である森永広喜先生の著書「全ての病気は口の中から」によると、広島大学などが行った共同研究の結果、重度の歯周病のある糖尿病患者に、抗菌剤を使ったし歯周病治療を行ったところ、糖尿病の目安となるヘモグロビンA1cが改善すると同時に、高感度CRP値が下がったとしています。また、森永先生自身の臨床経験からも、歯周病治療を行うことでCRPが改善するというデータが得られているのだそうです。つまり、歯周病治療によって、全身的な炎症が減るということが考えられるとしています。

 

「プロスタグランジン」と炎症

体内の炎症に対するアプローチには色々な方法がありますが、ここでは「プロスタグランジン」と炎症について考えていきたいと思います。

「プロスタグランジン」とは、体内で炎症反応をコントロールする物質です。細胞膜で脂肪酸をもとに作られ、その細胞やその付近で強力なホルモンのような働きをします。

プロスタグランジンの材料となるのは、アラキドン酸やEPAなどの脂肪酸です。アラキドン酸とEPAは、その分子構造の違いにより「オメガ6系」と「オメガ3系」に分けることができます。

オメガ6系脂肪酸から作られるプロスタグランジンと、オメガ3系の脂肪酸から作られるプロスタグランジンでは働きが異なり、互いに逆の作用を持ちます。オメガ6系由来のプロスタグランジンには、血管収縮、血小板の凝集、血圧を上げる、炎症促進などの作用があります。一方、オメガ3系由来のプロスタグランジンは、血管の弛緩、血小板の凝集を抑制、血液をさらさらにする、血圧を下げる、不整脈や凝血を防ぎ血流を良くして、心疾患などを予防する、炎症の鎮静化などといった働きを持ちます。
どちらのプロスタグランジンも生きていくために必要なものなのですが、オメガ3と6の間では、変換ができないため、両方の機能がしっかり働くためには、オメガ3と6をバランスよく摂る必要があります。(オメガ6とオメガ3の摂取量の比率は、1:1~4程度が良いと言われています)もしもどちらかだけに偏った食生活を続けると、体内のプロスタグランジンのバランスが崩れ、例えばオメガ6が過剰になれば、体内で慢性的に炎症や痛みがおこったり、血圧が高くなる、血液凝固しやすい、内臓の働きが弱る、アレルギー反応が起きやすい、など、様々な不調が現れやすくなります。

 

オメガ6系と3系脂肪酸を含む食品について

オメガ3の脂肪酸に分類されるのは、EPAの他にもフラックスオイルなどに多く含まれるαリノレン酸や、魚油などに多く含まれるDHAがあります。オメガ6の脂肪酸とは、植物油(コーン油や大豆油など一般的な植物油など)に多く含まれるリノール酸と、動物性脂肪などに多く含まれるアラキドン酸です。リノール酸は、揚げ物等の加工食品にも多く含まれます。アラキドン酸は、体内でもリノール酸から合成されます。

現代の食生活では高リノール酸植物油・肉・加工食品などといったオメガ6脂肪酸含有量の多い食品の摂取量が多く、オメガ3脂肪酸の摂取量が少ないため、オメガ6の過剰摂取とオメガ3の摂取不足が問題となりやすいので注意が必要です。(オメガ3系脂肪酸はとても酸化しやすいため、αリノレン酸を豊富に含む植物油を摂取する場合は、保存方法を気をつけたり、加熱せずに摂ることが望ましいです。)

尚、オメガ3系脂肪酸を人体が利用するには、体内でαリノレン酸をEPAやDHAに変換する必要があります。αリノレン酸のEPAやDHAへの変換率はごくわずかであるとも言われています。αリノレン酸がEPAに変換するためには、酵素が必要なのですが、それと同じ酵素がリノール酸の代謝にも使われるため、リノール酸を過剰に摂取していると、せっかくの酵素がリノール酸の代謝のために使われてしまうということになります。つまり、脂肪酸バランスを整えるには、脂肪の全体量の過剰摂取を避けた上で、αリノレン酸やEPA・DHAを意識的に摂ることを心がけるとよいでしょう。

 

 

「逸脱酵素」とは?

 

「逸脱酵素」とは、本来細胞内で働いている酵素が何らかの理由で血液中に流出したものです。例えば、脂肪肝や肝臓の炎症によって肝臓の細胞が破壊され、肝臓に含まれる酵素であるAST(GOT)・ALT(GPT)γGTPLDHなどが通常よりも多く血液中に見られるようになります。

そのため、これらの酵素の血中濃度を測定することで、臓器がダメージを受けていないかどうかを推測することができます。

もちろん、肝臓だけでなく、他の臓器の破壊や炎症によっても逸脱酵素に影響が出ます。例えば、ASTは心臓や筋肉、γGTPは胆管、LDHは心臓や肺や筋肉や赤血球、CPKは筋肉や心臓や脳、というように、その酵素が多く含まれる臓器に破壊や炎症が起こることで、逸脱酵素の値が高くなります。

一方、機能低下や代謝低下の場合、逸脱酵素の値は低下します。また、たんぱく質は酵素の材料となりますので、たんぱく質の不足があれば当然酵素の値も低下しやすくなります。

「インスリン」とは?血液検査の「インスリン」からわかること

知っているようで知らない「インスリン」の働く仕組みや、「インスリン」が出過ぎるとなぜ良くないのか、また、血液検査の「インスリン」の見方などを、わかりやすく説明します。

インスリンの働き

「インスリン」とは、膵臓から分泌され、血糖値を下げる働きをするホルモンです。

インスリンは、24時間継続して少量で続ける「基礎分泌」と、糖質摂取後一時的に血糖値が上がった時に出る「追加分泌」として分泌されます。つまり、なにも食べていないときでも、人体には少量のインスリンが必要とされているのです。このインスリンの「基礎分泌」がなくなると、人体のほとんどの組織ではエネルギー代謝をまともに行えなくなってしまいます。そして、「追加分泌」されたインスリンは、血液中のぶどう糖を骨格筋や心筋などの細胞内に取り込み、エネルギー源として使えるようにしてくれます。また、インスリンは、血液中の余分なぶどう糖を体脂肪に変える働きもしています。

尚、追加分泌のインスリンには、すぐに出るものと、遅れて出るものがあります。正常な場合は、血糖値が上昇し始めると即インスリンが追加分泌されます。(第一相反応という) もともと蓄えられていたインスリンが5~10分間分泌され、糖質を摂った時の高血糖を防いでいるのです。そしてそのあと少し遅れて、第二相反応と呼ばれるやや少なめの持続するインスリン分泌が行われ、食事を摂った時の糖質の残りをカバーします。そして食事が終わってしばらくすると、第一相のインスリンがまた蓄えられるという仕組みになっています。

このようにして、インスリンの働きによって血液中の糖が増えすぎないように調節が行われているわけですが、血糖値を下げる働きを持つホルモンは、唯一このインスリンだけです。

血糖値を下げるホルモンと、血糖値を上げるホルモン

血糖値を下げる働きを持つホルモンはインスリンだけであるのに対して、血糖値を上げる働きを持つのは、ACTH(副腎皮質刺激)ホルモン、コルチゾール・アドレナリン・成長ホルモン・グルカゴン・甲状腺ホルモンなど、たくさんあります。これらはインスリンに対抗して働きホルモンであることから、「インスリン拮抗ホルモン」とも呼ばれます。インスリンの過剰分泌によって血糖値の急降下が起こるとき、インスリンに対抗してインスリン拮抗ホルモンが分泌されることになります。従って、インスリンの分泌が少ない方が、血糖値を上げるホルモンの分泌も少なく済んで、血糖が安定しやすくなるというわけです。
急激な血糖変動によるホルモンのアンバランスは、自律神経のバランスを乱し、糖尿病だけでなく、うつ病、アレルギー症状などの他、多くの症状を引き起こす原因となります。逆に、穏やかな血糖の変動は、穏やかな心身を保ちます。

 

インスリンが出すぎることによる弊害

糖質をたくさん食べ、インスリンがたくさん出て、血糖の上下動がさほど起こっていなかったとしても、今度はインスリンが過剰に出すぎている高インスリン血症という状態になります。この高インスリン血症も問題で、膵臓に負担がかかるだけでなく、例えば、インスリン自体ががん細胞を増殖させてしまう原因なのではないかという意見もあります。また、インスリンの働きで脂肪細胞の取り込み口が開くと、太りやすくなってしまいます。つまり、インスリンの分泌が過剰だと、血糖値は正常だけど太るという現象が起こります。このように、高血糖も血糖の上下動も良くないし、インスリンの分泌が過剰になることも良くないため、必要最小限のインスリンで血糖値をなだらかに保つことが、身体にとって一番負担が少ないと言えます。
(2010ランセット発表によると、2型糖尿病に対する、インスリンを使用しての厳格な血糖コントロールは、低血糖をもたらし、死亡のリスクを高める。従って、生活習慣の改善と、低インスリン血症のリスクのないインスリン感受性改善薬を第一選択をすべきである、としています)

