血液検査でビタミンDの過不足を調べる

血液検査の「ビタミンD」

体内のビタミンDの効果は血中濃度で決まります。
通常の保険がきくビタミンDの検査は、「1.25OH D 」(1.25ヒドロキシカルシフェロール)と呼ばれる項目です。1.25OHDは、腎臓で代謝された後の活性型のビタミンを測っており、極端にビタミンDが欠乏しない限り減少しません。
一方、「25OHD」(25ヒドロキシカルシフェロール)は、腎臓で処理される前のビタミンDで、体内で利用可能なビタミンDの量を反映しており、体内でビタミンDがしっかり足りているかを知るための良い指標になると言われています。ただし、こちらの検査は保険は効きません。

血中ビタミンD濃度の理想値とは

日本人の25OHDの平均値は20ng/mlぐらいであるといわれています。20を切る場合はカルシウム代謝異常が疑われ、骨粗鬆症などのリスクが高まります。

また、ビタミンD濃度が低い(20ぐらい)とインスリン抵抗性を持ちやすくなる傾向がある、つまりインスリンの効きが悪くなるということもわかっているため、糖尿病が気になる人は要注意です。

平均値は低めのビタミンDですが、多くの疾病の予防のためには、40~60ぐらいはほしいところといわれています。認知機能や免疫機能の維持のためには50~80ng/mlぐらいあることが望ましいという意見もあります。

そして、ビタミンDは細胞の分化誘導(ガン化しかけた異常細胞を正常化する作用)も認められているという点も注目です。実際に、ガンの人ではビタミンDが低い人は血中のビタミンD濃度濃度が低い傾向にあるということがわかっています。このことから、栄養療法を使ってがん治療をする場合、ビタミンD濃度は70~100ぐらいを目指して行われれるようです。

ただし、ビタミンD濃度が高ければ高いほど良いのかというと、もちろんそんなことはなく、150ng/ml以上では毒性が指摘されています。毒性が起こるときは、1.25ビタミンDへの過剰転換が起こっている状態ですので、指標としては25OHD濃度>1.25OHD濃度になるのが理想的であると言われています。

 

ビタミンDサプリメント摂取量の目安

血中ビタミンD濃度を測ってみて、低い場合は一日に2000IUは摂りたいところです。花粉症対策として、花粉の時期が来る前に少し多めに摂るという方法もおすすめです。そして3か月程度ビタミンDを摂ってみて、再度採血して調べると良いでしょう。

ちなみに、オーソモレキュラー医学の権威であるエイブラハムフォッファー博士によると、病気の予防目的なら一日1000IU、治療目的なら一日2000~4000IU程度のビタミンDをサプリメントから摂ることを薦めています。

尚、ビタミンDは脳のシナプスの維持と生成に不可欠なので、ビタミンDの活性減少は、認知機能低下にも大きく関連します。「アルツハイマー病真実と終焉」の著者、デールプレデセン博士によると、(目標値-今のng)×100=IU単位での用量と考えると良いとしています。例えば、25OHDの値が20ngで、目標値が50ngだった場合、(目標の50ng-現在の20ng)×100=3000IU/日 となります。

 

最初に書いたように、25OHDの検査は保険が効かないので少し高価ではありますが、免疫力や骨の健康、認知症予防対策などが気になる方は、血液検査で25OHDを調べてみることをおすすめします。

 

 

 

 

 

 

ビタミンDの働き

ビタミンDと骨の健康

ビタミンDと言えば、健康な骨を作るために欠かせないビタミンとしてよく知られていますよね。骨は、常に「骨代謝」によって新しく作られ続けていますが、ビタミンDは体内でカルシウムの吸収を助け、また、腎臓で尿中に出たカルシウムの再吸収を促し、血液中のカルシウムを骨まで運ぶ手伝いをして、カルシウムが骨に沈着するのを助ける働きがあります。

さらに、ビタミンDは骨からカルシウムを取り出して筋肉に送り届けるのを助けるという役割も持っています。私たちの体内にあるカルシウムの約99%は骨に、残りの約1%は筋肉にあります。筋肉中のカルシウムは、筋肉を収縮させる役割があるのですが、筋肉中のカルシウムが足りなくなったときに、ビタミンDは骨からカルシウムを取り出して筋肉まで送り届けるという働きを助けているのです。

ビタミンDは骨の代謝に大きく関わっていることから、ビタミンDが欠乏すると典型的な欠乏症である、乳幼児の「くる病」(成人の場合は骨軟化症)を発症します。また、ビタミンD不足は骨粗鬆症にも大きく影響します。腎臓病で透析を受けているような人は、腎臓で活性型ビタミンDを作る機能が落ちているため、活性型のビタミンD剤が投与されます。

骨の健康だけではない!ビタミンDの重要な働き

また、ビタミンDは免疫反応とも関係が深く、不足するとガンや自己免疫疾患などにかかりやすくなるということもわかっています。

尚、ビタミンDの供給経路は、食事から摂取されるだけでなく、皮膚に紫外線があたることでも身体の中で作られます。日光に当たる機会の少ない冬場にビタミンDを補給しておくと、ビタミンDが免疫機能の調整に役立つことから、春の花粉症の症状がだいぶ軽減できるともいわれています。

さらに、ビタミンD不足はインスリン抵抗性(インスリンの効きが悪くなる)を起こしやすくすることから、糖尿病とも関係していると言われています。その他にも、心臓病、多発性硬化症、喘息、認知症などへの影響も指摘されています。

 

ビタミンDが不足しやすい人とは

 

ビタミンDは魚類やしいたけなどに多く含まれているので、これらをあまり食べない人は食事からの摂取が少なくビタミンDが不足しやすくなります。

また、食事からだけでなく、日光浴も非常に重要です。例えば、潜水艦の乗組員の調査では、400IU/日の摂取でも血中ビタミンDの濃度を適切に維持できないという報告もあります。

あまり外に出る機会がない、夜勤が多い、日焼け止めを欠かさない、といった場合でも、皮膚に当たる紫外線の量が減るのでビタミンDは不足しやすくなってしまいます。

お肌のシミや美白のことを考えると、日焼け止めや日傘で完全防備したくなりますが、ビタミンDの供給という面ではマイナスになってしまうのですね。いつも日焼け対策をばっちりしているという方は、ビタミンD不足にならないようにサプリメントから補給するというのも一つの手だといえます。

ビタミンDを摂りすぎるとどうなるの?

一方、ビタミンDは脂溶性ビタミンなので、過剰症にも注意が必要です。

ビタミンDを過剰に摂り続けた場合、血液中のカルシウム濃度が上昇し、血管壁や心筋、肺、胃などに多量のカルシウムが沈着してしまいます。腎臓が障害された場合は尿毒症を引き起こすケースもあります。

ただし、毒性が認められたケースでは、継続的に10万IU/日を2~3か月摂取した場合とされており、治療目的で多めに摂ることをすすめられる場合でもせいぜい4000IU/日ぐらいまでですので、サプリメントで常識の範囲内で摂っている分にはあまり心配はないといえるでしょう。

 

 

次回は、「血液検査でビタミンDの過不足を調べる」方法についてです。