「逸脱酵素」とは?

 

「逸脱酵素」とは、本来細胞内で働いている酵素が何らかの理由で血液中に流出したものです。例えば、脂肪肝や肝臓の炎症によって肝臓の細胞が破壊され、肝臓に含まれる酵素であるAST(GOT)・ALT(GPT)γGTPLDHなどが通常よりも多く血液中に見られるようになります。

そのため、これらの酵素の血中濃度を測定することで、臓器がダメージを受けていないかどうかを推測することができます。

一方、機能低下や代謝低下の場合、逸脱酵素の値は低下します。

もちろん、肝臓だけでなく、他の臓器の破壊や炎症によっても逸脱酵素に影響が出ます。例えば、ASTは心臓や筋肉、γGTPは胆管、LDHは心臓や肺や筋肉や赤血球、CPKは筋肉や心臓や脳、というように、その酵素が多く含まれる臓器に破壊や炎症が起こることで、逸脱酵素の値が高くなります。

「インスリン」とは?血液検査の「インスリン」からわかること

知っているようで知らない「インスリン」の働く仕組みや、「インスリン」が出過ぎるとなぜ良くないのか、また、血液検査の「インスリン」の見方などを、わかりやすく説明します。

インスリンの働き

「インスリン」とは、膵臓から分泌され、血糖値を下げる働きをするホルモンです。

インスリンは、24時間継続して少量で続ける「基礎分泌」と、糖質摂取後一時的に血糖値が上がった時に出る「追加分泌」として分泌されます。つまり、なにも食べていないときでも、人体には少量のインスリンが必要とされているのです。このインスリンの「基礎分泌」がなくなると、人体のほとんどの組織ではエネルギー代謝をまともに行えなくなってしまいます。そして、「追加分泌」されたインスリンは、血液中のぶどう糖を骨格筋や心筋などの細胞内に取り込み、エネルギー源として使えるようにしてくれます。また、インスリンは、血液中の余分なぶどう糖を体脂肪に変える働きもしています。

尚、追加分泌のインスリンには、すぐに出るものと、遅れて出るものがあります。正常な場合は、血糖値が上昇し始めると即インスリンが追加分泌されます。(第一相反応という) もともと蓄えられていたインスリンが5~10分間分泌され、糖質を摂った時の高血糖を防いでいるのです。そしてそのあと少し遅れて、第二相反応と呼ばれるやや少なめの持続するインスリン分泌が行われ、食事を摂った時の糖質の残りをカバーします。そして食事が終わってしばらくすると、第一相のインスリンがまた蓄えられるという仕組みになっています。

このようにして、インスリンの働きによって血液中の糖が増えすぎないように調節が行われているわけですが、血糖値を下げる働きを持つホルモンは、唯一このインスリンだけです。

血糖値を下げるホルモンと、血糖値を上げるホルモン

血糖値を下げる働きを持つホルモンはインスリンだけであるのに対して、血糖値を上げる働きを持つのは、ACTH(副腎皮質刺激)ホルモン、コルチゾール・アドレナリン・成長ホルモン・グルカゴン・甲状腺ホルモンなど、たくさんあります。これらはインスリンに対抗して働きホルモンであることから、「インスリン拮抗ホルモン」とも呼ばれます。インスリンの過剰分泌によって血糖値の急降下が起こるとき、インスリンに対抗してインスリン拮抗ホルモンが分泌されることになります。従って、インスリンの分泌が少ない方が、血糖値を上げるホルモンの分泌も少なく済んで、血糖が安定しやすくなるというわけです。
急激な血糖変動によるホルモンのアンバランスは、自律神経のバランスを乱し、糖尿病だけでなく、うつ病、アレルギー症状などの他、多くの症状を引き起こす原因となります。逆に、穏やかな血糖の変動は、穏やかな心身を保ちます。

 

インスリンが出すぎることによる弊害

糖質をたくさん食べ、インスリンがたくさん出て、血糖の上下動がさほど起こっていなかったとしても、今度はインスリンが過剰に出すぎている高インスリン血症という状態になります。この高インスリン血症も問題で、膵臓に負担がかかるだけでなく、例えば、インスリン自体ががん細胞を増殖させてしまう原因なのではないかという意見もあります。また、インスリンの働きで脂肪細胞の取り込み口が開くと、太りやすくなってしまいます。つまり、インスリンの分泌が過剰だと、血糖値は正常だけど太るという現象が起こります。このように、高血糖も血糖の上下動も良くないし、インスリンの分泌が過剰になることも良くないため、必要最小限のインスリンで血糖値をなだらかに保つことが、身体にとって一番負担が少ないと言えます。
(2010ランセット発表によると、2型糖尿病に対する、インスリンを使用しての厳格な血糖コントロールは、低血糖をもたらし、死亡のリスクを高める。従って、生活習慣の改善と、低インスリン血症のリスクのないインスリン感受性改善薬を第一選択をすべきである、としています)