人種によるインスリン分泌能力の違い

同じⅡ型糖尿病でも、欧米人に多いタイプと日本人に多いタイプがあり、発症のメカニズムが異なると言われています。
欧米の人は日本人よりもインスリンを出す力が強く、たくさん食べても十分なインスリンが出るため、血糖が上がりにくく、太らない限り糖尿病になりにくい人が多いと言われています。血糖値が上がる前にインスリンがどんどん出るため、体内の糖は脂肪細胞の方へ取り込まれていくので、必然的に太りやすくなるというわけです。こうして肥満になると、今度は脂肪細胞からインスリンの働きを邪魔する物質が出てきて、インスリンが出ていても効きが悪くなってきて(=インスリン抵抗性)、糖尿病を発症します。従って、欧米人の場合、太っていれば糖尿病リスクが高く太っていなければ少ないというわかりやすさがあるのです。このような経過をたどる欧米人については、糖尿病の治療としてまずカロリー制限を行って痩せることが優先されてきました。
一方、日本人(アジア人全般)の場合、欧米人よりもインスリンを出す力が弱い人が多く、肥満になる前に血糖値が上がってしまう人が多いのです。実際に、2型糖尿病を発症する人の半数以上は肥満ではないと言われています。

 

インスリンの分泌能力を保つには

膵臓からのインスリン分泌能力は、年齢と共に低下していていきます。分泌能力が弱くなるスピードは個人差があり、いつも過剰な糖質を食べていてインスリンの分泌頻度が多いほど、膵臓に負担がかかり傷みやすいと考えられます。さらに、普段から筋肉を使っている人ほど、インスリンに対する反応性が良いこともわかっています。従って、血糖値を安定させるためには毎日の食生活に気を付けるだけでなく、運動をすることである程度の筋肉量を保つということも、とても大切です。

血液検査の「インスリン」の見方

血中インスリン濃度の目安は、空腹時で2~3ぐらいです。インスリンが高い時は、糖質のとり過ぎが考えられます。

また、インスリン値を見るときは、グルコースとのバランスを見ることが大切です。例えば、血糖値が低めなのにインスリンが多く出ている場合は、バランスがおかしいと考えます。(=反応型低血糖症)※下記参照

尚、溶血があると赤血球から漏出したプロテアーゼによってインスリンが分解されて、インスリン値が本来の値よりも低値になるので注意が必要です。

インスリンの分泌や効きが正常になり、血糖の変動が安定してくると、不定愁訴や睡眠状態、目覚めの感覚、頭痛、動悸、皮膚症状など、様々な自覚症状の改善が見られやすくなります。

また、インスリン以外の血液データからもインスリンの状態を予測することができます。インスリン抵抗性が改善し糖の代謝が改善してくると、HDLーCが低すぎた人はHDL-Cが上昇、中性脂肪が高すぎた人は中性脂肪が低下、というように、データの適正化が見られるようになります。また、脂肪肝に付随するGPTやγGTP値が高すぎた場合も、糖代謝の改善に伴って値の改善が見られるようになります。

中性脂肪や肝臓の数値が年々上がっていたり、HDL-Cが年々下がってきていたりする場合、糖の代謝が乱れてきているのかもしれないと考えられます。

※低血糖症のパターンについて

(低血糖症の基本的な内容はこちら

「低血糖症」にはいくつかのパターンがあります。いずれの場合も、インスリンの分泌に問題があるのですが、通常の検査では血糖値もHbA1cも異常値が出ないところがやっかいです。

それそれのパターンとその特徴は以下の通りです。

◆反応性低血糖症・・糖負荷後血糖値が急上昇し、急降下するタイプ。

食後にインスリンが出すぎるせいで、血糖値が下がりすぎてしまいます。40台ぐらいまで急降下してしまうこともあります。非常に甘いものが食べたくなったり、食後なのにお腹が空くと訴えたりする。このタイプは若い人に多いと言われています。

◆無反応性低血糖症・・糖摂取後も血糖値が全然上がらない(変動が10程度)

血糖値の変化がない代わりに、インスリンが乱高下するタイプ。このタイプも若い人に多く、慢性疲労や抑うつ、朝起きられないなどの症状が出やすくなります。

◆乱高下型低血糖症・・血糖値が上がったり下がったりを繰り返す。

血糖値が安定せず、一日のうちで乱高下を繰り返します。

 

~糖尿病や低血糖症を防ぐ食事については、こちらをチェック!~

血液検査の「グリコアルブミン」からわかること

「グリコアルブミン」は通常の血液検査の項目には入っていないのであまり聞きなれないかもしれませんが、血糖値の状態をより正確に知るために使える項目です。

グリコアルブミンとは?

グリコアルブミン(GA)とは、グルコースとアルブミンがどのぐらいの割合で結合しているかを調べる項目で、ヘモグロビンA1cよりも最近(過去2~4週間ぐらい)の血糖値の平均を反映します。ちなみにヘモグロビンA1cは過去1~2か月ぐらいの血糖値を反映しますが、ヘモグロビンよりもアルブミンの半減期の方が短いので、グリコアルブミンの方がより最近の血糖の状態を反映します。(血糖値やヘモグロビンA1c、「低血糖症」についてはこちらもチェックしてみてください)

また、ヘモグロビン値が異常値を示すせいでヘモグロビンA1cが指標として使用できない、鉄欠乏性貧血、溶血性貧血、腎性貧血などといった疾患での指標として使うことができます。

ただし、「無反応性低血糖症」や、食事の回数が少ない場合は血糖値の平均値が低くなることがあるので、一概には言えません。また、ネフローゼ症候群、甲状腺機能亢進症、低アルブミン血症などでも低値になります。

逆に、肝硬変、甲状腺機能低下症、栄養障害、高ビリルビン血症などで高値になります。

グリコアルブミンの一般的な「基準値」は12~16%となっていますが、だいたい14.6~15ぐらいに収まっているのが理想的です。グリコアルブミンが高い場合、血糖値が高い状態が続いている、つまり糖尿病のリスクが高まります。逆に、グリコアルブミンが14を切るような場合は、食後3~4時間後の低血糖の可能性がかなり高いと考えられます。

血液検査の「血糖値」・「ヘモグロビンA1c」からわかることと、「低血糖症」について。

血糖値やヘモグロビンA1cとは何か、そしてそれらが高過ぎるとなぜ良くないのか、さらに、血糖値が下がりすぎる「低血糖症」とその対処法についてわかりやすく説明します。

血糖値とは?

血糖値(blood sugar=BS)とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことです。血液1㎗(100mg)中、何mgのブドウ糖が含まれているかを数字で示していますので、単位はmg/㎗となります。

糖尿病は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが膵臓から十分に出ない、またはインスリンが十分に働かないために、血糖が高くなってしまう病気です。

高血糖の状態が何年間も続くと、血管が傷つき、心臓病や失明、腎症、足の壊疽などといった重い合併症引き起こす、非常に怖い病気です。

一般的に言われている血糖値とヘモグロビンA1cの正常値は以下の通りです。
空腹時血糖110mg/dl未満
75g糖負荷2時間後血糖値140未満
ヘモグロビンA1c6.2(NGSP)未満

 

そして、糖尿病の診断基準は以下の通りです。

空腹時血糖(fasting blood sugar=FBS)126mg/dl以上
75g糖負荷試験2時間後血糖が200以上
または、随時血糖200以上
ヘモグロビンA1cが6.5以上

糖尿病患者の場合、空腹でも血糖値が200を超えることもあり、食後には軽く300を超えてしまうこともあります。ヘモグロビンA1cは、9%を超えると、合併症への危険が急激に上がると言われています。

血糖値が正常値と糖尿病と診断される値の間にある場合は、「境界型」と呼ばれます。

栄養療法では、糖尿病の診断だけでなく、血糖値の変動をとても重視しています。なぜならば、食後血糖が高ければ高いほど血管にダメージが加わり、動脈硬化が進むということがわかっているからです。糖尿病の合併症を予防するためには食後の血糖を上げないようにすることがとても大切です。

ヘモグロビンA1cとは?

ヘモグロビンA1c(HbA1c)とは、ヘモグロビンにブドウ糖が結合した割合を見る検査です。血糖値が高ければ高いほど増加しますが、血糖値と違って過去1~2か月の血糖の平均を反映します。血糖値は検査直前に節食すると低下しますが、ヘモグロビンA1cは一時的に食事を変えただけでは変化しないので、血糖コントロールの良い指標になります。ただし、あくまでも平均値なので、食後高血糖を反映せず、血糖の変動を知ることはできません。(グリコアルブミンの方が血糖の変動を知るより良い指標となります)

ヘモグロビンA1の「基準値」は4.3~5.8%となっていますが、後に述べる通り、低すぎることも問題で、だいたい4.8~5%ぐらいまでが理想的な値です。6%を超えるようだと糖尿病特有の合併症が起こるリスクが高まると言われています。

尚、ヘモグロビンA1cはアルコール多飲、大量のビタミンC、高ビリルビン血症、再生不良性貧血、尿毒症などで高値を示すこともあります。
逆に、赤血球の寿命が短くなるような溶血亢進、鉄欠乏性貧血、また、肝硬変、出血後、妊娠などによって低値になることがあります。

血糖値やヘモグロビンA1cが基準値でも、注意が必要な場合とは?

