胃酸の働きを助ける食材について

胃酸の働きを助けるための具体的な方法について解説します。

レモン汁で消化力アップ!

「胃酸の量を自分でチェックする方法」では、自分で簡単にできる胃酸の分泌状況チェック法を紹介しました。

明らかに胃酸の不足があるとわかった場合には、その原因を探り、適切な対処をしていくことが大切ですが、体質的に胃酸の出にくい方や、ストレスの影響などで一時的に胃酸が出にくくなって消化が悪くなっているときなどは、一番手っ取り早い方法として、レモン水を用いる方法があります。

レモン水の作り方は簡単!(胃酸の分泌状況の自己チェック方法で紹介したの同じ要領です)

レモン汁を大さじ1杯(15ml)に、45mlの水を入れて薄めます。このレモン水は、胃酸のpHと近いため、これを食事と一緒に摂ることで胃酸を補う効果が期待できます。飲み方は、一口食べたら一口レモン水を飲む、という要領で行い、食事の前半にレモン水を飲み切ってしまってOKです。

胃酸の分泌を促す食材

胃酸の分泌を直接刺激する作用があるといわれている成分を含む食材もあります。

 生姜、ゴーヤ、パセリ、ペパーミントなどです。これらの食材を意識的に食事に取り入れたり、食事の前にペパーミントティーを飲むのもおすすめです。

たんぱく質の消化を助ける食材

たんぱく質が豊富な食事をする場合には、胃酸の必要性が増すため、胃酸が少ないと感じている方は特に注意が必要となります。そこで、直接的に胃酸分泌を刺激するだけでなく、消化を助けるためにもおすすめの食材があります。

それは、たんぱく質の消化のために必要な「酵素」を含む食材です。

酵素には様々な種類があり、たんぱく質の消化を助ける働きを持つ酵素は、「プロテアーゼ」と呼ばれます。

プロテアーゼを含む食材の例 大根、キャベツ、ショウガ、玉ねぎ、パイナップル、キウイ など (加熱していないものに限る)

これらの食材には、栄養素の分解を助ける働きを持つ酵素が含まれています。

例えば、肉料理にレモン汁や生のキャベツを添えたり、すりおろした生姜で肉に味付けをしたり、大根おろしとともに食べたりするのは、味の面だけでなく、消化の面でも理にかなっていると言えます。

 尚、たんぱく質の消化に限らず、炭水化物の消化を助ける「アミラーゼ」や脂質の消化を助ける「リパーゼ」も、食物を分解する上で大切な働きをしています。

 ちなみに、生の食品に含まれている酵素は、ほどんどが48以上の温度で変性して活性を失ってしまうため、酵素の面だけで考えた場合には、生で摂ることが有効であると言えます。

 ただし、食材の中にどれだけの量の酵素が含まれているかなどについては、まだハッキリとわかっていない点も多いようです。それを科学的に検証するには、膨大な費用と時間を費やすだろうと言われています。食物の種類や栽培方法などによっても、含まれる酵素の力は変わってきます。また、生の食材には、酵素が含まれている反面、加熱されていない分、消化に時間がかかり実は胃腸に負担がかかることもある、という、逆の面も持ち合わせているとも言われています。

そのため、その人の体質にもよりますが、生の食材を取り入れるのもほどほどにした方が良い場合もあります。

消化酵素のサプリメントについて

食べ物の消化を助ける効果が期待できる、消化酵素サプリメントというものもあります。

消化酵素サプリは、食後に胃がもたれる方や、胃腸の調子が悪い場合にも有効です。

「アイハーブ」というサイトを検索すると消化酵素のサプリメントが色々出ていますのでのぞいてみてください。

これは、いわゆる「酵素ドリンク」とは異なり、食事と一緒に摂ることで消化酵素を補い、消化力の向上を助けるためのものです。

ちなみに、日本で一般的に健康食品として扱われている「酵素ドリンク」は、食品衛生法に基づく分類でいうと「清涼飲料水」にあたり、出荷前の段階で加熱処理をすることが法律で定められているため、酵素としての活性はほとんど失っていると考えられます。

中には非加熱のもの(粉末状のものなど)もあり、酵素をわずかに含んでいるものもあると言われていますが、これらも酵素ドリンクと同様、酵素自体が主成分になっているわけではありません。

しかし、だからといって「酵素ドリンク」を摂取する意味がないというわけではありません。

健康食品としての「酵素ドリンク」は、原材料をその食物のもつ酵素のチカラで発酵、熟成させることで、成分が分解されて低分子化しているので消化吸収されやすく、さらに発酵によって健康に役立つ有用菌も生まれていたりするので、これらの成分は消化器に負担をかけずに、栄養素や有効成分を身体に供給してくれるというメリットがあると言えるでしょう。

ただし、消化を助けるための消化酵素自体を補いたいのであれば、「酵素ドリンク」ではなく、「消化酵素サプリメント」を選ぶようにしてください。

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