コエンザイムQ10は、美容や老化防止に役立つ?!コレステロール低下薬による弊害とは?!

コエンザイムQ10

今日は、美容や老化防止にも役立つと言われているコエンザイムQ10の働きや、コレステロール低下薬による影響などについて説明します。

コエンザイムQ10とは?

「コエンザイムQ10」は補酵素の一つです。細胞内のミトコンドリアにたくさん含まれ、細胞のエネルギー源となります。ミトコンドリアとは、生命の維持や活動に必要なエネルギーを作り出す「工場」のような細胞小器官です。

コエンザイムQ10は、もともと心臓病の薬として使われていた成分でしたが、アメリカやオーストラリアのオリンピック選手などが心肺機能を高めるためにコエンザイムQ10を使っているということが知られるようになり、サプリメントとして爆発的な人気を得るようになりました。

コエンザイムQ10の働きとは?

①エネルギーを生み出す

エネルギー産生の補酵素として必要なので、生きていくために不可欠な成分です。

②心肺機能を高める

心臓のエネルギー源となり、心臓のポンプ機能を元気にすることで、血流をスムーズにします。
心臓の機能が弱って血流が悪くなるとむくみの原因にもなりますので、むくみに悩む人にとってコエンザイムQ10の補給が役立つこともあります。

③抗酸化作用

「活性酸素」による細胞膜の酸化は、老化を早めたり、様々な病気の原因となります。コエンザイムQ10は、エネルギーの代謝時に発生する活性酸素を除去する抗酸化物質としても重要な役割を持ちます。

④歯周病を改善させる

歯周病のある人の歯肉中のCoQ10は低下していることがわかっており、サプリメント補給をすることで歯周病が改善したという報告もあります。

⑤美肌に役立つ

コエンザイムQ10dは、美白効果やしわを取る効果も期待できると言われています。

その他にも、コエンザイムQ10が不足すると、動悸や息切れ、疲れやすさ、冷え、免疫力低下、痩せにくい、などといった症状を引き起こしやすいと言われています。

コエンザイムQ10は、老化と共に減ってくる?!

コエンザイムQ10は体内で合成することができるのですが、その合成量は20歳をピークに加齢とともに減っていまい、体内濃度が下がってくることがわかっています。

また、胆汁酸産生力が低いと、脂溶性栄養素の吸収が悪く、CoQ10 や脂溶性ビタミンの吸収も悪くなって不足しやすくなってしまうため注意が必要です。

そこで、サプリメントでコエンザイムQ10を補給して細胞を元気にしてあげることで、心不全や虚血性心疾患が改善したという報告が多数あります。

通常の食物からCoQ10を摂れる量は1日10㎎程度なのですが、健康維持のためには100㎎以上の補給が必要であると考えられます。この量を食品から摂ろうと思ったら、CoQ10の含有量が多いイワシでも20匹以上食べなければならないことになります。さらに、心臓機能を改善する目的であれば、200mg程度は摂ると良いとも言われています。

そのため、積極的にCoQ10の効果を実感したい場合は、サプリメント摂取が有効であると言えるでしょう。

コエンザイムQ10サプリを摂るコツ

①抗酸化ビタミンと共に摂る

コエンザイムQ10 をサプリメントで摂ることは、スポーツにより大量に発生した活性酸素を取り除きたい時や、持久力を高めパフォーマンスを維持したい時にも有効であると言われています。抗酸化のためには、ビタミンCやビタミンEと共にコエンザイムQ10を摂ることが効果的です。

②食後に摂る

コエンザイムQ10は脂溶性なので、食後に2~3回にわけてこまめに摂ると良いでしょう。エネルギー産生を高めるためにはビタミンB群と一緒に摂ると良いという点から見ても、食後に摂ることが有効であると言えます。

③体内で利用されやすい形で摂る

コエンザイムQ10には「還元型」と「酸化型」がありますが、体内で作られるコエンザイムQ10 は「還元型」。酸化型の場合の形で摂った場合、加齢やストレス、体力低下などで還元型に変換する能力が落ちてしまうので、還元型で摂った方が、体内で利用されやすいと言われています。

コレステロール低下薬に注意

コエンザイムQ10の体内での生合成は、「メバロン酸」という原料を使って行われます。この「メバロン酸」は、コレステロールを合成する時の原料にもなります。

血中コレステロール低下剤として有名な「スタチン」には、メバロン酸を産生する酵素活性を阻害して、コレステロールを低下させる働きがあり、それと同時にコエンザイムQ10も低下させてしまうのです。実際に、スタチンの投薬によって、血中のコエンザイムQ10濃度が著しく減少したという報告がなされています。

また、偏頭痛の薬や血圧降下薬の中にも、スタチンと同じように、コエンザイムQ10の合成を阻害するものもあります。

コエンザイムQ10が不足すれば、ミトコンドリア機能が低下し、起立性調節障害や慢性疲労、さらに、全身の細胞機能が低下してきます。

コレステロール低下薬や血圧降下薬を飲むことは、貴重なコエンザイムQ10 の合成を阻害してしまうことになるので、安易に薬を飲むべきではないということですね。

栄養療法を専門とするクリニックでは、どうしてもコレステロール低下剤を飲まなければならないような場合には、CoQ10をサプリで補うことが薦められることが多いようです。(薬を服用中でサプリメントを飲む場合は、必ず医師や薬剤師に相談しましょう)

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