血液検査の「MCH」と「MCHC」からわかること

今日は、血液検査の「MCH」と「MCHC」について説明します。

ヘモグロビン値はバッチリ!なのに貧血?!

鉄欠乏を見るため項目には、ヘモグロビン値、MCV、MCH、MCHC、フェリチンなどがあります。

(MCVについて知りたい方はこちら

鉄欠乏がある場合、皆さんが良く知っているヘモグロビン値よりも先に、MCVやMCH、MCHC、フェリチンなどの値が低下してきます。(ただしこれらの項目の値を上昇させる因子もとても多いので、データを読むときには注意が必要ですが。)

そのため、通常はヘモグロビン値だけを見て問題がなく「貧血ではない」と判断される場合も多いのですが、フェリチンや MCVやMCH、MCHCなどを測ってみると、結構値が下がっていて、実は貧血であるというケースが多く見られます。
貧血によって引き起こされる症状は色々ありますが、例えば、疲れやすい、階段の昇り降りがきつい、頭痛がよくある、立ちくらみがおこる、月経の前にふらふらするなどの症状も起こりやすくなります。
病院の検査で軽度の貧血と言われた時点では、非常に重症の鉄欠乏状態になってしまっていることもあるので注意が必要です。

 

MCHとは?

 

MCHとは、M=Mean(平均値)C= Corpuscular(血球)H= hemoglobin (ヘモグロビン) を表したもので、赤血球1個に含まれるヘモグロビン量を平均的に表した数値です。「平均赤血球ヘモグロビン量」とも呼ばれます。

赤血球1個あたりのヘモグロビン量が少ないと、赤血球の機能が弱ってしまうため、酸素と二酸化炭素の運搬サイクルがうまくいかず、貧血症状が出やすくなります。

MCHCとは?

MCHCとは、M= Mean(平均値)C =Corpuscular(血球)H= hemoglobin (ヘモグロビン) C=Concentration(濃度)を表したもので、赤血球1個に対するヘモグロビンの割合を表した数値です。

MCHとMCHCはだいたい31ぐらいが丁度良く、30以下と値が低い場合は鉄欠乏などが疑われます。ヘモグロビンが正常値であっても、MCHやMCHCが下がっている場合は、実は鉄欠乏に陥っているせいで疲れやすいなどの症状が出ていることも多いと言われています。

人間ドックでも測ってくれる値なので、ここ何年かの人間ドックの結果を見てみると良いでしょう。

尚、MCHCは「遺伝性球状赤血球症」などの場合35を超えるような高値となることが知られていますが、稀なケースであると言われています。

 

 

MCHとMCHCの違い

 

MCHは赤血球1個の中に含まれるヘモグロビンの量を表します。

一方、MCHCは赤血球の中にどのぐらいの割合でヘモグロビンが含まれているかを見ています。

鉄欠乏があると、まずMCVが下がって、さらに鉄欠乏がひどくなるとMCHが下がり、一番最後に下がるのがMCHCです。そのため、MCHCだけ低くて他のデータが全部正常な場合は、潜在的な鉄欠乏が予想できるということです。

逆に、ビタミンB12や葉酸が不足していてMCVが高いような場合、MCHやMCHCも高くなる傾向が見られます。

 

鉄が不足する原因

偏った食生活や過度なダイエット、女性の場合は生理による出血過多や子宮筋腫によって、鉄欠乏性貧血を起こしやすくなります。

いくら食事をしっかり摂っていたとしても、おなかの状態が悪いと鉄をうまく消化吸収することができず、鉄は不足してしまいます。例えば、胃酸不足や制酸剤の服用なども、鉄の吸収を阻害する原因となります。

また、腸内環境が悪く、腸にカンジダ菌がたくさんいるような場合、鉄をカンジダ菌に摂られて体に回らなくなってしまいます。カンジダ菌は「日和見菌」といって、もともと私たちの身体の中にいる菌なのですが、増えすぎると体に悪影響を与えます。

鉄は私たちが生きていくために必要なものなのですが、カンジダ菌の大好物でもあるのです。そのため、鉄不足だからと言って鉄のサプリメントをたくさん摂れば良いかというと、場合によってはかえっておなかの調子を悪くしてしまい症状が悪化してしまうということもあり得るのです。

腸内でカンジダ菌が増えているということは、おなかの慢性炎症が起こっているということです。すると、炎症を抑えるために副腎からはコルチゾールがたくさん出つづけるので、この状態が進行すると疲れてぐったりしてきてしまいます。

もちろん、鉄サプリを摂ることで貧血が改善されて体調がよくなるという人もいるのですが、もしも、貧血の症状を改善したくて鉄サプリを飲んでいるけれど体調が改善されず、なんだかおなかの調子も悪い、というような人は、鉄サプリはやめてみて、腸内環境を改善するような食事を摂ることに専念することをお勧めします。