たんぱく質の不足を調べる方法①

血液検査の項目を見てみましょう

 

今日は、健康診断などの血液検査の結果から、自分の身体の中でたんぱく質が足りているかどうかを栄養学的な視点から簡単にチェックする方法をお伝えしたいと思います。

ただし、これらはあくまでも目安ですので、身体の状態について断言したり、診断したりできるものではもちろんありません。

さらに、血液検査の結果は、脱水・炎症や薬の影響、その他にも様々な要因によって実際の値とは異なるデータが出る場合もありますので、注意が必要です。

 

さて、今日着目するのは、①アルブミン②総蛋白③総コレステロールです。

 

①アルブミンについて

身体の中でたんぱく質が足りているかを知るための一番良い指標となるのが血中のアルブミンです。

アルブミンは、食べたものを材料にして肝臓のみで合成されるたんぱく質で、肝臓のたんぱく質合成能力を反映します。血液中のたんぱく質の約60%を占め、栄養素や薬等を各臓器や細胞に運ぶ役割を持っています。同じたんぱく質でも、グロブリンは炎症によって量が上下するので、純粋なたんぱく代謝の指標としては不向きであると言えます。

アルブミンの理想値の目安は少なくとも4以上、スポーツ選手や筋肉量を増やしたい人、スタミナアップを目指す人の場合は4.5以上はあると良いと言われています。

血液検査でアルブミンの実数が表示されていなくて、アルブミン%が表示されている場合は、総タンパクに、アルブミンの比率(%)をかけることでアルブミンの実数を求めることができます。

アルブミンは比較的長期的な栄養状態を反映するため、短期的な食事が測定値に与える影響はあまりありません。したがって、栄養療法を実践して栄養状態が改善されてもすぐにアルブミン値は上がらず、しばらくしてからアルブミン値があがってくるということになります。

尚、アルブミンは血漿や間質液の浸透圧(膠質浸透圧)の90%を担っているため、低アルブミン血症では、浸透圧が低下して、循環血症量が維持できなくなり間質に流出し、全身性浮腫や血管内脱水の原因になります。つまり、たんぱく質不足でアルブミンが低下すると、むくみを引き起こしやるくなるということです。

アルブミンの低下は、栄養状態だけでなく、肝機能や腎機能低下によっても起こります。アルコール性肝硬変の初期の場合は、アルブミンが見かけ上高めになるけれど、実際は栄養状態が悪いということもあります。ただし、肝硬変が進むとアルブミンは3~2台にまで低下してしまうこともあります。

 

②総蛋白について

通常の血液検査では「アルブミン」の項目がなく、「総蛋白」のみの場合も多いかもしれません。総蛋白とは、文字通り血液中に含まれるたんぱく質の総和のことで、アルブミンとグロブリンを合わせたものになります。総蛋白の目安は7~7.5ぐらいが理想です。

では、総蛋白やアルブミンかなり高い場合、たんぱく質が体の中にたくさんあって望ましい状態なのか、というと、そういうわけではありません!

この場合、脱水の影響によって実際の値よりも高くなっていうということが考えられます。

総蛋白が7以上、アルブミンが4.5以上という風に、数字だけ見るととても理想的な値でも、見るからに栄養状態が良くなさそうな方の場合は、実際にはもっと低い値であると考えられます。

また、例えば総蛋白が9を超えるような高値になっている場合は、身体のどこかで炎症が起こっているということが予測されます。(この場合、大抵はグロブリンが高値になっています。)

グロブリンとは、体内で炎症が生じた際(慢性炎症や免疫反応の際)に体内で作られるたんぱく質で、総蛋白の30~40%を占めます。(グロブリンはさらに、α1、α2、β、γに分けられ、α1・α2は急性期炎症で上昇することが多く、
β・γは様々な疾患で上昇することが多い)

もしも検査項目の中に「A/G比」(血液中のアルブミンとグロブリン濃度の比)の項目があれば、そこもぜひチェックしてみましょう。目安は1.8以上で、これよりもA/G比が低い場合は、アルブミンが低い(低栄養)か、グロブリンが高い(炎症)のどちらかであると考えられます。

 

炎症については、ここで書くと長くなってしまうので、またの機会に詳しく書きたいと思います。

 

③総コレステロールについて

また、血中コレステロールもたんぱく質代謝を見る良い指標になります。なぜなら、血中のコレステロールはそれだけでは水に溶けずそのままでは血液中に存在することができないため、輸送たんぱく(=いわばたんぱく質の船)上に存在しているからです。たんぱく質が足りなければ、当然血中の脂質の数値は低くなるということです。また、肝臓の機能が弱いとコレステロールを作る能力も低下します。肝臓で作られるコレステロールが80%、食事から作られるコレステロールは20%未満のみと、食事の影響によるコレステロール上昇は意外と少なく、総合的な栄養状態の重要な指標となるのです。

高コレステロール=生活習慣病というイメージが強く、コレステロールは低ければ低いほど良いというイメージをお持ちの方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、栄養学的にはコレステロールが低すぎることも大問題です!

コレステロールは細胞膜の材料になる、ホルモンの材料になる、胆汁酸の材料になる、ビタミンDの材料になるなど、実に様々な働きをしていて、コレステロールが低すぎるとこれらの機能に影響が出てきます。そのため、抵抗力の弱そうな、いかにも弱々しそうな人は、総蛋白とコレステロール値が低い人が多いです。

総コレステロールの目安は、栄養学的には180以上はあることが望ましいと言われています。総コレステロールは140を切るような場合では、精神的な支障をきたすと言われています。極端に低い場合は脳出血も起こりやすくなります。(逆に高すぎれば、脳梗塞のリスクが高まるため注意が必要です)

 

まとめ

今日はアルブミン・総蛋白・コレステロールに着目して血液データの読み方を簡単に書いてみました。

これらの値が低い場合は、食事の摂取量が足りない、または、食べているわりに低いならば消化力が足りないということが考えられます。食事の内容だけでなく、胃腸の状態を整え、消化対策を考慮した対策をしていくようにしましょう。

 

 

 

 

アミノ酸サプリを摂る目的とは

お肉は身体に悪いの?良いの??

