こむらがえりの予防法 食事編

☆目的別健康情報

筋肉がつる原因一つではなく、水分不足やミネラルバランスの乱れに加え、筋肉疲労や運動不足、血流の悪化などが重なり合って起こる考えられます。そこで、筋肉の「つり」を予防するための具体的な方法について解説します。

水分補給

筋肉のつりを予防するには、こまめな水分補給が大切です。夏場はもちろん、運動の前後と運動中、寝る前、朝起きたとき、入浴の前後などには意識的に水分補給をするようにしましょう。持病があって利尿剤などの薬を飲んでいる方や、コーヒーやお茶、アルコールなどには利尿作用があるので、普段からこれらをたくさん飲むという方も注意が必要です。

マグネシウムやカルシウムの補給

筋肉の伸張と収縮に不可欠なミネラルと言えば、マグネシウム・カルシウム・ナトリウム・カリウムです。その中でも特に現代人に不足しがちなのはマグネシウムです。マグネシウムには筋肉の収縮を調整する作用があり、不足すると筋肉がけいれんしやすくなったり、頭痛が起こりやすくなったりもします

高齢者の方、激しい運動をする方、また妊婦さんもミネラルが不足しやすいので注意が必要です。

マグネシウムはわかめなどの海藻類、納豆などの大豆製品、スルメイカ、小魚、種実類(ナッツ類やゴマなど)・緑黄野菜・バナナ・スルメイカなどに豊富に含まれます。大豆製品や緑黄色野菜や小魚、ゴマなどには筋肉の収縮や神経伝達に関わるカルシウムも豊富で〇です。(マグネシウムの効果的な摂取法はこちら

ビタミンDの補給

ビタミンDは小腸でのカルシウムの吸収を促進し、血中のカルシウム濃度を調節したり骨を丈夫に保つためにも役立ちます。ビタミンDを豊富に含む食材は、キノコ類、イワシ、サンマ、鮭、ウナギ、卵など。尚、ビタミンDは脂溶性なので、キノコ類などを食べるときは油と一緒に摂ることで吸収率を上げることができます。(ビタミンDについて詳しくはこちら

ビタミンB6の補給

ビタミンB6は神経伝達物質の合成に必要なので、不足すると筋肉がけいれんしたりつりやすくなります。ビタミンB6を多く含む食材は、魚・肉類・バナナなどです。

クエン酸の補給

登山家などの間では、梅干しは「こむら返りの薬」として重宝されてきたそうです。

クエン酸は筋肉の疲労回復に役立つと言われているだけでなく、ミネラルの吸収を助けるのに役立ってくれます。

クエン酸を豊富に含む食材といえば、酢、梅干し、レモン、キウイフルーツなどが挙げられます。

カリウムの補給

カリウムにも筋収縮を調整する働きがあり、筋肉のつりを予防するために積極的に摂りたいミネラルです。また、塩分を摂りすぎて過多になったナトリウムを体外に排出して血圧を下げる効果もあるので、高血圧が気になる方にとっても重要なミネラルです。

カリウムは果物や野菜、海藻、イモ類、豆類などに豊富に含まれます。カリウムは水溶性なので食材をそのまま生で摂ることや、加熱する場合は煮汁も一緒に摂ることで効率よく摂取できます。

手軽に食べられるバナナはカリウムと共にマグネシウムも豊富なので、朝食やスポーツ前後などに摂るのもおすすめです。

尚、腎機能が低下しているとカリウムを体外にうまく排泄できず高カリウム血症のリスクが高まるため、カリウムを制限とした食事療法が必要となる場合があります。

血流を改善する食材を摂る

青魚(イワシ・サバ・サンマなど)などの魚油や、亜麻仁油やエゴマ油などの植物油に豊富に含まれる脂は、ω3(オメガ3)脂肪酸と呼ばれます。ω3脂肪酸は、血流を改善させ、動脈硬化や血栓を防ぐ働きもあることがわかっています。脂の摂取源が肉やサラダ油(オメガ6脂肪酸)に偏りがちな方は特にそれらを減らし、魚や亜麻仁油などを積極的に摂るようにしましょう。

生姜に含まれる「ジンゲロール」と呼ばれる成分も血管を拡張し血流してくれます。生の玉ねぎに含まれる硫化アリルにも血流促進や血液凝固の抑制などの効果があります。

また、酢に含まれる酢酸は、継続して摂取することで血管を拡張して血流を良くする作用があると言われており、クエン酸も摂取できるので一石二鳥です。酢の物に使ったり、野菜の酢漬けを常備して日常的に摂るのがおすすめです。

タウリンの補給

タウリンも最近注目されている重要な栄養成分の一つです。タウリンは、身体の細胞機能を正常に保つために欠かせないアミノ酸に似た物質で、神経伝達物質としても重要な役割を果たします。筋肉中のタウリンが不足すると痙攣が起こりやすくなり、こむら返りの原因となります。

タウリンを豊富に含む食材は、イカやタコ、貝類、ブリやカツオなどの血合いなどです。タウリンは水溶性なので、生で食べられるものは生で、加熱するときは煮汁と摂取すると〇です。

飲酒はほどほとに

飲酒時にはアルコールを分解するために体内のミネラルやビタミンも大量に消費されますので、飲酒する方はほどほどにしましょう。特に、お酒を毎日飲んでいて慢性的に足がつるという方は要注意です。

また、飲酒をするとアルコールの利尿作用によって体内の水分が排泄され、ミネラルバランスが乱れやすくなります。お酒を飲む時はお酒と同量の水を飲むことや、お酒のおつまみにはミネラルが豊富なおつまみを摂ることを心がけるようにしましょう。マグネシウムやタウリンを豊富に含むスルメなどもおすすめです!

次回はこむら返りを予防するための生活習慣についてです

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