糖尿病の初期段階では自覚症状がほとんどなく、気が付かないうちに徐々に糖の代謝異常が進行してしまいます。

健康であれば、血糖値は通常90~100ぐらいに保たれており、食後の血糖値の変動は多くともプラス50~60ぐらいの範囲におさまります。そしてその後、急激に血糖値が下がりすぎたりすることもなく、食事後2~3時間もすれば、血糖値は元に戻ります。
人によって食後の血糖値のピーク時間は異なり、60分の人もいれば、120分ぐらいの人もいます。

しかし、血糖値の調節がうまくいっていない人の場合、気が付かないうちに食後の高血糖が起こり、その反動で今度は血糖値が下がりすぎる、という、血糖値の乱高下が起こるようになります。

血液検査で血糖値やHbA1cが正常でも、糖尿病の前段階として、食後の高血糖や、血糖値を適切な状態に維持できない「低血糖症」が起こっている場合があります。通常の空腹時血糖やHbA1c、糖負荷後2時間後の検査だけでは、血糖コントロールの状態を十分に把握できず、血糖コントロール不良を見逃してしまうことがあるのです。

 

 

低血糖症とは?

血糖値は、通常は上がりすぎたり下がりすぎたりしないように、体内のホルモンの働きによって調節が行われています。その調節がうまくいかず血糖値が下がりすぎてしまうのが「低血糖症」です。

低血糖症にもいろいろなパターンがあります。食後高血糖の反動で血糖値が急降下する、または一日のうちで血糖値が下がりすぎてしまう時間がある、あるいは、血糖値の変動がない代わりにインスリンの分泌が乱高下しているというパターンもあります。どのパターンにも共通しているのは血糖値の調節がうまくできない状態になっているということです。

低血糖症があっても、多くの場合は健康診断で採血をした時には血糖値が基準範囲内に入っているので問題視されません。しかし、血糖値やインスリンの変動は、ホルモンや自律神経のバランスを乱し、精神状態にも大きな影響を与え、膵臓、副腎、肝臓などにも負担がかかるようになります。そして、慢性的な疲労感、憂うつ感、イライラ、頭痛、情緒不安定、PMSなど、人によって様々な不定愁訴が起こるのです。また、交感神経が優位な状態になり、アドレナリン・ノルアドレナリン(興奮性のホルモン)が分泌されることから、リラックスできない、動悸、不眠、冷え、手足の震えなどの症状が起こるようになります。中には、「耳に膜が張る感じ」を訴える人もいます。

 

血糖値を丁度良い値に保つためには、副腎が元気であることが必須です。副腎から分泌されるホルモンが糖新生(体内で糖以外のものから糖を作ること。)を促進し、血糖値を上昇させる働きを持っているからです。そのため、低血糖症の背景には、「副腎疲労」が関係していることが多く見られます。

空腹時の血糖値が低めな人は、副腎機能が低下気味で普段から血糖値を充分に保つことができていなかったり、食後に血糖値の乱高下が起きている可能性が高いと考えられます。

目安としては、空腹時血糖が80~85以下、ヘモグロビンA1cだと4.6を切るぐらいだと、低血糖症の可能性があるかもしれません。ただし、HbA1cはあくまでも平均値ですので、低血糖があっても食後の高血糖があれば、平均をとって丁度よい値(5ぐらい)となってしまう場合もあります。

上に挙げた不定愁訴の他にも、食後に異常に眠くなったり、甘いものが無性に食べたくなる、よく眠れない、いつもなんとなく具合が悪い、朝の寝起きが悪く目覚めたときから疲れている、などといった症状がある場合は要注意です。逆に、安定した血糖値は、睡眠や、多くの自律神経が関係する症状を改善させます。

 

 

低血糖症を改善する食事

低血糖症を治す薬は存在しません。低血糖症の背景には、副腎疲労や腸内環境の悪化、自律神経バランスの崩れなど、様々な要素が絡んでいるのですが、まず手っ取り早くできることは、血糖値を安定させる食生活を心がけるということです。以下に食事のポイントを挙げます。尚、これらの食事は血糖値を安定させるための食事なので、糖尿病対策としてももちろん有効です。

①血糖値を上げやすい食べ物を減らす・炭水化物だけの食事は避ける

砂糖やブドウ糖果糖液糖、パンや白米は血糖値を急激に上げ、その反動で血糖値を急降下させやすい食品です。甘いものをやめることと、主食(パンやごはん)を減らしておかずを中心にした食事にする、ということを心がけましょう。玄米や全粒粉のパンには食物繊維が多く含まれ、低血糖を起こしにくい炭水化物です。ただし、胃腸の弱い人は消化がしづらい場合もあるので、胃腸の様子を見ながら取り入れていくと良いでしょう。

②間食にも注意

間食の内容も気を付けましょう。「私は甘いものは食べていません!」という方の食生活をよくよく聞いてみると、実はおせんべいが大好きだったりすることがあります。おせんべいは甘くはありませんが、ガッツリ糖質メインの食べ物です。一見身体に良さそうな野菜ジュースや果物ジュースも、糖分が多く血糖値をもろに上げてしまいます。甘いものやおせんべい、ジュースなどといった糖質メインのものを避け、大豆製品や卵、小魚、ナッツ類など、必ずたんぱく質を含むものを取り入れるようにしましょう。消化力が弱い方は、和風だしやボーンブロスなどのスープでたんぱく質を補うのもとてもおススメです。

③食べる順番

たんぱく質や食物繊維を食べてから糖質を摂ると、血糖値の急上昇を抑えることができます。食事の際は、まずは肉や魚、卵などのおかずを食べ、あわせて野菜料理もたっぷり食べてから、ごはん類を食べるようにしましょう。

⓸食事を抜かない

食事と食事の間隔が長いと低血糖症状を起こしやすく、さらに空腹で食事を摂れば一気に血糖値が上がりやすくなってしまうので、食事を抜くことは避けなければなりません。適度な間隔で食事を摂ることで、血糖値が下がりすぎるのを防ぎ、血糖値を上げるホルモンの異常な分泌も防ぐことができます。朝食を食べることも大切です。血糖値の変動には個人差がありますが、低血糖の症状が出やすい人は、だいたい食後3~4時間ぐらいで何かを食べると良いと言われています。また、低血糖が出やすいのは特に夕方の4時ぐらいですので、昼食から夕食の間には必ず間食を摂るようにします。ただし、②でも説明した通り、間食の内容にも注意します。

⑤調味料に注意

和食はヘルシーなイメージが強いですが、調理法によっては砂糖を多く使う料理もあります。特に、お店で売られているお惣菜には意外と砂糖が多く使われていたり、加工食品には味を良くするために砂糖やブドウ糖果糖液糖がたっぷり入っているものが多いです。あまり神経質になりすぎるのもストレスがたまって良くないのですが、なるべくシンプルな味付けの料理を選ぶことを心がけましょう。

⑥カフェインをやめる

低血糖症の人は、エネルギーをうまく作ることができないので疲れやすく、テンションが低い人が多いです。または、外では身体が頑張ってアドレナリンを出しまくっていて一時的にハイテンションになっていて元気に見えるけれど、家に帰ったらぐったりというケースもあります。このようなケースの場合、カフェインなどに依存することで、無理をして元気を出している人もいます。カフェインは直接副腎を刺激することでアドレナリンを出します。つまり、ただでさえ血糖コントロールが悪く副腎が酷使されているのに、さらに副腎にムチを打って無理してアドレナリンを出してがんばって血糖値を上げているので、ますます副腎が疲れてしまうという悪循環が起こります。コーヒーや栄養ドリンクがないと元気が出ない!という方は、要注意です。紅茶や緑茶にもカフェインが含まれますので、一日に何杯も飲むという方は、量を控えるようにしましょう。尚、お茶はお湯で出すよりも水出しの方がカフェインが少ないお茶になります。

 

 

 

 

血液検査の「クレアチニン」からわかること

血液検査の「クレアチニン」について説明します。

クレアチニン(Cr)とは

クレアチニン(Cr)は、筋肉が運動するための重要なエネルギー源となる「クレアチンリン酸」という物質が代謝されたあとにできる老廃物です。

血中のクレアチニンは、腎機能の指標として使われます。クレアチニンは腎臓でろ過されて尿として排出されるため、血中のクレアチニンの濃度が上昇していることは、腎臓の機能が低下しているということを意味するのです。

また、クレアチニンは筋肉量と相関するので、女性よりも男性の方が値が高い傾向が見られます。

クレアチニンが高値の場合

クレアチニン値の目安はだいたい0.6~1.1ぐらいです。

クレアチニンは腎機能障害で高値になる他、脱水、溶血、筋力運動でも高値になります。

降圧剤や解熱鎮痛抗炎症薬、利尿薬を飲んでいる場合、種類によっては高値になることがあります。

クレアチニンが低値の場合

クレアチニンは筋肉量を反映するので、たんぱく質が不足している人や、高齢者や長期臥床者など、筋肉量が低下している人では低めで、基準値を下回ることが多くなります。

その他にも、肝障害や甲状腺疾患、筋ジストロフィー、妊娠などでも低値になることがあります。

血液検査の「中性脂肪」からわかること

血液検査の「中性脂肪」について説明します。

中性脂肪とは?