人種によるインスリン分泌能力の違い

同じⅡ型糖尿病でも、欧米人に多いタイプと日本人に多いタイプがあり、発症のメカニズムが異なると言われています。
欧米の人は日本人よりもインスリンを出す力が強く、たくさん食べても十分なインスリンが出るため、血糖が上がりにくく、太らない限り糖尿病になりにくい人が多いと言われています。血糖値が上がる前にインスリンがどんどん出るため、体内の糖は脂肪細胞の方へ取り込まれていくので、必然的に太りやすくなるというわけです。こうして肥満になると、今度は脂肪細胞からインスリンの働きを邪魔する物質が出てきて、インスリンが出ていても効きが悪くなってきて(=インスリン抵抗性)、糖尿病を発症します。従って、欧米人の場合、太っていれば糖尿病リスクが高く太っていなければ少ないというわかりやすさがあるのです。このような経過をたどる欧米人については、糖尿病の治療としてまずカロリー制限を行って痩せることが優先されてきました。
一方、日本人(アジア人全般)の場合、欧米人よりもインスリンを出す力が弱い人が多く、肥満になる前に血糖値が上がってしまう人が多いのです。実際に、2型糖尿病を発症する人の半数以上は肥満ではないと言われています。

 

インスリンの分泌能力を保つには

膵臓からのインスリン分泌能力は、年齢と共に低下していていきます。分泌能力が弱くなるスピードは個人差があり、いつも過剰な糖質を食べていてインスリンの分泌頻度が多いほど、膵臓に負担がかかり傷みやすいと考えられます。さらに、普段から筋肉を使っている人ほど、インスリンに対する反応性が良いこともわかっています。従って、血糖値を安定させるためには毎日の食生活に気を付けるだけでなく、運動をすることである程度の筋肉量を保つということも、とても大切です。

血液検査の「インスリン」の見方

血中インスリン濃度の目安は、空腹時で2~3ぐらいです。インスリン値を見るときは、グルコースとのバランスを見ることが大切です。例えば、血糖値が低めなのにインスリンが多く出ている場合は、バランスがおかしいと考えます。(=反応型低血糖症)※下記参照

尚、溶血があると赤血球から漏出したプロテアーゼによってインスリンが分解されて、インスリン値が本来の値よりも低値になるで注意が必要です。

インスリンの分泌や効きが正常になり、血糖の変動が安定してくると、不定愁訴や睡眠状態、目覚めの感覚、頭痛、動悸、皮膚症状など、様々な自覚症状の改善が見られやすくなります。

また、インスリン以外の血液データからもインスリンの状態を予測することができます。インスリン抵抗性が改善し糖の代謝が改善してくると、HDLーCが低すぎた人はHDL-Cが上昇、中性脂肪が高すぎた人は中性脂肪が低下、というように、データの適正化が見られるようになります。また、脂肪肝に付随するGPTやγGTP値が高すぎた場合も、糖代謝の改善に伴って値の改善が見られるようになります。
逆に、中性脂肪や肝臓の数値が年々上がっていたり、HDL-Cが年々下がってきていたりする場合、糖の代謝が乱れてきているのかもしれないと考えられます。

※低血糖症のパターンについて

(低血糖症の基本的な内容はこちら

「低血糖症」にはいくつかのパターンがあります。いずれの場合も、インスリンの分泌に問題があるのですが、通常の検査では血糖値もHbA1cも異常値が出ないところがやっかいです。

それそれのパターンとその特徴は以下の通りです。

◆反応性低血糖症・・糖負荷後血糖値が急上昇し、急降下するタイプ。

食後にインスリンが出すぎるせいで、血糖値が下がりすぎてしまいます。40台ぐらいまで急降下してしまうこともあります。非常に甘いものが食べたくなったり、食後なのにお腹が空くと訴えたりする。このタイプは若い人に多いと言われています。

◆無反応性低血糖症・・糖摂取後も血糖値が全然上がらない(変動が10程度)

血糖値の変化がない代わりに、インスリンが乱高下するタイプ。このタイプも若い人に多く、慢性疲労や抑うつ、朝起きられないなどの症状が出やすくなります。

◆乱高下型低血糖症・・血糖値が上がったり下がったりを繰り返す。

血糖値が安定せず、一日のうちで乱高下を繰り返します。

 

~糖尿病や低血糖症を防ぐ食事については、こちらをチェック!~

血液検査の「グリコアルブミン」からわかること

「グリコアルブミン」は通常の血液検査の項目には入っていないのであまり聞きなれないかもしれませんが、血糖値の状態をより正確に知るために使える項目です。

グリコアルブミンとは?

グリコアルブミン(GA)とは、グルコースとアルブミンがどのぐらいの割合で結合しているかを調べる項目で、ヘモグロビンA1cよりも最近(過去2~4週間ぐらい)の血糖値の平均を反映します。ちなみにヘモグロビンA1cは過去1~2か月ぐらいの血糖値を反映しますが、ヘモグロビンよりもアルブミンの半減期の方が短いので、グリコアルブミンの方がより最近の血糖の状態を反映します。(血糖値やヘモグロビンA1c、「低血糖症」についてはこちらもチェックしてみてください)

また、ヘモグロビン値が異常値を示すせいでヘモグロビンA1cが指標として使用できない、鉄欠乏性貧血、溶血性貧血、腎性貧血などといった疾患での指標として使うことができます。

ただし、「無反応性低血糖症」や、食事の回数が少ない場合は血糖値の平均値が低くなることがあるので、一概には言えません。また、ネフローゼ症候群、甲状腺機能亢進症、低アルブミン血症などでも低値になります。

逆に、肝硬変、甲状腺機能低下症、栄養障害、高ビリルビン血症などで高値になります。

グリコアルブミンの一般的な「基準値」は12~16%となっていますが、だいたい14.6~15ぐらいに収まっているのが理想的です。グリコアルブミンが高い場合、血糖値が高い状態が続いている、つまり糖尿病のリスクが高まります。逆に、グリコアルブミンが14を切るような場合は、食後3~4時間後の低血糖の可能性がかなり高いと考えられます。

血液検査の「血糖値」・「ヘモグロビンA1c」からわかることと、「低血糖症」について。

血糖値やヘモグロビンA1cとは何か、そしてそれらが高過ぎるとなぜ良くないのか、さらに、血糖値が下がりすぎる「低血糖症」とその対処法についてわかりやすく説明します。

血糖値とは?

