睡眠とセロトニン

朝日を浴びて「体内時計」をリセットしよう!

私たちの身体の中には「体内時計」があり、朝になると自然に目が覚め、夜になると眠るという生体リズムが備わっています。これを、「概日リズム」(サーカディアンリズム)と言います。

本来、ヒトの体内時計の周期は25時間に設定されているといわれています。

脳の視床下部には「視交叉上核」と呼ばれる部分があり、朝日を浴びて目から光の刺激を受けることで「体内時計」のスイッチがリセットされるようになっています。つまり、朝日を浴びるおかげで時間のズレを24時間周期に修正し、体内時計を毎日リセットしているというわけです。

もしも朝日を十分に浴びなかったり、密閉された部屋だけで過ごしていると、一日の生活リズムがどんどんズレてしまい、夜型の生活になってしまったりします。

セロトニンと生体リズム

この睡眠に関する生体リズムに関係しているのが「セロトニン」です。セロトニンからは、睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」が作られます。メラトニンは、脳幹にある「松果体」という部分から分泌されます。

セロトニンは、日中は分泌が続けられ、ノルアドレナリンやドーパミンの働きをコントロールし、精神を安定させ、脳を落ち着いたクリアな状態に保っています。そして夜が近づくにつれて、セロトニンの分泌は少なくなり、暗くなってくると松果体からメラトニンが放出されるという仕組みになっています。

(セロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンの詳しい働きについてはこちら

メラトニンには、脳の興奮を沈めリラックスさせ、体温を下げることで眠りを誘う作用があります。このメラトニンは、昼間に分泌されたセロトニンから生成されるので、昼間にセロトニンの分泌が少ないと、夜作られるメラトニンの量も少なくなり、眠りにつきにくくなったり、眠りが浅くなるという、睡眠障害の症状が出やすくなってしまいます。

セロトニン濃度が低下するタイプのうつ病で睡眠障害が起きやすいのはこのためですね。

睡眠中は、セロトニン神経系はほとんど休止状態にあるのですが、朝日を浴びることでセロトニン神経系が活動を始め、セロトニンを分泌するようになります。

それと同時にノルアドレナリンなどの分泌も開始され、脳が覚醒し、私たちは活動を開始することができるようになります。

セロトニンがしっかりと働くと、朝すっきり気持ちよく起きることができるのですが、もしもセロトニンの働きが悪いと、なかなか脳が活動できなくなり、朝起きるのがつらくなってしまいます。

朝起きたときに朝日を浴びると、すがすがしい気持ちで一日をスタートすることができる気がしますが、それはセロトニンという神経伝達物質の働きが大きく関係しているということですね。

 

メラトニンには抗酸化作用もある?!

良い睡眠のために欠かせないメラトニンですが、実は、その他にもとても重要な役割を持っています。

それは、体内の活性酸素を除去する抗酸化作用や、細胞のがん化を防ぐ抗ガン作用。寝ている間に体内の傷ついた細胞を修復するためにも欠かせないのです。

このことからも、昼間はしっかりとセロトニンを分泌させて、夜はしっかりとメラトニンを分泌し、十分な睡眠をとることは、健康のためになくてはならないものであるということができます。

メラトニンをしっかり分泌させるには、こちらもチェックしてみてくださいね。

 

神経伝達物質の働きについて

私たちの「心」は神経伝達物質によってつくられる

 

私たちの喜怒哀楽・快・不快などの感情を生み出す情報は、脳内で作られる「神経伝達物質」によって伝えられています。脳幹にある神経細胞の集まりのことを「神経核」と言いますが、この神経核が、神経伝達物質を生成し、分泌をコントロールしています。神経核は脳内に神経線維を伸ばし、セロトニン、ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリンなどを脳内の各場所へ放出しています。

これらの神経伝達物質は、主に大脳辺縁系の働きによって分泌されています。

神経伝達物質には、興奮性のものと抑制性のものがあり、それらが丁度よく働くことで平常な心が保たれます。うつ病などの心の病気では、こうした神経伝達物質のバランスが崩れた状態になってしまいます。

興奮性の神経伝達物質が多すぎれば、不安感やイライラが増し、幻覚や妄想が現れることもあります。

逆に、興奮性の神経伝達物質が不足すれば、気分が低下し、落ち込んだりしやすくなります。

そこで、主要な神経伝達物質である、「セロトニン」・「ドーパミン」・「ノルアドレナリン」・「アドレナリン」の働きについて説明していきます。

セロトニン

脳内の「セロトニン」は、神経伝達物資の一つです。

脳内のセロトニンには、ノルアドレナリンやドーパミンの活動を調節し、不安感をなくし、精神を安定させ落ち着かせ、幸福感をもたらす作用があります。

そのため、セロトニンが不足すると、うつ病になったり不安感が増したり、イライラして落ち着きがなくなって攻撃的になったりします。

さらに、食欲や性欲、睡眠と覚醒にも関与しており、セロトニンが不足すると食欲や性欲が増す一方、眠れなくなり睡眠障害が起こるようになります。

 

ドーパミン

ドーパミンは、快楽物質とも呼ばれる神経伝達物質で、後述するノルアドレナリンの前駆体でもあります。

快楽を司る物質で、楽しいことをしているときや目的を達成したとき、褒められた時などに、このドーパミンが分泌され、私たちは快感や幸福感を感じます。

ドーパミンは意欲や動機付けにも関係しており、新しいことを始めようとしたり、旅行の計画を立ててワクワクしたりするのにもドーパミンの分泌が関係していると言われています。つまり、「やる気」のエネルギーになる、という感じですね。さらに、最近の研究では、子どもの脳の発達にもドーパミン神経系が大きく関係しているということも分かってきています。

ドーパミン神経系は、欲求を満たしたときにより活性化します。つまり、ドーパミンが放出されて快楽を感じると、脳がそれを学習し、再びその行為をしたくなる、つまり、脳がドーパミンという「報酬」を求めることで、楽しいことを繰り返し行いたくなるというわけです。

このような報酬系のサイクルは、動物が環境に適応し、生きていくためになくてはならないものであると言われています。さらに、人間が快楽や幸福を得るために活動を繰り返すことで、高度な社会を築いていくためにも役立ってきたと言えます。

しかし、過剰に快楽を求めすぎてドーパミン神経が暴走した場合、依存症や中毒となってしまいます。

ギャンブル依存症やアルコール中毒、薬物依存などは、過去に脳が快楽を感じたことを覚えていて、さらにその快楽を何度も味わいたいという欲求が強くなりすぎてしまった状態です。そして、アルコール摂取や薬物を何度も繰り返しているうちに、耐性ができて、今までよりも量を増やさないと同じ効果を得られなくなり、どんどん量が増えていってしまいます。そして摂取する量が足りなくなると、禁断症状を起こすようになります。

栄養不足や栄養素のアンバランスなどが原因でドーパミンが不足していたりすると、不足したドーパミンを補おうとして脳が快楽を求め、その結果依存症に陥りやすくなってしまいます。そのため、精神的ストレスが強かったり、もともと体質的にドーパミンが少ない人は、アルコール依存やギャンブル依存などに陥りやすい傾向がみられるようです。

ドーパミン自体が不足すると、無気力、うつ病になりやすくなったり、パーキンソン病にも関連しています。

逆に、ドーパミンが過剰になれば、多動、興奮状態、攻撃的、幻覚、妄想などの症状が出てしまうことがあります。

ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)

ノルアドレナリンは、ドーパミンが変化して生成される神経伝達物質です。

緊急事態の際に身体を臨戦態勢にするために働き、恐怖や怒り、不安、注意、集中、覚醒、鎮痛などに関連しています。

脳幹だけでなく交感神経でも生成され、伝達物質として各標的機関に直接作用することができます。さらに、副腎の髄質からもホルモンとして分泌されます。

ノルアドレナリンは身体と脳を緊急事態に対応させるために、短時間のうちに心拍数を上げ、血圧上昇、脳の集中力アップ、さらに、けがをしてもあまり痛みを感じさせない(鎮痛)といった作用をもたらします。

このように、短期的には身体を臨戦態勢にするために役立つ一方、ノルアドレナリン神経系が異常に興奮しすぎると、「パニック発作」などが起こってしまうことになります。「パニック発作」は、突然強いストレスを覚え、動悸、息切れ、めまい、強烈な不安感に襲われるなど、非常につらい症状です。

また、継続的なストレスがかかるとノルアドレナリンの放出が常に起こるようになり、だんだんノルアドレナリンの生成が追い付かなくなって、今度はノルアドレナリンが減ってしまってうつや不安障害、自律神経失調症などになってしまうことがあります。

 

アドレナリン(エピネフリン)

アドレナリンも、ノルアドレナリンとほぼ同様の作用を持つ物質で、脳幹の神経系からも放出されますが、主に副腎髄質からホルモンとして分泌されます。

ノルアドレナリンは主に神経伝達物質として働くのに対して、アドレナリンは主に血液中に分泌されてホルモンとして働きます。

血中に放出されたアドレナリンは、交感神経を刺激し、心拍数や血圧の上昇などを引き起こします。

また、アドレナリンは肝臓を刺激し、肝臓に蓄えられたグリコーゲンをブドウ糖へと分解を促進すると同時に、血糖値を下げるホルモンであるインスリン分泌を抑制し、血糖値を上昇させるように働きます。

つまり、身体を臨戦態勢にするために、筋肉や内臓に対して作用する力が大きいのが、このアドレナリン。だから、最大限の力を発揮してすごく集中している時に、「アドレナリンが出ている!」と言ったりするのですね。

慢性的なストレスが続くと、常に交感神経が刺激され、副腎からは常にアドレナリンが過剰に分泌された状態が続きます。すると血糖コントロールが悪くなったり、副腎疲労に陥ってしまったりするので要注意です。

尚、アドレナリンは、ノルアドレナリンが変化して生成されたものです。

つまり、ドーパミン→ノルアドレナリン→アドレナリン

という流れになります。

 

次回は、睡眠とセロトニンの関係についてです。

 

 

 

 

「メチレーション」と精神疾患について

 

栄養療法による精神疾患へのアプローチを考えるとき、「メチレーション」の知識が欠かせません。そこで、この「メチレーション」と精神疾患の関係について、なるべくわかりやすく説明していきます。

脳内の神経伝達の仕組み

「メチレーション」の話の前に、神経伝達物質がどのように脳内を伝わっているのかを説明していきたいと思います。

私たちの脳の中には約千億個もの脳細胞があると言われています。

脳細胞というものが発見されたのは、1800年代の初め。発見から数年の間は、脳細胞同士は直接つながっていて複雑な電気回路を形成していると信じられていたといいます。ところが、1880年代になって、脳細胞と脳細胞は直接接触せずに、隣接する脳細胞に信号を送ってコミュニケーションをしているということが発見されました。直接接触していないということは、脳細胞と脳細胞の間にはごく小さな隙間があるということです。この小さな隙間のことを「シナプス」といいます。

脳細胞が活動するとき、脳細胞は神経伝達物質をシナプスを放出します。非常に多くの脳細胞が活動すると、思考や行動が起こります。

脳細胞にはそれぞれの神経伝達物質に対する受容体(たんぱく質の塊)が埋め込まれています。ほとんどの受容体は、わずか一種類の神経伝達物質の信号だけを受け取るという性質があります。例えば、「セロトニン」の受容体はセロトニンのみによって活性化され、それ以外の神経伝達物質によって活性化することはありません。

ところで、シナプスに放出された神経伝達物質は、隣接する脳細胞の受容体に向かうだけでなく、元の脳細胞へ迅速に戻って再利用されるというシステムもあります。この場合、神経伝達物質は「輸送たんぱく」によって元の脳細胞へと運ばれて、「再取り込み口」から取り込まれ再利用されるのです。脳神経におけるシナプスの神経伝達物質の量は、この「輸送たんぱく」と「再取り込み口」の量と働きで決まります。

そして最終的には、役目を終えた神経伝達物質は分解されて消えていきます。

「メチレーション」とは??

 

ここからやっと、「メチレーション」の話です。

「メチレーション」とは、メチル基(CH3)がある物質に結合し、様々な化学反応を起こすことです。

そしてこのメチレーションは、DNA・RNA合成、解毒、たんぱく質、酵素の合成、葉酸の代謝、神経伝達物質の合成(ドーパミン、セロトニン)、テロメア(アンチエイジング)の保護、エストロゲン調整、ミトコンドリアの保護、炎症の抑制、葉酸の代謝、コエンザイムQ10の合成と代謝など、体内のさまざな働きに関わっています。

 

低メチレーションと高メチレーション

メチレーションの状態は、個人差があります。

どういうことかというと、身体の中で丁度良い具合にメチレーション反応が起こっている人もいれば、人によってはメチレーションが低下している人(=低メチレーション)や、亢進しすぎている人(=高メチレーション)がいるということです。

中でも精神疾患の治療において重要なのが、DNAのメチル化(CH3基の付加)は、神経伝達物質の輸送たんぱくを合成する遺伝子をOFFにする主な仕組みとなっているということです。

先ほど、「脳神経におけるシナプスの神経伝達物質の量はシナプスにおける輸送たんぱくと再取り込み口によって決まる」、と書きましたが、これらを作るたんぱく質の量は、その人それぞれの「メチレーション」の状態によって決まるわけです。

つまり、低メチレーションだと輸送たんぱくを合成する遺伝子がOFFになりにくいので神経伝達物質の輸送たんぱくが多くなり、結果シナプスでたくさんセロトニンが取り込まれてしまうのでセロトニンの活動が低下し、うつになりやすくなるのです。

反対に、DNAのメチル化が促進した高メチレーションの人は、神経伝達物質の輸送たんぱくを合成する遺伝子がOFFになりやすいので、輸送たんぱくの量が減って神経伝達物質の取り込み量が少なることで、ドーパミンの活動が過剰になり、不安や妄想型統合失調症を発症する傾向があります。

メチレーションは低下しすぎても亢進しすぎても、精神状態に悪影響を与えるということですね。

 

メチル基形成に影響を与える要因とは

メチレーションの状態は、ある程度遺伝で決まっているということがわかっています。また、加齢、食事内容、ビタミンミネラル不足、炎症、重金属毒性(特に銅と水銀)、腸内環境なども、メチレーション状態に大きく影響します。

さらに精神疾患系の人は、酸化ストレスが過剰になっている過剰ケースが非常に多いため、酸化ストレスを軽減することもとても大切です。

 

次回は、主要な神経伝達物質の働きについて説明していきます。

栄養療法によって精神疾患が改善する理由。

 

うつ病や精神疾患について、栄養学的に説明していきたいと思います。

「こころ」の正体とは

生化学的に言えば、人の思考、行動、感情はすべて、神経伝達物質が脳細胞から脳細胞に伝えられることによってつくられているといえます。

脳内物質は100種類以上あるといわれていますが、その中でも主要なものは10種類ぐらいです。中でも私たちの精神状態に深くかかわる神経伝達物質は、セロトニン、ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリン、GABA、グルタミン酸など。

神経伝達物質は、脳内で継続的に作られているのですが、その原料となる栄養素の不足があったり、バランスが崩れたりすると、神経伝達物質の不足や過剰となり、その結果様々な精神的な問題が起こることになります。

そして、神経伝達物質を合成する原材料は、私たちが食べ物から摂取するアミノ酸、ビタミン、ミネラル、その他の天然の化学物質です。

 

栄養療法と精神疾患

栄養療法界では、ほとんどの精神疾患や行動障害は、脳内の神経伝達物質のインバランスが大きく関係していることから、これを生化学分析をして、それに見合った栄養素の補充を行うことで症状の改善が期待できるという考え方が常識となっています。

例えば、うつ病の患者さんの多くはビタミンB6レベルが低いといいますが、これは、B6不足がセロトニン不足を引き起こすことに起因すると考えられます。なぜなら、セロトニンはアミノ酸のトリプトファンから合成されますが、最終段階で補因子としてビタミンB6を必要とするからです。

ドーパミンを作るには、鉄と葉酸が欠かせません。

また、ノルアドレナリンはドーパミンから作られますが、このとき銅が重要な役割を果たします。

亜鉛やビタミンB6は、GABAの合成と調節のために必要となります。

さらに、犯罪性に関わるような反社会性パーソナリティー障害ではたいてい、亜鉛不足、酸化過剰、低メチル化、有毒金属の上昇が組み合わさっていて、妄想型統合失調症では、高メチル化、葉酸不足、血中の銅レベルの上昇が見られると言います。

精神疾患と向精神薬

心が健康であるためには、脳の神経のつなぎめ=シナプスにおいて、神経伝達物質が適切な量で、適切な活動をする必要があります。

シナプスにおける神経伝達物質の量は、神経伝達物質の再取り込みに関わる輸送たんぱくの量によって左右されます。

このことから、ほとんどの向精神薬は、シナプスにおける神経伝達物質の活動を変化させることで効果を発揮します。

例えば、うつ病に用いられるSSRIという薬は、シナプスにおける輸送たんぱくの働きを抑制し、セロトニンがシナプスに長くとどまるように働きます。

うつ病患者には半ば自動的に、セロトニンをふやすためにSSRIが処方されることが多いのですが、ウイリアム・ウォルシュ博士によると、「うつ病患者のうちセロトニンレベルの低下があるのは全体の38%に過ぎない。治療の前には脳の生化学状態を検査するべき」としています。

また、精神科で処方される薬は、人間の身体にとって異質の分子であり、副作用が起こるという欠点もあります。SSRIを例に挙げると、副作用としてよくみられるのが、自殺リスクの増加、興奮、敵意、不安、不眠症、体重減少や増加、症状の悪化など、、。

その反面、栄養療法によるアプローチはもともと身体の中にある分子を取り入れることによって症状を改善していくので、副作用の心配がほとんどありません。

ウォルシュ博士は、精神疾患に対する栄養療法で一番症例が多いとされている人物で、独自の理論を確立し、世界中のドクターに講演をして回っているすごい人です。博士は、囚人支援のボランティアで殺人犯の脳の分析を行ったのをきっかけに、20年にわたり2800人のうつ病患者に、の生化学検査を行い(データ数は30万件以上を超える)、脳の状態を分類し、それぞれのタイプ別に薬と同様に効果的で、しかも副作用のない栄養療法を体系化しました。

日本においても、「臨床分子栄養医学研究会」をはじめとして、精神疾患の治療にこの理論に基づいた栄養療法を取り入れた治療を行う医師が増えつつあります。

 

続く→

 

ナイアシン不足によって起こる症状と、不足原因、対策について。

 

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認知症を防ぐ食生活と生活習慣

デールプレデセン博士の著書「アルツハイマー病 真実と終焉」では、認知症を予防・改善するための「リコード法」の詳細を紹介しています。

プレデセン博士は、認知症の中でも代表的な「アルツハイマー病」などは、急に激しい物忘れやうつ状態などが表れるのではなく、40代ぐらいの頃から、明確な自覚症状がないまま20年近く進行し、60歳頃に症状が現れるころには、実は脳の中ではかなり進行した状態になっていると述べています。(一般には、この段階はアルツハイマー病の「早期」と呼びます。)

そこで、この本で紹介されている、アルツハイマー病を予防・改善するための食生活と生活習慣について、以下にまとめました。

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アルツハイマー病における血液検査データの傾向について

話題の「アルツハイマー病真実と終焉」の著者、デールプレデセン博士が低唱する「リコード法」では、血液検査などを用いて自身の状況を把握し、「認知機能を改善するには何に対処しなければならないのかを知る」ということをとても重要視しています。

現在症状が出ている人はもちろん、症状は出ていない場合でも、45歳以上の人は特に注意するべきであると考えられる血液検査の項目は、以下の通りです。

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アルツハイマー病を引き起こしやすい食生活とは?