中性脂肪は、triglyceride=TGとも呼ばれます。食事として摂取される「脂肪」は主に中性脂肪です。

中性脂肪は、体内のエネルギーの運搬や貯蔵、皮下脂肪として保温や生体の保護に役立っています。血液検査の「中性脂肪」は、脂肪の量そのものではなく、リポタンパクの量を測っており、総合的な栄養状態の重要な指標となります。

中性脂肪は日々の食事内容によって顕著に変動しやすいので、必ず採血は空腹時に行う必要があります。

中性脂肪の理想的な値は100前後です。

 

中性脂肪が高い場合

中性脂肪は、脂質代謝異常、糖尿病、肥満、動脈硬化、痛風、甲状腺機能低下症などで高値になります。
また、ある種の降圧薬や抗狭心症薬、経口避妊薬によって高値になることもあります。

血中の中性脂肪が高いと血小板凝集を促進し、血栓を作りやすくなります。特に、高血圧とHDLが低いことが重なると、血栓のリスクはさらに高まります。

肥満の場合やγGTPが高値(脂肪肝)だと、中性脂肪は高くなる傾向にあります。注目すべきは、糖代謝が悪いと中性脂肪が高くなりやすいということです。

お酒を飲まないのに中性脂肪が高い場合、お菓子類やジュース、果物など、糖質食品の過剰摂取をしている場合が多く見られます。肉類の摂取が多く魚の脂の摂取が少ない(脂肪酸バランスが悪い)場合も、中性脂肪が過剰になりやすいです。

また、痩せているのに中性脂肪値が高い場合は、甲状腺刺激ホルモンの働きが弱いという可能性も考えられます。

 

中性脂肪が低い場合

逆に、中性脂肪やコレステロール値が理想値よりも低い場合、たんぱく質や脂質をしっかりと食べていない、または、消化力が低いと考えられます。特に、食の細い女性や、60歳以上の高齢者は注意が必要です。

肝機能低下によって中性脂肪が低くなっている場合もあります。

例えば、中性脂肪が低くてコレステロール値も低く、ALTも10台前半ぐらいであったりする場合、栄養不足によって肝機能が低下している可能性が高いと言えます。

中には中性脂肪が30台ぐらいまで落ちてしまっている人も見られますが、ここまで低いと免疫力の低下なども心配です。

肝機能低下が起きている場合、糖新生が難しく自律神経バランスが悪くなり、低血糖症状などが起こりやすくなってしまいます。

また、甲状腺機能亢進症や下垂体機能低下症、栄養障害などでも中性脂肪は低値になります。

 

 

 

血液検査の「HDL」・「LDL」からわかること

HDLコレステロール(HDL‐C)とLDLコレステロール(LDL‐C)について説明します。

HDLコレステロールとは?

コレステロールは水に溶けないので、体内で輸送するにはコレステロールを運ぶ「舟」の役割をする「リポたんぱく」が必要となります。リポたんぱくの構造によって、脂肪は、血液やリンパ液によって輸送されることができます。リポたんぱくは、リン脂質で球状の形を作り、中に中性脂肪、コレステロール、たんぱく質が含まれた構造になっています。リポたんぱくは含まれる中性脂肪やたんぱく質の割合によって比重が異なり、その比重によってVLDL、LDL、HDL、カイロミクロンなどの種類に分けられています。

HDL(High Density Lipoprotein)は、たんぱく質がその半量を占め、その名の通り比重が高い(=比重が大きい、つまり重い)リポたんぱくです。血管壁に付着しているコレステロールなど、組織上で余分になったコレステロールを回収し肝臓に運び戻す働きがあることから、俗に「善玉コレステロール」と呼ばれることもあります。

HDLは、70ぐらいあることが望ましく、80~90 台でも良いと言われています。遺伝的な要素も大きく、若い時からHDLが高めの家系は長寿の家系が多いようです。適度な運動はHDLを増やしてくれる効果があることがわかっています。

糖尿病、動脈硬化、肥満症、過度の喫煙、腎透析などの人は、HDLが低値になりやすいことがわかっています。また、オメガ6系脂肪酸の過剰摂取でもHDLが下がることもあります。

逆に、極端に高くなってしまう人の場合(100を超えるような場合)は、「コレステリルエステル転送たんぱく欠損症」(遺伝病)の可能性もあると言われています。薬の影響で高値になることもあります。

 

LDLコレステロールとは?

LDL(Low Density Lipoprotein)とは、その半量をコレステロールが占める低比重のリポ蛋白です。

LDLは一般的に「悪玉」扱いされていますが、LDLルの本来の役割は末梢にコレステロールを供給して、細胞膜を修復することです。細胞膜だけでなく、性ホルモンやCoQ10、ビタミンD、胆汁を作るためにも必要です。

しかし、コレステロールが過剰になると、酸化したLDLコレステロールは「変性LDL」(変性した低比重リポ蛋白)が出てきます。すると、この変性リポたんぱくを「マクロファージ」(白血球細胞の一つ)が取り込んで、「泡沫細胞」という細胞に変わります。この泡沫細胞は、血管内皮に浸潤し、粥状の「アテローム」となって動脈壁に蓄積し、血管の一部を狭窄させ、アテローム性動脈硬化を引きおこし、心臓病のリスクを高めることになるのです。

LDLコレステロールは110~130ぐらいが理想的です。

LDLコレステロールが高すぎる場合、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化などのリスクが高まるほか、糖尿病、甲状腺機能低下、ネフローゼなどでも高値になります。

また、LDLは加齢や閉経に伴い数値が上昇しやすい傾向があります。

 

脂質異常症とは

HDLは血中のコレステロールを肝臓に運び、LDLがコレステロールを末梢へ運びぶ働きがあるため、血中のLDLレベルを下げ、HDLレベルを上げることが、アテローム性動脈硬化症を防ぐことにつながります。

体内では常に一定量のコレステロールが必要なため、体内では必要に応じてコレステロールを合成しています。体内で作られるコレステロールの60~70%は、肝臓で作られており、(その他にも小腸、副腎皮質、性腺などで作られます)それ以外は食品から摂取したものです。そのため、食事内容だけでなく、肝機能が正常に働いているかどうかも非常に重要となります。

通常は血液中のコレステロール値は一定の量が保たれるように調節されているのですが、食事から身体に入ってくる脂質の量が多すぎたり、肝機能低下などによって血液中のLDLや中性脂肪が過剰になっていたり、HDLが少なくなってしまった状態を、「脂質異常症」といいます。

「動脈硬化指数」について

LDLとHDLのバランスをチェックして、酸化ストレスの度合いをチェックしてみましょう。

(総コレステロールーHDL)/HDLの計算式で求められる値を「動脈硬化指数」と言います。

動脈硬化指数は3以下が望ましく、3以上であれば対策が必要です。

LDLレベルを下げ、HDLレベルを上げるには、体重をコントロールする、飽和脂肪酸よりも一価と多価不飽和脂肪酸を摂取する、トランス脂肪の除去、動物性脂肪の摂りすぎを避ける、オメガ6系脂肪酸の過剰摂取を避ける、オメガ3系脂肪酸の積極的な摂取、水溶性食物繊維の摂取、アルコールを控える、適度な運動を行うことなどが有効です。

尚、インスリンの効きを知りたい場合にも、HDLコレステロールと中性脂肪に注目すると良いと言われています。
なぜなら、インスリン抵抗性が改善してくると、HDLコレステロールが低すぎる場合は徐々に上がっていき、中性脂肪が高すぎる場合は徐々に下がっていく傾向が見られる、つまり、糖の代謝の改善を予想することができるからです。
逆に、中性脂肪が年々上がっていたり、HDLコレステロールが年々下がってきていたりする場合、もしかすると糖の代謝が乱れてきているのかもしれません。ただし、中性脂肪などは変動しやすいデータでもあるので、一年ごとの結果で一喜一憂するのではなく、年々変化する様子に着目して見ると良いでしょう。

 

 

 

血液検査の「尿酸値」からわかること

血液検査の尿酸について説明します。

尿酸・プリン体とは?

尿酸(uric acid=UA)は、体内の「プリン体」を分解することでできる物質です。
「プリン体」とは、細胞内の「核酸」(DNA・RNAの材料)を構成する物質で、食品では穀物、肉、魚、野菜など食物全般に含まれ、主に旨みの成分にあたります。もちろんヒトの体内にもたくさん存在しています。

プリン体は食品から摂るよりも、実は体内で作られる量の方が多く、体内にあるプリン体の7~8割は体内で作られたものです。

通常、プリン体は体内で分解されて尿酸に変化し体外に排出されますが、尿酸量が排出能力を超え、体内に蓄積されると痛風の原因になることで知られています。

尿酸値は低ければ低いほど良いわけではない!

尿酸はたんぱく質を原料に作られるので、尿酸値が低い場合はたんぱく質不足が予測されます。また、尿酸の原料となる核酸の不足も疑われます。核酸は細胞の生まれ変わりの際にも欠かせないものなので、例えばアンチエイジングのためにも重要です。核酸は肝臓で作られ、赤血球によって全身に運ばれます。

そして尿酸には、体内で作られる代表的な抗酸化物質としての働きがあります。人間がビタミンCをつくることができないかわりに抗酸化物質として働いているのが尿酸なのです。つまり尿酸値が低下している人は、抗酸化力が低く活性酸素を除去する力が弱くなっているということが予測されます。
もしかしたら体内で尿酸をたくさん作っているのにも関わらず、活性酸素が多くて作るのが追い付かない状態になっているのかもしれないということも考えられます。

そのため、尿酸値は低ければ低いほど良いというわけではなく、4以上はあるのが理想的です。(4~5が理想です)

 

尿酸値が低い時の対策

①抗酸化栄養素の摂取

尿酸値が理想値よりも低い時は、積極的にビタミンCやEなど、抗酸化ビタミンを積極的に摂るようにしましょう。色の濃い野菜や果物には、ビタミンだけでなくポリフェノールやフラボノイドといった天然の抗酸化物質が豊富に含まれます。特に、尿酸値が3を切るようだと低いので、活性酸素対策が必須です!