血糖値(blood sugar=BS)とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことです。血液1㎗(100mg)中、何mgのブドウ糖が含まれているかを数字で示していますので、単位はmg/㎗となります。

糖尿病は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが膵臓から十分に出ない、またはインスリンが十分に働かないために、血糖が高くなってしまう病気です。

高血糖の状態が何年間も続くと、血管が傷つき、心臓病や失明、腎症、足の壊疽などといった重い合併症引き起こす、非常に怖い病気です。

一般的に言われている血糖値とヘモグロビンA1cの正常値は以下の通りです。
空腹時血糖110mg/dl未満
75g糖負荷2時間後血糖値140未満
ヘモグロビンA1c6.2(NGSP)未満

 

そして、糖尿病の診断基準は以下の通りです。

空腹時血糖(fasting blood sugar=FBS)126mg/dl以上
75g糖負荷試験2時間後血糖が200以上
または、随時血糖200以上
ヘモグロビンA1cが6.5以上

糖尿病患者の場合、空腹でも血糖値が200を超えることもあり、食後には軽く300を超えてしまうこともあります。ヘモグロビンA1cは、9%を超えると、合併症への危険が急激に上がると言われています。

血糖値が正常値と糖尿病と診断される値の間にある場合は、「境界型」と呼ばれます。

栄養療法では、糖尿病の診断だけでなく、血糖値の変動をとても重視しています。なぜならば、食後血糖が高ければ高いほど血管にダメージが加わり、動脈硬化が進むということがわかっているからです。糖尿病の合併症を予防するためには食後の血糖を上げないようにすることがとても大切です。

ヘモグロビンA1cとは?

ヘモグロビンA1c(HbA1c)とは、ヘモグロビンにブドウ糖が結合した割合を見る検査です。血糖値が高ければ高いほど増加しますが、血糖値と違って過去1~2か月の血糖の平均を反映します。血糖値は検査直前に節食すると低下しますが、ヘモグロビンA1cは一時的に食事を変えただけでは変化しないので、血糖コントロールの良い指標になります。ただし、あくまでも平均値なので、食後高血糖を反映せず、血糖の変動を知ることはできません。(グリコアルブミンの方が血糖の変動を知るより良い指標となります)

ヘモグロビンA1の「基準値」は4.3~5.8%となっていますが、後に述べる通り、低すぎることも問題で、だいたい5~5.2%ぐらいまでが理想的な値です。6%を超えるようだと糖尿病特有の合併症が起こるリスクが高まると言われています。

尚、ヘモグロビンA1cはアルコール多飲、大量のビタミンC、高ビリルビン血症、再生不良性貧血、尿毒症などで高値を示すこともあります。
逆に、赤血球の寿命が短くなるような溶血亢進、鉄欠乏性貧血、また、肝硬変、出血後、妊娠などによって低値になることがあります。

血糖値やヘモグロビンA1cが基準値でも、注意が必要な場合とは?

糖尿病の初期段階では自覚症状がほとんどなく、気が付かないうちに徐々に糖の代謝異常が進行してしまいます。

健康であれば、血糖値は通常90ぐらいに保たれており、食後の血糖値の変動はプラス50~60ぐらいの範囲におさまります。そしてその後、急激に血糖値が下がりすぎたりすることもなく、食事後2~3時間もすれば、血糖値は元に戻ります。
人によって食後の血糖値のピーク時間は異なり、60分の人もいれば、120分ぐらいの人もいます。

しかし、血糖値の調節がうまくいっていない人の場合、気が付かないうちに食後の高血糖が起こり、その反動で今度は血糖値が下がりすぎる、という、血糖値の乱高下が起こるようになります。

血液検査で血糖値やHbA1cが正常でも、糖尿病の前段階として、食後の高血糖や、血糖値を適切な状態に維持できない「低血糖症」が起こっている場合があります。通常の空腹時血糖やHbA1c、糖負荷後2時間後の検査だけでは、血糖コントロールの状態を十分に把握できず、血糖コントロール不良を見逃してしまうことがあるのです。

 

 

低血糖症とは?