 

皆さんは、「動物性食品は身体に悪いので、なるべく控えましょう」というフレーズを耳にしたことがあるかと思います。

その一方で、「たんぱく質は大事なので、たんぱく質を効率よく摂ることのできるお肉をしっかりと食べましょう」というフレーズを耳にしたことがある方も多いと思います。

この二つの意見は、どちらも正しいと言える反面、必ずしもそうとは言い切れないという側面もあります。

そこで今回は、動物性食品の良し悪しについて、白黒ハッキリするのではなく、「消化」という観点からたんぱく質について考えてみたいと思います。

肉には人間が必要とするすべてのアミノ酸が含まれており、とても効率の良いたんぱく質源となります。しかしその反面、他の食品に比べて消化されにくい性質を持つため、胃酸や消化酵素の分泌が十分でない人にとっては、消化しきれなかったたんぱく質が体に害を与えてしまうということもあり得ます。プロテインでも同じことです。

要は、「何を食べるか」よりも、「食べたものがしっかりと消化・吸収されているか」ということが大切なのです。

特に日本人はもともと胃酸や消化酵素の分泌量が少なく、肉をはじめとするたんぱく質の消化が苦手な人がとても多いことがわかっています。

 

未消化たんぱく質が体に与える害とは

それでは、消化が不十分の状態のたんぱく質は、身体にどのような影響を与えるのでしょうか。

未消化のたんぱく質は、腸内の微生物によって利用され腐敗し、有毒物質を発生します。
すると、腸内細菌叢のバランスが崩れ、腸内環境の悪化を招きます。さらに、腸から吸収された毒素は血中に入り、体内の細胞に悪影響を与えます。血液細胞は貨幣を重ねたような連鎖状になり、血液が毛細血管をうまく通れなくなり血流が悪くなることで、様々の疾患を引き起こしやすくなります。また、毒素やアンモニアを処理する働きを担う肝臓と、不要なものを外に排出する働きを担う腎臓にも負担がかかります。

さらに、リンパ機能が毒素を除去するために働くため、これも過負荷となり、免疫機能の低下を招き、感染症や真菌などに感染しやすくなってしまいます。それだけでなく、ホルモンのアンバランスや、お肌の不調にもつながります。

そして、十分な量のたんぱく質を吸収できていないことから、体内のたんぱく質が不足し、体内のあらゆる細胞の新陳代謝が正常に行われなくなってしまうことになります。

 

たんぱく質の役割

 

なんだかたんぱく質の悪い面ばかり書いてしまいましたが、上記のような問題は、必要以上のたんぱく質を摂ってしまっている場合や、うまく消化吸収を行うことができていないときに起こるトラブルであって、もちろんたんぱく質自体が悪者なのではありません。

たんぱく質は、筋肉や骨、皮膚、爪、毛髪などの材料になるだけでなく、体内の酵素やホルモンの材料にもなります。もちろん内臓や血管、血液、免疫細胞を作るためにも欠かせません。

例えば、貧血イコール鉄不足、というイメージが強く考えられていますが、たんぱく質不足でも貧血は起こります。

 

たんぱく質をしっかりと消化するために

お肉を食べると胃がもたれる方や、もともとお肉が好きでない方などは、胃酸や消化酵素の量が少なく、消化が苦手という日本人に多いタイプなのかもしれません。食べたものをしっかりと消化するためには、まずは良くかむことが大切です。(一口30回は噛むように意識できると良いです。)

また、食事の時に、レモン・梅干し・お酢といった酸っぱい食べ物や、消化酵素を豊富に含む生の大根を一緒に摂るのもおすすめです。これらの食品には、消化を助ける働きがあります。

肉料理や魚料理にレモンが添えてあったり、大根おろしと一緒に食べたり、食事の最初に酢の物や梅肉和え料理を食べたりするのは、とても理にかなった食事法なのですね。

意外なところでは、普段の水分補給はもちろんとても大切なのですが、食事中にたくさん水分を摂るという方はせっかくの胃酸が薄まってしまうので、少し控えた方が良いかもしれません。

消化酵素サプリメントを摂るというのも一つの方法です。

 

たんぱく質のサプリメントの種類

 

普段のお食事でたんぱく質の摂取量を充分確保できていない場合、あるいは消化力が低くたんぱく質をうまく吸収出来ていない場合は、たんぱく質が分解された形であるプロテインやアミノ酸のサプリメントを摂るというのもおすすめです。

たんぱく質のサプリメントには、

①プロテイン ②ペプチド ③アミノ酸  があります。

プロテインよりもペプチド、ペプチドよりもアミノ酸が、より分解された形になっているので、アミノ酸、ペプチド、プロテインの順で吸収は早くなります。

従って、早く効率よく身体に吸収させたいのならば、アミノ酸を選ぶと良いというわけです。

 

「アミノ酸サプリ」というと、なんだかアスリートが飲むもの、というイメージを持っている方も多いかもしれませんが、実は高齢者の方や筋肉の少ない女性にこそおすすめです。筋肉を落とさずにダイエットしたい場合や、プロテインだとお腹が張ってしまう方や、プロテインの効果が感じられない方、運動前後の栄養補給などにも向いています。

ちなみに私は消化力が弱く、たんぱく質が不足しやすい典型的なタイプなので、アミノ酸サプリが欠かせません!

 

ご自身のたんぱく質が足りているかどうかを調べる方法は、また次回、お伝えしたいと思います。

 

 

 

「ストレスは役に立つ」と思うと、実際にそうなる?!ストレスを力に変える方法について。

ストレスは「敵」ではなく、「味方」になる?!

 

みなさんは、「ストレス」に対して、どのようなイメージを持っていますか?

ストレスは健康に害を与え、病気の元になるから、なるべく避けた方が良い、というのが一般的な考え方だと思います。

「ストレスを力に変える教科書」の著者で健康心理学者であるケリー・マクゴニガルも、心理学や医学の様々な見地において、ストレスは身体にとって有害であることは明白で疑いようのない事実であると考えていました。ストレスによって引き起こされる身体の不調は、単なる風邪だけでなく、心臓病・うつ病・依存症など、様々な病気のリスクを高めたり、脳細胞を殺してしまう、DNAにダメージを与える、老化を促進する、などといった悪影響があるとして、いかにストレスを緩和するか、についての論文や本の執筆、メディアの取材に対してもアドバイスをしてきました。ところが著者は、ストレスについての考えを大きく改めるきっかけとなる驚くべき研究結果を偶然知ることになります。

その研究結果とは、「ストレスが健康に悪い」と考えていた人は、「ストレスは健康に悪い」と考えていなかった人よりも死亡リスクが高いというものでした。強度のストレスを受けていた参加者の中でも、「ストレスは健康に悪い」と考えていなかった人たちは、死亡リスクの上昇がみられなかったばかりか、ストレスがほどんどない人たちよりも死亡リスクが低かったのだというのですから驚きです。

この研究の研究者たちの結論は、「人はストレスだけでは死なないが、ストレスが健康に悪いと考えていると、死亡のリスクが高まる」というものでした。

この研究結果を知った著者は動揺します。なぜなら、彼女はずっと人々のためになると信じて、「ストレスは健康に悪い」ということを力説してきたのです。いっそのこと、こんな研究結果は見なかったことにしてしまおうかとも思ったとも述べています。

しかし彼女は、このことをこれまでの自分の考えを見直す良い機会と考え、過去30年間の化学的研究や調査の内容を詳しく調べ、先入観を持たずにデータを見ていくことにしました。すると、ストレスは一般的に言われている通り有害であるという証拠も見つかったけれど、一般にはほとんど認識されていないような良い面もあるという証拠も見つかったのです。

ストレスの良い面とは、ストレスの経験から人は人は学び、成長し、強くなることができるということなのだそうです。さらに、ストレスに対する考え方を変えることで、私たちはもっと健康で幸せになれるといいます。

これは、これまでの私たちの考えてきた常識を覆す大きなパラダイムシフトであると言えるのではないでしょうか。

 

「考え方」でストレスホルモンの分泌が変わる?!