ちなみに、体内で作られる抗酸化物質は、メタルチオネイン、グルタチオンなどで、これらもたんぱく質を原料に作られます。

②たんぱく質を充分摂る

食事でしっかりとたんぱく質を摂るようにしましょう。もちろん、よく噛んで食べることも大切です。消化力が弱い方は消化酵素を摂ることも有効です。

 

尿酸値が高くなる原因

次に、尿酸値が高くなる原因を見ていきましょう。

①活性酸素が多い

尿酸値が高値の場合、体内の活性酸素が多いので体内で頑張って作っている状態であるということが予測できます。尿酸は、多すぎても少なすぎても、活性酸素の害が大きい可能性が高いと言えます。

②食生活

精製炭水化物、果糖やアルコールの過剰摂取は特に、尿酸値を上げやすいため注意が必要です。特に果糖には、尿酸の合成を高める働きがあります。スポーツドリンクや栄養ドリンク、甘い果物、果物ジュースなどにも果糖はたくさん含まれています。アルコールが尿酸を作りやすくすることも知られています。「尿酸値が高い=プリン体の摂取を減らせば良い」、と考えがちですが、プリン体だけ減らしただけではだめなのですね。ちなみに食事のプリン体量に影響される尿酸はたったの2割程度です。とはいえ、プリン体の多い食べ物を食べ過ぎないようにすることも大切です。

③尿酸の排泄が悪い

尿酸の排泄が悪い人も高尿酸になりやすいです。排泄を悪くする原因の一つとして、肥満が考えられます。肥満によって高尿酸になるのは、肥満になると余りがちになるインスリンが、尿酸の排泄を邪魔する方向に働くからです。また、遺伝的に尿酸の排泄が悪く、尿酸が上がりやすい体質の人もいるようです。

つまり、高尿酸血症は、尿酸値が高くなりやすい遺伝的な体質に加え、飲食の不摂生や、ストレスなどの環境因子が関わり合って起こると考えられます。

尿酸値が高い時の対策

①ストレスを減らす

高尿酸が気になる方は、アドレナリンを出し過ぎるようなストレスフルな毎日を過ごしていないかどうか、日頃の生活を振り返ってみましょう。

②食生活を見直す

肥満の改善だけでなく、プリン体の多い食べ物の食べ過ぎないようにしたり、アルコール、果糖の摂取も控えるようにしましょう。

③クエン酸を摂る

尿酸を中和して尿排泄させるためには、アルカリが必要となります。そのためには、クエン酸が有効です。クエン酸自体は酸性なのですが、体内での代謝の過程でアルカリ性になるので、尿酸を中和する働きがあるのです。

⓸痛風を予防する

尿酸が結晶化すると痛風になります。痛風は、足の指にできやすいことで知られています。指先の末梢血管は細く、血流が悪いと結晶がたまり、痛風になりやすくなってしまいます。痛風を防ぐためにも、血流を改善することがとても大切です。運動習慣を持つことや、意識的に足の指を動かすようにしましょう。
また、オメガ-3脂肪酸が豊富に含まれるフラックス(亜麻)油などを積極的に摂ることもおすすめです。フラックスオイルには、炎症と痛みを抑える働きがあります。さらに、クルクミや、アントシアニン、ケルセチンなどには、尿酸を抑える働きがあると言われています。クルクミンには強力な抗炎症作用があることでも知られています。

血液検査の「赤血球」・「ヘマトクリット」・「網状赤血球」からわかること

血液検査の項目「赤血球」や「ヘマトクリット」、「網状赤血球」について説明します。

赤血球(RBC)・ヘマトクリット(HCT)とは

赤血球(Red Blood Cell)は血液細胞の一つです。赤血球の内部はヘモグロビン(=鉄を含む赤い色のたんぱく質)で充満していて、そのヘモグロビンに酸素を取り込みます。

そして、血液中に占める細胞成分の割合をヘマトクリット(HCTまたはHt)と言います。血液中の細胞成分のほとんどが赤血球であるため、ヘマトクリット値は赤血球の量を知るための目安になります。

赤血球やヘマトクリットは、貧血があると低値になることで知られています。

一方、脱水などによって血液が濃くなると高値になります。

網状赤血球とは

赤血球が骨髄で作られ脾臓で壊されるまでの寿命は約120日程度で、毎日赤血球の全体の0.8~0.9%ぐらいが入れ替わっています。

骨髄で作られた赤血球のもとは、いくつかの段階を経て成熟した赤血球になります。

網状赤血球とは成熟した赤血球の一段階前の、未熟な赤血球のことです。色素で染めて顕微鏡で観察するとRNAが染まって網状に見えるので、このような名前が付けられています。

網状赤血球は、骨髄での赤血球産生の指標となります。網状赤血球が増加しているときは造血亢進、減少は造血低下が起きていると考えられます。

理想的な目安値は9~11ぐらいです。

網状赤血球と貧血

同じ「貧血」でも、その種類によって値が増える場合と減る場合があります。

「再生不良貧血」(骨髄の造血幹細胞が減少することで起こる貧血)の場合、骨髄での造血能力が低下しているということですので、網状赤血球は減少します。

一方、「溶血性貧血」(赤血球が寿命よりも早く壊されることで起こる貧血)の場合は、赤血球が壊されるスピードが速くなっている状態なので、それを補うために骨髄での造血が亢進して、網状赤血球が増加します。

溶血性貧血の原因はいくつかありますが、主な原因となるのが酸化ストレスです。酸化ストレスによって赤血球の細胞が弱くなって溶血が起こるのです。

酸化ストレスが大きく溶血があるときは、網状赤血球の他にも間節ビリルビン血清鉄も高値になりますのでチェックしてみましょう。

血液検査の「ビリルビン」からわかること

ビリルビン(BIL)とは?

肝臓機能を調べる項目で、「ビリルビン」という項目があります。ビリルビンとは、胆汁に含まれる黄色の色素で、古くなった赤血球中のヘモグロビンが破壊が破壊されたときにできる成分です。つまり、ビリルビンは赤血球の代謝物。

赤血球が破壊されてできたビリルビンは、血液によって肝臓に運ばれ、そこで水に溶けやすい形に処理されて胆汁の中に排出されます。胆汁は腸内に流れ出し、脂肪の消化吸収を助けます。

ビリルビンは黄色い色素なので、肝機能障害や赤血球の過剰破壊などによって血液中にビリルビンが異常に増加すると、皮膚や粘膜が黄色くなる「黄疸」が見られるようになります。

「直接ビリルビン」「間接ビリルビン」「総ビリルビン」の違い

ビリルビンには、「直接ビリルビン」と「間接ビリルビン」があります。

直接ビリルビンは、「Direct(直接) Bilirubin」の頭文字をとって「D-BIL」、間接ビリルビンは「Indirect (間接)Bilirubin」 の頭文字をとって「I-BIL」と表示されていることもあります。

・直接ビリルビン(D-BIL)

「直接ビリルビン」は肝臓で処理された後のビリルビンです。肝障害やビリルビンの排出障害があると血液中に漏れ出し、数値が上昇します。

・間接ビリルビン(I-BIL)

「間接ビリルビン」は、肝臓に運ばれる前のビリルビンで、溶血(血液中の赤血球が壊れること)によって値が上昇します。

・総ビリルビン(T-BIL)

そして、直接ビリルビンと間接ビリルビンを合わせたものが、「総ビリルビン」(Total Bilirubinn=「T-bil」)と呼ばれます。

 

つまり、直接ビリルビン+間接ビリルビン=総ビリルビン ということですね。総ビリルビンと直接ビリルビンしかデータがなければ、引き算をすれば簡単に間接ビリルビンの値を知ることができます。

 

血液データの読み方

①まずは、従来の評価方法での臓器のトラブルや炎症がないことを確認します。ビリルビン値は、赤血球の代謝や肝機能疾患等で異常高値を示します。総ビリルビン値の目安は1.2以下です。

②通常、間接ビリルビンと直接ビリルビンは1:1です。肝機能が正常なのに総ビリルビン値が高い場合は、間接ビリルビンが高く、溶血があることが予測されます。(溶血についての詳細はこちら

間接ビリルビンが0.6を超えるような場合、赤血球の膜が壊れやすくなっているせいで、肝臓で処理される前のビリルビンが多くなっているということが予測できます。(ただし、生まれつき間接ビリルビンを作る酵素の量が少なく数値が上がっている人もいます)

赤血球の細胞膜が壊れやすくなっているということは、他の細胞膜も壊れやすくなっている=つまり、細胞膜が弱くなっているということです。

尚、間接ビリルビンは重症の肝障害でも上昇します。また、絶食が長時間になった場合も上昇しやすくなります。

間接ビリルビンが高値な場合は、次に総コレステロール値も確認してみましょう。コレステロール値が低い場合、細胞膜の材料が不足して弱くなっているのかもしれません。また、溶血によって総蛋白やLDH、AST、ALT、網状赤血球、血清鉄、カリウムなども高値になっていることを疑います。

さらに、炎症を測る「高感度CRP」ののデータもあればチェックします。高感度CRPの値が0.05よりも高い場合は、微小な組織障害があるかもしれないと考えられます。もしもそのような炎症が見られる場合は、ビタミンEやEPAなど、細胞の酸化を防ぐための栄養素を補うというアプローチが重要となります。