アルツハイマー病と栄養療法

「アルツハイマー病真実と終焉」の著者で、アルツハイマー病をはじめとする神経変性疾患の世界的権威であるデール・プレデセン博士によると、アルツハイマー病を起こしやすい生活習慣は以下のようなものであるとしています。

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ビタミンCサプリを摂りすぎたときの副作用について

ビタミンCサプリを摂りすぎると副作用はあるの??

 

様々な健康効果があることが分かっているビタミンCですが、ビタミンCサプリをたくさん摂ることによる過剰症や副作用はあるのでしょうか。

まず、考えられるのが、ビタミンCには緩下(便が柔らかくなる)作用があるので、ビタミンCを多く摂りすぎると下痢を起こすことがあります。これは、ビタミンCの酸が腸に作用することで腸の蠕動運動が高まるため起こります。

ビタミンCを何グラム以上摂ると下痢を起こすかどうかというのは、人によって個人差があるのですが、だいたい、空腹時に2g以上摂った時に下痢が起こりやすいと言われています。

 

ビタミンCと腎臓結石

 

ビタミンCには体内のシュウ酸の排泄促進作用があるので、ビタミンCを多量に摂取していると、シュウ酸カルシウムの蓄積による腎臓結石ができやすくなるということを懸念する声もあります。

栄養療法の権威であるジョナサン・ライト著「栄養療法」によると、「ビタミンCの大量摂取によって腎臓結石ができる例は極めて稀であるが、体質的に、一日に3~4gのビタミンCを摂取すると、尿からのシュウ酸排泄量が高まる人もいる。遺伝的にシュウ酸の代謝に問題がある人は、ビタミンCの摂取量を問題のない範囲に抑えるべきである。また、ビタミンB6とマグネシウムを積極的に摂ることで、シュウ酸による結石の合成を著しく低下させる作用がある」としています。とはいえ、ライト士の過去10年の臨床経験でも、ビタミンCの大量摂取により腎臓結石ができたと思われる例は一人だけであったとのことで、「体質的に問題ない人が副作用を心配して必要なだけのビタミンCを摂取しないことのほうがむしろ危険だ」としています。

 

ビタミンCの安全性と、臨床検査への影響

ビタミンCは水溶性の栄養素であり、催奇形性や変異原性、遺伝毒性、発がん性などももちろんなく、例えば人に100gを摂取させても下痢をするぐらいで急性の中毒症状などは見られませんし、一日に数グラム摂り続けても慢性中毒のような異常は報告されていません。

ただし、副作用ではないのですが、ビタミンCをたくさん摂ると尿への排泄量が多くなり、尿検査に影響することがありますので、検査前の2~3日前からビタミンCの摂取を中止すると良いと言われています。ちなみに、尿検査ではなく血液検査の場合はビタミンC摂取による影響はありません。

 

このように、特殊な場合を除いては安心・安全で様々な健康効果が期待できるビタミンC。ビタミンCが不足しがちな方は特に、しっかりと補給していきたいですね。

 

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ビタミンCサプリの摂り方のコツ

ビタミンCの一日の必要量はどれぐらい?

 

ビタミンCをしっかり摂ると、美容や健康に役立つと言われていますが、実際にどのぐらいの量を摂れば良いのでしょうか。

厚生労働省が定めたビタミンCの一日の所要量は100㎎とされています。これは欠乏症である壊血病を防ぐために最低限必要な量です。これは、野菜や果物など、食事から摂るべき量と考えると良いでしょう。

それに加えて、さらに健康増進や美容効果を期待する場合は、意識的にもっとたくさんのビタミンCを摂った方が良いと言われています。

美容目的や健康増進を目的として摂る場合の摂取量は、個人差はありますが一日500㎎~2000㎎程度であると言われています。これだけの量を食事だけから摂るというのはかなり無理がありますので、ここでサプリメントの出番です。

 

ビタミンCサプリの必要性について

しかし、そもそも栄養摂取は食事から摂るのが基本と言われているのに、わざわざサプリメントでビタミンCを摂る必要が本当にあるのでしょうか?この疑問に対して、栄養療法の世界的権威であるジョナサンライト医師は、「ビタミンC欠乏は、人間の遺伝的宿命である」としています。→詳しくはこちら

特に、「ビタミンCをたくさん摂るべき人」に当てはまる方は、意識的にビタミンC摂取量を増やしたほうが良いと考えられます。

ビタミンCのおすすめの摂り方

ビタミンCサプリを摂るのには、ちょっとしたコツがあります。

ビタミンCは一度にたくさん摂っても吸収されにくくなってしまいますので、一日の摂取量を3回に分け、三度の食事の時にとるのがおすすめです。

食事のすぐ後に摂ることで、ビタミンCの働きで鉄分や亜鉛など重要なミネラルの吸収も助けてくれますし、胃に食べ物が入っている状態であればビタミンCの酸が下痢を起こす心配もありません。

ビタミンCサプリには錠剤や粉末などいろいろなタイプがありますが、個人的には何も混ぜ物の入っていない純粋な結晶のビタミンC(粉末=ピュアクリスタル)が好きです。炭酸水に混ぜて飲んだり、そのままスプーンに入れて水と一緒にパフっと飲んでしまうこともあります。ただし、その場合はビタミンCの酸が直接歯につかないように、舌の真ん中に入れる感じにしています(笑)

ミキサーで果物ジュースを作る方は、ビタミンCの粉末を振りかけてから作れば果物のビタミンC破壊を防いでくれますし、醤油に混ぜて酢醤油ならぬビタミンC醤油にすることもできます。焼酎の水割りに入れるのもおすすめです。

他にも、工夫次第で色々な使い方ができそうですよね(*^^*)

 

 

次回は、ビタミンCサプリの副作用についてです。

 

 

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ビタミンCをたくさん摂るべき人とは?

 

体内でビタミンCを作ることができない私たち人間にとって、ビタミンCを食事から摂取することは欠かせません。

ビタミンCの必要量を増大させる要因はたくさんあり、体調や状況に合わせてビタミンCを意識的にたくさん摂ることで健康増進に役立つということがわかっています。

それでは、どんな時にビタミンCをたくさん摂った方が良いのでしょうか。

こんな時は特に、身体がビタミンCをたくさん必要としている

①ストレスが大きい時・疲れているとき

ビタミンCはストレス時にたくさん消耗されます。なぜなら、ストレスに対応するために分泌されるホルモンを作るためにビタミンCが大量に必要とされるからです。(詳しくはこちら

ある動物実験によると、ストレスのない時とある時ではビタミンCの消費量が3~8倍にもなるという結果がでているそうです。

また、ストレスが多い時には細胞が活性酸素の害を受けやすく、体内の抗酸化力も低下しています。そのような時には、抗酸化ビタミンとしても働くビタミンCが役立ちます。体内の細胞の酸化ストレス状態や、身体の抗酸化力は、血液検査の「間接ビリルビン」「尿酸値」などからも推測することができますので、健康診断等の結果が手元にある方はぜひチェックしてみてください。

さらに、ビタミンCは脂肪酸を燃やしてエネルギーを発生させるためにも欠かせないので、ビタミンCが不足するとエネルギーを作りにくくなり、疲れやすくなってしまいます。

疲れているときや、精神的または肉体的にストレスを感じているときは特に、ビタミンCを積極的に摂るようにしましょう。

 

②飲酒する人

ビタミンCは血液中のアルコールの排泄促進のためにも働きます。また、肝臓のアルコール代謝を助け、肝臓をサポートしてくれる働きもあります。つまり、アルコールをたくさん飲むと、それだけビタミンCがたくさん使われることになります。そのため、お酒を呑む時にはビタミンCを多めに摂ると、悪酔いや二日酔いの予防効果が期待できます。

③汗をたくさんかくとき

激しい運動や労働によって大量の汗をかくと、その汗とともにビタミンCも失われていきます。もちろん、汗とともに重要なミネラル分も失われるので、補給がかかせません。

④病気の時

病気で身体が弱っているときも、ビタミンCがたくさん必要となります。例えば、ガン患者はビタミンCが著しく減るということがわかっています。ガンに限らず、病気で免疫力が弱っているときは、身体の自然治癒力を高めるためにビタミンCが有効であると考えられます。

⑤妊娠中・授乳中の女性

妊娠によって、必要エネルギーが増加し、当然ビタミンやミネラルの生理的な必要量も増えます。また、授乳を通して乳児に栄養素が移行しますので、妊娠中や授乳中はビタミンCに限らず、しっかりとビタミン・ミネラルを補給することが大切です。

⑥喫煙者

喫煙することによって、体内のビタミンCが消耗されますので、需要量も増えます。なぜなら、有害物質を解毒するためにもビタミンCが使われるからです。さらに、喫煙者は腸管におけるビタミンCの吸収も悪くなってしまうこともわかっています。

⑦高齢者

ビタミンCはアンチエイジングにも欠かせないということでもよく知られていますが、加齢に伴い、体内のビタミンCが減っていくことがわかっています。それは、老化に伴い食事量の減少や腸管からの吸収力の低下、各組織のビタミンC保持能力の低下などが起こるからです。特に、長期入院中の高齢者のビタミンC減少は顕著で、そのような高齢者にビタミンCをしっかり摂らせるとアルブミン(血液中のたんぱく質)が増え、体重の増加、皮膚の内出血の減少が見られ、身体の状態が改善されてくるというデータもあるようです。

⑧薬を常用する人

ビタミンCには有害物質を解毒する作用がありますが、これは薬でも同じで、科学的に合成された薬が身体に入ってくると、身体はそれを体外に排泄しようとするメカニズムが働き、ビタミンCが消耗されます。実際、長期間にわたって薬を服用している人は、薬の種類によっても程度は異なりますが身体のビタミンCが減少するということが分かっています。ちなみに、アメリカでは、薬を常用する人はビタミンCも一緒に摂るのが常識なのだそうです。

 

このように、生活の様々な場面でビタミンCは必要とされています。ビタミンCを十分摂ることはとても大切なことですが、もちろん、ビタミンCが健康のすべてありません。食事の基本となる三大栄養素(糖質・脂質・たんぱく質)に加え、不足しがちなビタミンミネラルや食物繊維を食事からしっかりと摂った上で、ビタミンCを積極的に摂ることを心がけたいですね。

 

次回は、タミンCサプリの上手な摂り方について説明したいと思います。

 

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ビタミンCの錠剤にビタミンB2とカルシウムが入っている理由

ビタミンCの色は黄色??

 

美容と健康のために欠かせないビタミンC。栄養素は食事から摂るのが基本ですが、よりビタミンCの健康効果を得るために、サプリメントや医薬品を利用している方も多いと思います。

ビタミンCの錠剤は、だいたい黄色い色をしています。よく見かけるビタミンCのドリンクも黄色です。「ビタミンCといえばレモン」のイメージ通りの色ですね。

ということは、ビタミンCの色は黄色なのでしょうか。

 

ところが、、、粉末状になった純粋なビタミンCを見てみると、黄色ではなく、色は白です。つまり、ビタミンCのサプリやドリンクは、着色料を使用しているのでしょうか?

そこで、ビタミンC製品でも有名な「タケダ」の「ビタミンCタケダ」(第三類医薬品)を詳しく見てみると、含まれている成分は「ビタミンC・カルシウム(アスコルビン酸カルシウム)・ビタミンB2」となっており、着色料らしきものは入っていません。

これはいったいどういうことなのでしょうか??

 

ビタミンCの錠剤に含まれる色素の正体

実は、ビタミンCの錠剤の黄色の正体は、ビタミンCの色ではなくビタミンB2の色なのです。「チョコラBB」など、ビタミンBの錠剤を飲むと尿が黄色くなるという経験をしたことがあるという方もいらっしゃると思いますが、あれはビタミンB2の色素が尿中に排泄されている状態です。

実は、ビタミンC製品にビタミンB2が添加されているのは、「ビタミンCと言えばレモン」のイメージを忠実に再現するために黄色い色を付けるというのがメインの目的なのです。

ちなみに、本物のレモンのあの黄色い色はビタミンB2の色ではなく、「エリオシトリン」と呼ばれるレモン特有のポリフェノールの色です。

 

ビタミンCにカルシウムを添加する理由

ところで、「ビタミンCタケダ」に限らず、ビタミンCの錠剤にカルシウムも添加されている製品も良く見かけますが、これも何か理由があるのでしょうか?それともただ単に、「不足しがちなカルシウムをプラスして栄養補給」的な目的で添加しているのでしょうか??

実は、これにもちゃんと理由があります。

それは、ビタミンCにアルカリ性のカルシウムを加えることで、ビタミンCの酸度を抑え、酸味を抑えているのです。実際、ビタミンCの原末を舐めてみると、かなり酸っぱい味がします。この酸味が苦手でビタミンCを摂るのに抵抗があるという場合も、これなら問題なくビタミンCを摂ることができます。中にはビタミンCの酸によって下痢を起こしやすい人もいますが、それも防いでくれます。

ただ、少量ではあるものの、あえてカルシウムを摂りたくない!という考え方もあると思いますので、そのような場合は何も添加されていない純粋なビタミンC粉末を摂ると良いでしょう。

ストレスが多い時や、疲れて体力・免疫力が落ちているときなどは特に、しっかり補給したいビタミンC。サプリメント(または医薬品)などを上手に利用して、健康な体を維持していきましょう!

 

 

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ポリフェノールサプリメントの害について

ポリフェノールとは

ポリフェノールとは、植物に含まれる色素や苦味の成分で、ほとんどの植物に存在します。ポリフェノールの種類は5000種類以上もあるとも言われています。

例えば、緑茶のカテキン、ブルーベリーのアントシアニン、生姜に含まれるショウガオール、カカオに含まれるカカオポリフェノールなどが有名ですよね。

お酒を呑む人に人気のウコンの主成分であるクルクミンも、ポリフェノールの一種です。

ポリフェノールには強い抗酸化作用があり、ストレスや過労、加齢などによって起こる酸化の害を防ぎ、身体を疲れにくくしてくれたり、老化を遅らせたりする効果が期待できると言われています。また、種類によってそれぞれ独自の機能があることも分かっています。

 

ポリフェノールサプリの過剰摂取がなぜ害になる?

ポリフェノールを積極的に摂取することは、身体にとって様々な良い効果をもたらすことが期待できる反面、ポリフェノールサプリなどの過剰摂取によって逆に悪影響を与えてしまうこともあるという報告もあり、注意が必要であると言われています。

なぜなら、ポリフェノールは体内で代謝されてフェノールという物質に変化します。フェノールは毒性のある物質なので、体内のフェノールが過剰になると様々な弊害が出てきます。特に、ストレス状態にある人や、代謝機能が滞っている人は、フェノールを代謝できずにこの悪影響を受けやすい状態になっているので要注意。代謝機能が滞る原因としては、様々なことが関係していますが、ストレスや、それによる消化機能の不調、腸内環境の悪化などは大きな影響を与える要素となります。

ポリフェノールの過剰によって起こる症状と対策

ポリフェノールの過剰によって起こる症状としては、疲労感や血糖コントロール能力の低下、情緒不安定、不眠などが挙げられます。

これらは副腎疲労と似たような症状ですね。

原因不明の体調不良を感じていて、ポリフェノールをたくさん摂り過ぎているような場合は、いったんポリフェノールを控えて2週間ぐらい様子を見てみると良いでしょう。

ただし、不調の原因は一つだけでないことの方が多いため、ポリフェノールをやめることで症状が完全に良くなるパターンは少ないかもしれなせん。また、ポリフェノールの抗酸化作用による恩恵もあるため、もちろん「ポリフェノール=悪者」というわけではありません。

とはいえ、ポリフェノールによる悪影響も十分に考えられることから、長期的に多量のポリフェノールばいのサプリを摂ることに関しては注意が必要であると言われています。

 

ポリフェノールに限らず、ただやみくもにサプリメントを摂るのではなく、自分の体調を見ながら、量や摂り方を調節しながら取り入れていくのはとても大切なことですよね!

 

 

 

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「アルカリ性食品は身体に良い」は迷信?!

