「油っぽい食事のあとにお腹が張る」「ダイエットしてもなかなか成果が出ない」
そんな方は、「胆汁」の働きがうまくいっていない可能性があるかもしれません。
胆汁は、脂肪の消化・吸収を行うために欠かせません。
それだけでなく、体内の解毒・腸内の殺菌・代謝のサポートなど、私たちの体の中で多くの重要な役割を担っています。
この記事では、そんな胆汁の働きと、不足のサイン、
そして分子栄養学の視点からみた対処方法やおすすめのサプリメント等について紹介していきます。
「胆汁」って何?
胆汁は、「LDLコレステロール」から肝臓で作られ、胆のうで濃縮・貯蔵される黄色い液体です。
食べ物が胃から「十二指腸」に届くと胆汁が分泌され、脂肪を「乳化」して体に吸収しやすくしてくれます。
脂肪は水に溶けないため、この「乳化」がなければ、きちんと消化することができません。
そして、胆汁の約95%は腸で再吸収されて、また肝臓へ戻される「腸肝循環」という仕組みでリサイクルされます。
リサイクルされなかった残り5%の胆汁は、便として排泄されます。
胆汁が不足するとどうなる?
胆汁がうまく分泌されないと、以下のような不調が出やすくなります
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脂っこい食事でお腹を壊す
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ガスがたまりやすい
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ダイエットしても痩せにくい
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腸内環境の悪化(便がスッキリ出ない、臭いが強くなるなど)
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肝臓の低下(脂肪肝、血糖調節の乱れ)
こんな不調が複数思い当たる方は、胆汁の働きが弱まっているかもしれません。
【チェックしてみよう】胆汁不足の兆候
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□ 脂ものを食べると下痢をしやすい
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□ LDLコレステロールが異常(低すぎる or 高すぎる)
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□ 脂肪肝と診断されたことがある
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□ 食事を抜きがち
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□ 緊張しやすい
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□ 甘いものがやめられない
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□ お酒をよく飲む
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□ 胆のうを手術で取った
これらの項目が当てはまる人は、胆汁の分泌が不足しているかもしれません。
胆汁の分泌を助ける生活習慣と食材
胆汁を元気に出すためには、肝臓の健康がカギとなります。
まずは、以下の生活改善から始めましょう。
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甘いものやアルコールを控える
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朝食を抜かず、規則正しい食生活を意識する
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緊張・ストレスをためこまないようにする(リラックスも重要)
そのうえで、新鮮な胆汁酸をスムーズに作って、古いものを排泄するための食材を積極的に取り入れることをおすすめします。
胆汁排泄をサポートする食材
胆汁は、古くなったものをしっかり排泄し、新しくフレッシュな胆汁をつくることがとても大切です。
そのためには、腸内で胆汁酸をしっかり吸着して、体の外に出してくれる食材をとることが効果的です。
以下は、胆汁の排泄を助ける代表的な食材です。
● まいたけなどのきのこ類
食物繊維(特に不溶性)が豊富で、腸内で胆汁酸を絡め取り排泄を促します。
まいたけはβグルカンも豊富で、腸内環境改善にも◎。
● もずく・めかぶ・ひじきなどの海藻類
水溶性食物繊維が胆汁酸を吸着し、便として排出を促します。
さらに、「フコイダン」や「アルギン酸」といった多糖類が腸内の粘膜も守ってくれます。
● こんにゃく、大麦
こんにゃくのグルコマンナンや大麦に含まれる「βグルカン」は、水溶性食物繊維の代表選手。
コレステロールの代謝にも関わり、胆汁の原料であるLDLの調整にも効果があると言われています。
● 「タウリン」が豊富なタコ・イカ・ホタテ
「タウリン」は肝臓の解毒や胆汁酸の合成をサポートします。
さらに、タウリンによって脂肪の乳化力を高める働きも期待できます。
● 杜仲茶(とちゅう茶)
杜仲茶は、昔から肝機能をサポートするお茶として有名です。
近年は胆汁酸排泄作用や脂質代謝改善作用も注目されています。
カフェインレスなのも嬉しいポイントですね。
こうした食材を毎日の食事に積極的に取り入れることをおすすめします。
サプリでサポートするなら?
症状が強めの方や、生活改善だけでは追いつかない場合は、胆汁の分泌や肝機能をサポートするサプリメントを取り入れてみるのも一つの手です。
■ ミルクシスル(マリアアザミ)
肝臓サポートの定番ハーブ。抗酸化作用が高く、長年ヨーロッパで肝臓保護に使われてきたハーブです。
ミルクシスルサプリ
■ オックスバイル
牛の胆汁を乾燥させたもので、消化力が落ちている人、脂っこい食事後のもたれ感が気になる方におすすめです。
オックスバイル
■ ウルソ(医薬品)
「ウルソデオキシコール酸」という成分が胆汁の分泌を促します。
市販薬としては「田辺胃腸薬ウルソ」が有名ですね。
持病のある方は、必ず医師に相談をしてから使用してください。
まとめ:胆汁を味方につければ、体が変わる!
消化やデトックス、代謝に欠かせない存在である胆汁。
胆汁の働きは、思っている以上に私たちの体に影響しています。
毎日のちょっとした心がけと、必要に応じた食材・サプリメントの力を借りて、「フレッシュな胆汁」が巡る体づくりを意識していきましょう。