ビタミンB群不足の原因を考える

足りない栄養素の見つけ方

最近、健康管理のためにサプリメントを利用する人が増えています。

 

分子栄養学をもとにした栄養療法でも、薬の代わりにサプリメントをうまく活用することで体調を改善する人が多くみられます。

 

でも、多すぎるサプリメントは、かえって肝臓に負担をかけてしまうこともあるし、ただやみくもにサプリメントを摂りまくれば良いわけではないですよね。

 

では、どのようにして足りない栄養素を見つければ良いのでしょうか。

  

分子栄養学では、血液検査データを栄養状態の指標の一つとして活用します。

 

具体的には、まずは、主訴や症状から、その方の状態を想像してから、主に以下の項目を読み取っていきます。

 

たんぱく質が足りているか(タンパク代謝の低下)

脂肪肝の有無

鉄欠乏の有無(貧血チェック)

④ビタミンB群欠乏の有無

血糖調節障害の有無

亜鉛・銅バランス

酸化ストレス負荷の有無

抗酸化力

交感神経の緊張状態

 

検査値が基準範囲内に入っていて、お医者様からは「問題ありません」と言われた場合でも、上記のような項目に着目してデータを読み取っていくと、実は色々と問題があることが判明することもあるのです。

 

例えば、病気ではないけれどなんとなく疲れやすいとか、朝起きられなくてつらいとか、眠れないとか、様々な不調にはやはり必ず何かしら原因があるので、それらを解決する糸口を見つけるためにも、血液データはかなり役立ちます。

 

 

ビタミンB群が不足する原因

では、もしも、例えばビタミンB群の不足が判明したら、どうしたら良いのでしょうか。

 

ビタミンB群が足りないなら、ビタミンBのサプリを飲めばOK!

と言いたいところですが、、、

単純にサプリメントだけで解決できるのかというと、必ずしもそうではないのです。

まず、ビタミンB群の不足があるときに一番注意したいのは、腸内環境の問題です

なぜなら、ビタミンは食事から摂るだけでなく、腸内でも作られているものも多いのですが、腸内環境が悪いとビタミンが十分に作られなくなってしまうからです。

また、胃の状態によって吸収率が大きく変ってしまうビタミンもあります。

それはビタミンB12。

ビタミンB12は、他のビタミンと異なり、たんぱく質と結合した構造をしているため、吸収のされ方がちょっと複雑です。ビタミンB12が吸収されるためには、胃酸と消化酵素(ペプシン)と内因子(内因子とは、胃壁細胞から分泌される糖たんぱくの一種)の3つがそろわないとダメなのです。従って、萎縮性胃炎などによって適切な塩酸や消化酵素、内因子の分泌が十分でなくなっている場合、ビタミンB12の吸収がうまく行われなくなってしまうというわけです。さらに、ビタミンB12は、リチウムなど、他のミネラルとの関係で不足することもあると言われています。

 

その他のビタミンB群の不足原因を挙げると、

ビタミンB1不足・・糖質やアルコールの過剰摂取(過剰な糖を代謝するためにビタミンB1が大量に使われてしまう)、胃酸不足、激しいスポーツ、ストレスなど

ビタミンB不足・・脂質やアルコールの飲みすぎ、たんぱく質不足、胃酸不足、甲状腺機能低下、ストレスなど

ビタミンB3(ナイアシン不足・・アルコールの飲みすぎ、たんぱく質食品の摂取が少ない、胃腸が弱い、ストレスなど

ビタミンB6不足・・たんぱく質の過剰摂取、胃腸が弱い、「ピロール障害」(生まれつきの体質で慢性的な亜鉛とビタミンB6不足を起こす)など

葉酸不足・・アルコールの飲みすぎ、野菜や果物不足、胃酸不足、遺伝子異常

 などといったことが考えられます。

これらの原因や個々の体質を考慮した上で、サプリメントを上手に選んで活用していくことも有効です。

 ですが、ビタミンB群に限らず、サプリメントを飲む前にアプローチできる事はたくさんあるので、まずは不足原因を考えてみるようにしましょう!

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