血糖値は、通常は上がりすぎたり下がりすぎたりしないように、体内のホルモンの働きによって調節が行われています。その調節がうまくいかず血糖値が下がりすぎてしまうのが「低血糖症」です。

低血糖症にもいろいろなパターンがあります。食後高血糖の反動で血糖値が急降下する、または一日のうちで血糖値が下がりすぎてしまう時間がある、あるいは、血糖値の変動がない代わりにインスリンの分泌が乱高下しているというパターンもあります。どのパターンにも共通しているのは血糖値の調節がうまくできない状態になっているということです。

低血糖症があっても、多くの場合は健康診断で採血をした時には血糖値が基準範囲内に入っているので問題視されません。しかし、血糖値やインスリンの変動は、ホルモンや自律神経のバランスを乱し、精神状態にも大きな影響を与え、膵臓、副腎、肝臓などにも負担がかかるようになります。そして、慢性的な疲労感、憂うつ感、イライラ、頭痛、情緒不安定、PMSなど、人によって様々な不定愁訴が起こるのです。また、交感神経が優位な状態になり、アドレナリン・ノルアドレナリン(興奮性のホルモン)が分泌されることから、リラックスできない、動悸、不眠、冷え、手足の震えなどの症状が起こるようになります。中には、「耳に膜が張る感じ」を訴える人もいます。

 

血糖値を丁度良い値に保つためには、副腎が元気であることが必須です。副腎から分泌されるホルモンが糖新生(体内で糖以外のものから糖を作ること。)を促進し、血糖値を上昇させる働きを持っているからです。そのため、低血糖症の背景には、「副腎疲労」が関係していることが多く見られます。

空腹時の血糖値が低めな人は、副腎機能が低下気味で普段から血糖値を充分に保つことができていなかったり、食後に血糖値の乱高下が起きている可能性が高いと考えられます。

目安としては、空腹時血糖が80以下、ヘモグロビンA1cだと4.6を切るぐらいだと、低血糖症の可能性があるかもしれません。上に挙げた不定愁訴の他にも、食後に異常に眠くなったり、甘いものが無性に食べたくなる、よく眠れない、いつもなんとなく具合が悪い、朝の寝起きが悪く目覚めたときから疲れている、などといった症状がある場合は要注意です。逆に、安定した血糖値は、睡眠や、多くの自律神経が関係する症状を改善させます。

 

低血糖症を改善する食事

低血糖症を治す薬は存在しません。低血糖症の背景には、副腎疲労や腸内環境の悪化、自律神経バランスの崩れなど、様々な要素が絡んでいるのですが、まず手っ取り早くできることは、血糖値を安定させる食生活を心がけるということです。以下に食事のポイントを挙げます。尚、これらの食事は血糖値を安定させるための食事なので、糖尿病対策としてももちろん有効です。

①血糖値を上げやすい食べ物を減らす・炭水化物だけの食事は避ける

砂糖やブドウ糖果糖液糖、パンや白米は血糖値を急激に上げ、その反動で血糖値を急降下させやすい食品です。甘いものをやめることと、主食(パンやごはん)を減らしておかずを中心にした食事にする、ということを心がけましょう。玄米や全粒粉のパンには食物繊維が多く含まれ、低血糖を起こしにくい炭水化物です。ただし、胃腸の弱い人は消化がしづらい場合もあるので、胃腸の様子を見ながら取り入れていくと良いでしょう。

②間食にも注意

間食の内容も気を付けましょう。「私は甘いものは食べていません!」という方の食生活をよくよく聞いてみると、実はおせんべいが大好きだったりすることがあります。おせんべいは甘くはありませんが、ガッツリ糖質メインの食べ物です。一見身体に良さそうな野菜ジュースや果物ジュースも、糖分が多く血糖値をもろに上げてしまいます。甘いものやおせんべい、ジュースなどといった糖質メインのものを避け、大豆製品や卵、小魚、ナッツ類など、必ずたんぱく質を含むものを取り入れるようにしましょう。消化力が弱い方は、和風だしやボーンブロスなどのスープでたんぱく質を補うのもとてもおススメです。

③食べる順番

たんぱく質や食物繊維を食べてから糖質を摂ると、血糖値の急上昇を抑えることができます。食事の際は、まずは肉や魚、卵などのおかずを食べ、あわせて野菜料理もたっぷり食べてから、ごはん類を食べるようにしましょう。

⓸食事を抜かない

食事と食事の間隔が長いと低血糖症状を起こしやすく、さらに空腹で食事を摂れば一気に血糖値が上がりやすくなってしまうので、食事を抜くことは避けなければなりません。適度な間隔で食事を摂ることで、血糖値が下がりすぎるのを防ぎ、血糖値を上げるホルモンの異常な分泌も防ぐことができます。朝食を食べることも大切です。血糖値の変動には個人差がありますが、低血糖の症状が出やすい人は、だいたい食後3~4時間ぐらいで何かを食べると良いと言われています。また、低血糖が出やすいのは特に夕方の4時ぐらいですので、昼食から夕食の間には必ず間食を摂るようにします。ただし、②でも説明した通り、間食の内容にも注意します。

⑤調味料に注意

和食はヘルシーなイメージが強いですが、調理法によっては砂糖を多く使う料理もあります。特に、お店で売られているお惣菜には意外と砂糖が多く使われていたり、加工食品には味を良くするために砂糖やブドウ糖果糖液糖がたっぷり入っているものが多いです。あまり神経質になりすぎるのもストレスがたまって良くないのですが、なるべくシンプルな味付けの料理を選ぶことを心がけましょう。

