ビタミンDの働き

ビタミンDと骨の健康

ビタミンDと言えば、健康な骨を作るために欠かせないビタミンとしてよく知られていますよね。骨は、常に「骨代謝」によって新しく作られ続けていますが、ビタミンDは体内でカルシウムの吸収を助け、また、腎臓で尿中に出たカルシウムの再吸収を促し、血液中のカルシウムを骨まで運ぶ手伝いをして、カルシウムが骨に沈着するのを助ける働きがあります。

さらに、ビタミンDは骨からカルシウムを取り出して筋肉に送り届けるのを助けるという役割も持っています。私たちの体内にあるカルシウムの約99%は骨に、残りの約1%は筋肉にあります。筋肉中のカルシウムは、筋肉を収縮させる役割があるのですが、筋肉中のカルシウムが足りなくなったときに、ビタミンDは骨からカルシウムを取り出して筋肉まで送り届けるという働きを助けているのです。

ビタミンDは骨の代謝に大きく関わっていることから、ビタミンDが欠乏すると典型的な欠乏症である、乳幼児の「くる病」(成人の場合は骨軟化症)を発症します。また、ビタミンD不足は骨粗鬆症にも大きく影響します。腎臓病で透析を受けているような人は、腎臓で活性型ビタミンDを作る機能が落ちているため、活性型のビタミンD剤が投与されます。

骨の健康だけではない!ビタミンDの重要な働き

また、ビタミンDは免疫反応とも関係が深く、不足するとガンや自己免疫疾患などにかかりやすくなるということもわかっています。

尚、ビタミンDの供給経路は、食事から摂取されるだけでなく、皮膚に紫外線があたることでも身体の中で作られます。日光に当たる機会の少ない冬場にビタミンDを補給しておくと、ビタミンDが免疫機能の調整に役立つことから、春の花粉症の症状がだいぶ軽減できるともいわれています。

さらに、ビタミンD不足はインスリン抵抗性(インスリンの効きが悪くなる)を起こしやすくすることから、糖尿病とも関係していると言われています。その他にも、心臓病、多発性硬化症、喘息、認知症などへの影響も指摘されています。

 

ビタミンDが不足しやすい人とは

 

ビタミンDは魚類やしいたけなどに多く含まれているので、これらをあまり食べない人は食事からの摂取が少なくビタミンDが不足しやすくなります。

また、食事からだけでなく、日光浴も非常に重要です。例えば、潜水艦の乗組員の調査では、400IU/日の摂取でも血中ビタミンDの濃度を適切に維持できないという報告もあります。

あまり外に出る機会がない、夜勤が多い、日焼け止めを欠かさない、といった場合でも、皮膚に当たる紫外線の量が減るのでビタミンDは不足しやすくなってしまいます。

お肌のシミや美白のことを考えると、日焼け止めや日傘で完全防備したくなりますが、ビタミンDの供給という面ではマイナスになってしまうのですね。いつも日焼け対策をばっちりしているという方は、ビタミンD不足にならないようにサプリメントから補給するというのも一つの手だといえます。

ビタミンDを摂りすぎるとどうなるの?

一方、ビタミンDは脂溶性ビタミンなので、過剰症にも注意が必要です。

ビタミンDを過剰に摂り続けた場合、血液中のカルシウム濃度が上昇し、血管壁や心筋、肺、胃などに多量のカルシウムが沈着してしまいます。腎臓が障害された場合は尿毒症を引き起こすケースもあります。

ただし、毒性が認められたケースでは、継続的に10万IU/日を2~3か月摂取した場合とされており、治療目的で多めに摂ることをすすめられる場合でもせいぜい4000IU/日ぐらいまでですので、サプリメントで常識の範囲内で摂っている分にはあまり心配はないといえるでしょう。

 

 

次回は、「血液検査でビタミンDの過不足を調べる」方法についてです。