血液検査の「LDH」からわかること。疲れやすい人は、血液検査のLDHをチェックしてみましょう

LDHとは

血液検査データの「LDH=乳酸脱水素酵素」について説明します。

ちなみに、「LDH」は、Lactate(乳酸) DeHydrogenase(デヒドロゲナーゼ)=「乳酸脱水素酵素」のことです。

この酵素はその名の通り、乳酸を分解する働きをします。解糖系と糖新生の両方に関わるため、ぶどう糖がエネルギーに変換されるために欠かせません。

LDHが高値の場合

LDHは赤血球の中に多く含まれます。例えば、細胞膜の健康に関わるビタミンEが不足していたりすると、赤血球が血管内で壊れやすくなり、LDHの値が少し高く出るようになります。(詳しくは、「溶血」についてチェック!)

LDHの値が高めで、ビリルビン値もという人は、溶血の可能性が高いと言えます。この場合、MCVなども大きくなっていないかどうかチェックしてみましょう。

LDHはその他にも、組織が壊れる心筋梗塞や筋疾患などがあると、AST・ALT・CK・CPKと併せて上昇します。また、脂肪肝、アレルギー、アトピー、運動直後(筋肉運動の影響)、細胞破壊亢進、甲状腺機能低下、慢性腎炎など、そして降圧剤の種類によっても高値になることがあります。

このように、LDHを上昇させる因子はたくさんあるので、血液データを読むときにはデータのマスクを考慮していく必要があります。

 

尚、小児や成長期の場合も、LDH値は高くなります。

LDHが低値の場合

LDHが低いと、乳酸分解がスムーズにできず疲れが取れにくくなってしまいます。LDHが低値の場合、他のデータとあわせてナイアシン欠乏症を予想することができます。なぜなら、この酵素が働くためにはナイアシンを必要とするからです。ナイアシンは、エネルギーを生み出すためにも欠かせない栄養素なので、LDHが低い人はエネルギー不足のため元気がなかったり、疲れやすいと感じていたりすることが多いです。

また、LDHが低いと神経過敏にもなりやすく、うつ病、神経症、統合失調症の発症リスクが高まるということがわかっています。

LDHは180ぐらいはあるのが理想的です。100代前半だったりする人は、相当疲れやすさを感じているかもしれません。逆に、身体の状態が良くないのにLDHがばっちりという人は、どこかの組織にトラブルがあってLDH値が上がっているのかもしれないと考えられます。

アレルギーがある人も要注意です。アレルギーの人はナイアシン欠乏があってもこの値が高めになるため、ナイアシンの不足症状に該当する場合は、LDH値が十分でもナイアシン欠乏である場合もあります。

 

ナイアシンについて

ナイアシンとは、ビタミンB群の一種で、ビタミンB3(ニコチン酸)とも呼ばれます。ナイアシンにはたくさんの働きがあります。特に、三大栄養素の代謝に必要で、循環系・消化系・神経系の働きを促進します。また、お酒を飲んだ時の悪酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解し、二日酔いを防止する働きもあるという点も要注目です。

ナイアシンは、魚や肉、卵、豆類など、たんぱく質を多く含む食材に豊富に含まれるだけでなく、たんぱく質に含まれるトリプトファンから合成されます。トリプトファンの合成が行われるのは身体の中だけでなく、腸内の腸内細菌からも、トリプトファンからナイアシン合成が行われます。

そのため、LDHが低い場合は、摂取量が少ないというだけでなく、腸内環境が悪い→ナイアシン不足→LDH低値となっているということも考えられます。

 

まとめ

・LDHは、乳酸を分解する酵素で、エネルギー代謝において欠かせない。

・LDHは、溶血、心疾患、脂肪肝、アレルギー、アトピー、運動直後(筋肉運動の影響)、細胞破壊亢進、甲状腺機能低下、慢性腎炎、薬の影響などで高値になる。

・LDHが低い場合、ナイアシン不足が疑われる。ナイアシン不足は、エネルギー不足だけでなく神経疾患を引き起こすこともある。

・ナイアシン不足がある場合、食事内容だけでなく腸内環境を整えることが大切