 

では、ストレスに対する考え方を変えることで、人の身体にはどのような変化が見られるのでしょうか。

ここで、この本に書かれていた実験を一つ紹介したいと思います。

実験では、まずは被検者を2グループに分け、ストレスに関する2種類のビデオをそれぞれに3分間程度見せます。そのあと、被検者にわざと強いストレスを感じさせるような模擬面接を行い、その時の唾液中のストレスホルモン(コルチゾールとDHEA)の量を調べます。

ビデオの内容は、

①グループ・・研究によって、ストレスには実は良い効果があるということがわかってきた。ストレスがいかにパフォーマンの向上に役立ち、健康を増進し、成長を促すものであるかということを説明することで、ストレスをポジティブにとらえたくなるような内容。

②グループ・・ストレスが健康に悪いことは多くの人が知っている。だが、研究によって、ストレスは私たちが思っている以上に心身を消耗させるということが明らかになってきた。ストレスがいかに健康に悪く、幸福感を失わせ、パフォーマンスを低下させるか、ということを説明し、ストレスに対するネガティブなイメージをさらに植え付けるような内容。

ちなみにどちらのビデオの内容も、実際の研究事例を引用していて、ある意味どちらも真実であると言えます。しかし、どちらのビデオを見るかによって、被検者のストレスに対する認識が変わります。その時、ストレス時の人の身体の反応に違いが現れるのかどうかを調べるのがこの実験の目的です。

 

コルチゾールとDHEAについて

 

コルチゾールとDHEAは、両方ともストレス時に副腎から分泌されるホルモンです。

コルチゾールは、糖代謝や脂質代謝を助け、ストレス時に身体がエネルギーを使いやすい状態になるよう働きます。また、消化・生殖・成長など、ストレス時には重要ではない身体の機能を抑制するように働きます。

一方DHEAは、コルチゾールの作用を抑制したり、傷の治癒を早める、免疫機能を高めるなどの効果があります。また、ストレスの経験を通じて脳が成長するのを助けるという働きもあります。

この二つのホルモンは、どちらも身体にとって必要なホルモンなのですが、特に慢性的なストレスがある場合、この二つのうちどちらのホルモンが多いかによって体に大きな影響が出てくることがわかっており、コルチゾールが多すぎると、免疫機能の低下やうつ病などの症状が現れやすい一方、DHEAが高いと、ストレスに関連する病気のリスクが低下する傾向がみられます。

また、コルチゾールに対するDHEAの割合が高い方が、集中力が高まり、問題解決能力に優れ、ストレスに負けずに頑張ることができるという傾向もみられると言われています。

 

考えが変わることで身体にどのような変化が見られたのか

 

さて、さきほどのストレスに関するビデオを見せた実験ではどのような結果が得られたのでしょうか。

 

結果から言うと、ずばり、コルチゾールとDHEAの割合に変化が見られたのだそうです。

 

ビデオを観ただけではコルチゾール値に変化はなかったのですが、意図的にストレスを与える模擬面接では、予想通り、被検者のコルチゾールの値が上昇します。しかし、①のグループ(面接前に「ストレスには良い効果がある」というびでおを見せられた人たち)は、②のグループ(面接前に「ストレスは心身を消耗させる」)というビデオを見せられた人たち)に比べ、DHEAの分泌量が多くなったという結果になりました。「ストレスには良い効果がある」と考えたことが、たんなる主観的な感じ方だけでなく、副腎から分泌されるストレスホルモンという生理的な部分にも影響を与えたのですね。

つまり、「ストレスは役に立つ」と思うと、実際にそうなるということです。

 

ストレスとうまく向き合い、うまく利用しよう!

 

人はストレスを「避けなければ」と思えば思うほど、それが不可能であることによって余計に苦しくなり、自己破壊的な行動を招きかねないといいます。それよりも、ストレスをうまく利用して向き合っていこうとする方が、無理してストレスを避けようとするよりもずっと賢明な方法であると考えられます。

本の中では、ストレスが最も害になるのは、自分はストレスに対して無力だと感じている場合や、自分が直面している問題に対処できる自信がなく、つらい思いをしてがんばることに意味を見出せずにいる状態にある時だとしています。

また、自分にとって大事な価値観を忘れずに生きることや、目的意識をもって生きることこそが何よりも大切であるということも述べられています。

 

これまで私は「ストレスは害になる」という認識が当たり前だと思っていました。実際にストレスが体に害を与えるケースももちろんあると思います。

しかし、これまでの考え方をガラッと変えて、ストレスを受け入れてうまく付き合っていくという姿勢でいれば、逆にストレスを力に変えるために役立てることができるという考え方は、とてもすばらしいものだと思いますし、大きな気づきをもらった気がします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

眠れない原因は、腸だった?!

快適な睡眠のために、「セロトニン」と「メラトニン」

 

私たちの脳内では、「神経伝達物質」が働くことによって、精神状態や、いわゆる「気分」がつくられています。

数ある神経伝達物質の中でも、「アドレナリン」や「ドーパミン」、「セロトニン」といった言葉は、皆さんもよく耳にしたことのあるものだと思います。

 

「アドレナリン」の前駆体は「ノルアドレナリン」と呼ばれる物質で、アドレナリンと共に、生存本能(闘争または逃避)を司り、交感神経系を刺激し、心身を覚醒させる働きを持ちます。
ドーパミンやノルアドレナリンなどは、もちろん生きていくうえで必要なものなのですが、これらが暴走すると、様々な悪影響が出てきます。ドーパミンが過剰になると多動の原因になったりするし、ノルアドレナリンが過剰になれば、怒りや不安、恐怖感などを過度に引き起こします。

 

一方、「セロトニン」は、ノルアドレナリンやドーパミンの分泌をコントロールして、心のバランスを整えてくれる作用を持っています。
そのため、セロトニンが不足すると、精神状態が不安定になり、幸福感が感じられにくくなることでも知られています。また、平滑筋の収縮をスムーズにして心臓発作を予防する働きも持っています。

さらに、セロトニンは心を落ち着けてくれるだけでなく、睡眠との深い関りがあります。なぜなら、セロトニンは、「眠りのホルモン」であるメラトニンの材料となるからです。自然な生活サイクルの維持と睡眠のために欠かせないホルモンです。
セロトニンが不足するとメラトニンがうまく生成できなくなり、不眠症などを引きおこす原因となります。

 

メラトニンをしっかり分泌させるにはどうしたら良いの??

