片頭痛の人は、マグネシウムが不足している?!

片頭痛持ちの人のほとんどが、実はマグネシウム不足であるということがわかってきています。そこで今日は、マグネシウムの重要性について、説明したいと思います。

マグネシウムの働き

マグネシウムは、体内にある数千種類の酵素のうち、約300種類の酵素を活性化させて体内の様々代謝機構に関与しています。

人体内に存在するほとんど全ての酵素活性に関与しているため、エネルギー代謝、心筋や筋肉収縮、RNAやDNAの合成反応、アミノ酸の活性化やタンパク合成、ホルモン分泌、血圧コントロールなど、とにかく体の中で行われている生理機能の全てに関わっていると言うことができます。

マグネシウム不足は活性酸素の増加にも繋がり、コレステロールが酸化されると動脈硬化を起こしたり血栓を作りやすくします。さらにビタミンB1が体の中で働かなくなり疲労が蓄積していきます。

インスリンの分泌にも関わっているため、マグネシウムが不足するとインスリンの感受性が低下し、糖尿病などのリスクも上がります。

 

マグネシウムとカルシウムの関係

マグネシウムは体内では半分以上がカルシウムと共に骨や歯に存在しており、
残りは筋肉や神経細胞などに存在しています。

マグネシウムとカルシウムは、筋肉が収縮する時に欠かせないミネラルです。細胞の内側にはマグネシウム、外側にはカルシウムが多く存在していて、カルシウムが細胞の中に出入りすることによって電流が発生し、そのシグナルが伝えられ、筋肉の収縮が行われるのです。

カルシウムとマグネシウムは、お互いに相反的に作用することで、細胞内外のイオン濃度を調節して生命活動を維持しています。簡単に言うと、カルシウムには筋肉を収縮させる作用があり、マグネシウムには収縮した筋肉を緩める作用があります。
この働きによって、マグネシウムは血圧を下げたり、冠動脈攣縮を防ぎ、動脈硬化や心臓発作を予防したり、てんかん発作を減少させる効果も持つことで知られています。

しかし、マグネシウムとカルシウムのバランスが崩れると筋肉が正常に動かなくなってしまいます。なぜかというと、マグネシウムが不足すると、カルシウムを細胞の外に排出する「カルシウムポンプ」という調整機能が働かなくなり、筋肉が緊張した状態が続くことになるからです。すると、こむら返りを起こしたり、瞼がピクピクと痙攣したり、しびれが起きたり、といった症状が出るようになります。また、高血圧や心臓病の原因となることもあります。さらに、神経の興奮が抑制できなくなり、怒り、抑うつ状態などの症状も引き起こすこともあります。

ちなみに、マグネシウムが不足しても、カルシウムが不足しても、マグネシウムとカルシウムは一緒に骨から溶け出し、血液中の濃度を高めるように働きます。

 

マグネネウム不足によって引き起こされる症状の例

マグネシウム欠乏によって引き起こされるとされている症状には、以下のようなものがあります。

こむら返り(足がつりやすい)、瞼がピクピクする、痙攣、しびれ、イライラ、不安神経症やうつ病、脳卒中、高血圧、心臓疾患、不整脈、糖尿病、肥満、月経前困難症、他嚢胞性卵巣症候群、不妊症、子癇前症、骨粗鬆症、腎臓結石、そして片頭痛

 

マグネシウムと片頭痛の関係

マグネシウムが不足することで起こる体の不調は上記のように実にたくさんあるのですが、片頭痛もその一つです。

マグネシウム不足によって脳血管細胞内のカルシウム濃度が高まることで、片頭痛の引き金となる脳血管の収縮が起こりやすくなるからです。

脳細胞内にカルシウムが過剰に流入すると、脳の神経細胞が興奮して過敏な状態になりますが、マグネシウムにはその興奮を抑える働きがあります。さらに、片頭痛の直接の引き金となる脳血管内の血小板の凝集を抑制する働きもあるのです。

さらに、頭痛の悪化の原因となる頭部や頸部の筋肉の緊張をゆるめる働きもあります。

マグネシウムが不足する原因とは?

マグネシウムが不足してしまう原因として考えられることはたくさんありますが、ここに主なものを挙げてみます。

・ストレスによる消耗

マグネシウムは、「抗ストレスミネラル」とも呼ばれます。心身がストレス状態にあるとき、交感神経の過緊張が起こり、毛細血管は収縮して全身の血流が悪くなり、骨格筋や神経が緊張状態になります。すると血圧が上がり、心疾患のリスクが高まったり、神経症や様々な不調の原因となります。そんな時に活躍するのがマグネシウムです。マグネシウムには、骨格筋や神経を弛緩させ、血管と消化管の筋肉をスムーズにする働きがあります。心身のストレス(精神的ストレスや過労)だけでなく、激しい運動によってマグネシウムを消耗してしまっているという場合もあります。

・食事からの摂取不足

普段からきちんと食事を摂っていれば、マグネシウムの摂取量が不足することはないと言われていますが、近年はマグネシウムが含まれる穀物や豆類、海藻類などの摂取量が減っているので、現代人には不足しがちであるとも言えます。加工食品や清涼飲料水に含まれるリンを多量摂取も、マグネシウムの吸収を妨げます。飲酒量が多い人や、高齢者、妊婦さんなども、補給を心がけましょう。

・胃腸の状態が悪い

食事から摂ったマグネシウムを吸収しやすい形にするには、胃酸が不可欠です。また、腸内の状態が悪いとマグネシウムの吸収量が減ってしまいます。

・糖の摂りすぎによるインスリンの過剰分泌

インスリンは、ブドウ糖を細胞内に移動させる働きを持つホルモンですが、この時、一緒にリンも細胞内に移動します。インスリンの過剰分泌によって必要以上にリンが細胞内に取り込まれてしまうと、血液中のリンの濃度が低下してきます。低リン血症になると、マグネシウムは腎臓から尿と共に多く排泄されるようにできているので、マグネシウムが不足しやすくなります。

・月経前のホルモンバランス

月経前に片頭痛が起こることが多く見られるのは、月経前にはエストロゲンが上昇し、その影響で血中のマグネシウムを骨や筋肉へと移行させるように働くからです。その結果、脳内のマグネシウムが少なくなり、片頭痛が起こりやすくなります。

・乳製品の摂りすぎ

カルシウムと言えば牛乳!という考えがまだまだ浸透していますが、実は牛乳はカルシウムとマグネシウムのバランスが悪く、牛乳を摂りすぎると体内のミネラルバランスを崩すことになりかねません。通常、カルシウムとマグネシウムの摂取比率は1:1~2:1が最適であると言われていますが、牛乳の場合、10:1程度と、カルシウムの比率が非常に高くアンバランスな食品なのです。カルシウムが過剰になると、マグネシウムの吸収は阻害されるため、乳製品を多く摂取する人はマグネシウムを多めに摂る必要があります。

・薬の影響

利尿剤などの薬剤の服薬によってマグネシウムが不足してしまうこともあります。

 

次回は、マグネシウムの上手な摂取方法についてお伝えしたいと思います。