眠れない原因は、腸だった?!

 

睡眠と腸内環境の切っても切れない関係について解説します。

快適な睡眠のためには、「セロトニン」と「メラトニン」が重要

私たちの脳内では、「神経伝達物質」が働くことによって、
精神状態や、いわゆる「気分」がつくられています。

数ある神経伝達物質の中でも、
「アドレナリン」
「ドーパミン」
「セロトニン」
といった言葉は、皆さんもよく耳にしたことのあるものだと思います。

「アドレナリン」の前駆体は「ノルアドレナリン」と呼ばれる物質で、
アドレナリンと共に生存本能(闘争または逃避)を司り、
交感神経系を刺激し、心身を覚醒させる働きを持ちます。

これらは全て、生きていくために絶対に必要なものです。

しかし、これらが暴走すると、
様々な悪影響が出てきます。

アドレナリンが過剰になると、怒りや攻撃性が止まらなくなったり、
ノルアドレナリンが過剰になれば、不安感や恐怖感などを過度に引き起こしたり、
ドーパミンが過剰になると多動の原因になったりもします。

一方、「セロトニン」は、
暴走しがちなノルアドレナリンやドーパミンの分泌をコントロールして
、心のバランスを整えてくれる作用を持っています。

そのため、セロトニンが不足すると
精神状態が不安定になり、
幸福感が感じられにくくなります。

また、セロトニンは平滑筋の収縮をスムーズにして
心臓発作を予防する働きも持っています。

さらに、
セロトニンは心を落ち着けてくれるだけでなく、
睡眠との深い関りがあります。

なぜなら、セロトニンは
「眠りのホルモン」である「メラトニン」という物質の材料となるからです。
メラトニンは自然な生活サイクルの維持と睡眠のために欠かせないホルモンです。


セロトニンが不足するとメラトニンがうまく生成できなくなり、
不眠症などを引きおこす原因となります。

メラトニンをしっかり分泌させるにはどうしたら良いの??

快適な睡眠のために欠かせないメラトニンをしっかり分泌させるには、
どうしたらよいのでしょうか。

①日中に太陽の光を充分浴びる

メラトニンは夜間に分泌されるのに対して、
セロトニンは日中にたくさん分泌されます。

日中しっかりと太陽の光を浴びることで
セロトニンの分泌量が増加し
それが夜のメラトニン分泌につながるということが分かっています

②トリプトファンの摂取

セロトニンの材料になるのは、
必須アミノ酸の一つであるトリプトファンです。

脳内のセロトニンは、トリプトファンが脳内で変換されて作られます。
トリプトファンは、肉や魚、大豆製品や卵、ナッツ類、バナナなどにも豊富に含まれます。

(ただし、脳内のセロトニンを増やすために、トリプトファンが入っているアミノ酸サプリメントをたくさん摂れば良いのか?というと、どうやらそんなに単純な話でもないようです。→詳しくはこちら

③腸内環境の改善

食事の内容はもちろん大切ですが、
それ以前に、胃腸の状態が悪くて十分な消化吸収ができていない状況である場合にも、
セロトニンの材料であるトリプトファンが不足してしまうことがあります。

さらに、トリプトファンをセロトニンに変換するためには
ビタミンB6などの栄養素が欠かせません。

ビタミンB6は食事から摂取して供給されるだけでなく、
腸内でも作られます。
従って、腸内環境が悪いとうまくビタミンB6が作られず、
不足してしまうことがあります。

例えば、血液検査のASTが10前半、ALTが一桁だったりする場合、
かなりのビタミンB6の不足が疑われます。

このようなパターンの人は、
「眠れない」、「楽しいことがない」(うつ状態)etc.
などといった症状や悩みが出やすくなってきます。

(血液検査データでは一見問題がないように見えても、実はビタミンB6不足というパターンも多々あるので、注意が必要です。→血液データからVB6不足を予測する方法

また、セロトニンがメラトニンになるには、
ビタミンB12マグネシウムといった栄養素が欠かせません。

これらの栄養素を消化吸収できるかどうかも、
やはり腸内環境が大きくかかわっています。

ちなみに、腸内では「腸内セロトニン」が作られますが、
腸内セロトニンは血液脳関門を通過できないため、
脳内セロトニンとは別のものです。
ただし、腸内セロトニンの量と脳内セロトニンの量は相関します

従って、結局のところ
腸内のセロトニンが多い人は脳内のセロトニンも多い
ということになります。

つまり、なかなか寝付けない、よく眠れない、といった睡眠に関する悩みの原因は、
実は腸内環境が悪いせいだったりするわけです。

睡眠と腸なんて、一見関係なさそうに見えることでも、大いに関係あり!なのですね!!

やはり、腸内環境って、大事です!!!

腸内環境を整える具体的な方法はこちらの記事に書いています→腸の炎症によって引き起こされることとその解決方法」 

 

(尚、低血糖も睡眠の質を下げる要因となります。詳しくはこちら→眠れない・寝汗・食いしばりは夜間低血糖のサイン?!」

 

 

 

 

 

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