血液検査の「ペプシノーゲン」・「血清アミラーゼ」からわかること

ペプシノーゲン(PG)とは

ペプシノーゲンとは、胃の粘膜から分泌されるたんぱく質です。ペプシノーゲンは胃の中に分泌された後、胃酸によって「ペプシン」となり、たんぱく質分解酵素として働きます。つまり、ペプシノーゲンはたんぱく分解酵素「ペプシン」の前駆物質です。

ペプシノーゲンと胃酸は、たんぱく質をしっかりと消化吸収するために欠かせません。ペプシノーゲンが少ないと、たんぱく質の消化吸収がうまくいかず、様々な身体の不具合が生じる原因となります。

作られたペプシノーゲンのうち99%は胃腔内に分泌されるのですが、残りの1%は血中に流入することから、血液検査によって胃の中のペプシノーゲン量や胃酸の量を予測することができます。

ペプシノーゲン検査の見方

①まずは「PGⅠ」と「PGⅡ」の比を見る

注意点として、胃酸を抑える胃薬を飲んでいるケースでは、ペプシノーゲン検査から胃酸の量を把握することはできません。
また、ペプシノーゲンは、酵素活性低下で低めに、腎不全で高めに出ます。

ペプシノーゲンには、PG1とPG2の2種類があります。PG1は胃の粘膜から分泌され、PG2は胃粘膜だけでなく十二指腸からも分泌されます。まずは、この二つ値の比を見ることで、胃粘膜の萎縮がないかどうかをチェックします。というのも、胃粘膜の萎縮があると、PG1が低下してくるので、相対的にPG2が増え、PG1/PG2比が低下してくるからです。値は5以上あることが望ましく、値が低いと胃炎やピロリ菌などによって萎縮性胃炎となっている可能性が考えられます。特に、PG1/PG2比が3以下の場合、萎縮性胃炎の可能性が高く、精密な検査が必要となります。

萎縮性胃炎がある場合、ほとんどピロリ菌感染※(下記参照)があると言われています。そのため、まずはピロリ菌除菌治療が必要となります。萎縮性胃炎の段階で修復しないと、進行して胃がんの危険が高まるので注意が必要です。尚、ペプシノーゲン検査は保険適用外ではありますが、バリウム検査よりも胃がんの早期発見をしやすいと言われています。

②PGⅠの値から胃酸の量を推測する

Ⅰ/Ⅱ比に問題がなければ、ペプシノーゲンⅠの値は信用できる値になりますので、次にペプシノーゲンⅠを見ます。
PG1は胃酸の分泌量を反映します。目標は60~70ぐらいと言われていますが、胃酸の少ない日本人の場合、実際に血液検査をしてみると大半の人は50前後になっているようです。中でも、40を切るような人は特に低いと言えるでしょう。逆に、PGⅠが100を超えるような場合は、胃酸過多であると考えられます。これは日本人には少ないケースですね。日本人の多くは、胃酸が少ない・消化酵素が少ない・腸が長いという特徴を持っているので、消化に留意することと、腸内環境を整えることが非常に大切です。

PGが少ない場合、体質的に胃酸分泌が低い または、交感神経の過緊張によって胃酸分泌が少ない、または、場合によっては胃の表面の萎縮によって胃酸分泌が低くなっている ということも考えらえます。

※ピロリ菌について

※ピロリ菌感染の有無は血液検査によって調べることができます。ピロリ菌感染が陽性であった場合は、抗生剤による除菌が勧められます。ただし、抗生剤による除菌は強い副作用が出る可能性もあるので注意が必要です。栄養療法をしっかり行っているクリニックでは、腸粘膜を修復したり、腸内環境を整えてくれるグルタミン・ファイバー・ラクトフェリン・プロバイオティクス・ビタミンA、ビタミンDなどを事前に摂取して腸の状態を整えておくという方法を取ることで、副作用のリスクを最小限に抑える配慮をしてくれます。

 

血清アミラーゼについて

消化力を調べる検査として、血中のアミラーゼ(AMY)も使えます。目安値はだいたい100前後です。

アミラーゼは消化酵素の一つで、膵臓や唾液腺などの異常で上昇します。

低値の場合は消化力が低下していることが推測されます。

また、アミラーゼが低すぎる場合と高すぎる場合のどちらも、膵臓に負担がかかっていると考えられます。

 

血液検査の「CPK」からわかること

今日は、血液検査のCPKという項目についてです。

CPKとは

「CPK」は、「クレアチンフォスフォキナーゼ」という酵素です。

「CK」(クレアチンキナーゼ)と表示されることもあります。

CPKは筋肉に多量に存在する酵素で、筋肉細胞のエネルギー代謝に重要な役割を果たしています。

CPKが低値の時

CPKの値が低い場合、筋肉の量が少ないということが予測されますので、筋肉不足か運動不足であると言えます。ただし、他の要因(結合組織疾患、高ビリルビン血症、甲状腺機能亢進症など)が絡んでいる場合もあります。

CPKは筋肉の量と比例するため、男性は女性と比べると20~30%程数値が高い傾向があります。そして男女共に、高齢になるにつれ数値が低くなっていきます。

CPKが高値の場合

CPKは心筋・平滑筋・脳などにも多く存在していますので、これらの組織が障害をうけると、細胞からCPKが血液中に流れ出し、血液検査で高値を示すようになります。つまり、骨格筋、心筋、脳などの損傷の程度を推測することができます。

CPKが著しく高い場合は、急性心筋梗塞、狭心症、心筋炎、多発性筋炎、筋ジストロフィー、甲状腺機能低下症や、脳梗塞などの危険も考えられます。

それ以外でも、甲状腺の病気によって上昇することもあります。甲状腺機能低下症では総コレステロール、AST、LDH等とともに上昇します。

また、激しい運動や、肉体労働、こむら返り、筋肉注射、点滴漏れ、外科手術後、小児では採血時の大騒ぎなど、疾患によらない筋組織の損傷でも上昇することもあります。女性は妊娠中と出産前後にCPKが高くなります。飲酒によっても上昇します。

尚、筋肉運動でのCPK上昇は、運動量や個人の運動習慣の有無によっても異なります。日常的に運動を行っている人のCPK値は正常範囲より高めで、運動負荷後の上昇ピークは早く、8~24時間ぐらいでみられ、その上昇の度合いは小さくなるという傾向があります。一方、運動習慣のない人は、負荷後1~3日でやっとピークを示し、その上昇の程度も大きいことが報告されています。したがって、データを見るときにはその人の運動習慣や、3~4日内の運動歴をチェックするようにしましょう。

 

アスリートとCPK

運動によって活性酸素が発生すると、筋肉や筋肉を覆っている膜に障害が起こります。すると、筋肉内の酵素であるCPKが血中に漏れ出してきます。つまり、CPKは筋肉の壊れ具合と関係しているといえます。ハードなトレーニングをしていて、血液検査でCPKの高い人は、オーバートレーニングになっている可能性が高いということです。

アスリートのための分子栄養学」によると、「ボーダーラインは350IU/ℓ」としています。 アスリートのCPKを調べてみると、中には4ケタにまで上昇している人もいて、そういう人は怪我になりやすく、また怪我をした場合は治りにくいため注意が必要なのだそうです。また、CPKの上昇は、筋肉のビタミンE欠乏を示している、とも述べられています。

筋肉の細胞を守るためにも、抗酸化対策は欠かせないということですね。

あなたも不足している?マグネシウムの上手な摂取方法

前回のブログでは、マグネシウムの働きや、片頭痛とマグネシウムの関係、マグネシウム不足の原因などについてお伝えしました。

マグネシウムは、現代人は誰でも不足しやすいミネラルなのですが、特に、頭痛や肩こりで悩んでいる方や、まぶたがピクピクする方、足がつりやすい方、疲れがたまっている方、ストレスが多い方、食生活が乱れている方などは、マグネシウム不足に陥っている可能性大です!

血液検査のALPが低いという方も、亜鉛と共にマグネシウムが不足している可能性があります。

マグネシウムは、サプリメントなどで一度にたくさん摂ろうと思っても、一気にたくさん吸収することはできずに便として排泄されてしまいますので、日ごろからこまめに少しずつ摂取することを心がけることが大切です。

そこで、マグネシウム不足にならないようにするためのポイントをいくつかまとめました。

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「貧血とは?」 鉄欠乏性貧血によって起こりやすい症状と、その原因、そして血液検査データから貧血を調べる方法について。

ヘモグロビンとは何か、貧血によってどんな症状が起こるのか、なぜ貧血が起こるのか、ヘモグロビン値が正常でも貧血の場合があるのか??など、貧血にまつわる疑問について説明します。

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血液検査の「フェリチン」からわかること

ヘモグロビン値や赤血球数に問題がなくても、「フェリチン値」を測ってみると値が低く、実はひどい貧血だった!という場合があります。逆に、貧血があるのにフェリチンが高く出る場合もあります。今日はそんな「フェリチン」について説明します。 “血液検査の「フェリチン」からわかること” の続きを読む

血液検査の「MCV」の値からわかること

 

血液検査の「MCV」という項目について説明します。

MCVは、貧血があるかどうかを調べるための項目の一つで、

Mean(平均) Corpuscular(血球) Volume(容積)

つまり、赤血球の平均の大きさ(容積)のことです。この値が高過ぎたり低過ぎたりする場合、どのようなことが考えられるのでしょうか。 “血液検査の「MCV」の値からわかること” の続きを読む

栄養学とは、曖昧な学問である?!

