腸の炎症によって引き起こされることとは?

「腸の炎症」があるとどうなるの?

 

前回のブログで炎症についての説明を行いましたが、炎症は腸にも起こります。腸の炎症に炎症があると、どのようなことが起こるのでしょうか。

 

①腸内環境が悪いと、腸に炎症が起こります。腸の炎症によって損傷が進むと、LGS※を引き起こし、栄養素の吸収障害が起こるようになります。栄養素の吸収障害は、例えば貧血や骨の弱化の原因にもなります。

※LGSとは?
LGS(腸管壁浸漏症候群)では、腸から大きな食物分子、バクテリア、真菌類など、本来腸から入るべきでないものが漏れ出して、血管や体内に侵入して、アレルギーをはじめとする免疫系疾患、肝臓への負担など、様々な悪影響が起こります。栄養素の吸収障害も起こります。
食物に対する過敏症のうち、即時型の「食物アレルギー」は全体の4~5%であり、それ以外の90%以上は、厳密にいうと「食物不耐性」(食品過敏症)であると言われています。即時型の食物アレルギーは、少量でもすぐに発症し、死亡など生命を脅かす症状が出るものです。一方、「食物不耐性」とは、「遅延型アレルギー」とも呼ばれ、たんぱく質の分解不足が主な原因となります。LGSがあると、未消化のたんぱく質が腸管から血液中に入り、遅延型アレルギーを引き起こします。遅延型アレルギーは、その日の体調によって症状が出なかったりしますので、即時型の食物アレルギーとは異なります。また、少量摂取では発症しないことが多く、生命にかかわる症状は少ないです。遅延型アレルギーは段階的に発症し、自覚するには数時間または数日かかるという特徴もあります。

②腸の炎症は、消化の問題を起こすだけでなく、炎症の影響が全身に回り、様々な不調を引き起こします。「なんとなく具合が悪い」という人は、腸の状態が悪いという場合が非常に多く見られます。

精神状態への影響

腸の炎症は、精神状態の悪化にも大きな関わりがあります。「腸脳相関」とも言われるように、腸は迷走神経を経由して脳とコミュニケーションをとっています。また、脳内の神経伝達物質の大半は腸内で作られます。従って、腸の状態が悪いと精神状態にも悪影響を与え、うつや不眠の原因にもなるのです。

免疫系への影響

腸の炎症は、アレルギーや上咽頭炎など、免疫系の異常を引き起こします。「腸管免疫」という言葉がある通り、免疫の70%は腸が担っています。

③逆に、歯周病や上咽頭炎、副鼻腔炎などが、腸の炎症を引き起こしている場合もあります。従って、腸の炎症を治したいときは他の部分も同時にケアする必要があるのです。

腸の炎症によって起こる症状の例
・便秘
・下痢
・おなかにガスがたまる
・便やガスの悪臭
食物不耐性(遅延型アレルギー)
・アレルギー(花粉症も)、抵抗力の低下
・不眠やうつ、イライラ、神経機能の低下
・貧血
・疲労
・なんとなく具合が悪い

腸の炎症の原因となるもの

腸の炎症が体に悪いことはよくわかりましたが、では、なぜ腸の炎症が起こってしまうのでしょうか。

原因として、以下のようなものが挙げられます。

・消化力の問題(胃酸不足、消化酵素不足、慢性胃炎、ピロリ菌など。未消化の食べ物は腸内環境を悪化させます。)

・食事内容(糖質の多い食事、小麦、乳製品、イースト菌 などのとり過ぎ。食物繊維などの不足。つまり、腸内の悪玉菌を増やしやすい食生活。
また、個人差がありますが、ナス科植物※によって炎症を起こしている人も多いようです。)

※ナス科植物:ナス、トマト、ピーマン、ジャガイモ、唐辛子、パプリカなど。詳しくはこちら

・カンジダ菌の過剰増殖(カンジダ菌はもともと腸内に存在する「常在菌」なのですが、増殖しすぎることで腸の炎症を引き起こします)

・ストレス(交感神経優位な状態はアドレナリンを分泌させます。アドレナリンが過剰だと、腸内の悪玉菌を増やします)

