血液検査の「血糖値」・「ヘモグロビンA1c」からわかること

血糖値やヘモグロビンA1cとは何か、そしてそれらが高過ぎるとなぜ良くないのかについて説明します。

血糖値とは?

血糖値(blood sugar=BS)とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことです。血液1㎗(100mg)中、何mgのブドウ糖が含まれているかを数字で示していますので、単位はmg/㎗となります。

糖尿病は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが膵臓から十分に出ない、またはインスリンが十分に働かないために、血糖が高くなってしまう病気です。

高血糖の状態が何年間も続くと、血管が傷つき、心臓病や失明、腎症、足の壊疽などといった重い合併症引き起こす、非常に怖い病気です。

一般的に言われている血糖値とヘモグロビンA1cの正常値は以下の通りです。
空腹時血糖110mg/dl未満
75g糖負荷2時間後血糖値140未満
ヘモグロビンA1c6.2(NGSP)未満

そして、糖尿病の診断基準は以下の通りです。

空腹時血糖(fasting blood sugar=FBS)126mg/dl以上
75g糖負荷試験2時間後血糖が200以上
または、随時血糖200以上
ヘモグロビンA1cが6.5以上

糖尿病患者の場合、空腹でも血糖値が200を超えることもあり、食後には軽く300を超えてしまうこともあります。ヘモグロビンA1cは、9%を超えると、合併症への危険が急激に上がると言われています。

血糖値が正常値と糖尿病と診断される値の間にある場合は、「境界型」と呼ばれます。

栄養療法では、糖尿病の診断だけでなく、血糖値の変動をとても重視しています。なぜならば、食後血糖が高ければ高いほど血管にダメージが加わり、動脈硬化が進むということがわかっているからです。糖尿病の合併症を予防するためには食後の血糖を上げないようにすることがとても大切です。

ヘモグロビンA1cとは?

ヘモグロビンA1c(HbA1c)とは、ヘモグロビンにブドウ糖が結合した割合を見る検査です。血糖値が高ければ高いほど増加しますが、血糖値と違って過去1~2か月の血糖の平均を反映します。血糖値は検査直前に節食すると低下しますが、ヘモグロビンA1cは一時的に食事を変えただけでは変化しないので、血糖コントロールの良い指標になります。ただし、あくまでも平均値なので、食後高血糖を反映せず、血糖の変動を知ることはできません。(グリコアルブミンの方が血糖の変動を知るより良い指標となります)

ヘモグロビンA1の「基準値」は4.3~5.8%となっていて、6%を超えるようだと糖尿病特有の合併症が起こるリスクが高まると言われています。また、低すぎる場合は「低血糖症」なので、それも問題があります。理想的な値の目安はだいたい4.8~5%ぐらいです。

尚、ヘモグロビンA1cはアルコール多飲、大量のビタミンC、高ビリルビン血症、再生不良性貧血、尿毒症などで高値を示すこともあります。
逆に、赤血球の寿命が短くなるような溶血亢進、鉄欠乏性貧血、また、肝硬変、出血後、妊娠などによって低値になることがあります。

血糖値やヘモグロビンA1cが基準値でも、注意が必要な場合とは?

糖尿病の初期段階では自覚症状がほとんどなく、気が付かないうちに徐々に糖の代謝異常が進行してしまいます。

健康であれば、血糖値は通常90~100ぐらいに保たれており、食後の血糖値の変動は多くともプラス50~60ぐらいの範囲におさまります。

そしてその後、急激に血糖値が下がりすぎたりすることもなく、食事後2~3時間もすれば、血糖値は元に戻ります。

人によって食後の血糖値のピーク時間は異なり、60分の人もいれば、120分ぐらいの人もいます。

しかし、血糖値の調節がうまくいっていない人の場合、気が付かないうちに食後の高血糖が起こり、その反動で今度は血糖値が下がりすぎる、という、血糖値の乱高下が起こるようになります。

血液検査で血糖値やHbA1cが正常でも、糖尿病の前段階としての食後の高血糖や、血糖値を適切な状態に維持できない「低血糖症」が起こっている場合があるのです。

通常の空腹時血糖やHbA1c、糖負荷後2時間後の検査だけでは、血糖コントロールの状態を十分に把握できず、血糖コントロール不良を見逃してしまうことがあるというわけです。

血糖値が気になる方は、血糖値を安定させるための「食事のポイント」も参考にしてみてください。