 

快適な睡眠のために欠かせないメラトニンをしっかり分泌させるには、どうしたらよいのでしょうか。

①日中に太陽の光を充分浴びる

メラトニンは夜間に分泌されるのに対して、セロトニンは日中にたくさん分泌されます。日中しっかりと太陽の光を浴びることで、セロトニンの分泌量が増加し、それが夜のメラトニン分泌につながるということが分かっています

 

②腸内環境を整える

 

セロトニンの材料になるのは、必須アミノ酸の一つであるトリプトファンです。

脳内のセロトニンは、トリプトファンが脳内で変換されて作られます。

(ちなみに、腸内では「腸内セロトニン」が作られますが、腸内セロトニンは血液脳関門を通過できないため、脳内セロトニンとは別のものです。)

 

脳内のセロトニンを増やすには、トリプトファンを含むたんぱく質食品をたくさん摂れば良いのか?というと、どうやらそんなに単純な話でもないようです。(詳しくはこちら。)

 

食事の内容はもちろん大切ですが、それ以前に、胃腸の状態が悪くて十分な消化吸収ができていない状況である場合にも、セロトニンの材料であるトリプトファンが不足してしまうことがあります。

 

さらに、トリプトファンをセロトニンに変換するためにはビタミンB6などの栄養素が欠かせません。ビタミンB6は、食事から摂取して供給されるだけでなく、腸内でも作られますので、腸内環境が悪いとうまくビタミンB6が作られず、不足してしまうことがあります。

 

例えば、血液検査のASTが10前半、ALTが一桁だったりする場合、かなりのビタミンB6の不足が疑われると言われていますが、それだけビタミンB6が不足すれば、「眠れない」、「楽しいことがない」(うつ状態)、などといった症状や悩みが出やすくなってきます。

(血液検査データでは一見問題がないように見えても、実はビタミンB6不足というパターンも多々あるので、注意が必要です)

 

また、セロトニンがメラトニンになるには、ビタミンB12やマグネシウムといった栄養素が欠かせません。これらの栄養素を消化吸収できるかどうかも、やはり腸内環境が大きくかかわっています。

 

つまり、なかなか寝付けない、よく眠れない、といった睡眠に関する悩みの原因は、実は腸内環境が悪いせいだったりするわけです。

 

睡眠と腸なんて、一見関係なさそうに見えることでも、大いに関係あり!なのですね!!

やはり、腸内環境って、大事です!!!

 

トリプトファン不足の原因は、たんぱく質の摂りすぎ?!の不思議

トリプトファンとは

 

トリプトファンは、たんぱく質を豊富に含む食品に多く含まれている、必須アミノ酸の一つです。

 

トリプトファンは、神経伝達物質であるセロトニンや睡眠ホルモンのメラトニンに変換されます。また、トリプトファンからはナイアシン(ビタミンB3)も生合成されます。

うつや不眠と関係するセロトニンやメラトニンの原料となることから、「うつ予防にはトリプトファン」「よく眠れないときにはトリプトファン」ともよく言われています。

 

 

ムサシの「クアン」にトリプトファンが含まれていない理由

 

アミノ酸サプリで有名な「MUSASHI」の主力商品の「クアン」。

ヘルスメンテナンスやパワーアップ目的で摂取することを目的としたアミノ酸サプリメントということで、

「筋肉の成長に役立つ11種類のアミノ酸がバランスよく配合されています。」

とあります。

 

商品詳細

主成分
L-リジン、L-ロイシン、L-ヒスチジン、L-アルギニン、L-イソロイシン、グリシン、L-バリン、L-チロシン、L-トレオニン、L-フェニルアラニン、L-メチオニン

 

何かお気づきではないでしょうか。

 

そう、必須アミノ酸のうち、トリプトファンだけ含まれていません。

 

私は数年前にこの「クアン」を飲んでいて、ふと成分表を見てこのことに気づき、気になってお客様相談室に電話して聞いてみたことがありました。

 

担当の方の回答は、「トリプトファンは脳血液関門を通過する時に他のアミノ酸と競合してしまうので入れていない」というものでした。

 

私はその当時は、それを聞いても「へっ??? どゆこと?!」という感じだったのですが、よくよく調べてみると、なるほど~!という答えが見えてきました。

 特に参考になったのが、ジョナサンライト著「新・栄養療法」という本です。

 

うつ病治療とトリプトファンについて

 

「新・栄養療法」を元に、トリプトファンの効能とうつ病との関係を以下にまとめてみました。

①トリプトファンはうつ治療に効果がある

トリプトファンには、よく眠れるようにしたり、うつを軽くしたりする作用がある。この方法はうつの治療に広く用いられており、一般的に処方されている抗うつ剤と同等の効き目が得られる上に、薬と違って比較的無害で、短期的使用でも長期的使用でも、服用を急にやめても心配はないと言われている。しかし、そうした働きをするためには、十分な量のトリプトファンが脳の組織中に存在する必要がある。

②高たんぱく食によってうつが悪化する人は、脳内のトリプトファンが足りていない可能性がある

うつや不眠症に悩まされていて、高たんぱく食を始めてから悪化した人の場合、普通の人に比べてトリプトファンの代謝に問題がある体質である可能性が考えられる。このような体質の人の場合、高たんぱく食によって脳内に送られるトリプトファンの量が減少し、さらに症状が悪化することがある。

トリプトファンには、他のアミノ酸と競合して脳内に入りにくくなるという性質がある

トリプトファンは、他のアミノ酸(チロシン・フェニルアラニン・イソロイシン・ロイシン・バリンなど)と同じルートから脳内に吸収される。

トリプトファンはほかのアミノ酸に比べて、ほとんどのたんぱく質食品に比較的少量しか含まれていないアミノ酸である。

従って、高蛋白食品を食べた場合には、トリプトファンの血中値は高まるが、それ以外のアミノ酸の数値も一斉に高まることになり、トリプトファンが脳内に取り込まれにくくなってしまう。

トリプトファンを効率よく脳内に吸収させるためには炭水化物が必要!

ジョナサンライト氏の臨床経験によると、トリプトファンのサプリメントは炭水化物と一緒に摂り、高蛋白食品はその前後1時間半ずつの間は摂らない方が、トリプトファンの効果が表れやすいとのことです。また、ナイアシンアミドがトリプトファンの分解を妨げる働きを持つことから、トリプトファンが脳内に吸収される前に分解されるのを防ぐために、トリプトファンをナイアシンアミドと一緒に摂ると良いことを指摘しています。

トリプトファンを炭水化物と一緒に摂った方が良い理由は、炭水化物を摂取したときに分泌されるインスリンには、脳内にトリプトファンを取り込みやすくする作用があるからです。

炭水化物を摂取すると、血糖値が上がりますよね。すると、その血糖値を下げるために、膵臓からインスリンが分泌され、血中のインスリンの濃度が上がります。インスリンには、トリプトファンと競合するアミノ酸であるBCAAが骨格筋に取り込まれるのを促進する作用があるので、トリプトファンが効率的に脳内に入りやすくなるというわけです。

従って、トリプトファンを脳内に効率よく吸収させるためには、たんぱく質と一緒に適度な炭水化物も摂った方が良いということです。

人間はなぜ、ビタミンC合成能を失ったのか?!