⑥カフェインをやめる

低血糖症の人は、エネルギーをうまく作ることができないので疲れやすく、テンションが低い人が多いです。または、外では身体が頑張ってアドレナリンを出しまくっていて一時的にハイテンションになっていて元気に見えるけれど、家に帰ったらぐったりというケースもあります。このようなケースの場合、カフェインなどに依存することで、無理をして元気を出している人もいます。カフェインは直接副腎を刺激することでアドレナリンを出します。つまり、ただでさえ血糖コントロールが悪く副腎が酷使されているのに、さらに副腎にムチ打をって無理してアドレナリンを出してがんばって血糖値を上げているので、ますます副腎が疲れてしまうという悪循環が起こります。コーヒーや栄養ドリンクがないと元気が出ない!という方は、要注意です。紅茶や緑茶にもカフェインが含まれますので、一日に何杯も飲むという方は、量を控えるようにしましょう。尚、お茶はお湯で出すよりも水出しの方がカフェインが少ないお茶になります。

 

 

 

 

血液検査の「クレアチニン」からわかること

血液検査の「クレアチニン」について説明します。

クレアチニン(Cr)とは

クレアチニン(Cr)は、筋肉が運動するための重要なエネルギー源となる「クレアチンリン酸」という物質が代謝されたあとにできる老廃物です。

血中のクレアチニンは、腎機能の指標として使われます。クレアチニンは腎臓でろ過されて尿として排出されるため、血中のクレアチニンの濃度が上昇していることは、腎臓の機能が低下しているということを意味するのです。

また、クレアチニンは筋肉量と相関するので、女性よりも男性の方が値が高い傾向が見られます。

クレアチニンが高値の場合

クレアチニン値の目安はだいたい0.6~1.1ぐらいです。

クレアチニンは腎機能障害で高値になる他、脱水、溶血、筋力運動でも高値になります。

降圧剤や解熱鎮痛抗炎症薬、利尿薬を飲んでいる場合、種類によっては高値になることがあります。

クレアチニンが低値の場合

クレアチニンは筋肉量を反映するので、たんぱく質が不足している人や、高齢者や長期臥床者など、筋肉量が低下している人では低めで、基準値を下回ることが多くなります。

その他にも、肝障害や甲状腺疾患、筋ジストロフィー、妊娠などでも低値になることがあります。

血液検査の「中性脂肪」からわかること

血液検査の「中性脂肪」について説明します。

中性脂肪とは?

中性脂肪は、triglyceride=TGとも呼ばれます。食事として摂取される「脂肪」は主に中性脂肪です。

中性脂肪は、体内のエネルギーの運搬や貯蔵、皮下脂肪として保温や生体の保護に役立っています。血液検査の「中性脂肪」は、脂肪の量そのものではなく、リポタンパクの量を測っており、総合的な栄養状態の重要な指標となります。

中性脂肪は日々の食事内容によって顕著に変動しやすいので、必ず採血は空腹時に行う必要があります。

中性脂肪の理想的な値は100前後です。

 

中性脂肪が高い場合

中性脂肪は、脂質代謝異常、糖尿病、肥満、動脈硬化、痛風、甲状腺機能低下症などで高値になります。
また、ある種の降圧薬や抗狭心症薬、経口避妊薬によって高値になることもあります。

血中の中性脂肪が高いと血小板凝集を促進し、血栓を作りやすくなります。特に、高血圧とHDLが低いことが重なると、血栓のリスクはさらに高まります。

肥満の場合やγGTPが高値(脂肪肝)だと、中性脂肪は高くなる傾向にあります。注目すべきは、糖代謝が悪いと中性脂肪が高くなりやすいということです。

お酒を飲まないのに中性脂肪が高い場合、お菓子類やジュース、果物など、糖質食品の過剰摂取をしている場合が多く見られます。肉類の摂取が多く魚の脂の摂取が少ない(脂肪酸バランスが悪い)場合も、中性脂肪が過剰になりやすいです。

また、痩せているのに中性脂肪値が高い場合は、甲状腺刺激ホルモンの働きが弱いという可能性も考えられます。

 

中性脂肪が低い場合

逆に、中性脂肪やコレステロール値が理想値よりも低い場合、たんぱく質や脂質をしっかりと食べていない、または、消化力が低いと考えられます。特に、食の細い女性や、60歳以上の高齢者は注意が必要です。

肝機能低下によって中性脂肪が低くなっている場合もあります。

例えば、中性脂肪が低くてコレステロール値も低く、ALTも10台前半ぐらいであったりする場合、栄養不足によって肝機能が低下している可能性が高いと言えます。

中には中性脂肪が30台ぐらいまで落ちてしまっている人も見られますが、ここまで低いと免疫力の低下なども心配です。

肝機能低下が起きている場合、糖新生が難しく自律神経バランスが悪くなり、低血糖症状などが起こりやすくなってしまいます。

また、甲状腺機能亢進症や下垂体機能低下症、栄養障害などでも中性脂肪は低値になります。

 

 

 

血液検査の「HDL」・「LDL」からわかること

HDLコレステロール(HDL‐C)とLDLコレステロール(LDL‐C)について説明します。

HDLコレステロールとは?

