感染症予防、眼の健康、美肌のためにも欠かせない!ビタミンAの働き

感染症予防や眼の健康、美肌など美容の面でも欠かせない、ビタミンAの働きについて解説します。

ビタミンAの働き

①皮膚や粘膜の健康を保つ

ビタミンAは体内でたんぱく質と結びつき、細胞の増殖や分化が正しく行われるように誘導してくれる働きを持っています。私たちの身体は細胞の集合体ですので、体中のどこでもビタミンAが必要であるということができます。

表皮のいちばん内側の基底層では、細胞分裂によって毎日新しいケラチノサイトが生まれています。

例えば、肌の分化が正常に行われていれば、キメの整った綺麗な肌になりますが、ビタミンAが不足していたら肌の細胞がスムーズに分化できずに肌荒れが起こります。もちろん、髪の毛や爪の健康のためにも重要です。

肌のキメの細かさや美爪、美髪といった美容面だけでなく、例えばニキビやいぼ、うおのめ、湿疹などができやすいといった場合も、ビタミンA不足が原因となっていることがあります。

皮膚だけでなく、粘膜の細胞の分化のためにも重要ですので、身体の外で肌荒れや湿疹ができるのと同じように、粘膜でそれが起こればポリープやがんができやすくなってしまうということです。

口腔や食道、胃、腸、目、鼻など、身体の中にはたくさんの粘膜が存在し、私たちの身体を外界から守ってくれるバリア機能を果たしています。

例えば、口内炎やのどの腫れを防いで感染症を予防するためにもビタミンAは欠かせません。

 

②目の健康を保つ

ビタミンAの欠乏症として有名なのが、「夜盲症」という病気です。夜盲症になると、暗いところでの視力がまず失われます。例えば、映画館に入った時に最初は暗くてよく見えないけれど、だんだん目が慣れてきて暗闇の中でも通路や客席が見えやすくなってきたりすることがありますよね。このように、暗さに徐々に目が慣れてくる現象を「暗順応」というのですが、この反応が起こるためには目の網膜の細胞の中に「ロドプシン」という物質が必要になります。ロドプシンとは、ビタミンA類縁体のレチナールとたんぱく質が結合した物質です。ビタミンAが不足しているとロドプシンを充分に作ることができなくなり、暗順応ができなくなってしまうというわけです。

このような眼の視覚作用や、目の粘膜の健康のためにもビタミンAは重要ですので、不足するとさまざまな眼のトラブルが起こりやすくなります。ドライアイが気になるという方も要注意です。

③がんなど増殖性疾患の抑制作用

がん細胞は、細胞が正しい分化をできずにうっかりできてしまったものが何年もかけて増殖することで大きくなっていきます。

ビタミンAが粘膜を守り、細胞の分化を誘導するということは、ガン細胞の増殖を抑制したり、今あるがん細胞が正しい分化をするように誘導してがん細胞を小さくしたりする作用が期待できると言えます。血中のビタミンA濃度が低い人はガンになりやすいというデータもあります。

ガンだけでなく、アテローム性動脈硬化症、肝硬変、慢性関節リウマチなどといった疾患への臨床応用も期待されています。

 

たんぱく質も大事!

ビタミンAは主に動物性食品に含まれますが、緑黄色野菜に含まれる「カロテン」は、動物の体内でビタミンAに変換されることから、「プロビタミンA」とも呼ばれます。

私たちが食事から摂取したビタミンAやカロテンは胃で分解され、脂(あぶら)と一緒に小腸の上皮細胞で吸収されます。

例えば、みかんには体内でビタミンAに変化するカロテンが豊富にふくまれています。冬にみかんを食べすぎると手が黄色くなる「柑皮症」という症状がありまが、これは単にカロテンの摂りすぎであったり、脂質代謝異常(高脂血症)があると脂溶性のカロテンが血中で上昇しやすくなるせいで起こると言われています。

そしてもう一つ、柑皮症の原因として考えられるのがたんぱく質不足であると言われています。

なぜなら、ビタミンAは体内でたんぱく質と結合し「レチノール結合たんぱく質」(=レチノールバインディングたんぱく質=RBP)となり、そこに「トランスサイレチン」(TTR)と呼ばれるたんぱく質が蓋のようにかぶさった状態で、血液に乗って体内のビタミンAを必要とする組織へと運ばれていきます。つまり、ビタミンAを体内で使うためにはたんぱく質が欠かせないので、たんぱく質が不足しているとせっかく食べたカロテンを必要としている組織まで運ぶことができず、血中であふれた状態になってしまうというわけです。

みかんを食べると手が黄色くなりやすいという方は、たんぱく質不足になっていないかどうかも確認してみると良いでしょう。

たんぱく質不足の確認方法はこちら

 

亜鉛も大事!

ビタミンAを運ぶ「船」となるRBPを生成するためには、たんぱく質だけでなく亜鉛も欠かせません。そのため、亜鉛が不足すると肝臓からのビタミンA放出が少なくなることがわかっています。また、レチノールをレチナールに変換する酵素にも亜鉛が必要となります。

亜鉛にはビタミンAの代謝を促すという重要な役割もあるのですね。

従って、亜鉛が不足するとビタミンA不足の症状と同様に粘膜が弱くなって風邪や感染症にかかりやすくなったり、眼のトラブルが起こりやすくなったりします。亜鉛が充分にあると、風邪や感染症にかかりにくくなります。

亜鉛の詳しい働きや不足症状、原因についてはこちら

 

 

 

まとめ

・ビタミンAは細胞の正しい分化に関わるため、皮膚や粘膜、眼の健康を保つために欠かせない

・ビタミンAは感染症やガンの予防にも役立つ

・ビタミンAを体内で働かせるためにはたんぱく質も大事。みかんを食べて手が黄色くなりやすいという人はたんぱく質不足が原因となっている場合もある。

・ビタミンAの代謝を促す亜鉛も大事。

 

次回はビタミンAサプリメントの危険性と効果的な摂取方法についてです。

 

 

 

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