「酸性食品」と「アルカリ性食品」とは??

pHとは、水素イオンの濃度を示す数値で、酸性・アルカリ性・中性に分けられます。水素イオンが多いほど、酸性の度合いが高くなり、アルカリ性溶液では水素イオンが少なります。人間の体液は常にph7.35~7.45(弱アルカリ性)に保たるように調整されており、食べた食品によって簡単に身体が酸性やアルカリ性に偏ることはありません。

食物を「酸性」と「アルカリ性」に分類する基準は、食物自体の酸性度ではなく、食物が消化吸収されて体内で代謝された時に生まれる産物が、酸性なのかアルカリ性なのかによって分類されます。

 

体内のpH調整の仕組み

通常の代謝によって体内では常に酸が発生しており、これを中和して血液や細胞外液を弱アルカリ性に維持していく必要があります。

体液のpH調整には、呼吸や尿が使われます。例えば、酸性食品を摂ると尿が酸性に、アルカリ性食品を摂ると尿がアルカリ性になって、酸やアルカリを体外に排出してバランスを取っています。

体内のアルカリ成分の多くは、ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウムなどのミネラル。一方、酸性ミネラルとして挙げられるのは、硫黄・リン・塩素・ヨウ素などです。

 

体内が過剰に酸性になるとどうなる?

体内の酸性過剰状態は、細胞機能の低下やミネラルの枯渇を招き、ガンや骨粗しょう症を引き起こす原因となると言われています。
例えば、がん細胞には、酸性の環境で良く成長するけれど、アルカリ性の環境では生きていくことができないという性質があります。(pHが7.4を少し上回る程度の時に、がん細胞は休眠中となる)
また、過度の酸性状態では、骨のミネラルが抜き取られ、骨粗しょう症を引き起こします。食事から必要なミネラルが十分に供給されないと、骨や歯からミネラルが取り出され、酸を中和した後のミネラルは、腎臓を経由して除去されるため、体内のミネラルは枯渇していってしまいます。

 

体内の酸の源となるものとは

①食物の代謝・・

食物の代謝によっても体内で酸が作られます。たんぱく質は、代謝されるときに硫酸、リン酸、尿酸を生成しますし、炭水化物と脂肪は、酢酸や乳酸を生成します。また、ケトン体も酸性物質です。

②細胞呼吸

細胞が呼吸する際には、酸素を消費し二酸化炭素を生じています。また、運動によって、乳酸や二酸化炭素が生成されます。

③ストレス

ストレスを受けると、代謝機能が向上し、心拍数増加・発汗・ホルモンレベルの変化などに伴って、酸が生成されます。

 

食品の酸性とアルカリの分類

食物には、「体内で酸を発生する要素」と「アルカリ性を発生する要素」の両方が含まれており、その比率で酸発生食品かアルカリ発生食品かのどちらかに振り分けられます。つまり、酸とアルカリを同じ割合で含み、pHが7.0に近いものは、中性の食品ということになります。日本人の主食である米は、中性食品と言われていますが、玄米に比べて白米は、やや酸性よりです。

 

酸発生食品に分類される食品・・

肉類、魚類、乳製品、小麦製品、ナッツ類、酒類などは酸を発生しやすい食品です。また、加工食品・合成甘味料(リン酸塩)・清涼飲料水・砂糖などは高酸性であるため注意です。酸性食品の中にも、健康に良いとわれるもの(例:クランベリー・ブルーベリーなど)もありますが、アルカリ食品と組み合わせてバランスを取ることが望ましいと言えます。

アルカリ発生食品・・

「アルカリ発生食品」は、代謝されると酸を緩衝して中和する塩基を産生して体内のphバランスを調整してくれます。尿をアルカリ性にすることは、痛風や尿路結石の予防・治療にも効果があります。

アルカリ性のミネラルとは、ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウムなどです。

果物や野菜には、有機酸が豊富に含まれており、体内で代謝されて二酸化炭素と水に分解され、体内の酸を中和するためのアルカリ性ミネラル残ります。海藻類もアルカリ発生食品です。私達が摂取するアルカリ性食品の内のほとんどは、野菜と果物が占めています。

大まかにいうと、肉や魚(リンや硫黄を多く含むもの)が酸性、野菜や果物や根菜や海草類(カリウム・カルシウムを多く含むもの)がアルカリ食品となります。

どちらの食品も私たちが生きていくために欠かせない栄養素を含んでいますが、現代人の食生活では食事が酸発生食品に偏りがちであるため、果物や野菜などのアルカリ発生食品を増やすよう心掛けることが大切です。

栄養療法とサプリメント療法の違い

今日のテーマは、「栄養療法」と「サプリメント療法」の違いについてです。

「栄養療法」というと、足りないビタミンやミネラルなどの栄養素を見つけて、それをサプリメントで補う方法、というイメージをお持ちの方も多いのではないかと思います。

 

しかし、「栄養療法」と「サプリメント療法」は、似て非なるものであるといえます。

 

「栄養療法」の基本とは、食事から摂れる栄養素がしっかりと消化吸収されるように、条件や環境を整えることです。単なる「サプリメント療法」との違いは、なぜ、身体の不調が起きたり、炎症が起きたり、足りない栄養素があるのかを知ることを重視するということです。

 

そして、それをクライアントさん自身に知っていただくことも、とても大切なことです。

例えば、自分自身の身体の状況を理解せずに、お医者様から言われるがままに食べ、サプリメントを飲んでも、結局症状が改善されず、クリニックのはしごをすることになってしまうことにもなりかねないのです。

原因不明の慢性化症状(不定愁訴)がある背景には、必ず原因があると言われています。

それは、サプリメントや薬が足りないからではなく、食事や生活習慣が原因となっていることがほとんどなのです。栄養を入れることばかりではなく、胃腸の状態を整えることも非常に重要です。

ただし、症状の悪化が進んでいて食事だけでは改善が難しく、サプリメントや薬などを用いることが有効であるケースももちろんあります。

 

こうした考えに基づいて、食事や運動、必要に応じてサプリメントなどのアプローチを行っていくことが、「栄養療法」の基本となります。

 

活性酸素の毒を防ぐための食事

酸化ストレスから身体を守る栄養素とは?

 

細胞にダメージを与える「酸化ストレス」の害を食い止めるのに役立つのが、食品に含まれる抗酸化物質です。抗酸化物質は体内に入ると、細胞膜の脂肪酸を保護する助けとなります。抗酸化物質として知られている栄養素は、ビタミン類(C・E・A)、植物に含まれるフィトケミカルや、グルタチオンなど。これらの物質は、体内の活性酸素と結びつくことで、細胞の酸化を防いでくれます。

特に、身体の細胞の中で特に酸化ストレスの影響を受けやすいのが赤血球です。血液検査の結果から溶血が疑われる場合は、抗酸化対策がとても重要となります。

①ビタミンC

ビタミンCは水溶性抗酸化物質として、細胞の内側や体液中などで活性酸素を中和する働きをしてくれます。生体内では還元型の「アスコルビン酸」という形で存在します。アスコルビン酸は、電子を失いやすい性質を持ち、自らが酸化することで体内の酸化を食い止め、酸化ダメージを防ぎます。
また、活性酸素と結びついたビタミンEは、ビタミンCの働きによって再び抗酸化力を回復して活性体になることができるため、ビタミンEとビタミンCと一緒に摂ることで、抗酸化力が一層高まります。

ビタミンCはかんきつ類やアセロラ、キウイ、イチゴ、キャベツ、じゃがいもなどに多く含まれるほか、ビタミンCを効率よく摂取するためのサプリメントも広く利用されています。

尚、人間は体内でビタミンCを作ることができない代わりに、抗酸化物質として働く尿酸を作り出していると言われています。尿酸値が高すぎれば高尿酸血症となってしまいますが、逆に尿酸値が低くなりすぎている人は抗酸化力が低く活性酸素を除去する力が弱くなっているということが予測されます。

 

②ビタミンE

ビタミンEにも高い抗酸化作用があり、脂溶性抗酸化物質として主に細胞膜の抗酸化に働きます。体内の細胞が酸化ストレスにさらされると、まず、細胞膜の脂質が酸化されて細胞膜が弱くなり、生体活動の低下につながるのですが、ビタミンEが細胞膜に存在することで、それを防いでくれます。同時にセレンや亜鉛などのミネラルは、抗酸化酵素や解毒反応の補因子として働きます。ビタミンEは、未精製穀物、小麦胚芽、種子類、緑黄色野菜、ナッツ類、多価不飽和植物油(大豆油や紅花油)、卵黄など、様々な食品に含まれています。尚、ビタミンEをサプリメントとして摂る場合、人工的に作られた合成ビタミンEは、小麦胚芽や植物油から抽出して作られた天然ビタミンEに比べて、生理活性が劣ることがわかっています。

③ビタミンA

ビタミンAも、脂溶性抗酸化物質として、細胞膜などで抗酸化作用を発揮し、がんなどを防ぐことでも注目されています。また、ビタミンAはたんぱく質の合成や細胞の分化にも関わっています。ビタミンAは、卵、レバー、魚などに豊富に含まれます。ベータカロテン(ビタミンAの前駆体)として摂取する場合には、ほうれん草や色の濃い緑黄色野菜、かぼちゃ、にんじん、オレンジ色の果物などに豊富に含まれます。ビタミンAの小腸での吸収率は80~90%であるのに対し、ベータカロテンの吸収率は、約1/3程度(低いものでは10%、高いものでも30~60%)であるといわれています。そのため、ビタミンAとして摂取したほうが効率は良いと言えます。ただし、ビタミンAは脂溶性ビタミンであるため、過剰症を引き起こしやすいうえに、動物性食品のカロリーやコレステロールの過剰摂取も気をつけるべきでもあります。一方、ベータカロテンは、低カロリーで食物繊維も豊富な植物性食品由来のものであり、必要量のみ体内でビタミンAに変換されるため、過剰摂取による害の心配が少ないという利点があります。一般に、ビタミンAとベータカロテンを半々程度で摂ると良いと言われています。

④フィトケミカル

果物や野菜の植物栄養素に含まれるフィトケミカルも、重要な抗酸化物質源となります。フィトケミカルには、たくさんの種類がありますが、鮮やかな色が特徴のカロテノイドや、お茶に含まれるカテキン、赤ワイン含まれるアントシアニン、ベリー類に含まれるプロアントシアニジンなどが有名です。

⑤コエンザイムQ10

エネルギーを生み出すために欠かせないコエンザイムQ10は、エネルギーの代謝時に発生する活性酸素を除去する抗酸化物質としても重要な役割を持ちます。コエンザイムQ10 をサプリメントで摂ることは、スポーツにより大量に発生した活性酸素を取り除きたい時や、持久力を高めパフォーマンスを維持したい時にも有効であると言われています。抗酸化のためには、ビタミンCやビタミンEとともにコエンザイムQ10を摂ることが効果的です。

⑥グルタチオン

グルタチオンは、抗酸化力の高いサプリメントとしても注目されている栄養素の一つです。グルタチオンは、肝臓や他の細胞で作られます。アミノ酸(グルタミン酸、システイン、グリシン)が連なってできたトリペプチドの一種で、グルタチオンには、酸化型ビタミンC(さび取りをして疲れたビタミンC)を還元型ビタミンCに戻す(もとの元気な形)作用があり、活性酸素によるダメージから細胞を守る抗酸化作用の他、肝機能を高め解毒力を高める働きもあります。グルタチオンは、ホウレンソウ、キャベツ、きゅうり、カボチャ、牛レバー、ブロッコリー、酵母、キウイフルーツ、アボカドなどに多く含まれますが、食品の鮮度や加熱調理などによっても変化すると言われています。

日本では1969年より医薬品の原料として市販され、現在でも日本では医薬品として扱われています。(海外ではサプリメントの素材としても広く知られています)

 

 

酸化ストレスとは?

「酸化ストレス」と、健康を保つために欠かせない「抗酸化」について説明します。

酸化とは

そもそも、「酸化」とは何でしょうか。

私たちの体の中では、常に細胞内で無数の化学反応が起き、代謝を行うことで生命活動を維持しています。化学反応において、一つの分子が電子を失うことを「酸化」と呼びます。すると、もう一方の分子では電子を得ることになります。これは「還元」と呼ばれます。これが「酸化/還元反応」ですね。酸化/還元反応は、細胞の生存と、体内の恒常性(ホメオスタシス)の維持のために不可欠な生理機構です。

細胞膜の構造

ところで、細胞の一番外側の膜の部分=細胞膜は、体内全ての細胞間のコミュニケーションを行い、細胞機能を正常に保つために非常に重要な働きをしています。細胞膜を形成するリン脂質は、疎水性の脂肪酸尾部が向かい合っていて、親水性のグリセロール頭部はそれぞれ反対側に並ぶというつくりになっています。つまり、細胞膜の内部には疎水性の脂肪酸が充満し、膜の外側(つまり細胞の内側と外側と接する部分)は親水性になっている、という構造。このような構造は「細胞膜の脂質二重層」と呼ばれます。
細胞膜がこのような構造をしていることによって、細胞膜全体は細胞内外の環境になじみ、内側には疎水性の脂肪酸が充満しているため細胞の内外をしっかり遮断することができるようになっているのです。

活性酸素はなぜ身体に悪い??

「活性酸素が身体に悪い」というのは皆さんもよく聞いたことのある言葉だと思います。活性酸素とは、代謝の過程で生成される反応性の高い(つまり酸化力の高い)酸素のことです。通常、物質を構成している元になっている原子はそれぞれの電子殻内の電子がペアになっていることで安定しているのですが、活性酸素では、最外殻(電子の通る軌道の一番外側の部分)に「不対電子」と呼ばれるペアになっていない電子を持つために、他の分子から電子を奪うか与えることによって安定しようとする性質を持ちます。活性酸素はこの反応性の高さにより、体内のたんぱく質・脂質・核酸にダメージを与えることで、健康な細胞にダメージを与える連鎖反応を引き起こすのです。

特に、活性酸素は、脂質過酸化反応を通して、細胞膜の脂質二重層にダメージを与えてしまいます。細胞膜がダメージを受けると、細胞内の酵素活性が低下したり、DNAの損傷を引き起こしたりすることもあります。DNAが損傷すると、複製や転写といった、細胞の増殖に必要な機能を妨害してしまうため、非常に大きなダメージとなります。

活性酸素は、体内に取り込まれた食物と化学物質の代謝過程で生まれるものであり、生きている限りこれを避けて通ることはできません。私たちの身体には、活性酸素を制御する機序が備わっているのですが、現代生活では、活性酸素が過度に生成される状況になることが多く、活性酸素を除去する作用が追い付かなると、細胞の損傷箇所を修復する働きとのバランスがとれなくなり、体内の細胞がダメージを受けることになります。これが、「酸化ストレス」が強い状態ということです。

細胞膜を健康に保つ脂肪酸

適切な細胞機能のためには、細胞膜の二重層をしっかりと形成させることが重要です。そのためには、材料となる飽和脂肪酸やコレステロール、必須脂肪酸を適度に組み合わせて供給することが欠かせません。

飽和脂肪酸やコレステロールは、膜の形成と安定を助け、必須脂肪酸である不飽和脂肪酸は、膜の滑らかな流動性の維持を助けます。不飽和脂肪酸の中でも、オメガ3系の不飽和脂肪酸とオメガ6系不飽和脂肪酸では、細胞膜において相反する働きを持ち、オメガ6は細胞膜を硬くする作用を持ち、オメガ3は細胞膜を柔らかくするという性質があります。身体が生きていくためには、どちらの作用も必要で、両方の機能がしっかりと働くことによって、膜の適度な流動性が保たれます。さらに、脂肪酸の種類は、体内の炎症とも大きな関係があります。オメガ3と6の間では変換ができないため、両方をバランスよく摂る必要があります。

また、トランス脂肪酸(人工的に作られた水素化油脂)は細胞膜を硬化させ、細胞の正常機能を妨げるため、極力避けるべきです。

活性酸素の原因となるものとは?