 

ビタミンCは、1900年代初めに、壊血病の予防因子としてオレンジ果汁から抽出され発見された物質です。

化学名は「アスコルビン酸」と呼ばれます。

 

ビタミンCの役割

ここで、ビタミンCの重要な役割をいくつか挙げてみましょう。

コラーゲン生成に欠かせない

ビタミンCはコラーゲンを生成する際に欠かせません。コラーゲンとは、細胞と細胞をノリのような役割をするタンパク質で、身体のほとんどすべての組織を組織を形成するために必要とされます。皮膚や骨の健康のためにも不可欠なものとして知られていますよね。ビタミンCが不足するとコラーゲンが進まず、毛細血管が脆くなる、歯茎から出血しやすくなる、傷の治りが遅くなる、骨や血管、臓器が弱くなる、神経症状など、壊血病の症状が出ます。

強力な抗酸化作用

ビタミンCには抗酸化作用があるため、細胞が酸化することによる障害を防ぎ、加齢によるガンや、心臓疾患を防ぐ、などといった働きがあります。尚、ビタミンEはビタミンCと併用することで効率的に抗酸化作用を発揮することができます。

 

免疫力を高める

ビタミンCは免疫を刺激し、白血球の働きを助け、細菌やウイルスを抑える力を高めてくれます。白血球には、血中に含まれるビタミンCの80倍のビタミンCが含まれていると言われており、病気にかかったときやストレス時には、さらにビタミンCの必要量が上がることがわかっています。

 

抗ストレス作用
副腎には、血中濃度の150倍のビタミンCが存在すると言われています。ビタミンCは、副腎がコルチゾールなどのホルモンを産生するときの材料となるため、副腎は特にビタミンCを必要としている臓器なのです。また、ノルアドレナリンというホルモンを産生するためにも、ビタミンCが使われます。コルチゾールやノルアドレナリンは、ストレスに対抗するために分泌されるホルモンです。だから、ストレス時にはビタミンCの必要量が上がるのですね。

ガンや風邪に効力がある

1970年代、アメリカのライナスポーリング博士は、グラム単位のビタミンC摂取によって、風邪やガンなどに効力があるという報告をしました。ビタミンCは、欠乏症を予防するだけでなく、最適量を摂取することで、風邪を早く治す働きや、発がん物質を抑制する働きがあることがわかっています。ライナスポーリング博士は、分子栄養学の創始者でもあります。

腸管でのミネラルの吸収を良くする

鉄や銅、亜鉛、カルシウムなどのミネラルは、ビタミンCと一緒に摂ることで腸からの吸収率がアップします。

アミノ酸を代謝して神経伝達物質を作る

セロトニンやノルアドレナリンといった神経伝達物質を合成するときにも、ビタミンCが使われます。

・トリプトファン(必須アミノ酸の一種)セロトニン

・チロシン(必須アミノ酸フェニルアラニンから作られるアミノ酸)ノルアドレナリン

の反応の際にビタミンCが必要。)

甲状腺ホルモンを作るためにも必要

また、甲状腺ホルモンのチロキシンを作る際にも、ビタミンCは必要となります。チロキシンは、体内の代謝速度を調整するホルモンで、全身の細胞に影響を与えます。

 その他にも、LDLコレステロールの酸化抑制、カルニチン(アミノ酸)の合成促進、胆汁酸合成の促進、抗ヒスタミン作用、シミの予防などなど、実に様々な働きがあります。

 

ビタミンC欠乏は、人間の宿命?!

ヒト以外の多くの動物は、ビタミンCを合成することができる!

人が生きていくために不可欠なビタミンCですが、ヒトの体内ではビタミンCを合成することはできないので、食物などから摂取する必要があります。ところが、ヒト以外の多くの哺乳類たちは、ビタミンCを合成することができます。ビタミンCを体内で作ることができない動物は、モルモット、フルーツバット(果実食性コウモリ)、紅肛門鳴き鳥(熱帯産のヒヨドリ科の鳥)、そして、人間を含む霊長類と、ごくわずかであると言われています。

ビタミンCは、ぶどう糖を材料に、4種類の酵素の働きで作られます。人間の肝臓にも、ビタミンC合成に必要な酵素のうち、3種類までは揃っているのですが、最後のステップに必要な1種類(Lグロノラクトンオキシターゼという酵素)だけが欠けています。

栄養療法の世界的権威、ジョナサンライト医師によると、「血液中のビタミンC欠乏は、人類全体に共通した遺伝的障害である」としています。ビタミンCを合成することができる動物の場合、ストレス時にはビタミンC合成量が著しく増加することがわかっています。ガン物質を与えた実験でも、猛烈な勢いでビタミンCが合成されたと報告されています。

人類はなぜ、ビタミンC合成能を失ったのか?!

ビタミンC研究の第一人者であるライナスポーリング博士は、「人類がビタミンC合成能を失ったのは、脳を守るためだ」と言っていたのだそうです。

人間を始めとする霊長類は、社会生活に適応しながら進化する中で、脳容量が大きくなり、他の動物に比べて重量が重い。そのため、脳のエネルギー源となるブドウ糖糖の需要量も増えたわけです。

そこで、ビタミンCの材料は何だったか、思い出してみてください。そう、ブドウ糖がビタミンCの材料になるのですよね。もしも身体がビタミンCをたくさん必要としている時に、自分でビタミンCを合成する力があれば、ブドウ糖は激しく消費されることになります。

脳が大きい霊長類にとって、脳機能を維持するためにはブドウ糖が重要であるため、2500万年前の人類の遺伝子は、あえてビタミンC合成能を失うことで、ブドウ糖を温存するという道を選んだということでしょうか。また、果実など、ビタミンCを外から容易に摂取できる環境が整っていたという点も、ビタミンC合成能を失った一つの要因となっているのかもしれません。

壊血病と、ネイティブアメリカンの知恵

ビタミンCの欠乏症である壊血病は、古くから原因不明の奇病として恐れられてきました。壊血病の予防には柑橘類や野菜が有効であるということが知られるようになるまで、多くの人の命が壊血病によって失われました。日本では、一年を通して野菜が収穫できたことや、雪の多い地方では漬物を食べていたため、壊血病はあまり問題になることはなかったのだと考えられます。しかし、長期間にわたり航海を続けたり、作物を栽培する条件が厳しい地域に住んでいたヨーロッパの人々にとっては、大変な病気だったのです。

20世紀の初め頃、アメリカの歯科医であるプライス博士は、カナディアンロッキーの奥地に住んでいたインディアン(ネイティブアメリカン)に出遭いました。彼らは冬になると、ビタミンCの摂取源となるような植物は育たない土地に住み、ほとんど野生の狩猟に頼って生きていたのですが、壊血病にかかることはなかったのだそうです。不思議に思ったプライス博士が彼らにその理由を尋ねると、彼らは

「ヘラジカや熊の副腎を食べて、病気を防いでいる」

と教えてくれたのだそうです。彼らは、何世紀にもわたって、動物の特定の内臓を食べるということを学び、経験的にビタミンCを摂取する術を知っていたのですね!!

 

 

 

そもそも、ビタミンて何? なぜ、必要なのでしょうか??

ビタミンて、何?

