血液検査の「コリンエステラーゼ」という項目について説明します。
コリンエステラーゼ(ChE)って何?
コリンエステラーゼ(ChE)は、アルブミンや総蛋白、コレステロールに並んで、たんぱく質の不足を予測するのに役立つ項目です。
コリンエステラーゼは肝臓で作られる酵素です。たんぱく質を作る能力を反映することから、栄養状態を知るためにも重要な検査項目となります。
コリンエステラーゼの値は、アルブミンとほぼ相関するか、アルブミンよりも鋭敏に動くと言われています。
コリンエステラーゼ高値の場合
コリンエステラーゼが高値の場合、脂肪肝、甲状腺機能亢進、糖尿病、腎機能障害、栄養過多 などが考えられると言われています。
コリンエステラーゼは脂質代謝にも関係するため、脂肪合成が亢進すると上昇します。
コリンエステラーゼ低値の場合
一方、肝臓でのたんぱく質合成が落ちると、コリンエステラーゼは低下します。
コリンエステラーゼ低値の場合、低栄養や貧血など、著しく低い場合は肝硬変や肝不全、悪性腫瘍やネフローゼの疑いが考えられます。全身性消耗疾患で肝臓への栄養供給が低下してコリンエステラ―ゼが低下することもあります。
低栄養によってたんぱく質が不足することによってコリンエステラーゼなどが低下している場合は、消化吸収を考えることはもちろん、食事中のたんぱく質を一食でたくさん摂取しようとするよりも、たんぱく質を何回かに分けて摂ると良いでしょう。
尚、気管支喘息があるとコリンエステラーゼは高く出る傾向となり、低栄養などの指標とならないため注意が必要です。