栄養は、人によっては毒になる?!

 

「○○が身体に良い!」「○○を食べれば痩せる!」などと聞いて、ついついたくさんその食品を食べ過ぎてしまったという経験がある方もいらっしゃるかと思います。

たまたまその食べ方が、自分の体調や体質に合っていれば良いのですが、
その逆だった場合は、せっかく健康のために実施した方法が、かえって体調を崩す原因となってしまうことにもなりかねません。

それでも、一時のマイブームに終わり、長続きしなければ、害も少なくて済むということもあるかもしれませんが、、。

ローマの治療家・哲学者・詩人としても知られるルクレティウスは、2000年以上も前に、「栄養は人によっては毒になる」と、簡潔に述べています。

 

例えば、、

生のブロッコリー、芽キャベツ、カリフラワー、ケール、からし菜、クレソンなどには、「チオシアン酸」という物質が含まれています。

「チオシアン酸」は、化学式HNCSで表される化学物質です。
甲状腺腫誘発物質の一種で、甲状腺ホルモンの生産を抑制する働きがあるため、甲状腺機能低下症と診断されている人などは特に、これらの食品の食べ過ぎには注意が必要であると言われています。

ただし、チオシアン酸は加熱すると、甲状腺抑制の働きを不活性化することができます。

また、ヨードには、チオシアン酸の働きを抑える働きがあります。

従って、もしも甲状腺機能に心配のある方や、チオシアン酸が豊富に含まれる食品を頻繁に使う場合は、加熱調理するか、ヨードを多く含む昆布などを一緒に食べると良いと言われています。

 

例に挙げたチオシアン酸に限らず、身体に良いからといっても、なんでも食べ過ぎれば、「過ぎたるはおよばざるがごとし」ということになるし、人の個性を無視して栄養について考えれば、害になることもあるということなのですね。

 

栄養学の「あいまいさ」について

「栄養学」というと、カロリー計算をしたり、栄養所要量を調べたり、「1+1=2」的な、どちらかというとはっきりした答えのある学問であるという印象を持っている方も多いかもしれません。

しかし、実際には、なかなかそうはいかないものです。

例えば、年齢が〇歳で、体重が○○㎏で、生活活動強度がこれぐらいなら、これだけのカロリーを摂って、栄養素の内訳はこれで、この症状がある時にはこれを食べて、、という「公式」に従えば、みんながみんな痩せたり、体調が改善されたりすれば良いのですが、人間の体はそう簡単にはできていないのです。

なぜなら、人によって栄養素の消化吸収・代謝のされ方も異なるし、個々の今の状態を作った背景には、さまざまに異なる生育環境や生活環境があり、何よりも、人の身体は、機械仕掛けの物質として存在しているわけではなく、想像以上に大きく「心」の影響を受けながら生きているからです。
だから、はっきりとした答えが出ない方が、むしろ当たり前なのかもしれません。

 

その一方で、人の普遍的な欲求として、「身の安全」や「社会的に認められる」といった、基本的な欲求と並んで人間が持っているのが、「明確さへの欲求」であると言われています。

 

リーダーシップとマネジメントについて書かれた名著、
最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと/日本経済新聞社

この本には、次のように書かれています。

「人は未知のものを恐れる性質を持っている。

不安を自信に変えるいちばんの手段は、なんといっても明確さである。」

 

未知のものや不安=現在&将来の健康

と考えると、「○○ダイエット」や「○○健康法」などといった、非常に明確でわかりやすい理論が流行る理由にもうなずけます。

最近では、健康情報が溢れすぎていて、そのような情報を見聞きしてもすぐに鵜呑みにせずに、「また出た-!それ、本当に効くの?!」などと、疑いの目を持っている方も多いとは思いますが、その一方で、心のどこかでは、「○○」を食べたり、実行したりすれば、痩せたり健康を維持できる、という、明確なものを求めているのではないかと思います。

だからこそ、「○○を食べなさい!」とか、「○○はやめなさい」といった、明確な主張をしているものが受け入れられやすいし、流行になったりするわけです。

もちろん、そのような「明確さ」が、時には役に立つこともあります。

しかしその一方で、人間の身体や栄養学に関する答えは、そんな風に簡単に、明確な答えが出ないことも多いということを忘れてはいけないと思います。

そのような曖昧さに対して、「いや、この方が正しい」とか、「これは絶対に間違っている」といって議論することが重要なのではなくて、「栄養学では、あいまいなことも多いのだ」と割り切って捉えながらも、自分なりの答えを出し、自分にとって必要なことを伝えていく力を身につけていくことが大切なのではないかと思います。

そのために、必要な知識を持つことはもちろん、人間を単なる「物質」として捉えるのではなく、ホリスティックな視点で、食べ物や人間の身体について捉えていきたいと考えています。

コエンザイムQ10は、美容や老化防止に役立つ?!コレステロール低下薬による弊害とは?!

今日は、美容や老化防止にも役立つと言われているコエンザイムQ10の働きや、コレステロール低下薬による影響などについて説明します。

コエンザイムQ10とは?

「コエンザイムQ10」は補酵素の一つです。細胞内のミトコンドリアにたくさん含まれ、細胞のエネルギー源となります。ミトコンドリアとは、生命の維持や活動に必要なエネルギーを作り出す「工場」のような細胞小器官です。

コエンザイムQ10は、もともと心臓病の薬として使われていた成分でしたが、アメリカやオーストラリアのオリンピック選手などが心肺機能を高めるためにコエンザイムQ10を使っているということが知られるようになり、サプリメントとして爆発的な人気を得るようになりました。

コエンザイムQ10の働きとは?

①エネルギーを生み出す

エネルギー産生の補酵素として必要なので、生きていくために不可欠な成分です。

②心肺機能を高める

心臓のエネルギー源となり、心臓のポンプ機能を元気にすることで、血流をスムーズにします。

③抗酸化作用

「活性酸素」による細胞膜の酸化は、老化を早めたり、様々な病気の原因となります。コエンザイムQ10は、エネルギーの代謝時に発生する活性酸素を除去する抗酸化物質としても重要な役割を持ちます。

④歯周病を改善させる

歯周病のある人の歯肉中のCoQ10は低下していることがわかっており、サプリメント補給をすることで歯周病が改善したという報告もあります。

⑤美肌に役立つ
コエンザイムQ10dは、美白効果やしわを取る効果も期待できると言われています。

その他にも、コエンザイムQ10が不足すると、動悸や息切れ、疲れやすさ、冷え、免疫力低下、痩せにくい、などといった症状を引き起こしやすいと言われています。

コエンザイムQ10は、老化と共に減ってくる?!

コエンザイムQ10は体内で合成することができるのですが、その合成量20歳をピークに加齢とともに減っていまい、体内濃度が下がってくることがわかっています。ですが、サプリメントでコエンザイムQ10を補給して細胞を元気にしてあげることで、心不全や虚血性心疾患が改善したという報告が多数あります。

通常の食物からCoQ10を摂れる量は1日10㎎程度なのですが、健康維持のためには100㎎以上(CoQ10の含有量が多いイワシでも20匹以上!)必要であると言われています。そのため、積極的にCoQ10の効果を実感したい場合は、サプリメント摂取が有効であると考えられます。また、胆汁酸産生力が低いと、脂溶性栄養素の吸収が悪く、CoQ10 や脂溶性ビタミンの吸収も悪くなって不足しやすくなってしまうため注意が必要です。

 

コエンザイムQ10サプリを摂るコツ

①抗酸化ビタミンと共に摂る

コエンザイムQ10 をサプリメントで摂ることは、スポーツにより大量に発生した活性酸素を取り除きたい時や、持久力を高めパフォーマンスを維持したい時にも有効であると言われています。抗酸化のためには、ビタミンCやビタミンEとともにコエンザイムQ10を摂ることが効果的です。

②食後に摂る

コエンザイムQ10は脂溶性なので、食後に2~3回にわけてこまめに摂ると良いでしょう。エネルギー産生を高めるためにビタミンB群と一緒に摂ると良いという点から見ても、食後に摂ることが有効であると言えます。

③体内で利用されやすい形で摂る

コエンザイムQ10には「還元型」と「酸化型」がありますが、体内で作られるコエンザイムQ10 は「還元型」。酸化型の場合の形で摂った場合、加齢やストレス、体力低下などで還元型に変換する能力が落ちてしまうので、還元型で摂った方が、体内で利用されやすいと言われています。

コレステロール低下薬に注意

コエンザイムQ10の体内での生合成は、「メバロン酸」という原料を使って行われます。この「メバロン酸」は、コレステロールを合成する時の原料にもなります。

血中コレステロール低下剤として有名な「スタチン」には、メバロン酸を産生する酵素活性を阻害して、コレステロールを低下させる働きがあり、それと同時にコエンザイムQ10も低下させてしまうのです。実際に、スタチンの投薬によって、血中のコエンザイムQ10濃度が著しく減少したという報告がなされています。

また、偏頭痛の薬や血圧降下薬の中にも、スタチンと同じように、コエンザイムQ10の合成を阻害するものもあります。

コエンザイムQ10が不足すれば、ミトコンドリア機能が低下し、起立性調節障害や慢性疲労、さらに、全身の細胞機能が低下してきます。

コレステロール低下薬や血圧降下薬を飲むことは、貴重なコエンザイムQ10 の合成を阻害してしまうことになるので、安易に薬を飲むべきではないということですね。

栄養療法を専門とするクリニックでは、どうしてもコレステロール低下剤を飲まなければならないような場合には、CoQ10をサプリで補うことが薦められることが多いようです。(薬を服用中でサプリメントを飲む場合は、必ず医師や薬剤師に相談しましょう)

 

片頭痛を引き起こしすい食べ物とは?