・カフェインや刺激物の摂りすぎ

制酸剤、抗生物質などの薬

・便秘

・重金属の蓄積

 

腸の炎症対策① 腸の炎症を起こさないための食事

胃腸の不調を感じている方や、いつもなんとなく疲れやすい、理由はわからないけれどなんとなく体調が悪い、という方は、実は腸の炎症が影響しているのかもしれません。腸の炎症が気になる方はぜひ、食事の内容を見直してみてください。

①体質に合った食事を心がける
体質に合う食事は、人それぞれ。胃腸の状態や体調を見ながら、食べるものや量を調節していきましょう。
②炭水化物(特に精製されたもの、小麦、甘いもの)は極力避ける。高糖質の食事は腸内の悪玉菌を増殖させるだけでなく、高血糖が血管を傷つけ血管の炎症を引き起こします。
③乳製品、カフェイン、アルコール、食品添加物も控える。
④トランス脂肪を避け、オメガ3食品を積極的に摂る
⑤胃酸不足・消化酵素対策
・食べたものをしっかりと消化吸収できるよう、食事に集中してよく噛んで食べます。(30回以上)
・腸の調子が悪い時には、無理に食べないようにします。
・食事は酸っぱいもの(梅、レモンなどの柑橘類、酢など)と組み合わせて食べると消化を助けてくれます。
・または、食事の時に、レモン汁大匙1と水大さじ3程度を混ぜたレモン水を少しずつ飲みながら食べるのもおすすめ。
(一口食べたら一口飲み、食事の最初の方に飲み終わってOK)
消化酵素サプリやクエン酸サプリなどを利用しても良いでしょう。
・食事と一緒に飲み物を飲むのは良いのですが、飲みすぎると胃酸が薄まってしまうので、飲み過ぎには注意しましょう。
⑥発酵食品、海藻類、野菜類などを積極的に摂りましょう。
⑦玄米など、未精製の穀物は有用な面もたくさんありますが、玄米に含まれるフィチン酸の消化が苦手な人も多いため、お腹の調子を見ながら取り入れましょう。

⑧アマルガム※、重金属の害をなくす(水銀は腸内環境を悪化させるだけでなく、体内で栄養素の代謝障害を引き起こします。尚、ミョウバン《ベーキングパウダーなどに含まれていることが多い》や胃薬《ガスターなど》に含まれるアルミも害になります。

※アマルガムがある場合は、安易に除去せず必ず専門医に相談を!

腸の炎症対策② 生活習慣の見直し

腸の炎症対策として、食生活以外にも、生活習慣の見直しや腸以外の炎症対策を行うことも非常に重要です。

・歯周病(歯の炎症)の改善
・上咽頭炎、副鼻腔炎の確認、口呼吸を改善する。
・姿勢の矯正(姿勢が悪いと、栄養の吸収も悪くなる)
・ストレスケア、頑張り過ぎを避ける(ストレスは栄養をものすごく使うので、身体の修復のために使えなくなってしまいます。また、ストレスホルモンであるコルチゾールが慢性的に出過ぎると副腎機能にダメージが起こります)
・運動(ミトコンドリアを増やし、代謝を良くする効果があります)

腸内環境を改善するサプリメント

腸の炎症対策①②を実行したうえで、腸内環境を改善するのを助けてくれるサプリメントを摂ることも有効です。

・乳酸菌、酪酸菌など(ビオスリー、ミヤリサンなど)、善玉菌と呼ばれる腸内細菌(プロバイオティクス)

・オリゴ糖や食物繊維など、善玉菌の栄養源となるもの(プレバイオティクス)

・フコダイン(もずくやめかぶに含まれる水溶性食物繊維)、ラクトフェリン、VA、VC、VD

・下痢気味の場合→グルタミンサプリ※

(※グルタミンサプリメントは、自閉症の子どもは禁忌です《グルタミンを体内でうまく処理できないため。》また、便秘の人が飲むとさらに便秘になりやすくなるため注意が必要です)

・便秘の場合→マグネシウム