 

ビタミンは、生命活動に不可欠な微量栄養素のことを指し、「生命」を意味するラテン語「VITA」が語源となっています。

 

ビタミンやミネラルは、糖質やたんぱく質、脂質のようにエネルギー源や身体の構成成分にはなりませんが、これらがないと、私たちは生きていくことができません。

 

では、ビタミンとミネラルって、何が違うのでしょうか。

 

一言でいうと、ビタミンは有機物、ミネラルは無機物。

 

有機物とは⇒微生物や動植物などの生体が作り出した物質。

無機物とは⇒もともと地球上の土壌や水に存在し、生体が作り出すことのできない物質。正確に言うと、酸素、炭素、水素、窒素を除く、ずべての「元素」の総称。

 

つまり、ビタミンは生体の生命活動によって生み出される物質で、ミネラルはもともと地球上に存在する元素のことを指すのですね。ビタミンは、動植物などが自ら作り出したものを私たちが食事として体の中に取り入れているのに対して、ミネラルは、動植物が水や土壌から摂取して体内に取り込んだミネラルを、今度は人間が食事として摂取しているというわけです。

 

現在、人間にとって必要なビタミンは全部で13種類であると言われていますが、そのうちの8種類(ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンK)は、人の腸内細菌で合成することができます。また、ビタミンDは、コレステロールを材料にしてヒトの皮膚で合成されます。しかし、これらのビタミンも、自ら合成した量だけでは足りないので、やはり食事から摂取する必要があります。

ビタミン発見の歴史

 

人類の歴史は長年にわたって、ビタミン欠乏との闘いの歴史であった、とも言えるほど、人類はビタミンという栄養素を発見するまで、多くの苦難の歴史をたどってきたと言われています。

 

ビタミンは現在13種類ありますが、それらの中の多くは、欠乏症の原因を探る過程の中で発見されたものです。

壊血病、脚気、ペラグラ、悪性貧血、くる病は、ビタミンの「五大欠乏症」と呼ばれる病気です。昔は、これらの病気は原因不明の病気で、多くの人々の命を奪ってきました。やがて研究が進み、これらの病気の予防因子として、ビタミンの存在があきらかになってきたのです。

 

壊血病とビタミンC

中世のヨーロッパでは、天候の異常などで作物が採れない凶作が起こるたびに、新鮮な野菜や果物が不足して、謎の病気(壊血病)が流行しました。壊血病になると、歯茎や皮膚からの出血や、貧血、衰弱などの症状がみられ、悪化すれば死に至る病気です。
中世の終わり頃の大航海時代には、多くの船員たちが壊血病によって命を落としたと言われています。

当時、壊血病にかかるのは、船乗りや都市の住民、長い間戦争を続けている兵士などでした。

壊血病は長い間、その原因も治療法も全く分からなかったのですが、1700年代になり、壊血病で亡くなった船員の多くは下級船員に多く、士官クラスはわずかであることから、その差は食事であるということがわかってきました。
そして、柑橘類を摂取することで、壊血病が改善されるということが発見されます。

壊血病の医学的な根拠が証明されるのはさらに後になりますが、ビタミンCは別名「アスコルビン酸」と呼ばれるようになります。これは、ギリシャ語で「壊血病なし」という意味なのだそうです。

 

脚気とビタミンB

「脚気」(多発性神経炎)という病気は、ビタミンB1の欠乏症によって生じ、全身の倦怠感やむくみ、神経障害や心不全を引き起こし、悪化すると死に至る病気です。

 

ビタミンB1は、細胞が糖質をエネルギーとして利用する際や、神経の働きを保つためにも欠かせない栄養素で、穀類や種子類、動物性食品では特に豚肉に多く含まれています。
日本人の主食である米の玄米にはビタミンB1が豊富に含まれていますが、玄米を精製して白米にすると、ビタミンB1の量はその5分の1以下に減ってしまいます。

 

稲作が日本に伝わったのは縄文時代の終わり頃。

昔から日本人は、玄米や麦、粟、ひえなどの雑穀を食べていて、糖質と同時にビタミンB1を補っていたため、肉などを食べなくても脚気にかかる人はいなかったと言われています。
しかし、江戸時代から明治時代にかけて、江戸では玄米を精製した白米を主食とする習慣が広まるにつれて、脚気が流行するようになります。当時は、脚気は江戸の風土病のように考えられていて、「江戸わずらい」と呼ばれていました。

明治時代に入って、白米を主食とする習慣が広く浸透すると、脚気はさらに蔓延し、多くの死者を出すことになりますが、白米と野菜中心の食事に動物性食品を加えることで、脚気の発生を防ぐことができるということが発見されました。

食生活が豊かになった現在の日本では、脚気とは無縁のように思われるかもしれませんが、アルコールの飲み過ぎや、清涼飲料水や、インスタント食品からの糖質の過剰摂取によって、現代人でもビタミンB1欠乏症を引き起こすパターンがあるため注意が必要です。

 

ビタミン命名の歴史

栄養素としてのビタミンの存在が発見されたのは、1900年代の初めのことです。イギリスの生化学者ホプキンスは、ネズミを使ったある実験を行いました。

それは、ネズミに糖質(砂糖)・脂質(ラード)・たんぱく質(カゼイン)・ミネラルを混合した餌を与えても十分に成長しなかったが、これに牛乳を加えるとネズミは順調に成長した、というものでした。このことから、「牛乳には未知の成長因子が含まれている」ということが報告され、この画期的な実験で、ビタミンの存在を最初に証明したものとして、ホプキンスはノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

ホプキンスの実験ののちに、牛乳の成長促進因子の中には、脂溶性のものと水溶性のものがあることが発見され、それぞれ「脂溶性因子A」と「水溶性因子B」とされました。これがのちに、ビタミンAと、ビタミンB群となるわけです。

その後、オレンジ果汁の中から壊血病を予防する因子が発見され、「水溶性C因子」と命名されます。これがビタミンCですね。

やがて、くる病予防因子としてビタミンD、ネズミの不妊予防因子としてビタミンE、という風に、発見された順にしたがってアルファベット順にビタミンの名前を命名していったのですが、その後に発見されたビタミンはビタミンF、Gと呼ばれましたが、そのグループ分けの都合によって、ビタミンB1、B2と改名されることになります。
(体内で合成することのできない「必須脂肪酸」がビタミンFと呼ばれたこともありますが、これはのちにビタミンからは外されます。)

 

こんな風に、ビタミンが発見された順番に名前をつけたり改名したりしてきた歴史があるため、ビタミンの呼び名は、A、B1、B2、B3(ナイアシン)、パントテン酸(B5)、B6、葉酸、ビオチン、ビタミンB12、C、D、E、Kという風に、なんだか不揃いな名前の付け方になっているのですね。

 

分子栄養学とビタミン

ちなみに、一般的には、ビタミンは欠乏症を補うためのものなので微量で十分という風に考えられています。
もちろん、欠乏症を補うのもビタミンの重要な働きなのですが、分子栄養学の考え方では、それ以外にも、最適量を補うことによって医学的効果をもたらすことができる、と考えられています。人によっては通常の数十倍、場合によっては数百倍のビタミン摂取を必要とする人がいて、適切な量を補うことで病態を改善させることができるというわけです。