通常の代謝過程によっても生成されている活性酸素ですが、活性酸素を過度に生成させて体内の酸化ストレスが引き起こす要因となるものは色々あります。

過労や激しい運動、トランス脂肪や酸化した植物油、アルコールの摂りすぎ、重金属、農薬、X線・紫外線・大気汚染・煙草の煙・水質汚染・工業溶剤のような環境毒素なども酸化ストレスを引き起こす要因となります。

 

血液検査から見る体内の酸化ストレスの状態について

酸化ストレスの影響によって全身の細胞膜が弱くなっているとき、赤血球の細胞膜も障害を受けて壊れやすくなっています。そこで、血液検査の結果から溶血(赤血球が壊れること)の有無を調べることで、酸化ストレスの度合いを予測することができます。詳しくは「間接ビリルビン」の項目をチェックしてみてください。

また、酸化ストレスが大きいときには、間接ビリルビンだけでなく、網状赤血球血清鉄なども高値になる傾向が見られますので、血液検査データがある場合はぜひチェックしてみましょう。

体内の慢性炎症が強い場合も、かなり酸化ストレスが強い状態であると言えますので、要注意です。慢性炎症の有無は高感度CRPフェリチン値からも予測することができます。

そして活性酸素の害を防ぎ、細胞膜を元気に保つには、抗酸化物質の摂取が欠かせません。抗酸化作用がある栄養素としては、ビタミンEやC、ビタミンA、フィトケミカル、グルタチオンなどが挙げられます。これらの抗酸化物質については、またの機会に詳しく書いていきたいと思います。

また、不足しがちなオメガ3系の脂肪酸をしっかりと摂ることも大切です。

基本的にはこれらの栄養素は食品からとることが望ましいのですが、食生活や生活習慣によっては不足してしまうこともあるため、サプリメントによる摂取が有効な場合もあります。

 

まとめ

生きている限り、酸化ストレスを避けることはできないけれど、現代人の生活では酸化の害を受ける機会が多く、特に、ハードな日常生活を送っている方や、血液検査の結果から、高いストレス状態や体内の炎症、赤血球の損傷などがみられる場合などは要注意。

ストレスを避ける生活習慣や、脂肪酸の摂り方、抗酸化物質の摂取などを心がけることが大切である。

ミトコンドリア機能をアップさせて細胞を元気にする方法

細胞の中にある小さな臓器たち

私たちの体を作っているのは約37兆個もの細胞であると言われていますが、その細胞一つ一つの中には、「細胞小器官」と呼ばれる特殊な「小さな臓器」が存在しています。

細胞小器官を呼ばれるものは、「リボゾーム」・「ゴルジ体」・「リソソーム」・「ペルオキシソーム」・「ミトコンドリア」・「小胞体があり」、それぞれが異なる機能を持ち、細胞機能のすべてを担っています。

ミトコンドリアの構造と働き

「ミトコンドリア」は、細胞内で「ATP」(=細胞のエネルギー源)を作りだす重要な場所で、「細胞の発電所」とも呼ばれます。

ミトコンドリアは、平坦な外膜と折り重ねられた形状の内膜の二重膜の構造から成り、内膜の構造は「クリステ」とよばれ、折り重なった形状がエネルギー生産をおこすための表面積を増大させています。内膜に囲まれた中央の空洞の部分は、「マトリックス」と呼ばれます。マトリックスには、ミトコンドリア内の代謝機能に関わる酵素がたくさん存在しています。

細胞にしっかりと栄養素を送り届け、ミトコンドリアを最適な状態で機能させることは、豊富なエネルギーを供給し私たちが元気に生きていくために欠かせません。

ミトコンドリア機能と、「小胞体ストレス」

ミトコンドリアは細胞機能の中でも非常に重要な役割を持つ部分でありながら、とてもダメージの影響を受けやすい小器官でもあります。

なぜなら、ミトコンドリア内で行われるエネルギー(ATP)の産生は、酸素を必要とする反応なので、それに伴い活性酸素の害も受けやすくなるからです。また、ミトコンドリアと同じく細胞小器官の一つである「小胞体」との関りが非常に深く、ミトコンドリアと小胞体は互いに影響しあいながらその機能を保っています。

小胞体には、物質の合成と輸送という大切な役割があります。中でも注目したいのが「たんぱく質の工場」としての役割です。

たんぱく質は、遺伝情報に基づいてアミノ酸が配列され、そのアミノ酸配列に応じて固有の立体構造に折りたたまれて作られていきます。ところが、小胞体機能に異常があると、立体構造が乱れたたんぱく質が作られてしまいます。たんぱく質の立体構造は少しでも乱れていると、たんぱく質として機能しなくなってしまいます。すると小胞体からたんぱく質が出荷できずに「便秘」を起こして太ってきてしまいます。これを、「小胞体ストレス」といいます。小胞体とミトコンドリアには接触部位があり、お互いに影響をしあっているため、どちらかの機能が落ちるともう一方の機能低下に影響する、という現象が起こります。

したがって、小胞体ストレスをなくすことは、ミトコンドリア機能を上げるために重要ですし、ミトコンドリア機能を上げることは、小胞体機能を上げるためにも重要であるということになります。

 

小胞体ストレスをなくすために重要なキーワード①「オートファジー」

例えば、ガンなどの疾患は、細胞の「アポトーシス」がうまくできないことによって起こると言われています。

「アポトーシス」とは、細胞が必要に応じて(遺伝的な指令に基づいて)死ぬこと、つまり、プログラムされた細胞死のことです。アポトーシスは、不必要な細胞を除去するシステムとして働きます。

プログラムされた細胞死には、「オートファジー」と呼ばれるシステムもあります。「オートファジー」は、細胞内のたんぱく質を分解するための仕組みで、栄養環境が悪化した時(飢餓時)にたんぱく質のリサイクルを行うシステムです。つまり、細胞内の不要なたんぱく質を分解することで、飢餓時の生存システムとして働きます。これによって、小胞体ストレスが解消されます。

アポトーシスやオートファジーがうまく働けば、危険な細胞や細胞内の老廃物、損傷したミトコンドリア、変性したたんぱく質等を除去することができ、それが疾患の発症を抑制できると言われています。

 

小胞体ストレスをなくすために重要なキーワード②「ヒートショックプロテイン」

細胞内の小胞体ストレスがある状態とは、たんぱく質の不良在庫をたくさんかかえてしまっている状態。

このような状態では、小胞体と運命共同体ともいえるミトコンドリアの機能にも影響が出て、エネルギー生産がしづらくなり、身体全体の機能に悪影響が起こります。そこで、オートファジー機能を活性化させて小胞体の在庫を一掃して、正しい立体構造のたんぱく質を作れるようにしてあげれば、小胞体ストレスが改善され、ミトコンドリアも活性化して、細胞が元気になるというわけです。これは、ガンなどの疾患の予防にもつながります。

そのために役立つのが、「ヒートショックプロテイン」(分子シャペロン)と呼ばれる物質です。
ヒートショックプロテインは、たんぱく質分子が正しく折りたたまれるのを助けてくれるたんぱく質で、細胞に短期的な刺激が加わることで出てくることが分かっています。

つまり、適度なストレスは、分子シャペロンを作ることを促してくれるので、細胞にとって良い刺激になるということです。

ヒートショックプロテインは、不良たんぱくを良いたんぱくに修復するだけでなく、細胞の障害がひどく修復不可能な時は、細胞を死へ導いてくれる(=アポトーシスを促す)といわれています。

ミトコンドリア機能をアップさせるための具体的な方法

ミトコンドリア機能をアップさせるには、細胞を活性酸素の害から守り、必要な栄養を十分与え、小胞体ストレスをなくしていくことが重要となります。

①栄養素の補給

ミトコンドリアの働きを良くする栄養素としてよく知られているのは、ビタミンB群、コエンザイムQ10亜鉛マグネシウムなど。ミトコンドリアを酸化の害から守るために、抗酸化ビタミン(ビタミンA・C・E)をはじめとする抗酸化作用のある栄養素も積極的に摂るようにしましょう。コエンザイムQ10は、抗酸化作用がある栄養素としても重要です。また、細胞内にしっかりと栄養素を送り届けるためには細胞膜の流動性を高めてくれるフィッシュオイルも有効であると言われています。(摂取のタイミングは寝る前が〇)

②ヒートショックプロテインの活性化

ヒートショックプロテインを刺激するための適度な刺激として、高地トレーニング(低酸素トレーニング)、寒中水泳、一分間の息止め、朝日を浴びる(紫外線)なども有効であると言われています。温熱療法でヒートショックプロテインを増やすというのも、おすすめの方法の一つです。

③断食

断食によってオートファジーを活性化し小胞体ストレスを解消することができると言われています。(断食までは無理という場合でも、まずは空腹時間をしっかりと作るようにするだけでも〇)

④運動

適度な運動は、ミトコンドリアの新生を促します。ミトコンドリアも筋肉と同じで、使わなければ減ってしまいます。(廃用性萎縮)

⑤動物性たんぱく質の摂りすぎに注意

代謝機能が落ちているのに動物性たんぱく質を摂りすぎていると、小胞体ストレスが起こりやすくなると言われています。その理由は、動物性たんぱく質の方が人間の体に近いので、細胞の外に未消化の動物性たんぱくのペプチドがあふれていた場合、小胞体が「たんぱく質の在庫がまだある」と勘違いしやすく、新たなたんぱく質の出荷を止めてしまう、つまり、小胞体ストレスになりやすいのだと考えられています。
ただし、身体が元気で日ごろからたくさん運動していて、多くのたんぱく質を必要としているような人は、どんどんたんぱく質を供給した方が良いと言えるでしょう。

 

 

食べ物に含まれる「レクチン」が遅延型アレルギーを引き起こす?!

「即時の食物アレルギー」と「遅延型の食物アレルギー」の違いとは?

アレルギーとは、体内へ侵入した異物に対する免疫反応が過剰すぎて、その結果生体に障害を与えてしまう現象が起こることを指します。

食物に対する過敏症のうち、即時型の「食物アレルギー」は全体の4~5%であると言われています。それ以外の90%以上は、厳密にいうと「食物アレルギー」ではなく、「食物不耐性」(食品過敏症)と呼ばれるものです。

本来の「食物アレルギー」とは、免疫反応が直接的な原因となり、少量でもすぐに発症するアレルギーです。場合人よっては生命を脅かす症状が出ることもあります。

一方「食物不耐性」は、直接的に免疫反応が関係しているわけではありません。ただし、間接的に免疫反応に関わる場合もあり、「遅延型アレルギー」とも呼ばれます。

即時型アレルギーを遅延型アレルギーの大きな違いは、遅延型の場合は同じ食品を食べても、その日の体調によって症状が出なかったりするということです。また、少量摂取では発症しないことが多く、段階的に発症し、自覚するには数時間または数日かかります。また、生命の危険に関わる症状は少ないというのも遅延型の特徴です。

 

遅延型アレルギー(食物不耐性)と「レクチン」

遅延型アレルギー(食物不耐性)の主な原因は、たんぱく質の分解不足です。

未消化のたんぱく質が腸から血液中に入ってしまうことで、血液中で異常な免疫反応が起こり、アレルギー症状を引き起こします。

たんぱく質の分解を阻害する原因の一つとして、「レクチン」が挙げられます。

「レクチン」は小腸の粘膜に結合することによって炎症を起こし、たんぱく質を分解する酵素のひとつである「エンテロキナーゼ」の生産を阻害し、たんぱく質の吸収障害を引き起こすことがあります。

レクチンとは??

「レクチン」とは、糖と特異的に結びつく性質を持つたんぱく質の一種です。レクチンは細胞膜表面に存在する糖と結合し、別の細胞同士を結合させます。簡単に言うと、レクチンは細胞と細胞をくっつける糊のような役割をする物質です。

レクチンは、植物にも動物にも広く存在し、数千種もの種類があるといわれています。レクチンの中には、細胞の働きやホルモン、免疫などの働きを向上させてくれる可能性のあるものもあることが報告されており、抗ガンや多発性硬化症治療への活用が期待されるものもあるといわれています。

レクチンの毒性

一方、レクチンには毒性のあるものや、細胞膜に悪影響を与えるものもあります。

レクチンが腸粘膜の細胞膜上の糖質と結合することで、小腸の代謝を阻害したり、腸絨毛や関節に損傷を与えることもあります。すると、吐き気、ガスの発生による膨満感、急性の胃腸症状、栄養素(特にたんぱく質と炭水化物)の消化吸収障害、大腸菌の増殖などが起こりやすくなります。

血液中でレクチンが過剰になると、レクチンが糊となって免疫複合体を形成したり、ナチュラルキラー細胞が正常な細胞を攻撃してしまいます。レクチンが原因となって関節痛などを引き起こす場合もあると言われています。

また、レクチンは、炭水化物の吸収と代謝にも影響いて、腸における糖の取り込みを抑制したり、体内での糖の代謝も阻害するものもあります。

例えば、「血糖値を下げる効果がある」と言われているナタマメですが、これはナタマメに多く含まれるレクチンの効果によるもので、実は健康のためにはかえって逆効果になる可能性もある、という意見もあるようです。

ただし、全てのレクチンが体に悪いわけではなく、人によってどの種類のレクチンに反応して炎症を引き起こすのかは異なると言われています。

 

レクチンを含む食材と、遺伝子組み換え食品の影響について

レクチンを多く含む食品として代表的なのは、小麦などの穀物・マメ科植物(ピーナッツ・大豆・インゲンなど)、ナス科植物(ナス・トマト・唐辛子・じゃがいも・くこ・ピーマン・パプリカなど)などです。

近年、以前に比べて食物不耐性(遅延型アレルギー)が増加していると言われていますが、その原因の一つとして、遺伝子組み換え(GMO)植物の増加が関係しているという可能性も指摘されています。

レクチンは、害虫から植物を保護するために有効であることから、遺伝子組み換えによって、レクチンの量を遺伝的に高めた植物の種子が多く作られるようになり、その結果食物不耐性も増加してしまった可能性もあるようです。

レクチンの影響を抑えるための方法

① 加熱

レクチンは熱に強いのですが、70℃で30分以上加熱すれば失活すると言われています。従って、できるだけ高い温度で時間をかけて調理することでレクチンの活性は抑えられると考えられます。

② 十分な消化

レクチンは、酸にも強く、プロテアーゼでも分解することは容易ではないと言われています。とはいえ、やはり胃酸と消化酵素を十分に分泌することも大切です。消化力の弱い方や高齢者の方などは特に、胃酸と消化酵素をサプリメントなどで補うことや、酵素の豊富に含まれた食材を食べ合わせることも考慮すると良いでしょう。

③ ねばねば食材

ばねば食材に多く含まれる「ムチン」(ムコ多糖類の一種)には、レクチンと結合する性質があります。そのため、ムチンを豊富に含む食材を一緒に摂ることで、レクチンの影響を最小限に抑えることができるといわれています。

ムチンを多く含む食材の例→山芋・長いも・里芋・レンコン・オクラ・モロヘイヤ・ツルムラサキ・昆布やメカブなど海草類・なめこ・納豆など。これらは日本で昔から食べられてきた食材で、前菜として出てくるものも多いですよね。

食物不耐性と除去食の考え方

遅延型アレルギー検査をしてみると、乳製品や卵に対して反応が出る人が非常に多くみられます。
しかし、遅延型アレルギー検査で反応が出ても、実際には食べても大丈夫な場合という場合も多いようです。検査結果が出たからといって除去食を行うことは必要がない場合もあるし、除去食を頑張りすぎたせいで逆に栄養不足やストレスを招いてしまうこともあるため注意が必要です。

もしも食物不耐性の症状が出ている場合でも、これらの食材に含まれるたんぱく質を分解できるようにすることが何よりも大切なことです。たんぱく質の分解能力が改善されなければ、一生除去食を行なうことになってしまいます。(もちろん、一時的に除去食をする必要がある場合もあります)

食物不耐性が気になる方は、胃酸分泌のチェック法血液検査のペプシノーゲン値胃酸不足時の対処法などもぜひチェックしてみてください。

 

腸の炎症によって引き起こされることとは?

「腸の炎症」があるとどうなるの?

 

前回のブログで炎症についての説明を行いましたが、炎症は腸にも起こります。腸の炎症に炎症があると、どのようなことが起こるのでしょうか。

 

①腸内環境が悪いと、腸に炎症が起こります。腸の炎症によって損傷が進むと、LGS※を引き起こし、栄養素の吸収障害が起こるようになります。栄養素の吸収障害は、例えば貧血や骨の弱化の原因にもなります。

※LGSとは?
LGS(腸管壁浸漏症候群)では、腸から大きな食物分子、バクテリア、真菌類など、本来腸から入るべきでないものが漏れ出して、血管や体内に侵入して、アレルギーをはじめとする免疫系疾患、肝臓への負担など、様々な悪影響が起こります。栄養素の吸収障害も起こります。
食物に対する過敏症のうち、即時型の「食物アレルギー」は全体の4~5%であり、それ以外の90%以上は、厳密にいうと「食物不耐性」(食品過敏症)であると言われています。即時型の食物アレルギーは、少量でもすぐに発症し、死亡など生命を脅かす症状が出るものです。一方、「食物不耐性」とは、「遅延型アレルギー」とも呼ばれ、たんぱく質の分解不足が主な原因となります。LGSがあると、未消化のたんぱく質が腸管から血液中に入り、遅延型アレルギーを引き起こします。遅延型アレルギーは、その日の体調によって症状が出なかったりしますので、即時型の食物アレルギーとは異なります。また、少量摂取では発症しないことが多く、生命にかかわる症状は少ないです。遅延型アレルギーは段階的に発症し、自覚するには数時間または数日かかるという特徴もあります。

②腸の炎症は、消化の問題を起こすだけでなく、炎症の影響が全身に回り、様々な不調を引き起こします。「なんとなく具合が悪い」という人は、腸の状態が悪いという場合が非常に多く見られます。

精神状態への影響

腸の炎症は、精神状態の悪化にも大きな関わりがあります。「腸脳相関」とも言われるように、腸は迷走神経を経由して脳とコミュニケーションをとっています。また、脳内の神経伝達物質の大半は腸内で作られます。従って、腸の状態が悪いと精神状態にも悪影響を与え、うつや不眠の原因にもなるのです。

免疫系への影響

腸の炎症は、アレルギーや上咽頭炎など、免疫系の異常を引き起こします。「腸管免疫」という言葉がある通り、免疫の70%は腸が担っています。

③逆に、歯周病や上咽頭炎、副鼻腔炎などが、腸の炎症を引き起こしている場合もあります。従って、腸の炎症を治したいときは他の部分も同時にケアする必要があるのです。

腸の炎症によって起こる症状の例
・便秘
・下痢
・おなかにガスがたまる
・便やガスの悪臭
食物不耐性(遅延型アレルギー)
・アレルギー(花粉症も)、抵抗力の低下
・不眠やうつ、イライラ、神経機能の低下、認知機能の低下
・貧血
・疲労
・なんとなく具合が悪い

腸の炎症の原因となるもの

腸の炎症が体に悪いことはよくわかりましたが、では、なぜ腸の炎症が起こってしまうのでしょうか。

原因として、以下のようなものが挙げられます。

・消化力の問題(胃酸不足、消化酵素不足、慢性胃炎、ピロリ菌など。未消化の食べ物は腸内環境を悪化させます。)

・食事内容(糖質の多い食事、小麦、乳製品、イースト菌 などのとり過ぎ。食物繊維などの不足。つまり、腸内の悪玉菌を増やしやすい食生活。
また、個人差がありますが、ナス科植物※によって炎症を起こしている人も多いようです。)

※ナス科植物:ナス、トマト、ピーマン、ジャガイモ、唐辛子、パプリカなど。詳しくはこちら

・カンジダ菌の過剰増殖(カンジダ菌はもともと腸内に存在する「常在菌」なのですが、増殖しすぎることで腸の炎症を引き起こします)

・ストレス(交感神経優位な状態はアドレナリンを分泌させます。アドレナリンが過剰だと、腸内の悪玉菌を増やします)

・カフェインや刺激物の摂りすぎ

制酸剤、抗生物質などの薬

・便秘

・重金属の蓄積

 

腸の炎症対策① 腸の炎症を起こさないための食事

胃腸の不調を感じている方や、いつもなんとなく疲れやすい、理由はわからないけれどなんとなく体調が悪い、という方は、実は腸の炎症が影響しているのかもしれません。腸の炎症が気になる方はぜひ、食事の内容を見直してみてください。

①体質に合った食事を心がける
体質に合う食事は、人それぞれ。胃腸の状態や体調を見ながら、食べるものや量を調節していきましょう。
②炭水化物(特に精製されたもの、小麦、甘いもの)は極力避ける。高糖質の食事は腸内の悪玉菌を増殖させるだけでなく、高血糖が血管を傷つけ血管の炎症を引き起こします。
③乳製品、カフェイン、アルコール、食品添加物も控える。
④トランス脂肪を避け、オメガ3食品を積極的に摂る
⑤胃酸不足・消化酵素対策
・食べたものをしっかりと消化吸収できるよう、食事に集中してよく噛んで食べます。(30回以上)
・腸の調子が悪い時には、無理に食べないようにします。
・食事は酸っぱいもの(梅、レモンなどの柑橘類、酢など)と組み合わせて食べると消化を助けてくれます。
・または、食事の時に、レモン汁大匙1と水大さじ3程度を混ぜたレモン水を少しずつ飲みながら食べるのもおすすめ。
(一口食べたら一口飲み、食事の最初の方に飲み終わってOK)
消化酵素サプリやクエン酸サプリなどを利用しても良いでしょう。
・食事と一緒に飲み物を飲むのは良いのですが、飲みすぎると胃酸が薄まってしまうので、飲み過ぎには注意しましょう。
⑥発酵食品、海藻類、野菜類などを積極的に摂りましょう。
⑦玄米など、未精製の穀物は有用な面もたくさんありますが、玄米に含まれるフィチン酸の消化が苦手な人も多いため、お腹の調子を見ながら取り入れましょう。

⑧アマルガム※、重金属の害をなくす(水銀は腸内環境を悪化させるだけでなく、体内で栄養素の代謝障害を引き起こします。尚、ミョウバン《ベーキングパウダーなどに含まれていることが多い》や胃薬《ガスターなど》に含まれるアルミも害になります。

※アマルガムがある場合は、安易に除去せず必ず専門医に相談を!