コレステロールは水に溶けないので、体内で輸送するにはコレステロールを運ぶ「舟」の役割をする「リポたんぱく」が必要となります。リポたんぱくの構造によって、脂肪は、血液やリンパ液によって輸送されることができます。リポたんぱくは、リン脂質で球状の形を作り、中に中性脂肪、コレステロール、たんぱく質が含まれた構造になっています。リポたんぱくは含まれる中性脂肪やたんぱく質の割合によって比重が異なり、その比重によってVLDL、LDL、HDL、カイロミクロンなどの種類に分けられています。

HDL(High Density Lipoprotein)は、たんぱく質がその半量を占め、その名の通り比重が高い(=比重が大きい、つまり重い)リポたんぱくです。血管壁に付着しているコレステロールなど、組織上で余分になったコレステロールを回収し肝臓に運び戻す働きがあることから、俗に「善玉コレステロール」と呼ばれることもあります。

HDLは、60~70 以上はあることが望ましく、80~90 台でも良いと言われています。遺伝的な要素も大きく、若い時からHDLが高めの家系は長寿の家系が多いようです。適度な運動はHDLを増やしてくれる効果があることがわかっています。

糖尿病、動脈硬化、肥満症、過度の喫煙、腎透析などの人は、HDLが低値になりやすいことがわかっています。また、オメガ6系脂肪酸の過剰摂取でもHDLが下がることもあります。

逆に、極端に高くなってしまう人の場合(100を超えるような場合)は、「コレステリルエステル転送たんぱく欠損症」(遺伝病)の可能性もあると言われています。薬の影響で高値になることもあります。

 

LDLコレステロールとは?

LDL(Low Density Lipoprotein)とは、その半量をコレステロールが占める低比重のリポ蛋白です。

LDLは一般的に「悪玉」扱いされていますが、LDLルの本来の役割は末梢にコレステロールを供給して、細胞膜を修復することです。細胞膜だけでなく、性ホルモンやCoQ10、ビタミンD、胆汁を作るためにも必要です。

しかし、コレステロールが過剰になると、酸化したLDLコレステロールは「変性LDL」(変性した低比重リポ蛋白)が出てきます。すると、この変性リポたんぱくを「マクロファージ」(白血球細胞の一つ)が取り込んで、「泡沫細胞」という細胞に変わります。この泡沫細胞は、血管内皮に浸潤し、粥状の「アテローム」となって動脈壁に蓄積し、血管の一部を狭窄させ、アテローム性動脈硬化を引きおこし、心臓病のリスクを高めることになるのです。

LDLが高値の場合、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化などのリスクが高まるほか、糖尿病、甲状腺機能低下、ネフローゼなどでも高値になります。

また、LDLは加齢や閉経に伴い数値が上昇しやすい傾向があります。

 

脂質異常症とは

HDLは血中のコレステロールを肝臓に運び、LDLがコレステロールを末梢へ運びぶ働きがあるため、血中のLDLレベルを下げ、HDLレベルを上げることが、アテローム性動脈硬化症を防ぐことにつながります。

体内では常に一定量のコレステロールが必要なため、体内では必要に応じてコレステロールを合成しています。体内で作られるコレステロールの60~70%は、肝臓で作られており、(その他にも小腸、副腎皮質、性腺などで作られます)それ以外は食品から摂取したものです。そのため、食事内容だけでなく、肝機能が正常に働いているかどうかも非常に重要となります。

通常は血液中のコレステロール値は一定の量が保たれるように調節されているのですが、食事から身体に入ってくる脂質の量が多すぎたり、肝機能低下などによって血液中のLDLや中性脂肪が過剰になっていたり、HDLが少なくなってしまった状態を、「脂質異常症」といいます。

「動脈硬化指数」について

LDLとHDLのバランスをチェックして、酸化ストレスの度合いをチェックしてみましょう。

(総コレステロールーHDL)/HDLの計算式で求められる値を「動脈硬化指数」と言います。

動脈硬化指数は3以下が望ましく、3以上であれば対策が必要です。

LDLレベルを下げ、HDLレベルを上げるには、体重をコントロールする、飽和脂肪酸よりも一価と多価不飽和脂肪酸を摂取する、トランス脂肪の除去、動物性脂肪の摂りすぎを避ける、オメガ6系脂肪酸の過剰摂取を避ける、オメガ3系脂肪酸の積極的な摂取、水溶性食物繊維の摂取、アルコールを控える、適度な運動を行うことなどが有効です。

尚、インスリンの効きを知りたい場合にも、HDLコレステロールと中性脂肪に注目すると良いと言われています。
なぜなら、インスリン抵抗性が改善してくると、HDLコレステロールが低すぎる場合は徐々に上がっていき、中性脂肪が高すぎる場合は徐々に下がっていく傾向が見られる、つまり、糖の代謝の改善を予想することができるからです。
逆に、中性脂肪が年々上がっていたり、HDLコレステロールが年々下がってきていたりする場合、もしかすると糖の代謝が乱れてきているのかもしれません。ただし、中性脂肪などは変動しやすいデータでもあるので、一年ごとの結果で一喜一憂するのではなく、年々変化する様子に着目して見ると良いでしょう。

 

 

 

血液検査の「尿酸値」からわかること

血液検査の尿酸について説明します。

尿酸・プリン体とは?

尿酸(uric acid=UA)は、体内の「プリン体」を分解することでできる物質です。
「プリン体」とは、細胞内の「核酸」(DNA・RNAの材料)を構成する物質で、食品では穀物、肉、魚、野菜など食物全般に含まれ、主に旨みの成分にあたります。もちろんヒトの体内にもたくさん存在しています。

プリン体は食品から摂るよりも、実は体内で作られる量の方が多く、体内にあるプリン体の7~8割は体内で作られたものです。

通常、プリン体は体内で分解されて尿酸に変化し体外に排出されますが、尿酸量が排出能力を超え、体内に蓄積されると痛風の原因になることで知られています。

尿酸値は低ければ低いほど良いわけではない!