上咽頭炎について

 

先日、第8期分子栄養学実践講座に参加してきました。

午前中の講義は、いとう耳鼻咽喉科 伊藤宏文先生による「Bスポット治療の実際」ということで、上咽頭の詳しい解剖や、慢性上咽頭炎とその治療法についての講義と、Bスポット治療の実演がありました。

 

上咽頭炎についてはこちら

 

先日のブログで紹介した「病気が治る鼻うがい健康法」という本でも、上咽頭と自律神経の関係についての記述がありましたが、より詳しく説明をしていただき、とても興味深い内容でした。

 

慢性上咽頭炎によって起こりやすい症状

 

慢性上咽頭炎があると、

①咽頭の違和感や後鼻漏をはじめとする直接的な症状だけでなく、②自律神経系の乱れを介した症状、③感染した上咽頭が病巣となり免疫を介して疾患を引き起こす というパターによって様々な症状を引き起こしやすくなるということがわかってきています。

 

①直接的症状の例

 

咽頭違和感

後鼻漏

咳喘息

首凝り

肩こり

耳鳴り

舌痛

歯の知覚過敏

顎関節痛

 

 

②自律神経系の乱れを介した症状

 

全身倦怠感

原因不明のめまい

睡眠障害

起立性調節障害

記憶力・集中力の低下

過敏性腸症候群

胃もたれ、胃痛など

むずむず脚症候群

慢性疲労症候群

線維筋痛症

 

 

③病巣炎症として免疫を介した二次疾患

 

IgA腎症

ネフローゼ症候群

関節炎

胸肋鎖骨過形成症

掌蹠膿疱症

乾癬

慢性湿疹

アトピー性皮膚炎

 

実に様々な症状に対して、上咽頭炎が関係している可能性があるのですね。

 

 

上咽頭炎治療と迷走神経

 

上咽頭の神経支配は脳神経の「舌咽神経」と「迷走神経」。

伊藤先生によると、

「自律神経と炎症反応が、迷走神経を介して深く関係しているということを示唆する研究が相次いでいる。上咽頭の治療を行うことによって迷走神経が刺激され、炎症反射に何らかの影響を与えるのではないか」

と述べられていました。

 

また、「上咽頭刺激(治療)は、下垂体副腎系に対して刺激作用ないし賦活作用がある」とのこと。

 

つまり、上咽頭治療は、自律神経系と密接な関係にある視床下部―脳下垂体―副腎系という、ホルモンバランスを担う非常に重要な部分にも良い影響を与えることができるということです。

 

そのため、副腎疲労の患者さんに上咽頭の治療を行うと効果があるし、逆に、上咽頭に炎症があると、副腎疲労がなかなか良くならないということも起こりうるということです。

 

そして、上咽頭は腸の状態とも深く関係しているため、上咽頭を治療するだけでなく、腸内環境を整えることも非常に重要なことの一つです。

 

 

塩化亜鉛よりも痛くない?!塩化マグネシウムでの治療

 

先日のブログで、上咽頭炎の治療法として、上咽頭に塩化亜鉛を塗布する方法を紹介しましたが、伊藤先生によると、より痛みを少なく安全に行うことのできる治療法として、塩化亜鉛の代わりに塩化マグネシウムを用いる方法を提唱されていました。

実演で実際に治療を受けた方によると、塩化亜鉛に比べて塩化マグネシウムの方が、痛みが少ないとのことでした。ちなみに効果に関しては、塩化亜鉛と変わらないそうです。

 

上咽頭炎については、日本病巣疾患研究会 のHPにも詳しく載っているので、興味のある方はチェックしてみてください。

「病気が治る鼻うがい健康法」

 

鼻うがい健康法とは?

 

前回のブログを読んでいただいて、上咽頭炎が気になった方に、

 内科医の堀田修先生 著 「病気が治る鼻うがい健康法」

という本がお勧めです。

 

風邪のひき始めにつきものの、喉の痛み。

 

「喉の痛み」、というと、扁桃腺の炎症が引き起こしていると考える方も多いかもしれませんが、実際には、扁桃の炎症よりも、上咽頭の炎症が痛みを引き起こしている場合が多いそうです。そのため、風邪の予防のためには、一般的に行われている喉うがいよりも、鼻の奥の上咽頭の部分を洗浄できる「鼻うがい」の方が、実は数段効き目があるのだそうです。

 

上咽頭炎と、IgA腎症の関係

 

この本の著者の堀田修先生は、腎臓病を専門とする内科医で、約30年間にわたり患者さんを診察する中で、IgA腎症という腎臓病が、扁桃炎や上咽頭炎によって引き起こされているのではないかということを突き止めました。

 

腎炎の原因は不明とされているものが多いそうなのですが、その発症メカニズムには、人間の体内の免疫システムが関わっていることも少なくないと考えられており、腎炎を根本的に治療するためには、腎臓だけを見るのではなく、免疫システムに関わる細菌やウイルスなどが侵入してくる場所=咽喉や鼻で起こっている感染や炎症にも目を向けなくてはならないという視点から、このような考えに至ったのだそうです。

本の中では、上咽頭炎についての詳しい説明や、上咽頭炎を治療することでIgA腎症が治るメカニズム、自律神経と上咽頭の関係、上咽頭炎の治療法から自分でできるホームケアや気を付けたいことなど、非常に興味深いことがたくさん書かれています。また、実際に上咽頭炎を治療することで、IgA腎症だけでなく、アトピー性皮膚炎や掌蹠膿疱症、潰瘍性大腸炎、ネフローゼ症候群、アレルギーなどが良くなったという実例も挙げられています。

 

人体の不思議?! 病巣感染について

 

身体のどこかに細菌などに感染した病巣があって、それが原因で病巣とは違う離れた場所に病気が起こることを、「病巣感染」といいます。

 

IgA腎症と扁桃炎・上咽頭炎の関係もこれにあたり、IgA腎症を治療するには、炎症を起こしている扁桃を摘出したり、上咽頭炎を治すことが有効であるということになります。

  

このような「病巣感染」の考え方は、古くは医学の父と呼ばれるヒポクラテスの時代からあり、ヒポクラテスは、個々の患者さんを注意深く観察することで、喉の病気と関節リウマチとの関係を見出したのだそうです。

 

上咽頭炎を予防する生活習慣

 

堀田先生は、慢性上咽頭炎を予防するためには、まずは何はなくとも禁煙すること、とされています。

なぜならば、喫煙者のほとんどは、ひどい慢性上咽頭炎を患っているからだそうです。

また、鼻うがいを習慣づけること、ハウスダストなどを避けてきれいな空気を吸うこと、首を冷やさないこと、首のコリをとること、口呼吸をやめること、そしてストレスをためない生き方をすることなどを挙げています。もちろん、鼻うがいのやり方も詳しく解説されています。