腸の炎症対策② 生活習慣の見直し

腸の炎症対策として、食生活以外にも、生活習慣の見直しや腸以外の炎症対策を行うことも非常に重要です。

・歯周病(歯の炎症)の改善
・上咽頭炎、副鼻腔炎の確認、口呼吸を改善する。
・姿勢の矯正(姿勢が悪いと、栄養の吸収も悪くなる)
・ストレスケア、頑張り過ぎを避ける(ストレスは栄養をものすごく使うので、身体の修復のために使えなくなってしまいます。また、ストレスホルモンであるコルチゾールが慢性的に出過ぎると副腎機能にダメージが起こります)
・運動(ミトコンドリアを増やし、代謝を良くする効果があります)

腸内環境を改善するサプリメント

腸の炎症対策①②を実行したうえで、腸内環境を改善するのを助けてくれるサプリメントを摂ることも有効です。

・乳酸菌、酪酸菌など(ビオスリー、ミヤリサンなど)、善玉菌と呼ばれる腸内細菌(プロバイオティクス)

・オリゴ糖や食物繊維など、善玉菌の栄養源となるもの(プレバイオティクス)

・フコダイン(もずくやめかぶに含まれる水溶性食物繊維)、ラクトフェリン、VA、VC、VD

・下痢気味の場合→グルタミンサプリ※

(※グルタミンサプリメントは、自閉症の子どもは禁忌です《グルタミンを体内でうまく処理できないため。》また、便秘の人が飲むとさらに便秘になりやすくなるため注意が必要です)

・便秘の場合→マグネシウム

体内の慢性炎症を作りやすい食生活とは?

炎症とは?

身体の組織が損傷した時、それを治そうとして生体内の反応が起こります。この時に引き起こされるのが炎症反応です。炎症は、本来は生体の防御反応として必要な反応なのですが、過剰な炎症時反応は生体の自己組織の損傷や、痛みの憎悪を引き起こしてしまいます。

炎症は、怪我、感染、激しい熱や刺激性の化学物質にさらされるなどといった要因によって引き起こされます。このような急性的な炎症は「急性炎症」と呼ばれます。

一方、慢性的な感染や、自己免疫疾患、あるいはストレス状態が続いていたり、身体に合わない食生活を続けていたりする場合には「慢性炎症」が起こり、免疫機能が絶え間なく働いて、徐々に組織の障害が進行し、健康を害することになります。

 

急性炎症のしくみ

細胞が損傷を受けたとき、細胞からは炎症性の化学物質(ヒスタミンなど)が放出されます。すると白血球が損傷個所に移動し、組織に侵入した細菌や細胞の残骸の貪食を始めます。
急性炎症の徴候は、発熱・赤み・痛み・腫脹(腫れ)・機能低下などが典型的な症状です。発熱や赤みは、血管拡張と血流の増加によって起こります。そして腫脹は、たんぱく質とリンパ液が、間質スペース(血管やリンパ管外のスペース)に移動することによって起こります。また、この時に生じる痛みは、炎症の過程で生じる様々な化学物質(ヒスタミン、プロスタグランジン、ブラジキニンなど)が関係していることがわかっています。急性炎症によって起こった発熱・赤み・痛み・腫脹・機能低下の徴候は、徐々に和らぎ始め、損傷が鎮静化するとともに、新しい組織が形成されていきます。

 

慢性炎症はなぜ体に悪い?

慢性炎症とは、免疫系が絶え間なく活性し慢性的に炎症が起こっている状態です。これによって、徐々に組織破壊が進行していき、さまざまな異常が引き起こされます。例えば、アレルギー・自己免疫疾患・アルツハイマー病・慢性感染症・心臓血管疾患などといった疾患にも大きく関係していると言われています。歯周病や上咽頭炎も慢性炎症の一つ。他にも、糖尿病で血糖値が高い状態が続くと、血管の壁を傷めつけて炎症を起こしますし、腸内環境が悪ければ腸に炎症が起こります。脂肪肝は肝臓に慢性的な炎症が生じている状態です。慢性炎症を防ぐためには、ストレスを軽減することや、食生活に留意することが非常に重要となります。

(血液検査の「高感度CRP」から炎症の有無を調べる方法はこちら

炎症と脂肪酸

私たちが食事から摂取する脂肪(脂肪酸)には色々な種類がありますが、摂取する脂肪酸の種類は体内の炎症反応と大きな関わりを持っています。

脂肪酸からは、「エイコサノイド」の一種である「プロスタグランジン」と呼ばれる生理活性物質が作られます。プロスタグランジンは、細胞間のコミュニケーションに関与し、血圧や血液の流れやすさ、免疫機能、炎症反応など、体内の様々な機能をコントロール働きを持っています。プロスタグランジンは、材料となる脂肪酸の種類によって働きが異なります。

 

炎症促進に働く脂肪酸と、炎症抑制に働く脂肪酸

脂肪酸の中で、二重結合と呼ばれる不安定な構造を持つ脂肪酸は「不飽和脂肪酸」と呼ばれます。不飽和脂肪酸は、脂肪酸の鎖の端(メチル端末‐CH3)から数えていくつめの炭素に最初の二重結合があるかによって、オメガ3・オメガ6・オメガ9系という分類ができます。そのうちオメガ3とオメガ6系脂肪酸は、食事から供給する必要のある必須脂肪酸です。なぜなら、ヒトの細胞は、脂肪酸のメチル端末から6番目以下の位置に二重結合をつくる酵素を持っていないので、オメガ6やオメガ3系を体内で自ら作ることができません。

そのうちオメガ6系脂肪酸からは、体内の炎症を促進する「プロスタグランジン2」が作られ、オメガ3系脂肪酸からは、炎症を抑制する「プロスタグランジン3」が作られます。オメガ6と3系脂肪酸は、体内で作ることができないだけでなく、オメガ6系と3系で互いに変換することもできないため、これらをバランスよく摂取することが必要となります。

 

脂肪酸の種類に限らず、糖質の多い食事やトランス脂肪酸、ビタミンやミネラルの欠乏した食生活は慢性炎症を引き起こしやすくなってしまうため注意が必要です。

慢性炎症を起こしやすい食生活

炎症を誘発するプロスタグランジンが作られやすい食生活は以下の通りです。

・肉類に偏った食生活、オメガ6系脂肪酸に偏った食生活(体内の炎症を測る「CRP定量」と、オメガ6系と3系脂肪酸を含む食品についてはこちら

・砂糖の摂りすぎ、単糖類の多い食事における高インスリン状態

・トランス脂肪(人工的に水素化した脂肪酸)

・亜鉛・ビタミンC・ビタミンB群などの栄養素の欠乏

腸の炎症にも注意

 

体内の慢性炎症の症状を緩和するための食事

一方、体内の炎症を鎮めるためには、オメガ3系脂肪酸を多く含む食品を積極的に摂り、炎症を促進する砂糖やトランス脂肪は最小限にすることが有効です。また、生姜やクルクミン、玉ねぎとにんにく(ケルセチンを含む食材)などは、炎症抑制作用のある食材として知られています。

その他にも、抗炎症作用を持つものとして、たんぱく質分解酵素サプリ(プロテアーゼ)を空腹時に摂取することも有効であると言われています。たんぱく質分解酵素が吸収されて血液中に入ると、炎症が起こっている箇所に蓄積した細胞の壊死組織片や古い免疫たんぱく質を分解するのを助けてくれます。

 

次回は腸の炎症についてです。

 

炎症を測る「高感度CRP」とは?

身体の慢性炎症を知る指標となる「高感度CRP定量」について説明します。

CRPとは

CRPとは、「C反応性たんぱく」と呼ばれるたんぱく質のことで、体のどこかに急性炎症が起こると、このたんぱく質が24時間以内に急増し、通常の濃度の1000倍もの濃度になることもあります。発熱を伴うような感染症や、風邪をひいていたりしても高くなります。

慢性炎症と「高感度CRP」

そして、動脈硬化やがん、うつ、認知症などの発症には、このような急性の強い炎症ではなく、小さな慢性炎症が関わっているということがわかってきました。慢性炎症があると、その細胞で活性酸素が慢性的に発生して、細胞を酸化させてしまいます。慢性炎症を起こすのは、高血圧、脂質異常、糖尿病、喫煙、肥満などです。「高感度CRP」では、このような小さな炎症を測ることができます。つまり、CRPが高値である場合、身体のどこかで微小な組織障害が起こっている状態であるということが予測されます。

高感度CRPの値は、0.05以下が望ましいとされています。

(ただし、CRP定量は、腸の炎症・脂肪肝・上咽頭炎などの慢性炎症があっても上昇はみられないと言われています)

慢性炎症と病気の関係

動脈硬化の指標は、コレステロールの値だけでなく、炎症のマーカーであるCRPの値も深く関係しており、CRPの値が高いほど将来的に心筋梗塞になる確率が高いということがわかっています。それ以外のメタボリックシンドロームも、炎症が深く関係しています。

また、例えば胃がんを引き起こすことで有名なピロリ菌ですが、実はピロリ菌自体の発がん性は低いけれど、菌が起こしている慢性の炎症ががんをひきおこしていると考えられています。同じように、C型肝炎による肝ガンの場合、C型肝炎ウイルス自体の発がん性は低いのにウイルスによって起こっている炎症が肝がんに関係していると言われています。最近は、うつ病などといった脳のトラブルも炎症が関係しているということがわかってきました。

また、口腔内のトラブルも、体内の炎症に関わりがあるということもわかっています。歯科医師である森永広喜先生の著書「全ての病気は口の中から」によると、広島大学などが行った共同研究の結果、重度の歯周病のある糖尿病患者に、抗菌剤を使ったし歯周病治療を行ったところ、糖尿病の目安となるヘモグロビンA1cが改善すると同時に、高感度CRP値が下がったとしています。また、森永先生自身の臨床経験からも、歯周病治療を行うことでCRPが改善するというデータが得られているのだそうです。つまり、歯周病治療によって、全身的な炎症が減るということが考えられるとしています。

 

「プロスタグランジン」と炎症

体内の炎症に対するアプローチには色々な方法がありますが、ここでは「プロスタグランジン」と炎症について考えていきたいと思います。

「プロスタグランジン」とは、体内で炎症反応をコントロールする物質です。細胞膜で脂肪酸をもとに作られ、その細胞やその付近で強力なホルモンのような働きをします。

プロスタグランジンの材料となるのは、アラキドン酸やEPAなどの脂肪酸です。アラキドン酸とEPAは、その分子構造の違いにより「オメガ6系」と「オメガ3系」に分けることができます。

オメガ6系脂肪酸から作られるプロスタグランジンと、オメガ3系の脂肪酸から作られるプロスタグランジンでは働きが異なり、互いに逆の作用を持ちます。オメガ6系由来のプロスタグランジンには、血管収縮、血小板の凝集、血圧を上げる、炎症促進などの作用があります。一方、オメガ3系由来のプロスタグランジンは、血管の弛緩、血小板の凝集を抑制、血液をさらさらにする、血圧を下げる、不整脈や凝血を防ぎ血流を良くして、心疾患などを予防する、炎症の鎮静化などといった働きを持ちます。
どちらのプロスタグランジンも生きていくために必要なものなのですが、オメガ3と6の間では、変換ができないため、両方の機能がしっかり働くためには、オメガ3と6をバランスよく摂る必要があります。(オメガ6とオメガ3の摂取量の比率は、1:1~4程度が良いと言われています)もしもどちらかだけに偏った食生活を続けると、体内のプロスタグランジンのバランスが崩れ、例えばオメガ6が過剰になれば、体内で慢性的に炎症や痛みがおこったり、血圧が高くなる、血液凝固しやすい、内臓の働きが弱る、アレルギー反応が起きやすい、など、様々な不調が現れやすくなります。

 

オメガ6系と3系脂肪酸を含む食品について

オメガ3の脂肪酸に分類されるのは、EPAの他にもフラックスオイルなどに多く含まれるαリノレン酸や、魚油などに多く含まれるDHAがあります。オメガ6の脂肪酸とは、植物油(コーン油や大豆油など一般的な植物油など)に多く含まれるリノール酸と、動物性脂肪などに多く含まれるアラキドン酸です。リノール酸は、揚げ物等の加工食品にも多く含まれます。アラキドン酸は、体内でもリノール酸から合成されます。

現代の食生活では高リノール酸植物油・肉・加工食品などといったオメガ6脂肪酸含有量の多い食品の摂取量が多く、オメガ3脂肪酸の摂取量が少ないため、オメガ6の過剰摂取とオメガ3の摂取不足が問題となりやすいので注意が必要です。(オメガ3系脂肪酸はとても酸化しやすいため、αリノレン酸を豊富に含む植物油を摂取する場合は、保存方法を気をつけたり、加熱せずに摂ることが望ましいです。)

尚、オメガ3系脂肪酸を人体が利用するには、体内でαリノレン酸をEPAやDHAに変換する必要があります。αリノレン酸のEPAやDHAへの変換率はごくわずかであるとも言われています。αリノレン酸がEPAに変換するためには、酵素が必要なのですが、それと同じ酵素がリノール酸の代謝にも使われるため、リノール酸を過剰に摂取していると、せっかくの酵素がリノール酸の代謝のために使われてしまうということになります。つまり、脂肪酸バランスを整えるには、脂肪の全体量の過剰摂取を避けた上で、αリノレン酸やEPA・DHAを意識的に摂ることを心がけるとよいでしょう。

 

 

「インスリン」とは?血液検査の「インスリン」からわかること

知っているようで知らない「インスリン」の働く仕組みや、「インスリン」が出過ぎるとなぜ良くないのか、また、血液検査の「インスリン」の見方などを、わかりやすく説明します。

インスリンの働き

「インスリン」とは、膵臓から分泌され、血糖値を下げる働きをするホルモンです。

インスリンは、24時間継続して少量で続ける「基礎分泌」と、糖質摂取後一時的に血糖値が上がった時に出る「追加分泌」として分泌されます。つまり、なにも食べていないときでも、人体には少量のインスリンが必要とされているのです。このインスリンの「基礎分泌」がなくなると、人体のほとんどの組織ではエネルギー代謝をまともに行えなくなってしまいます。そして、「追加分泌」されたインスリンは、血液中のぶどう糖を骨格筋や心筋などの細胞内に取り込み、エネルギー源として使えるようにしてくれます。また、インスリンは、血液中の余分なぶどう糖を体脂肪に変える働きもしています。

尚、追加分泌のインスリンには、すぐに出るものと、遅れて出るものがあります。正常な場合は、血糖値が上昇し始めると即インスリンが追加分泌されます。(第一相反応という) もともと蓄えられていたインスリンが5~10分間分泌され、糖質を摂った時の高血糖を防いでいるのです。そしてそのあと少し遅れて、第二相反応と呼ばれるやや少なめの持続するインスリン分泌が行われ、食事を摂った時の糖質の残りをカバーします。そして食事が終わってしばらくすると、第一相のインスリンがまた蓄えられるという仕組みになっています。

このようにして、インスリンの働きによって血液中の糖が増えすぎないように調節が行われているわけですが、血糖値を下げる働きを持つホルモンは、唯一このインスリンだけです。

血糖値を下げるホルモンと、血糖値を上げるホルモン

血糖値を下げる働きを持つホルモンはインスリンだけであるのに対して、血糖値を上げる働きを持つのは、ACTH(副腎皮質刺激)ホルモン、コルチゾール・アドレナリン・成長ホルモン・グルカゴン・甲状腺ホルモンなど、たくさんあります。これらはインスリンに対抗して働きホルモンであることから、「インスリン拮抗ホルモン」とも呼ばれます。インスリンの過剰分泌によって血糖値の急降下が起こるとき、インスリンに対抗してインスリン拮抗ホルモンが分泌されることになります。従って、インスリンの分泌が少ない方が、血糖値を上げるホルモンの分泌も少なく済んで、血糖が安定しやすくなるというわけです。
急激な血糖変動によるホルモンのアンバランスは、自律神経のバランスを乱し、糖尿病だけでなく、うつ病、アレルギー症状などの他、多くの症状を引き起こす原因となります。逆に、穏やかな血糖の変動は、穏やかな心身を保ちます。

 