尿酸はたんぱく質を原料に作られるので、尿酸値が低い場合はたんぱく質不足が予測されます。また、尿酸の原料となる核酸の不足も疑われます。核酸は細胞の生まれ変わりの際にも欠かせないものなので、例えばアンチエイジングのためにも重要です。核酸は肝臓で作られ、赤血球によって全身に運ばれます。

そして尿酸には、体内で作られる代表的な抗酸化物質としての働きがあります。人間がビタミンCをつくることができないかわりに抗酸化物質として働いているのが尿酸なのです。つまり尿酸値が低下している人は、抗酸化力が低く活性酸素を除去する力が弱くなっているということが予測されます。
もしかしたら体内で尿酸をたくさん作っているのにも関わらず、活性酸素が多くて作るのが追い付かない状態になっているのかもしれないということも考えられます。

そのため、尿酸値は低ければ低いほど良いというわけではなく、4以上はあるのが理想的です。

 

尿酸値が低い時の対策

①抗酸化栄養素の摂取

尿酸値が理想値よりも低い時は、積極的にビタミンCやEなど、抗酸化ビタミンを積極的に摂るようにしましょう。色の濃い野菜や果物には、ビタミンだけでなくポリフェノールやフラボノイドといった天然の抗酸化物質が豊富に含まれます。特に、尿酸値が3を切るようだと低いので、活性酸素対策が必須です!

ちなみに、体内で作られる抗酸化物質は、メタルチオネイン、グルタチオンなどで、これらもたんぱく質を原料に作られます。

②たんぱく質を充分摂る

食事でしっかりとたんぱく質を摂るようにしましょう。もちろん、よく噛んで食べることも大切です。消化力が弱い方は消化酵素を摂ることも有効です。

 

尿酸値が高くなる原因

次に、尿酸値が高くなる原因を見ていきましょう。

①活性酸素が多い

尿酸値が高値の場合、体内の活性酸素が多いので体内で頑張って作っている状態であるということが予測できます。尿酸は、多すぎても少なすぎても、活性酸素の害が大きい可能性が高いと言えます。

②食生活

精製炭水化物、果糖やアルコールの過剰摂取は特に、尿酸値を上げやすいため注意が必要です。特に果糖には、尿酸の合成を高める働きがあります。スポーツドリンクや栄養ドリンク、甘い果物、果物ジュースなどにも果糖はたくさん含まれています。アルコールが尿酸を作りやすくすることも知られています。「尿酸値が高い=プリン体の摂取を減らせば良い」、と考えがちですが、プリン体だけ減らしただけではだめなのですね。ちなみに食事のプリン体量に影響される尿酸はたったの2割程度です。とはいえ、プリン体の多い食べ物を食べ過ぎないようにすることも大切です。

③尿酸の排泄が悪い

尿酸の排泄が悪い人も高尿酸になりやすいです。排泄を悪くする原因の一つとして、肥満が考えられます。肥満によって高尿酸になるのは、肥満になると余りがちになるインスリンが、尿酸の排泄を邪魔する方向に働くからです。また、遺伝的に尿酸の排泄が悪く、尿酸が上がりやすい体質の人もいるようです。

つまり、高尿酸血症は、尿酸値が高くなりやすい遺伝的な体質に加え、飲食の不摂生や、ストレスなどの環境因子が関わり合って高尿酸になると考えられます

尿酸値が高い時の対策

①ストレスを減らす

高尿酸が気になる方は、アドレナリンを出し過ぎるようなストレスフルな毎日を過ごしていないかどうか、日頃の生活を振り返ってみましょう。

②食生活を見直す

肥満の改善だけでなく、プリン体の多い食べ物の食べ過ぎないようにしたり、アルコール、果糖の摂取も控えるようにしましょう。

③クエン酸を摂る

尿酸を中和して尿排泄させるためには、アルカリが必要となります。そのためには、クエン酸が有効です。クエン酸自体は酸性なのですが、体内での代謝の過程でアルカリ性になるので、尿酸を中和する働きがあるのです。

⓸痛風を予防する

尿酸が結晶化すると痛風になります。痛風は、足の指にできやすいことで知られています。指先の末梢血管は細く、血流が悪いと結晶がたまり、痛風になりやすくなってしまいます。痛風を防ぐためにも、血流を改善することがとても大切です。運動習慣を持つことや、意識的に足の指を動かすようにしましょう。
また、オメガ-3脂肪酸が豊富に含まれるフラックス(亜麻)油などを積極的に摂ることもおすすめです。フラックスオイルには、炎症と痛みを抑える働きがあります。さらに、クルクミや、アントシアニン、ケルセチンなどには、尿酸を抑える働きがあると言われています。クルクミンには強力な抗炎症作用があることでも知られています。

血液検査の「赤血球」・「ヘマトクリット」・「網状赤血球」からわかること

血液検査の項目「赤血球」や「ヘマトクリット」、「網状赤血球」について説明します。

赤血球(RBC)・ヘマトクリット(HCT)とは

赤血球(Red Blood Cell)は血液細胞の一つです。赤血球の内部はヘモグロビン(=鉄を含む赤い色のたんぱく質)で充満していて、そのヘモグロビンに酸素を取り込みます。

そして、血液中に占める細胞成分の割合をヘマトクリット(HCTまたはHt)と言います。血液中の細胞成分のほとんどが赤血球であるため、ヘマトクリット値は赤血球の量を知るための目安になります。