今日は、片頭痛を引き起こしやすい食べ物についてです。

片頭痛は、体質や生活習慣など様々な要素が原因となって起こっていると考えられるので、そのような根本原因を取り除いて片頭痛を起こしにくい身体を作っていくことが大切なのですが、つらい症状を少しでも起こさないようにするために、片頭痛を起こしやすい食べ物について知っておきましょう。 “片頭痛を引き起こしすい食べ物とは?” の続きを読む

血液検査の「LDH」からわかること。疲れやすい人は、血液検査のLDHをチェックしてみましょう

LDHとは

血液検査データの「LDH=乳酸脱水素酵素」について説明します。

ちなみに、「LDH」は、Lactate(乳酸) DeHydrogenase(デヒドロゲナーゼ)=「乳酸脱水素酵素」のことです。

この酵素はその名の通り、乳酸を分解する働きをします。解糖系と糖新生の両方に関わるため、ぶどう糖がエネルギーに変換されるために欠かせません。

LDHが高値の場合

LDHは赤血球の中に多く含まれます。例えば、細胞膜の健康に関わるビタミンEが不足していたりすると、赤血球が血管内で壊れやすくなり、LDHの値が少し高く出るようになります。(詳しくは、「溶血」についてチェック!)

LDHの値が高めで、ビリルビン値もという人は、溶血の可能性が高いと言えます。この場合、MCVなども大きくなっていないかどうかチェックしてみましょう。

LDHはその他にも、組織が壊れる心筋梗塞や筋疾患などがあると、AST・ALT・CK・CPKと併せて上昇します。また、脂肪肝、アレルギー、アトピー、運動直後(筋肉運動の影響)、細胞破壊亢進、甲状腺機能低下、慢性腎炎など、そして降圧剤の種類によっても高値になることがあります。

このように、LDHを上昇させる因子はたくさんあるので、血液データを読むときにはデータのマスクを考慮していく必要があります。

 

尚、小児や成長期の場合も、LDH値は高くなります。

LDHが低値の場合

LDHが低いと、乳酸分解がスムーズにできず疲れが取れにくくなってしまいます。LDHが低値の場合、他のデータとあわせてナイアシン欠乏症を予想することができます。なぜなら、この酵素が働くためにはナイアシンを必要とするからです。ナイアシンは、エネルギーを生み出すためにも欠かせない栄養素なので、LDHが低い人はエネルギー不足のため元気がなかったり、疲れやすいと感じていたりすることが多いです。

また、LDHが低いと神経過敏にもなりやすく、うつ病、神経症、統合失調症の発症リスクが高まるということがわかっています。

LDHは180ぐらいはあるのが理想的です。100代前半だったりする人は、相当疲れやすさを感じているかもしれません。逆に、身体の状態が良くないのにLDHがばっちりという人は、どこかの組織にトラブルがあってLDH値が上がっているのかもしれないと考えられます。

アレルギーがある人も要注意です。アレルギーの人はナイアシン欠乏があってもこの値が高めになるため、ナイアシンの不足症状に該当する場合は、LDH値が十分でもナイアシン欠乏である場合もあります。

 

ナイアシンについて

ナイアシンとは、ビタミンB群の一種で、ビタミンB3(ニコチン酸)とも呼ばれます。ナイアシンにはたくさんの働きがあります。特に、三大栄養素の代謝に必要で、循環系・消化系・神経系の働きを促進します。また、お酒を飲んだ時の悪酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解し、二日酔いを防止する働きもあるという点も要注目です。

ナイアシンは、魚や肉、卵、豆類など、たんぱく質を多く含む食材に豊富に含まれるだけでなく、たんぱく質に含まれるトリプトファンから合成されます。トリプトファンの合成が行われるのは身体の中だけでなく、腸内の腸内細菌からも、トリプトファンからナイアシン合成が行われます。

そのため、LDHが低い場合は、摂取量が少ないというだけでなく、腸内環境が悪い→ナイアシン不足→LDH低値となっているということも考えられます。

 

まとめ

・LDHは、乳酸を分解する酵素で、エネルギー代謝において欠かせない。

・LDHは、溶血、心疾患、脂肪肝、アレルギー、アトピー、運動直後(筋肉運動の影響)、細胞破壊亢進、甲状腺機能低下、慢性腎炎、薬の影響などで高値になる。

・LDHが低い場合、ナイアシン不足が疑われる。ナイアシン不足は、エネルギー不足だけでなく神経疾患を引き起こすこともある。

・ナイアシン不足がある場合、食事内容だけでなく腸内環境を整えることが大切

 

 

 

頭痛を治すためには、首こりを治すと良い理由とは

慢性頭痛の9割は、「首こり」が原因?!

 

いつも頭痛薬が手放せない、何をやっても頭痛が消えない、頭痛のせいでやる気が出ない、、

頭痛って、本当に辛いですよね。

日本ではおよそ3000万人の人が、慢性的な頭痛で悩まされていると言われています。ざっと計算して3人に1人と考えると、ものすごい数字です。最近では子どもでも頭痛を訴える子が増えていると言われています。

脳神経外科医の青山尚樹先生によると、慢性的な頭痛に悩んでいる人を日々診ているうちに、ある共通点に気が付いたと言います。 “頭痛を治すためには、首こりを治すと良い理由とは” の続きを読む

血液検査の「AST」と「ALT」からわかること。ASTとALT値からビタミンB6の不足を読み取る

AST・ALTとは

 

血液検査の項目を見ると、AST(GOT)・ALT(GPT)という項目がありますね。この二つの項目を、栄養学的に読み取る方法について説明します。 “血液検査の「AST」と「ALT」からわかること。ASTとALT値からビタミンB6の不足を読み取る” の続きを読む

データの「マスク」とは?

データの「マスク」とは

血液データを読むときに忘れてはいけない、データの「マスク」について説明します。

脱水があったり、体内のどこかに微小な炎症が起こっていたり、栄養状態が悪かったりする場合、血液検査の値が本来の値よりも高くなったり低くなったりする場合があります。このような状態を、データの「マスク」といいます。

血液データの測定値は、値を上昇させる因子と下降させる因子のつなひきが行われ、そのバランスによって決まります。
そのため、一見理想値に近い値になっていても、両方の因子が働き合ってそのような値になっている場合もあるため、注意が必要なのです。
例えば、栄養療法を行って体調は良くなったのに一時的にデータが悪くなったようになることもあります。これは栄養状態が改善することによって脱水が補正され、そのようなデータが出ているという可能性も考えられます。

 

脱水とデータのマスク

一番わかりやすいのは脱水です。脱水があれば、血液が濃縮されているので実際の値よりも計測値が高くなります。
ただし、血糖値やコレステロール値などは、赤血球内と血漿内の濃度が同じ物質を測っているので、脱水があっても値は変化しません。
一方、脱水によって上昇するものの例としては、総蛋白、アルブミン、BUN、ヘモグロビン、ヘマトクリット、血小板数、クレアチニン、LDH、AST、ALT、Fe(鉄)、K(カリウム)、などが挙げられます。
目安としては、総蛋白7.5以上、ヘモグロビン16以上だったりする場合は脱水の可能性が高いと考えられます。
ただし、もしも検査データが理想的な値だったとしても、データのマスクによって値が実際のものよりも高くなったり低くなったりしていることによって見かけ上は丁度良い値になっているという場合もあるため、「この値なら絶対にOK!」などと言うことはできません。

 

脱水の原因

脱水があると、高血圧や狭心症を引き起こしやすく、血液粘度が高まると血栓を作りやすくなってしまいます。
以下のような状態があると、脱水になりやすいため、注意が必要です。
・検査前の水分摂取不足
・低栄養(低たんぱく)
・肥満傾向
・高血糖で多尿になっている
・利尿剤など薬の影響

 

データの「マスク」を引き起こしやすいそのほかの因子

脱水の他にも、血液検査の値を変化させる因子は色々あります。
代表的なものの例を挙げると、溶血・肝機能低下・室温放置(血液の保存状態)・運動後の影響・組織障害・成長期・妊娠後期・体質・食後(脂肪食)・ビタミン不足・たんぱく質代謝低下・甲状腺機能低下 etc.

例えば、多少肝臓が悪くても、たんぱく質の代謝低下やビタミンB6不足があると、値が理想的な値になっているということもあり得るというわけです。
血液データを見るときは、このようなデータの「マスク」について考慮しながら見ていくようにしましょう。

血液検査の「コレステロール」からわかること。血中のコレステロール値は、低ければ低いほど良いのでしょうか?

 

総コレステロールとは

総コレステロールとは、血液中に含まれるコレステロールの総量のことです。

血中コレステロールは、たんぱく質代謝を見る良い指標になります。 “血液検査の「コレステロール」からわかること。血中のコレステロール値は、低ければ低いほど良いのでしょうか?” の続きを読む