インスリンが出すぎることによる弊害

糖質をたくさん食べ、インスリンがたくさん出て、血糖の上下動がさほど起こっていなかったとしても、今度はインスリンが過剰に出すぎている高インスリン血症という状態になります。この高インスリン血症も問題で、膵臓に負担がかかるだけでなく、例えば、インスリン自体ががん細胞を増殖させてしまう原因なのではないかという意見もあります。また、インスリンの働きで脂肪細胞の取り込み口が開くと、太りやすくなってしまいます。つまり、インスリンの分泌が過剰だと、血糖値は正常だけど太るという現象が起こります。このように、高血糖も血糖の上下動も良くないし、インスリンの分泌が過剰になることも良くないため、必要最小限のインスリンで血糖値をなだらかに保つことが、身体にとって一番負担が少ないと言えます。
(2010ランセット発表によると、2型糖尿病に対する、インスリンを使用しての厳格な血糖コントロールは、低血糖をもたらし、死亡のリスクを高める。従って、生活習慣の改善と、低インスリン血症のリスクのないインスリン感受性改善薬を第一選択をすべきである、としています)

人種によるインスリン分泌能力の違い

同じⅡ型糖尿病でも、欧米人に多いタイプと日本人に多いタイプがあり、発症のメカニズムが異なると言われています。
欧米の人は日本人よりもインスリンを出す力が強く、たくさん食べても十分なインスリンが出るため、血糖が上がりにくく、太らない限り糖尿病になりにくい人が多いと言われています。血糖値が上がる前にインスリンがどんどん出るため、体内の糖は脂肪細胞の方へ取り込まれていくので、必然的に太りやすくなるというわけです。こうして肥満になると、今度は脂肪細胞からインスリンの働きを邪魔する物質が出てきて、インスリンが出ていても効きが悪くなってきて(=インスリン抵抗性)、糖尿病を発症します。従って、欧米人の場合、太っていれば糖尿病リスクが高く太っていなければ少ないというわかりやすさがあるのです。このような経過をたどる欧米人については、糖尿病の治療としてまずカロリー制限を行って痩せることが優先されてきました。
一方、日本人(アジア人全般)の場合、欧米人よりもインスリンを出す力が弱い人が多く、肥満になる前に血糖値が上がってしまう人が多いのです。実際に、2型糖尿病を発症する人の半数以上は肥満ではないと言われています。

 

インスリンの分泌能力を保つには

膵臓からのインスリン分泌能力は、年齢と共に低下していていきます。分泌能力が弱くなるスピードは個人差があり、いつも過剰な糖質を食べていてインスリンの分泌頻度が多いほど、膵臓に負担がかかり傷みやすいと考えられます。さらに、普段から筋肉を使っている人ほど、インスリンに対する反応性が良いこともわかっています。従って、血糖値を安定させるためには毎日の食生活に気を付けるだけでなく、運動をすることである程度の筋肉量を保つということも、とても大切です。

血液検査の「インスリン」の見方

血中インスリン濃度の目安は、空腹時で2~3ぐらいです。インスリンが高い時は、糖質のとり過ぎが考えられます。

また、インスリン値を見るときは、グルコースとのバランスを見ることが大切です。例えば、血糖値が低めなのにインスリンが多く出ている場合は、バランスがおかしいと考えます。(=反応型低血糖症)※下記参照

尚、溶血があると赤血球から漏出したプロテアーゼによってインスリンが分解されて、インスリン値が本来の値よりも低値になるので注意が必要です。

インスリンの分泌や効きが正常になり、血糖の変動が安定してくると、不定愁訴や睡眠状態、目覚めの感覚、頭痛、動悸、皮膚症状など、様々な自覚症状の改善が見られやすくなります。

また、インスリン以外の血液データからもインスリンの状態を予測することができます。インスリン抵抗性が改善し糖の代謝が改善してくると、HDLーCが低すぎた人はHDL-Cが上昇、中性脂肪が高すぎた人は中性脂肪が低下、というように、データの適正化が見られるようになります。また、脂肪肝に付随するGPTやγGTP値が高すぎた場合も、糖代謝の改善に伴って値の改善が見られるようになります。

中性脂肪や肝臓の数値が年々上がっていたり、HDL-Cが年々下がってきていたりする場合、糖の代謝が乱れてきているのかもしれないと考えられます。

※低血糖症のパターンについて

(低血糖症の基本的な内容はこちら

「低血糖症」にはいくつかのパターンがあります。いずれの場合も、インスリンの分泌に問題があるのですが、通常の検査では血糖値もHbA1cも異常値が出ないところがやっかいです。

それそれのパターンとその特徴は以下の通りです。

◆反応性低血糖症・・糖負荷後血糖値が急上昇し、急降下するタイプ。

食後にインスリンが出すぎるせいで、血糖値が下がりすぎてしまいます。40台ぐらいまで急降下してしまうこともあります。非常に甘いものが食べたくなったり、食後なのにお腹が空くと訴えたりする。このタイプは若い人に多いと言われています。

◆無反応性低血糖症・・糖摂取後も血糖値が全然上がらない(変動が10程度)

血糖値の変化がない代わりに、インスリンが乱高下するタイプ。このタイプも若い人に多く、慢性疲労や抑うつ、朝起きられないなどの症状が出やすくなります。

◆乱高下型低血糖症・・血糖値が上がったり下がったりを繰り返す。

血糖値が安定せず、一日のうちで乱高下を繰り返します。

 

~糖尿病や低血糖症を防ぐ食事については、こちらをチェック!~

血液検査の「血糖値」・「ヘモグロビンA1c」からわかることと、「低血糖症」について。

血糖値やヘモグロビンA1cとは何か、そしてそれらが高過ぎるとなぜ良くないのか、さらに、血糖値が下がりすぎる「低血糖症」とその対処法についてわかりやすく説明します。

血糖値とは?

血糖値(blood sugar=BS)とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことです。血液1㎗(100mg)中、何mgのブドウ糖が含まれているかを数字で示していますので、単位はmg/㎗となります。

糖尿病は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが膵臓から十分に出ない、またはインスリンが十分に働かないために、血糖が高くなってしまう病気です。

高血糖の状態が何年間も続くと、血管が傷つき、心臓病や失明、腎症、足の壊疽などといった重い合併症引き起こす、非常に怖い病気です。

一般的に言われている血糖値とヘモグロビンA1cの正常値は以下の通りです。
空腹時血糖110mg/dl未満
75g糖負荷2時間後血糖値140未満
ヘモグロビンA1c6.2(NGSP)未満

 

そして、糖尿病の診断基準は以下の通りです。

空腹時血糖(fasting blood sugar=FBS)126mg/dl以上
75g糖負荷試験2時間後血糖が200以上
または、随時血糖200以上
ヘモグロビンA1cが6.5以上

糖尿病患者の場合、空腹でも血糖値が200を超えることもあり、食後には軽く300を超えてしまうこともあります。ヘモグロビンA1cは、9%を超えると、合併症への危険が急激に上がると言われています。

血糖値が正常値と糖尿病と診断される値の間にある場合は、「境界型」と呼ばれます。

栄養療法では、糖尿病の診断だけでなく、血糖値の変動をとても重視しています。なぜならば、食後血糖が高ければ高いほど血管にダメージが加わり、動脈硬化が進むということがわかっているからです。糖尿病の合併症を予防するためには食後の血糖を上げないようにすることがとても大切です。

ヘモグロビンA1cとは?

ヘモグロビンA1c(HbA1c)とは、ヘモグロビンにブドウ糖が結合した割合を見る検査です。血糖値が高ければ高いほど増加しますが、血糖値と違って過去1~2か月の血糖の平均を反映します。血糖値は検査直前に節食すると低下しますが、ヘモグロビンA1cは一時的に食事を変えただけでは変化しないので、血糖コントロールの良い指標になります。ただし、あくまでも平均値なので、食後高血糖を反映せず、血糖の変動を知ることはできません。(グリコアルブミンの方が血糖の変動を知るより良い指標となります)

ヘモグロビンA1の「基準値」は4.3~5.8%となっていますが、後に述べる通り、低すぎることも問題で、だいたい4.8~5%ぐらいまでが理想的な値です。6%を超えるようだと糖尿病特有の合併症が起こるリスクが高まると言われています。

尚、ヘモグロビンA1cはアルコール多飲、大量のビタミンC、高ビリルビン血症、再生不良性貧血、尿毒症などで高値を示すこともあります。
逆に、赤血球の寿命が短くなるような溶血亢進、鉄欠乏性貧血、また、肝硬変、出血後、妊娠などによって低値になることがあります。

血糖値やヘモグロビンA1cが基準値でも、注意が必要な場合とは?

糖尿病の初期段階では自覚症状がほとんどなく、気が付かないうちに徐々に糖の代謝異常が進行してしまいます。

健康であれば、血糖値は通常90~100ぐらいに保たれており、食後の血糖値の変動は多くともプラス50~60ぐらいの範囲におさまります。そしてその後、急激に血糖値が下がりすぎたりすることもなく、食事後2~3時間もすれば、血糖値は元に戻ります。
人によって食後の血糖値のピーク時間は異なり、60分の人もいれば、120分ぐらいの人もいます。

しかし、血糖値の調節がうまくいっていない人の場合、気が付かないうちに食後の高血糖が起こり、その反動で今度は血糖値が下がりすぎる、という、血糖値の乱高下が起こるようになります。

血液検査で血糖値やHbA1cが正常でも、糖尿病の前段階として、食後の高血糖や、血糖値を適切な状態に維持できない「低血糖症」が起こっている場合があります。通常の空腹時血糖やHbA1c、糖負荷後2時間後の検査だけでは、血糖コントロールの状態を十分に把握できず、血糖コントロール不良を見逃してしまうことがあるのです。

 

 

低血糖症とは?

血糖値は、通常は上がりすぎたり下がりすぎたりしないように、体内のホルモンの働きによって調節が行われています。その調節がうまくいかず血糖値が下がりすぎてしまうのが「低血糖症」です。

低血糖症にもいろいろなパターンがあります。食後高血糖の反動で血糖値が急降下する、または一日のうちで血糖値が下がりすぎてしまう時間がある、あるいは、血糖値の変動がない代わりにインスリンの分泌が乱高下しているというパターンもあります。どのパターンにも共通しているのは血糖値の調節がうまくできない状態になっているということです。

低血糖症があっても、多くの場合は健康診断で採血をした時には血糖値が基準範囲内に入っているので問題視されません。しかし、血糖値やインスリンの変動は、ホルモンや自律神経のバランスを乱し、精神状態にも大きな影響を与え、膵臓、副腎、肝臓などにも負担がかかるようになります。そして、慢性的な疲労感、憂うつ感、イライラ、頭痛、情緒不安定、PMSなど、人によって様々な不定愁訴が起こるのです。また、交感神経が優位な状態になり、アドレナリン・ノルアドレナリン(興奮性のホルモン)が分泌されることから、リラックスできない、動悸、不眠、冷え、手足の震えなどの症状が起こるようになります。中には、「耳に膜が張る感じ」を訴える人もいます。

 

血糖値を丁度良い値に保つためには、副腎が元気であることが必須です。副腎から分泌されるホルモンが糖新生(体内で糖以外のものから糖を作ること。)を促進し、血糖値を上昇させる働きを持っているからです。そのため、低血糖症の背景には、「副腎疲労」が関係していることが多く見られます。

空腹時の血糖値が低めな人は、副腎機能が低下気味で普段から血糖値を充分に保つことができていなかったり、食後に血糖値の乱高下が起きている可能性が高いと考えられます。

目安としては、空腹時血糖が80~85以下、ヘモグロビンA1cだと4.6を切るぐらいだと、低血糖症の可能性があるかもしれません。ただし、HbA1cはあくまでも平均値ですので、低血糖があっても食後の高血糖があれば、平均をとって丁度よい値(5ぐらい)となってしまう場合もあります。

上に挙げた不定愁訴の他にも、食後に異常に眠くなったり、甘いものが無性に食べたくなる、よく眠れない、いつもなんとなく具合が悪い、朝の寝起きが悪く目覚めたときから疲れている、などといった症状がある場合は要注意です。逆に、安定した血糖値は、睡眠や、多くの自律神経が関係する症状を改善させます。

 

 

低血糖症を改善する食事

低血糖症を治す薬は存在しません。低血糖症の背景には、副腎疲労や腸内環境の悪化、自律神経バランスの崩れなど、様々な要素が絡んでいるのですが、まず手っ取り早くできることは、血糖値を安定させる食生活を心がけるということです。以下に食事のポイントを挙げます。尚、これらの食事は血糖値を安定させるための食事なので、糖尿病対策としてももちろん有効です。

①血糖値を上げやすい食べ物を減らす・炭水化物だけの食事は避ける

砂糖やブドウ糖果糖液糖、パンや白米は血糖値を急激に上げ、その反動で血糖値を急降下させやすい食品です。甘いものをやめることと、主食(パンやごはん)を減らしておかずを中心にした食事にする、ということを心がけましょう。玄米や全粒粉のパンには食物繊維が多く含まれ、低血糖を起こしにくい炭水化物です。ただし、胃腸の弱い人は消化がしづらい場合もあるので、胃腸の様子を見ながら取り入れていくと良いでしょう。

②間食にも注意

間食の内容も気を付けましょう。「私は甘いものは食べていません!」という方の食生活をよくよく聞いてみると、実はおせんべいが大好きだったりすることがあります。おせんべいは甘くはありませんが、ガッツリ糖質メインの食べ物です。一見身体に良さそうな野菜ジュースや果物ジュースも、糖分が多く血糖値をもろに上げてしまいます。甘いものやおせんべい、ジュースなどといった糖質メインのものを避け、大豆製品や卵、小魚、ナッツ類など、必ずたんぱく質を含むものを取り入れるようにしましょう。消化力が弱い方は、和風だしやボーンブロスなどのスープでたんぱく質を補うのもとてもおススメです。

③食べる順番

たんぱく質や食物繊維を食べてから糖質を摂ると、血糖値の急上昇を抑えることができます。食事の際は、まずは肉や魚、卵などのおかずを食べ、あわせて野菜料理もたっぷり食べてから、ごはん類を食べるようにしましょう。

⓸食事を抜かない

食事と食事の間隔が長いと低血糖症状を起こしやすく、さらに空腹で食事を摂れば一気に血糖値が上がりやすくなってしまうので、食事を抜くことは避けなければなりません。適度な間隔で食事を摂ることで、血糖値が下がりすぎるのを防ぎ、血糖値を上げるホルモンの異常な分泌も防ぐことができます。朝食を食べることも大切です。血糖値の変動には個人差がありますが、低血糖の症状が出やすい人は、だいたい食後3~4時間ぐらいで何かを食べると良いと言われています。また、低血糖が出やすいのは特に夕方の4時ぐらいですので、昼食から夕食の間には必ず間食を摂るようにします。ただし、②でも説明した通り、間食の内容にも注意します。

⑤調味料に注意

和食はヘルシーなイメージが強いですが、調理法によっては砂糖を多く使う料理もあります。特に、お店で売られているお惣菜には意外と砂糖が多く使われていたり、加工食品には味を良くするために砂糖やブドウ糖果糖液糖がたっぷり入っているものが多いです。あまり神経質になりすぎるのもストレスがたまって良くないのですが、なるべくシンプルな味付けの料理を選ぶことを心がけましょう。

⑥カフェインをやめる

低血糖症の人は、エネルギーをうまく作ることができないので疲れやすく、テンションが低い人が多いです。または、外では身体が頑張ってアドレナリンを出しまくっていて一時的にハイテンションになっていて元気に見えるけれど、家に帰ったらぐったりというケースもあります。このようなケースの場合、カフェインなどに依存することで、無理をして元気を出している人もいます。カフェインは直接副腎を刺激することでアドレナリンを出します。つまり、ただでさえ血糖コントロールが悪く副腎が酷使されているのに、さらに副腎にムチを打って無理してアドレナリンを出してがんばって血糖値を上げているので、ますます副腎が疲れてしまうという悪循環が起こります。コーヒーや栄養ドリンクがないと元気が出ない!という方は、要注意です。紅茶や緑茶にもカフェインが含まれますので、一日に何杯も飲むという方は、量を控えるようにしましょう。尚、お茶はお湯で出すよりも水出しの方がカフェインが少ないお茶になります。

 

 

 

 

あなたも不足している?マグネシウムの上手な摂取方法

前回のブログでは、マグネシウムの働きや、片頭痛とマグネシウムの関係、マグネシウム不足の原因などについてお伝えしました。

マグネシウムは、現代人は誰でも不足しやすいミネラルなのですが、特に、頭痛や肩こりで悩んでいる方や、まぶたがピクピクする方、足がつりやすい方、疲れがたまっている方、ストレスが多い方、食生活が乱れている方などは、マグネシウム不足に陥っている可能性大です!

血液検査のALPが低いという方も、亜鉛と共にマグネシウムが不足している可能性があります。

マグネシウムは、サプリメントなどで一度にたくさん摂ろうと思っても、一気にたくさん吸収することはできずに便として排泄されてしまいますので、日ごろからこまめに少しずつ摂取することを心がけることが大切です。

そこで、マグネシウム不足にならないようにするためのポイントをいくつかまとめました。

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栄養学とは、曖昧な学問である?!

栄養は、人によっては毒になる?!