赤血球やヘマトクリットは、貧血があると低値になることで知られています。

一方、脱水などによって血液が濃くなると高値になります。

網状赤血球とは

赤血球が骨髄で作られ脾臓で壊されるまでの寿命は約120日程度で、毎日赤血球の全体の0.8~0.9%ぐらいが入れ替わっています。

骨髄で作られた赤血球のもとは、いくつかの段階を経て成熟した赤血球になります。

網状赤血球とは成熟した赤血球の一段階前の、未熟な赤血球のことです。色素で染めて顕微鏡で観察するとRNAが染まって網状に見えるので、このような名前が付けられています。

網状赤血球は、骨髄での赤血球産生の指標となります。網状赤血球が増加しているときは造血亢進、減少は造血低下が起きていると考えられます。

理想的な目安値は9~11ぐらいです。

網状赤血球と貧血

同じ「貧血」でも、その種類によって値が増える場合と減る場合があります。

「再生不良貧血」(骨髄の造血幹細胞が減少することで起こる貧血)の場合、骨髄での造血能力が低下しているということですので、網状赤血球は減少します。

一方、「溶血性貧血」(赤血球が寿命よりも早く壊されることで起こる貧血)の場合は、赤血球が壊されるスピードが速くなっている状態なので、それを補うために骨髄での造血が亢進して、網状赤血球が増加します。

溶血性貧血の原因はいくつかありますが、主な原因となるのが酸化ストレスです。酸化ストレスによって赤血球の細胞が弱くなって溶血が起こるのです。

酸化ストレスが大きく溶血があるときは、網状赤血球の他にも間節ビリルビン血清鉄も高値になりますのでチェックしてみましょう。

血液検査の「ビリルビン」からわかること

ビリルビン(BIL)とは?

肝臓機能を調べる項目で、「ビリルビン」という項目があります。ビリルビンとは、胆汁に含まれる黄色の色素で、古くなった赤血球中のヘモグロビンが破壊が破壊されたときにできる成分です。つまり、ビリルビンは赤血球の代謝物ビリルビンは、血液によって肝臓に運ばれ、そこで水に溶けやすい形に処理されて胆汁の中に排出されます。胆汁は腸内に流れ出し、脂肪の消化吸収を助けます。

ビリルビンは黄色い色素なので、肝機能障害や赤血球の過剰破壊などによって血液中にビリルビンが異常に増加すると、皮膚や粘膜が黄色くなる「黄疸」が見られるようになります。

「直接ビリルビン」「間接ビリルビン」「総ビリルビン」の違い

ビリルビンには、「直接ビリルビン」と「間接ビリルビン」があります。

直接ビリルビンは、「Direct(直接) Bilirubin」の頭文字をとって「D-BIL」、間接ビリルビンは「Indirect (間接)Bilirubin」 の頭文字をとって「I-BIL」と表示されていることもあります。

・直接ビリルビン(D-BIL)

「直接ビリルビン」は肝臓で処理された後のビリルビンです。肝障害やビリルビンの排出障害があると血液中に漏れ出し、数値が上昇します。

・間接ビリルビン(I-BIL)

「間接ビリルビン」は、肝臓に運ばれる前のビリルビンで、溶血(血液中の赤血球が壊れること)によって値が上昇します。

・総ビリルビン(T-BIL)

そして、直接ビリルビンと間接ビリルビンを合わせたものが、「総ビリルビン」(Total Bilirubinn=「T-bil」)と呼ばれます。

 

つまり、直接ビリルビン+間接ビリルビン=総ビリルビン ということですね。総ビリルビンと直接ビリルビンしかデータがなければ、引き算をすれば簡単に間接ビリルビンの値を知ることができます。

 

血液データの読み方

①まずは、従来の評価方法での臓器のトラブルや炎症がないことを確認します。ビリルビン値は、赤血球の代謝や肝機能疾患等で異常高値を示します。総ビリルビン値の目安は1.2以下です。

②通常、間接ビリルビンと直接ビリルビンは1:1です。肝機能が正常なのに総ビリルビン値が高い場合は、間接ビリルビンが高く、溶血があることが予測されます。(溶血についての詳細はこちら

間接ビリルビンが0.6を超えるような場合、赤血球の膜が壊れやすくなっているせいで、肝臓で処理される前のビリルビンが多くなっているということが予測できます。(ただし、生まれつき間接ビリルビンを作る酵素の量が少なく数値が上がっている人もいます)

赤血球の細胞膜が壊れやすくなっているということは、他の細胞膜も壊れやすくなっている=つまり、細胞膜が弱くなっているということです。

尚、間接ビリルビンは重症の肝障害でも上昇します。また、絶食が長時間になった場合も上昇しやすくなります。

間接ビリルビンが高値な場合は、次に総コレステロール値も確認してみましょう。コレステロール値が低い場合、細胞膜の材料が不足して弱くなっているのかもしれません。また、溶血によって総蛋白やLDH、AST、ALT、網状赤血球、血清鉄、カリウムなども高値になっていることを疑います。

さらに、炎症を測る「高感度CRP」ののデータもあればチェックします。高感度CRPの値が0.05よりも高い場合は、微小な組織障害があるかもしれないと考えられます。もしもそのような炎症が見られる場合は、ビタミンEやEPAなど、細胞の酸化を防ぐための栄養素を補うというアプローチが重要となります。