血液中の「アルブミン」が身体のむくみや薬の副作用と関係している理由

血液中には100種類以上ものたんぱく質が存在するといわれています。

「アルブミン」も、血液中にあるたんぱく質の一種。
血液中のたんぱく質の約6割程度を占めていて、栄養状態を評価する上でも重要な指標となります。

(血液検査とアルブミン値についての解説はこちら)

アルブミンは、カラダのむくみや薬の副作用とも深く関係している重要な物質です。
血液中のアルブミン濃度が低くなりすぎると身体がむくんだり、薬の副作用が大きくなってしまいます。

アルブミンがなぜ、むくみや薬の副作用と関係するのかについて、さっそく解説していきます。

アルブミンとむくみの関係

アルブミンには、血管の中に水分を保持し、浸透圧を維持する働きがあります。

血管の壁には小さな穴が開いていて、水やブドウ糖、ナトリウムやカリウムといった小さな分子が通り抜けられるようにできています。

一方、アルブミンは分子が大きいので血管壁を通り抜けることはできません。

アルブミンは、1gあたり20mlの水の分子を引き付ける働きがあって、血管内に適度に水を保持しておくという重要な役割をしてくれています。

ところが、アルブミンが少ないと血液中の水分が血管の外に染み出てしまい、水分が組織の間にたまって身体がむくんだ状態になります。

 

血液中の「アルブミン」濃度が低い人ほど薬の副作用が大きい理由

アルブミンは、薬の副作用とも深く関わっています。

なぜなら、
アルブミンには他の物質と結合しやすい性質があり、血液中の様々な物質(微量元素や酵素やホルモン、脂肪酸など)と結合してそれをカラダの各所に運ぶ働きがあるからです。

アルブミンは薬の成分とも結合して、身体の各所に薬の成分を運んでくれます。

体内にアルブミンが充分にあれば、アルブミンと結合した薬の成分は身体の各所で適度に効果を発揮して、徐々に代謝されていきます。

ところが、体内のアルブミンが少ないと、薬物と結合できるアルブミンが足りず、結合していない薬物の血中濃度が急激に上がり、一気に激しい作用を起こしやすくなってしまうのです。

従って、栄養状態が悪くアルブミンの量が少ない人ほど、薬の作用が急激に出すぎて副作用も大きくなってしまいます。

例えば、副作用が大きな問題となる抗がん剤の治療などにおいても、患者さんの栄養状態は非常に重要で、栄養状態が悪くアルブミン値が低い人は特に、副作用を少しでも減らすためにも栄養管理をしっかりとおこなうことが大切です。

まとめ

★アルブミンには血管の中に水分を保持し、浸透圧を維持する働きがある。体内のアルブミン量が不足すると血管の中に水分を保持できなくなりむくみを引き起こす。

★アルブミンには薬の成分と結合し身体の各所に運ぶ働きもある。体内のアルブミン量が不足するとアルブミンと結合していない薬物の血中濃度が急激に上がってしまい、薬の副作用が起こりやすくなる。

 

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