血液検査の「コレステロール」からわかること。

★血液データの読み方

血液検査で指摘されることも多い血中のコレステロール。血中のコレステロール値は、低ければ低いほど良いのでしょうか?

総コレステロールとは

総コレステロールとは、血液中に含まれるコレステロールの総量のことです。

コレステロールとは、C27H46Oの化学構造を持った化合物。

引用元:フリー百科事典Wikipedia

血中コレステロールは、たんぱく質代謝を見る良い指標になります。
なぜなら、血中のコレステロールはそれだけでは水に溶けずそのままでは血液中に存在することができないため、輸送たんぱく(=いわばたんぱく質の船)上に存在しているからです。

引用元:https://lifescience-study.com/3-lipoproteins-and-transportation-of-lipids/

たんぱく質が足りなければ、当然血中の脂質の数値は低くなるということです。また、肝臓の機能が弱いとコレステロールを作る能力も低下します。肝臓で作られるコレステロールが80%、食事から作られるコレステロールは20%未満のみと、食事の影響によるコレステロール上昇は意外と少なく、総合的な栄養状態の重要な指標となるのです。

「コレステロールは低ければ低いほど良い」は間違い?!

高コレステロール=生活習慣病というイメージが強く、コレステロールは低ければ低いほど良いというイメージをお持ちの方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、栄養学的にはコレステロールが低すぎることも大問題。
コレステロールは、細胞膜の材料になる、ホルモンの材料になる、胆汁酸の材料になる、ビタミンDの材料になるなど、実に様々な働きをしていて、コレステロールが低すぎるとこれらの機能に影響が出てきます。

特に、抵抗力の弱そうな、いかにも弱々しそうな人は、総蛋白とコレステロール値が低い人が多いです。コレステロールは女性ホルモンや副腎皮質ホルモンの材料となるため、低すぎるとホルモンバランスの乱れやストレス耐性の低下、気力の低下にもつながります。コレステロール不足で細胞膜が弱くなれば、かぶれ、皮膚炎、溶血なども起こりやすくなります。さらに、胆汁酸も作られにくくなり、脂溶性ビタミンが吸収できず、ドライアイ、乾燥肌、免疫や粘膜代謝の異常も起こりやすく、花粉症やそのほかのアレルギーのリスクも高まります。

尚、コレステロールが高いからといって、コレステロールが身体の中で十分足りていて細胞が元気!とは限りません。なぜなら、材料があるのに代謝が悪くて使えていない可能性もあるからです。

また、コレステロールが高すぎれば、血管が詰まって起こる脳梗塞のリスクが高まりますので注意が必要です。

ストレスの多い人は低コレステロールに要注意

ストレス時に副腎から分泌される「コルチゾール」というホルモンを作るためにも、コレステロールは欠かせません。

コレステロールが低い人は、ホルモンの材料が少なくストレスに対抗する力が弱く、副腎疲労になりやすい体質であるとも言えます。

コレステロールが低い場合は、食事の摂取量が足りない、または、食べているわりに低いなら消化力が足りないということが考えられます。

総コレステロールの理想値とは?

総コレステロールの目安は、栄養学的には理想は200以上(少なくとも180以上)あることが望ましいと言われています。コレステロール低下は神経機能にも影響があり、極端な低下は脅迫症状や気分の変調、うつの原因となるので注意が必要です。

(総コレステロール値は、LDL+HDL+【中性脂肪/5】で計算できます)

総コレステロールが140を切るような場合では、精神的な支障をきたすと言われています。

また、総コレステロールが極端に低い場合は、血管が破れて起こる脳出血も起こりやすくなります。

尚、総コレステロールを見るだけでなく、HDL-コレステロールとLDL-コレステロールのバランスも大切ですので、併せてチェックするようにしましょう。

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