 

「○○が身体に良い!」「○○を食べれば痩せる!」などと聞いて、ついついたくさんその食品を食べ過ぎてしまったという経験がある方もいらっしゃるかと思います。

たまたまその食べ方が、自分の体調や体質に合っていれば良いのですが、
その逆だった場合は、せっかく健康のために実施した方法が、かえって体調を崩す原因となってしまうことにもなりかねません。

それでも、一時のマイブームに終わり、長続きしなければ、害も少なくて済むということもあるかもしれませんが、、。

ローマの治療家・哲学者・詩人としても知られるルクレティウスは、2000年以上も前に、「栄養は人によっては毒になる」と、簡潔に述べています。

 

例えば、、

生のブロッコリー、芽キャベツ、カリフラワー、ケール、からし菜、クレソンなどには、「チオシアン酸」という物質が含まれています。

「チオシアン酸」は、化学式HNCSで表される化学物質です。
甲状腺腫誘発物質の一種で、甲状腺ホルモンの生産を抑制する働きがあるため、甲状腺機能低下症と診断されている人などは特に、これらの食品の食べ過ぎには注意が必要であると言われています。

ただし、チオシアン酸は加熱すると、甲状腺抑制の働きを不活性化することができます。

また、ヨードには、チオシアン酸の働きを抑える働きがあります。

従って、もしも甲状腺機能に心配のある方や、チオシアン酸が豊富に含まれる食品を頻繁に使う場合は、加熱調理するか、ヨードを多く含む昆布などを一緒に食べると良いと言われています。

 

例に挙げたチオシアン酸に限らず、身体に良いからといっても、なんでも食べ過ぎれば、「過ぎたるはおよばざるがごとし」ということになるし、人の個性を無視して栄養について考えれば、害になることもあるということなのですね。

 

栄養学の「あいまいさ」について

「栄養学」というと、カロリー計算をしたり、栄養所要量を調べたり、「1+1=2」的な、どちらかというとはっきりした答えのある学問であるという印象を持っている方も多いかもしれません。

しかし、実際には、なかなかそうはいかないものです。

例えば、年齢が〇歳で、体重が○○㎏で、生活活動強度がこれぐらいなら、これだけのカロリーを摂って、栄養素の内訳はこれで、この症状がある時にはこれを食べて、、という「公式」に従えば、みんながみんな痩せたり、体調が改善されたりすれば良いのですが、人間の体はそう簡単にはできていないのです。

なぜなら、人によって栄養素の消化吸収・代謝のされ方も異なるし、個々の今の状態を作った背景には、さまざまに異なる生育環境や生活環境があり、何よりも、人の身体は、機械仕掛けの物質として存在しているわけではなく、想像以上に大きく「心」の影響を受けながら生きているからです。
だから、はっきりとした答えが出ない方が、むしろ当たり前なのかもしれません。

 

その一方で、人の普遍的な欲求として、「身の安全」や「社会的に認められる」といった、基本的な欲求と並んで人間が持っているのが、「明確さへの欲求」であると言われています。

 

リーダーシップとマネジメントについて書かれた名著、
最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと/日本経済新聞社

この本には、次のように書かれています。

「人は未知のものを恐れる性質を持っている。

不安を自信に変えるいちばんの手段は、なんといっても明確さである。」

 

未知のものや不安=現在&将来の健康

と考えると、「○○ダイエット」や「○○健康法」などといった、非常に明確でわかりやすい理論が流行る理由にもうなずけます。

最近では、健康情報が溢れすぎていて、そのような情報を見聞きしてもすぐに鵜呑みにせずに、「また出た-!それ、本当に効くの?!」などと、疑いの目を持っている方も多いとは思いますが、その一方で、心のどこかでは、「○○」を食べたり、実行したりすれば、痩せたり健康を維持できる、という、明確なものを求めているのではないかと思います。

だからこそ、「○○を食べなさい!」とか、「○○はやめなさい」といった、明確な主張をしているものが受け入れられやすいし、流行になったりするわけです。

もちろん、そのような「明確さ」が、時には役に立つこともあります。

しかしその一方で、人間の身体や栄養学に関する答えは、そんな風に簡単に、明確な答えが出ないことも多いということを忘れてはいけないと思います。

そのような曖昧さに対して、「いや、この方が正しい」とか、「これは絶対に間違っている」といって議論することが重要なのではなくて、「栄養学では、あいまいなことも多いのだ」と割り切って捉えながらも、自分なりの答えを出し、自分にとって必要なことを伝えていく力を身につけていくことが大切なのではないかと思います。

そのために、必要な知識を持つことはもちろん、人間を単なる「物質」として捉えるのではなく、ホリスティックな視点で、食べ物や人間の身体について捉えていきたいと考えています。

コエンザイムQ10は、美容や老化防止に役立つ?!コレステロール低下薬による弊害とは?!

今日は、美容や老化防止にも役立つと言われているコエンザイムQ10の働きや、コレステロール低下薬による影響などについて説明します。

コエンザイムQ10とは?

「コエンザイムQ10」は補酵素の一つです。細胞内のミトコンドリアにたくさん含まれ、細胞のエネルギー源となります。ミトコンドリアとは、生命の維持や活動に必要なエネルギーを作り出す「工場」のような細胞小器官です。

コエンザイムQ10は、もともと心臓病の薬として使われていた成分でしたが、アメリカやオーストラリアのオリンピック選手などが心肺機能を高めるためにコエンザイムQ10を使っているということが知られるようになり、サプリメントとして爆発的な人気を得るようになりました。

コエンザイムQ10の働きとは?

①エネルギーを生み出す

エネルギー産生の補酵素として必要なので、生きていくために不可欠な成分です。

②心肺機能を高める

心臓のエネルギー源となり、心臓のポンプ機能を元気にすることで、血流をスムーズにします。

③抗酸化作用

「活性酸素」による細胞膜の酸化は、老化を早めたり、様々な病気の原因となります。コエンザイムQ10は、エネルギーの代謝時に発生する活性酸素を除去する抗酸化物質としても重要な役割を持ちます。

④歯周病を改善させる

歯周病のある人の歯肉中のCoQ10は低下していることがわかっており、サプリメント補給をすることで歯周病が改善したという報告もあります。

⑤美肌に役立つ
コエンザイムQ10dは、美白効果やしわを取る効果も期待できると言われています。

その他にも、コエンザイムQ10が不足すると、動悸や息切れ、疲れやすさ、冷え、免疫力低下、痩せにくい、などといった症状を引き起こしやすいと言われています。

コエンザイムQ10は、老化と共に減ってくる?!

コエンザイムQ10は体内で合成することができるのですが、その合成量20歳をピークに加齢とともに減っていまい、体内濃度が下がってくることがわかっています。ですが、サプリメントでコエンザイムQ10を補給して細胞を元気にしてあげることで、心不全や虚血性心疾患が改善したという報告が多数あります。

通常の食物からCoQ10を摂れる量は1日10㎎程度なのですが、健康維持のためには100㎎以上(CoQ10の含有量が多いイワシでも20匹以上!)必要であると言われています。そのため、積極的にCoQ10の効果を実感したい場合は、サプリメント摂取が有効であると考えられます。また、胆汁酸産生力が低いと、脂溶性栄養素の吸収が悪く、CoQ10 や脂溶性ビタミンの吸収も悪くなって不足しやすくなってしまうため注意が必要です。

 

コエンザイムQ10サプリを摂るコツ

①抗酸化ビタミンと共に摂る

コエンザイムQ10 をサプリメントで摂ることは、スポーツにより大量に発生した活性酸素を取り除きたい時や、持久力を高めパフォーマンスを維持したい時にも有効であると言われています。抗酸化のためには、ビタミンCやビタミンEとともにコエンザイムQ10を摂ることが効果的です。

②食後に摂る

コエンザイムQ10は脂溶性なので、食後に2~3回にわけてこまめに摂ると良いでしょう。エネルギー産生を高めるためにビタミンB群と一緒に摂ると良いという点から見ても、食後に摂ることが有効であると言えます。

③体内で利用されやすい形で摂る

コエンザイムQ10には「還元型」と「酸化型」がありますが、体内で作られるコエンザイムQ10 は「還元型」。酸化型の場合の形で摂った場合、加齢やストレス、体力低下などで還元型に変換する能力が落ちてしまうので、還元型で摂った方が、体内で利用されやすいと言われています。

コレステロール低下薬に注意

コエンザイムQ10の体内での生合成は、「メバロン酸」という原料を使って行われます。この「メバロン酸」は、コレステロールを合成する時の原料にもなります。

血中コレステロール低下剤として有名な「スタチン」には、メバロン酸を産生する酵素活性を阻害して、コレステロールを低下させる働きがあり、それと同時にコエンザイムQ10も低下させてしまうのです。実際に、スタチンの投薬によって、血中のコエンザイムQ10濃度が著しく減少したという報告がなされています。

また、偏頭痛の薬や血圧降下薬の中にも、スタチンと同じように、コエンザイムQ10の合成を阻害するものもあります。

コエンザイムQ10が不足すれば、ミトコンドリア機能が低下し、起立性調節障害や慢性疲労、さらに、全身の細胞機能が低下してきます。

コレステロール低下薬や血圧降下薬を飲むことは、貴重なコエンザイムQ10 の合成を阻害してしまうことになるので、安易に薬を飲むべきではないということですね。

栄養療法を専門とするクリニックでは、どうしてもコレステロール低下剤を飲まなければならないような場合には、CoQ10をサプリで補うことが薦められることが多いようです。(薬を服用中でサプリメントを飲む場合は、必ず医師や薬剤師に相談しましょう)

 

片頭痛を引き起こしすい食べ物とは?

今日は、片頭痛を引き起こしやすい食べ物についてです。

片頭痛は、体質や生活習慣など様々な要素が原因となって起こっていると考えられるので、そのような根本原因を取り除いて片頭痛を起こしにくい身体を作っていくことが大切なのですが、つらい症状を少しでも起こさないようにするために、片頭痛を起こしやすい食べ物について知っておきましょう。 “片頭痛を引き起こしすい食べ物とは?” の続きを読む

頭痛を治すためには、首こりを治すと良い理由とは

慢性頭痛の9割は、「首こり」が原因?!

 

いつも頭痛薬が手放せない、何をやっても頭痛が消えない、頭痛のせいでやる気が出ない、、

頭痛って、本当に辛いですよね。

日本ではおよそ3000万人の人が、慢性的な頭痛で悩まされていると言われています。ざっと計算して3人に1人と考えると、ものすごい数字です。最近では子どもでも頭痛を訴える子が増えていると言われています。

脳神経外科医の青山尚樹先生によると、慢性的な頭痛に悩んでいる人を日々診ているうちに、ある共通点に気が付いたと言います。 “頭痛を治すためには、首こりを治すと良い理由とは” の続きを読む

このままじゃだめだ!と思っているあなたへ

今の生き方に満足していますか?

 

突然ですが、あなたは今、自分の生き方に満足していますか?

身体の不調がある場合、私たちは何が原因なのだろうか、と考えますよね。ストレスのせい?生活習慣?食生活?腸内環境?運動不足??

そして、忘れてはならないのが、心の問題です。 “このままじゃだめだ!と思っているあなたへ” の続きを読む

80歳を超えてもフサフサの黒髪を保つ、ホンヤオ族に伝わる米のとぎ汁洗髪法とは?!

 

フジテレビの「元気な国に学べ!世界のマル秘健康法」を観ていたら、髪の毛をふさふさに保つ驚きの健康法を紹介していました。中国の「ホンヤオ村」という村にすむ女性たちは、みんな美しいつやつやの黒髪で、なんど80歳を超えた女性でも髪の毛が真っ黒で、しかもみんなふっさふさ!!

高齢になってもあんなに綺麗な髪の毛を保っている彼女たちの生活にはどんな秘密があるのでしょうか?! “80歳を超えてもフサフサの黒髪を保つ、ホンヤオ族に伝わる米のとぎ汁洗髪法とは?!” の続きを読む

アミノ酸サプリを摂る目的とは

お肉は身体に悪いの?良いの??

 

皆さんは、「動物性食品は身体に悪いので、なるべく控えましょう」というフレーズを耳にしたことがあるかと思います。

その一方で、「たんぱく質は大事なので、たんぱく質を効率よく摂ることのできるお肉をしっかりと食べましょう」というフレーズを耳にしたことがある方も多いと思います。

この二つの意見は、どちらも正しいと言える反面、必ずしもそうとは言い切れないという側面もあります。

そこで今回は、動物性食品の良し悪しについて、白黒ハッキリするのではなく、「消化」という観点からたんぱく質について考えてみたいと思います。 “アミノ酸サプリを摂る目的とは” の続きを読む

眠れない原因は、腸だった?!

快適な睡眠のためには、「セロトニン」と「メラトニン」が重要

 

私たちの脳内では、「神経伝達物質」が働くことによって、精神状態や、いわゆる「気分」がつくられています。

数ある神経伝達物質の中でも、「アドレナリン」や「ドーパミン」、「セロトニン」といった言葉は、皆さんもよく耳にしたことのあるものだと思います。

 

「アドレナリン」の前駆体は「ノルアドレナリン」と呼ばれる物質で、アドレナリンと共に、生存本能(闘争または逃避)を司り、交感神経系を刺激し、心身を覚醒させる働きを持ちます。
ドーパミンやノルアドレナリンなどは、もちろん生きていくうえで必要なものなのですが、これらが暴走すると、様々な悪影響が出てきます。ドーパミンが過剰になると多動の原因になったりするし、ノルアドレナリンが過剰になれば、怒りや不安、恐怖感などを過度に引き起こします。

 

一方、「セロトニン」は、ノルアドレナリンやドーパミンの分泌をコントロールして、心のバランスを整えてくれる作用を持っています。
そのため、セロトニンが不足すると、精神状態が不安定になり、幸福感が感じられにくくなることでも知られています。また、平滑筋の収縮をスムーズにして心臓発作を予防する働きも持っています。

さらに、セロトニンは心を落ち着けてくれるだけでなく、睡眠との深い関りがあります。なぜなら、セロトニンは、「眠りのホルモン」であるメラトニンの材料となるからです。自然な生活サイクルの維持と睡眠のために欠かせないホルモンです。
セロトニンが不足するとメラトニンがうまく生成できなくなり、不眠症などを引きおこす原因となります。

 

メラトニンをしっかり分泌させるにはどうしたら良いの??

 

快適な睡眠のために欠かせないメラトニンをしっかり分泌させるには、どうしたらよいのでしょうか。

①日中に太陽の光を充分浴びる

メラトニンは夜間に分泌されるのに対して、セロトニンは日中にたくさん分泌されます。日中しっかりと太陽の光を浴びることで、セロトニンの分泌量が増加し、それが夜のメラトニン分泌につながるということが分かっています

 

②トリプトファンの摂取

 

セロトニンの材料になるのは、必須アミノ酸の一つであるトリプトファンです。

脳内のセロトニンは、トリプトファンが脳内で変換されて作られます。トリプトファンは、肉や魚、大豆製品や卵、ナッツ類、バナナなどにも豊富に含まれます。

(ただし、脳内のセロトニンを増やすために、トリプトファンが入っているアミノ酸サプリメントをたくさん摂れば良いのか?というと、どうやらそんなに単純な話でもないようです。→詳しくはこちら。)

 

 

③腸内環境の改善

食事の内容はもちろん大切ですが、それ以前に、胃腸の状態が悪くて十分な消化吸収ができていない状況である場合にも、セロトニンの材料であるトリプトファンが不足してしまうことがあります。

さらに、トリプトファンをセロトニンに変換するためにはビタミンB6などの栄養素が欠かせません。ビタミンB6は、食事から摂取して供給されるだけでなく、腸内でも作られますので、腸内環境が悪いとうまくビタミンB6が作られず、不足してしまうことがあります。

例えば、血液検査のASTが10前半、ALTが一桁だったりする場合、かなりのビタミンB6の不足が疑われると言われていますが、それだけビタミンB6が不足すれば、「眠れない」、「楽しいことがない」(うつ状態)、などといった症状や悩みが出やすくなってきます。

(血液検査データでは一見問題がないように見えても、実はビタミンB6不足というパターンも多々あるので、注意が必要です)

 

また、セロトニンがメラトニンになるには、ビタミンB12やマグネシウムといった栄養素が欠かせません。これらの栄養素を消化吸収できるかどうかも、やはり腸内環境が大きくかかわっています。

ちなみに、腸内では「腸内セロトニン」が作られますが、腸内セロトニンは血液脳関門を通過できないため、脳内セロトニンとは別のものではありますが、腸内セロトニンの量と脳内セロトニンの量は相関すると言われているようです。

 

つまり、なかなか寝付けない、よく眠れない、といった睡眠に関する悩みの原因は、実は腸内環境が悪いせいだったりするわけです。

 

睡眠と腸なんて、一見関係なさそうに見えることでも、大いに関係あり!なのですね!!

やはり、腸内環境って、大事です!!!

 

トリプトファン不足の原因は、たんぱく質の摂りすぎ?!の不思議

トリプトファンとは

 

トリプトファンは、たんぱく質を豊富に含む食品に多く含まれている、必須アミノ酸の一つです。

 

トリプトファンは、神経伝達物質であるセロトニンや睡眠ホルモンのメラトニンに変換されます。また、トリプトファンからはナイアシン(ビタミンB3)も生合成されます。

うつや不眠と関係するセロトニンやメラトニンの原料となることから、「うつ予防にはトリプトファン」「よく眠れないときにはトリプトファン」ともよく言われています。

 

 

ムサシの「クアン」にトリプトファンが含まれていない理由

 

アミノ酸サプリで有名な「MUSASHI」の主力商品の「クアン」。

ヘルスメンテナンスやパワーアップ目的で摂取することを目的としたアミノ酸サプリメントということで、

「筋肉の成長に役立つ11種類のアミノ酸がバランスよく配合されています。」

とあります。

 

商品詳細

主成分
L-リジン、L-ロイシン、L-ヒスチジン、L-アルギニン、L-イソロイシン、グリシン、L-バリン、L-チロシン、L-トレオニン、L-フェニルアラニン、L-メチオニン

 

何かお気づきではないでしょうか。

 

そう、必須アミノ酸のうち、トリプトファンだけ含まれていません。

 

私は数年前にこの「クアン」を飲んでいて、ふと成分表を見てこのことに気づき、気になってお客様相談室に電話して聞いてみたことがありました。

 

担当の方の回答は、「トリプトファンは脳血液関門を通過する時に他のアミノ酸と競合してしまうので入れていない」というものでした。

 

私はその当時は、それを聞いても「へっ??? どゆこと?!」という感じだったのですが、よくよく調べてみると、なるほど~!という答えが見えてきました。

 特に参考になったのが、ジョナサンライト著「新・栄養療法」という本です。

 

うつ病治療とトリプトファンについて

 

「新・栄養療法」を元に、トリプトファンの効能とうつ病との関係を以下にまとめてみました。

①トリプトファンはうつ治療に効果がある

トリプトファンには、よく眠れるようにしたり、うつを軽くしたりする作用がある。この方法はうつの治療に広く用いられており、一般的に処方されている抗うつ剤と同等の効き目が得られる上に、薬と違って比較的無害で、短期的使用でも長期的使用でも、服用を急にやめても心配はないと言われている。しかし、そうした働きをするためには、十分な量のトリプトファンが脳の組織中に存在する必要がある。

②高たんぱく食によってうつが悪化する人は、脳内のトリプトファンが足りていない可能性がある

うつや不眠症に悩まされていて、高たんぱく食を始めてから悪化した人の場合、普通の人に比べてトリプトファンの代謝に問題がある体質である可能性が考えられる。このような体質の人の場合、高たんぱく食によって脳内に送られるトリプトファンの量が減少し、さらに症状が悪化することがある。

トリプトファンには、他のアミノ酸と競合して脳内に入りにくくなるという性質がある

トリプトファンは、他のアミノ酸(チロシン・フェニルアラニン・イソロイシン・ロイシン・バリンなど)と同じルートから脳内に吸収される。

トリプトファンはほかのアミノ酸に比べて、ほとんどのたんぱく質食品に比較的少量しか含まれていないアミノ酸である。

従って、高蛋白食品を食べた場合には、トリプトファンの血中値は高まるが、それ以外のアミノ酸の数値も一斉に高まることになり、トリプトファンが脳内に取り込まれにくくなってしまう。

トリプトファンを効率よく脳内に吸収させるためには炭水化物が必要!

