血液検査の「ペプシノーゲン」・「血清アミラーゼ」からわかること

ペプシノーゲン(PG)とは

ペプシノーゲンとは、胃の粘膜から分泌されるたんぱく質です。ペプシノーゲンは胃の中に分泌された後、胃酸によって「ペプシン」となり、たんぱく質分解酵素として働きます。つまり、ペプシノーゲンはたんぱく分解酵素「ペプシン」の前駆物質です。

ペプシノーゲンと胃酸は、たんぱく質をしっかりと消化吸収するために欠かせません。ペプシノーゲンが少ないと、たんぱく質の消化吸収がうまくいかず、様々な身体の不具合が生じる原因となります。

作られたペプシノーゲンのうち99%は胃腔内に分泌されるのですが、残りの1%は血中に流入することから、血液検査によって胃の中のペプシノーゲン量や胃酸の量を予測することができます。

ペプシノーゲン検査の見方

①まずは「PGⅠ」と「PGⅡ」の比を見る

注意点として、胃酸を抑える胃薬を飲んでいるケースでは、ペプシノーゲン検査から胃酸の量を把握することはできません。
また、ペプシノーゲンは、酵素活性低下で低めに、腎不全で高めに出ます。

ペプシノーゲンには、PG1とPG2の2種類があります。PG1は胃の粘膜から分泌され、PG2は胃粘膜だけでなく十二指腸からも分泌されます。まずは、この二つ値の比を見ることで、胃粘膜の萎縮がないかどうかをチェックします。というのも、胃粘膜の萎縮があると、PG1が低下してくるので、相対的にPG2が増え、PG1/PG2比が低下してくるからです。値は5以上あることが望ましく、値が低いと胃炎やピロリ菌などによって萎縮性胃炎となっている可能性が考えられます。特に、PG1/PG2比が3以下の場合、萎縮性胃炎の可能性が高く、精密な検査が必要となります。

萎縮性胃炎がある場合、ほとんどピロリ菌感染※(下記参照)があると言われています。そのため、まずはピロリ菌除菌治療が必要となります。萎縮性胃炎の段階で修復しないと、進行して胃がんの危険が高まるので注意が必要です。尚、ペプシノーゲン検査は保険適用外ではありますが、バリウム検査よりも胃がんの早期発見をしやすいと言われています。

②PGⅠの値から胃酸の量を推測する

Ⅰ/Ⅱ比に問題がなければ、ペプシノーゲンⅠの値は信用できる値になりますので、次にペプシノーゲンⅠを見ます。
PG1は胃酸の分泌量を反映します。目標は60~70ぐらいと言われていますが、胃酸の少ない日本人の場合、実際に血液検査をしてみると大半の人は50前後になっているようです。中でも、40を切るような人は特に低いと言えるでしょう。逆に、PGⅠが100を超えるような場合は、胃酸過多であると考えられます。これは日本人には少ないケースですね。日本人の多くは、胃酸が少ない・消化酵素が少ない・腸が長いという特徴を持っているので、消化に留意することと、腸内環境を整えることが非常に大切です。

PGが少ない場合、体質的に胃酸分泌が低い または、交感神経の過緊張によって胃酸分泌が少ない、または、場合によっては胃の表面の萎縮によって胃酸分泌が低くなっている ということも考えらえます。

※ピロリ菌について

※ピロリ菌感染の有無は血液検査によって調べることができます。ピロリ菌感染が陽性であった場合は、抗生剤による除菌が勧められます。ただし、抗生剤による除菌は強い副作用が出る可能性もあるので注意が必要です。栄養療法をしっかり行っているクリニックでは、腸粘膜を修復したり、腸内環境を整えてくれるグルタミン・ファイバー・ラクトフェリン・プロバイオティクス・ビタミンA、ビタミンDなどを事前に摂取して腸の状態を整えておくという方法を取ることで、副作用のリスクを最小限に抑える配慮をしてくれます。

 

血清アミラーゼについて

消化力を調べる検査として、血中のアミラーゼ(AMY)も使えます。目安値はだいたい100前後です。

アミラーゼは消化酵素の一つで、膵臓や唾液腺などの異常で上昇します。

低値の場合は消化力が低下していることが推測されます。

また、アミラーゼが低すぎる場合と高すぎる場合のどちらも、膵臓に負担がかかっていると考えられます。