血液検査データからメチレーションの状態を予測する方法

血液検査データの結果からメチレーションの状態を予測する方法について解説します。

メチレーションとは

「メチレーション」とは、メチル基(CH3)が色々な物質に結合し、様々な化学反応を起こすことで、DNA・RNA合成、解毒、たんぱく質の合成、葉酸の代謝、神経伝達物質(セロトニンやドーパミン)の合成、テロメア(アンチエイジングに関わる物質)の保護、エストロゲン調整、ミトコンドリアの保護、炎症の抑制、コエンザイムQ10の合成と代謝、ホモシステインの代謝など、体内のさまざな働きに関わっています。

メチル基を与える物質を「メチル基供与体」といい、メチル基を受け取る物質は「メチル基受容体」と呼ばれます。

「メチル基供与体」の中で代表的なものがSAMe(サムイー)という物質です。

「SAMe」とは

SAMe」とは、「Sアデノシルメチオニン」のことで、メチオニン(必須アミノ酸の一つ)とATP(アデノシン3リン酸=身体を動かすためのエネルギー源。)が結びついた物質で、人間の体内に広く分布するアミノ酸の一種です。

SAMeは、細胞の中で絶えず生み出されていて、様々な物質に「メチル基」を与えることで、体内の数百種類もの生体反応に関わっています。

SAMeは、特に肝臓と脳に多く存在し、私たちの関節や肝臓、そして脳を健康に保つために必要な物質としての働きを持っています。

また、SAMeには抗酸化作用もあるため、酸化を予防して炎症を抑制する効果も期待できるといわれています。

さらに、SAMeにはヒスタミンを代謝する働きがあるので、SAMeが不足している人はヒスタミンを十分に処理できず、血中のヒスタミン濃度が上昇します。

 

メチレーション回路がうまく回らなくなる原因とは

メチレーション反応の回路がうまくまわっていない状態のことを、「低メチレーション」といいます。

メチレーションの状態は遺伝によっても影響されます。

特に、葉酸を活性化させる時に必要なMTHFRという酵素に遺伝子変異(塩基番号677と1298の遺伝子変異)があったり、ビタミンB2やナイアシンが足りない場合にも葉酸の活性化がうまくいかなくなり、メチレーション回路がうまく回らなくなります。

それに加えて、加齢、たんぱく質不足、ビタミン・ミネラル不足、炎症、水銀などの重金属毒性、腸内環境なども、メチレーション状態に影響を与えるということが分かっています。

「メチレーションと精神疾患について」も参考してみてください)

 

血液検査データからメチレーション状態を予測する方法

先ほども書いた通り、SAMeにはヒスタミンを代謝する働きがあります。

従って、低メチレーションの人はSAMeが不足しているのでヒスタミンを十分に処理しきれず、血中のヒスタミン濃度が上昇します。ヒスタミン濃度が上昇すると、スギ花粉症や喘息などの症状が出やすくなります。

一方、メチレーションが亢進している高メチレーションの人は血中のヒスタミン量が少ないので、体質的に花粉症や喘息などといったアレルギー症状が出やすいと言えます。

血中のヒスタミンの多くは白血球の中の好塩基球に含まれているので、ヒスタミン量は好塩基球の数を計算することで推測することができます。

好塩基球数の計算の仕方と、数値の目安は以下の通りです。

白血球数×好塩基球Baso%=30以下・・高メチレーションの可能性が高い

               70以上・・低メチレーションの可能性が高い

 

その他にも、ASTとALTが低かったり、尿酸値が低い、クレアチニン値が低い(例外的に高メチレーションの場合もあり)、MCVが高い(ビタミンB12や葉酸不足)、炎症やストレスがある、ミトコンドリア機能低下がある、といった場合も、低メチレーション状態を反映していると予測することができます。

 

まとめ

メチレーションに関わるSAMeにはヒスタミンを代謝する働きがあり、SAMeが不足している低メチレーションの人は、血中のヒスタミン量が上昇する。

白血球中の好塩基球の数は、血中のヒスタミン量を反映する

白血球数×好塩基球%の値が30以下だと高メチレーション、70以上だと低メチレーションである可能性が高いと考えられる。

 

 

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