ジョナサンライト氏の臨床経験によると、トリプトファンのサプリメントは炭水化物と一緒に摂り、高蛋白食品はその前後1時間半ずつの間は摂らない方が、トリプトファンの効果が表れやすいとのことです。また、ナイアシンアミドがトリプトファンの分解を妨げる働きを持つことから、トリプトファンが脳内に吸収される前に分解されるのを防ぐために、トリプトファンをナイアシンアミドと一緒に摂ると良いことを指摘しています。

トリプトファンを炭水化物と一緒に摂った方が良い理由は、炭水化物を摂取したときに分泌されるインスリンには、脳内にトリプトファンを取り込みやすくする作用があるからです。

炭水化物を摂取すると、血糖値が上がりますよね。すると、その血糖値を下げるために、膵臓からインスリンが分泌され、血中のインスリンの濃度が上がります。インスリンには、トリプトファンと競合するアミノ酸であるBCAAが骨格筋に取り込まれるのを促進する作用があるので、トリプトファンが効率的に脳内に入りやすくなるというわけです。

従って、トリプトファンを脳内に効率よく吸収させるためには、たんぱく質と一緒に適度な炭水化物も摂った方が良いということです。

人間はなぜ、ビタミンC合成能を失ったのか?!

 

ビタミンCは、1900年代初めに、壊血病の予防因子としてオレンジ果汁から抽出され発見された物質です。

化学名は「アスコルビン酸」と呼ばれます。

 

ビタミンCの役割

ここで、ビタミンCの重要な役割をいくつか挙げてみましょう。

コラーゲン生成に欠かせない

ビタミンCはコラーゲンを生成する際に欠かせません。コラーゲンとは、細胞と細胞をノリのような役割をするタンパク質で、身体のほとんどすべての組織を組織を形成するために必要とされます。皮膚や骨の健康のためにも不可欠なものとして知られていますよね。ビタミンCが不足するとコラーゲンが進まず、毛細血管が脆くなる、歯茎から出血しやすくなる、傷の治りが遅くなる、骨や血管、臓器が弱くなる、神経症状など、壊血病の症状が出ます。

強力な抗酸化作用

ビタミンCには抗酸化作用があるため、細胞が酸化することによる障害を防ぎ、加齢によるガンや、心臓疾患を防ぐ、などといった働きがあります。尚、ビタミンEはビタミンCと併用することで効率的に抗酸化作用を発揮することができます。

 

免疫力を高める

ビタミンCは免疫を刺激し、白血球の働きを助け、細菌やウイルスを抑える力を高めてくれます。白血球には、血中に含まれるビタミンCの80倍のビタミンCが含まれていると言われており、病気にかかったときやストレス時には、さらにビタミンCの必要量が上がることがわかっています。

 

抗ストレス作用
副腎には、血中濃度の150倍のビタミンCが存在すると言われています。ビタミンCは、副腎がコルチゾールなどのホルモンを産生するときの材料となるため、副腎は特にビタミンCを必要としている臓器なのです。また、ノルアドレナリンというホルモンを産生するためにも、ビタミンCが使われます。コルチゾールやノルアドレナリンは、ストレスに対抗するために分泌されるホルモンです。だから、ストレス時にはビタミンCの必要量が上がるのですね。

ガンや風邪に効力がある

1970年代、アメリカのライナスポーリング博士は、グラム単位のビタミンC摂取によって、風邪やガンなどに効力があるという報告をしました。ビタミンCは、欠乏症を予防するだけでなく、最適量を摂取することで、風邪を早く治す働きや、発がん物質を抑制する働きがあることがわかっています。ライナスポーリング博士は、分子栄養学の創始者でもあります。

腸管でのミネラルの吸収を良くする

鉄や銅、亜鉛、カルシウムなどのミネラルは、ビタミンCと一緒に摂ることで腸からの吸収率がアップします。

アミノ酸を代謝して神経伝達物質を作る

セロトニンやノルアドレナリンといった神経伝達物質を合成するときにも、ビタミンCが使われます。

トリプトファン(必須アミノ酸の一種)セロトニン

チロシン(必須アミノ酸フェニルアラニンから作られるアミノ酸)ノルアドレナリン

の反応の際にビタミンCが必要。)

甲状腺ホルモンを作るためにも必要

また、甲状腺ホルモンのチロキシンを作る際にも、ビタミンCは必要となります。チロキシンは、体内の代謝速度を調整するホルモンで、全身の細胞に影響を与えます。

 その他にも、LDLコレステロールの酸化抑制、カルニチン(アミノ酸)の合成促進、胆汁酸合成の促進、抗ヒスタミン作用、シミの予防などなど、実に様々な働きがあります。

 

ビタミンC欠乏は、人間の宿命?!

ヒト以外の多くの動物は、ビタミンCを合成することができる!

人が生きていくために不可欠なビタミンCですが、ヒトの体内ではビタミンCを合成することはできないので、食物などから摂取する必要があります。ところが、ヒト以外の多くの哺乳類たちは、ビタミンCを合成することができます。ビタミンCを体内で作ることができない動物は、モルモット、フルーツバット(果実食性コウモリ)、紅肛門鳴き鳥(熱帯産のヒヨドリ科の鳥)、そして、人間を含む霊長類と、ごくわずかであると言われています。

ビタミンCは、ぶどう糖を材料に、4種類の酵素の働きで作られます。人間の肝臓にも、ビタミンC合成に必要な酵素のうち、3種類までは揃っているのですが、最後のステップに必要な1種類(Lグロノラクトンオキシターゼという酵素)だけが欠けています。

栄養療法の世界的権威、ジョナサンライト医師によると、「血液中のビタミンC欠乏は、人類全体に共通した遺伝的障害である」としています。ビタミンCを合成することができる動物の場合、ストレス時にはビタミンC合成量が著しく増加することがわかっています。ガン物質を与えた実験でも、猛烈な勢いでビタミンCが合成されたと報告されています。

人類はなぜ、ビタミンC合成能を失ったのか?!

ビタミンC研究の第一人者であるライナスポーリング博士は、「人類がビタミンC合成能を失ったのは、脳を守るためだ」と言っていたのだそうです。

人間を始めとする霊長類は、社会生活に適応しながら進化する中で、脳容量が大きくなり、他の動物に比べて重量が重い。そのため、脳のエネルギー源となるブドウ糖糖の需要量も増えたわけです。

そこで、ビタミンCの材料は何だったか、思い出してみてください。そう、ブドウ糖がビタミンCの材料になるのですよね。もしも身体がビタミンCをたくさん必要としている時に、自分でビタミンCを合成する力があれば、ブドウ糖は激しく消費されることになります。

脳が大きい霊長類にとって、脳機能を維持するためにはブドウ糖が重要であるため、2500万年前の人類の遺伝子は、あえてビタミンC合成能を失うことで、ブドウ糖を温存するという道を選んだということでしょうか。また、果実など、ビタミンCを外から容易に摂取できる環境が整っていたという点も、ビタミンC合成能を失った一つの要因となっているのかもしれません。

壊血病と、ネイティブアメリカンの知恵

ビタミンCの欠乏症である壊血病は、古くから原因不明の奇病として恐れられてきました。壊血病の予防には柑橘類や野菜が有効であるということが知られるようになるまで、多くの人の命が壊血病によって失われました。日本では、一年を通して野菜が収穫できたことや、雪の多い地方では漬物を食べていたため、壊血病はあまり問題になることはなかったのだと考えられます。しかし、長期間にわたり航海を続けたり、作物を栽培する条件が厳しい地域に住んでいたヨーロッパの人々にとっては、大変な病気だったのです。

20世紀の初め頃、アメリカの歯科医であるプライス博士は、カナディアンロッキーの奥地に住んでいたネイティブアメリカン(インデアン)に出遭いました。彼らは冬になると、ビタミンCの摂取源となるような植物は育たない土地に住み、ほとんど野生の狩猟に頼って生きていたのですが、壊血病にかかることはなかったのだそうです。不思議に思ったプライス博士が彼らにその理由を尋ねると、彼らは

「ヘラジカや熊の副腎を食べて、病気を防いでいる」

と教えてくれたのだそうです。

ヘラジカや熊に限らず、私たち人間の身体の中で最もビタミンCが多く含まれる場所は副腎です。血中濃度を1とすると、脳には血中の20倍、白血球には80倍、副腎に至っては、上にも書いたように150倍ものビタミンCが存在すると言われています。ビタミンCがたくさん存在する場所には、それだけビタミンCの需要があるということです。副腎はストレスに対応するために「コルチゾール」と呼ばれる副腎皮質ホルモンを分泌しますが、この時に大量なビタミンCを必要とします。そのため、副腎にはたくさんのビタミンCが存在するというわけです。

ネイティブアメリカン達は何世紀にもわたって、動物の特定の内臓を食べるということを学び、経験的にビタミンCを摂取する術を知っていたのですね!!

 

ビタミンCの錠剤にビタミンB2とカルシウムが入っている理由はこちら

その他の栄養情報を調べたい方はこちら

血液データの読み方を調べたい方はこちら

 

 

 

上咽頭炎について

 

先日、第8期分子栄養学実践講座に参加してきました。

午前中の講義は、いとう耳鼻咽喉科 伊藤宏文先生による「Bスポット治療の実際」ということで、上咽頭の詳しい解剖や、慢性上咽頭炎とその治療法についての講義と、Bスポット治療の実演がありました。

 

上咽頭炎についての詳しい説明ははこちら

 

先日のブログで紹介した「病気が治る鼻うがい健康法」という本でも、上咽頭と自律神経の関係についての記述がありましたが、より詳しく説明をしていただき、とても興味深い内容でした。

“上咽頭炎について” の続きを読む

「病気が治る鼻うがい健康法」

 

鼻うがい健康法とは?

 

前回のブログを読んでいただいて、上咽頭炎が気になった方に、

 内科医の堀田修先生 著 「病気が治る鼻うがい健康法」

という本がお勧めです。

 

風邪のひき始めにつきものの、喉の痛み。

「喉の痛み」、というと、扁桃腺の炎症が引き起こしていると考える方も多いかもしれませんが、実際には、扁桃の炎症よりも、上咽頭の炎症が痛みを引き起こしている場合が多いそうです。そのため、風邪の予防のためには、一般的に行われている喉うがいよりも、鼻の奥の上咽頭の部分を洗浄できる「鼻うがい」の方が、実は数段効き目があるのだそうです。

  “「病気が治る鼻うがい健康法」” の続きを読む

もしかして、上咽頭炎かも?!6スポット治療を受けた感想

上咽頭炎とは

 

☑ 喉から風邪をひきやすい

☑ 後鼻漏が気になる(鼻水が喉の上の方に落ちてきて、痰が絡んだような感じになる)

☑ 朝起きたときに喉が痛くなりやすい

☑ 口呼吸

☑ 声がかれて話しにくい

上のような症状が一つでも当てはまる方は、もしかすると、慢性の上咽頭炎になっているかもしれません。

“もしかして、上咽頭炎かも?!6スポット治療を受けた感想” の続きを読む

ビタミンB群不足の原因を考える

 

足りない栄養素の見つけ方

 

最近、健康管理のためにサプリメントを利用する人が増えています。

 

分子栄養学をもとにした栄養療法でも、薬の代わりにサプリメントをうまく活用することで体調を改善する人が多くみられます。

 

でも、多すぎるサプリメントは、かえって肝臓に負担をかけてしまうこともあるし、ただやみくもにサプリメントを摂りまくれば良いわけではないですよね。

 

では、どのようにして足りない栄養素を見つければ良いのでしょうか。

  

分子栄養学では、血液検査データを栄養状態の指標の一つとして活用します。

 

具体的には、まずは、主訴や症状から、その方の状態を想像してから、主に以下の項目を読み取っていきます。

 

①たんぱく質が足りているか(タンパク代謝の低下)

②脂肪肝の有無

③鉄欠乏の有無(貧血チェック)

④ビタミンB群欠乏の有無

⑤血糖調節障害の有無

⑥亜鉛・銅バランス

⑦酸化ストレス負荷の有無

⑧抗酸化力

⑨交感神経の緊張状態

 

検査値が基準範囲内に入っていて、お医者様からは「問題ありません」と言われた場合でも、上記のような項目に着目してデータを読み取っていくと、実は色々と問題があることが判明することもあるのです。

 

例えば、病気ではないけれどなんとなく疲れやすいとか、朝起きられなくてつらいとか、眠れないとか、様々な不調にはやはり必ず何かしら原因があるので、それらを解決する糸口を見つけるためにも、血液データはかなり役立ちます。

 

 

ビタミンB群が不足する原因

 

では、もしも、例えばビタミンB群の不足が判明したら、どうしたら良いのでしょうか。

 

ビタミンB群が足りないなら、ビタミンBのサプリを飲めばOK!

と言いたいところですが、、、

 

単純にサプリメントだけで解決できるのかというと、必ずしもそうではないのです。

 

まず、ビタミンB群の不足があるときに一番注意したいのは、腸内環境の問題です

 

なぜなら、ビタミンは食事から摂るだけでなく、腸内でも作られているものも多いのですが、腸内環境が悪いとビタミンが十分に作られなくなってしまうからです。

 

また、胃の状態によって吸収率が大きく変ってしまうビタミンもあります。

それはビタミンB12。

ビタミンB12は、他のビタミンと異なり、たんぱく質と結合した構造をしているため、吸収のされ方がちょっと複雑です。ビタミンB12が吸収されるためには、胃酸と消化酵素(ペプシン)と内因子(内因子とは、胃壁細胞から分泌される糖たんぱくの一種)の3つがそろわないとダメなのです。従って、萎縮性胃炎などによって適切な塩酸や消化酵素、内因子の分泌が十分でなくなっている場合、ビタミンB12の吸収がうまく行われなくなってしまうというわけです。さらに、ビタミンB12は、リチウムなど、他のミネラルとの関係で不足することもあると言われています。

 

その他のビタミンB群の不足原因を考えると、

 

ビタミンB1不足・・糖質やアルコールの過剰摂取。(過剰な糖を代謝するためにビタミンB1が大量に使われてしまう)

 ビタミンB2不足・・脂質やアルコールの過剰摂取

ビタミンB3(ナイアシン)不足・・アルコールの飲みすぎ

ビタミンB6不足・・たんぱく質の過剰摂取、生まれつきの体質で慢性的な亜鉛とビタミンB6不足を起こす「ピロール障害」である

 

葉酸不足・・遺伝子異常

 

 

などといったことも考えられます。

 

 

もちろん、これらの原因や、個々の体質を考慮したうえで、サプリメントを上手に選んで活用していくことは、有効であると言えます。

 

でも、ビタミンB群に限らず、サプリメントを飲む前にアプローチできることって、結構たくさんあるので、不足原因を考えるのはとても大事!ということです。

分子栄養学について。

「分子栄養学」ってなに??

 

「分子栄養学」の考え方は、1960年代に、米国の化学者ライナス・ポーリング博士と、精神科医エイブラハム・ホッファー氏によって作られました。

正式には「分子整合栄養医学」(Ortho-Molecular Nutrition and Medicine)としてポーリング博士が名付けたものが、省略して「分子栄養学」と呼ばれています。ちなみにポーリング博士は、ノーベル化学賞・ノーベル平和賞と、二度のノーベル賞を受賞した天才化学者として知られているすごい方です。

 

従来の栄養学との違い

 

従来の栄養学は、「欠乏の栄養学」であると言われています。

ビタミンの摂取量では、ビタミン欠乏症にならない程度の量を摂ることが指導されます。

ビタミンは欠乏症を補うためのものなので、微量で十分、という考え方で、例えば、ビタミンCなら、壊血病にならない程度、ビタミンB1なら脚気にならない程度を摂れば良い、ということになります。

 

しかし、実際には、人それぞれ個人差があり、消化吸収力、ストレス状態、生活環境、年齢、病気など、様々な条件によって、必要とする栄養素量は大きく異なるはずです。

 

ポーリング博士は、栄養素の不足が病気を引き起こすので、それを十分補充することで、病態の改善が見込めるのではないかと提案しました。

 

分子栄養学と栄養療法

 

分子栄養学に基づいた栄養療法では、身体の中にある分子(栄養素)をその人にとって最適な濃度にまで到達させて、体内の組織(臓器)や細胞の分子構造を変化させたりすることで、身体の機能を向上させ病態を改善させる、という治療法が行われます。

例えば、栄養素の医学的効果を得るために、時には通常の数十倍~数百倍の量のビタミンを用いることもあります。

  

私は医者ではないので、「治療」という観点で栄養療法を行うことはもちろんできないわけですが、分子栄養学の知識を活用して今の体の状態を把握することで、身体の中でどんな栄養素が足りないのか、なぜその栄養素が足りなくなってしまったのかを知ることや、食事以外でも、ライフスタイルを改善したり、ストレスを軽減する方法を考えたり、アプローチできることはたくさんあります。

 

そんなわけで、私なりに、難しい言葉ではなく、誰にでもわかる言葉で、分子栄養学に関する情報もお伝えしていけたら良いなと思っています。