首のコリに関しては、上咽頭炎と首の筋肉は非常に関係が深く、上咽頭炎があると、上咽頭と同じ高さにある耳下部の筋肉が緊張するのだそうです。そのため、耳下部の胸鎖乳突筋付着部付近を人差し指・中指・薬指の3本でやや強く押すと、上咽頭炎がある患者さんは痛みを感じることから、上咽頭炎の診断方法の一つとしてこの触診が使われているとのこと。

 

首を温めると、筋肉の緊張(コリ)がほぐれ、慢性上咽頭炎の様々な症状が軽減するとしています。もちろん、普段から首を冷やさない心がけも大切です。

 

上咽頭炎の治療

 

上咽頭炎の治療は、塩化亜鉛というものを患部に直接塗るという方法で行われます。全国でもこの治療を行っている耳鼻科は少ないようですが、この本の巻末には慢性上咽頭炎の塩化亜鉛治療を行っている医療機関が載っているので、気になる方は一読してみることをおすすめします。

(最近では塩化亜鉛よりも痛くない、塩化マグネシウムを用いる方法も注目されているようです)

もしかして、上咽頭炎かも?!6スポット治療を受けた感想

上咽頭炎とは

 

☑ 喉から風邪をひきやすい

☑ 後鼻漏が気になる(鼻水が喉の上の方に落ちてきて、痰が絡んだような感じになる)

☑ 朝起きたときに喉が痛くなりやすい

☑ 口呼吸

☑ 声がかれて話しにくい

 

上のような症状が一つでも当てはまる方は、もしかすると、慢性の上咽頭炎になっているかもしれません。

 

「上咽頭」とは、鼻の奥のいわゆる「のどちんこ」の裏側の部分で、この部分が慢性的に炎症を起こすことで、様々な身体の不調の原因となるというのです。

 

また、気が付かないうちに上咽頭に炎症が起きていることもあるため、上記のような症状がないからOK!というわけでもありません。

 

例えば、首の凝りや、アレルギー、アトピー性皮膚炎、腎症などが、慢性の上咽頭炎によって引き起こされることもあると言われています。

 

上咽頭炎について詳しく知りたい方は、こちらもチェック!

喉の不調と腸の不調が関係している?!

 

実は、腸の炎症から波及して、慢性の「上咽頭炎」が起きているケースも多いということがわかってきています。

 

喉の不調と腸の不調が関係しているなんて、ちょっと意外な感じがしますよね。

 

腸は、免疫の70%を担うと言われています。

そして、上咽頭は、鼻を通過して取り込まれた空気が最初に通り、ウイルスや細菌など、様々な外敵が侵入する部分。

どちらも、免疫に関わる重要な役割を担っています。

 

脳から出ている末梢神経(脳神経)の一つに、「迷走神経」というものがあります。この神経は、首を通って、腹部の臓器にまで分布している神経で、上咽頭や腸の支配にも関わっていて、自律神経と密接な関係があります。

 

腸の状態と上咽頭の状態が密接に関わっているというのは、身体の機能を考えると、とてもうなずけることなのですね。

 

 

上咽頭炎の治療法

 

身体の様々な不調の原因にもなっているのではないかと言われている「上咽頭炎」ですが、あまり重要視されていない部分で、治療を行っているクリニックは少なく、耳鼻科の先生でも知らない場合もあるのだそうです。

 

治療方法は、塩化亜鉛を患部に直接塗る「Gスポット治療」、またはその方法をより進化させた「6スポット治療」というもので、もしも上咽頭に炎症があった場合、塩化亜鉛を塗った時に痛みを感じるし、出血も見られると考えられています。

(痛みや出血に関しては、重症度の指標にはならないという意見もあるようです)

 

ちなみにこの治療は、保険点数が低くお医者様があまり儲からないという点も、上咽頭炎のことがあまり広まらない原因の1つとなっているようです…。

 

そして、腸などに炎症があった場合は、いくら上咽頭炎だけを治療してもなかなか炎症が治らないということになってしまうので、上咽頭だけでなく腸内環境を改善していくことも大事なのです。

 

 

口呼吸が喉の上咽頭の炎症を引き起こす

 

実は私も喉が弱く、喉に痰が絡む感じがすることが多かったり、喉から風邪をひきやすいタイプでした。正確に言うと、痰が絡んでいるのではなく、鼻水が上咽頭へ落ちてくる「後鼻漏」という状態だったのですね。

 

上咽頭炎の原因の1つとして、口呼吸が挙げられますが、その点に関しては、私は、

『小さい頃から「口呼吸は良くない!」と母からも言われていたし、絶対に普段は口呼吸なんかしてないなーい!』

と、思いきや、寝ている間だけ気がつかずに口呼吸になっているケースはよくあるとのこと。

朝起きた時に喉がイガイガすることが多いし、私もそのケースなのかも…。

 

 6スポット治療」を受けた感想

 

明らかに上咽頭炎疑われる症状があった私は、昨年、勇気を出して「6スポット治療」に行ってきました。

結果、あまりの痛さに絶句…!

 大人なのに、痛くて泣きたくなるぐらい痛かったのです。

 上咽頭に炎症があればあるほど痛みも感じるし、出血もあるのだそうです。

私の場合、痛みだけでなく、綿棒にベッタリ血もついていました…。 

 

思えば私は小さい頃から喉が弱く、しょっちゅう風邪をひいていたし、その頃からすでに慢性的な炎症が起きていたのかもしれません。

 

というわけで、予想通り慢性上咽頭炎の診断をいただいたものの、あの苦痛をまた味わうのがイヤ過ぎて、結局一回きりでその後受診するのを躊躇しています。

 

本当は、治療を始めてしばらくは、続けて何回か通った方が効果はあるらしいのですが…。

 

上咽頭炎を改善するには

 

 上咽頭炎だとわかったものの、どうしてもあの苦痛には耐えかねるので、自力でなんとかできないものかと考えた私は、

★塩水で鼻うがい

★抗炎症と殺菌作用があると言われているササの葉エキスで朝晩うがい 

★寝ている間の口呼吸予防のために口テープをして寝る

★喉の乾燥を防ぐためにマスクをして寝る

★身体を冷やさないようにする

 ★以前から愛用している温熱器で念入りに首を温める

 ★腸内環境を整える食事とサプリメントを積極的に摂る

 

などなど、良さそうなことは全部実践してみました!

 

すると、喉の調子はだいぶ良くなり、朝起きたときに喉が以外がすることはなくなり、後鼻漏の症状もほとんどなくなりました。

 

しかし、上咽頭炎はそう簡単に治るものではないらしく、炎症があっても自覚症状のないパターンも多いと言われているので、たぶん私の場合、完全に治ったわけではないけれど、以前よりは炎症が治まったのだろうと思われます。

 

とはいえ、私が実践した方法は全部、上咽頭炎があってもなくても身体に良いことばかり。なので、この習慣はできる限り続けていきたいと思います。

 

自宅でできる上咽頭洗浄法として、梅エキスの「ミサロールローション」というもので点鼻を行う方法もあるようなので、これも試してみたいです。

 

そして、覚悟ができたら、また6スポット治療を受けに行ってみます、、。