あなたの胃酸の量は足りていますか?

 

胃酸の量は自分でチェックできる?!

 

これまで数回に渡って、胃酸の重要性について書いてきました。

ここまで読んでいただいた方は、自分の胃酸が適切量分泌できているか、気になってきますよね。(最初から読みたい方はこちら

そこで今日は、自分の胃酸の分泌状況を自分でチェックする方法を紹介したいと思います。

 

栄養療法の進んでいるアメリカなどでは、胃酸の重要性がとても重視されており、胃酸の分泌量をチェックするための機器も普及しているそうです。

 

しかし、残念ながら、日本では、胃酸の重要性を認識している医療機関はまだまだ少なく、胃酸の分泌量を直接測定するような機器を持つ医療機関はありません。

 

ところが! 簡単に胃酸の分泌量をご自宅でチェックできる方法があります。

この方法は、最先端の栄養療法をレクチャーしている「栄養療法塾」を主宰する、佐藤章夫先生の講座でも紹介されており、実際に佐藤先生のクリニックでも患者さんに対して行ってもらっている方法だそうです。

 

胃酸の不足によって引き起こされる不調は実に様々ですが、直接的に引き起こされる症状としては、胃がもたれる、胃が痛む、胸焼け、膨満感、脱力感、眠気、おなかにガスがたまる、おなかがはる、ゲップなどがあります。

これらの症状が気になっているという方は、胃薬を飲む前に、まずは胃酸の分泌量のチェックをおこなってみると良いかもしれません。

(ただし、これはあくまでも自分で簡易にチェックを行うための方法であり、「診断」を行うためのものではありません。気になる症状が続く方は、別の原因が関係している場合も考えられますので、早めに医療機関を受診するようにしましょう。)

 

胃酸の分泌状況のチェック方法

1.レモン汁を大さじ1杯(15ml)に、45mlの水を入れて薄めます。

 2.食事を食べながら、レモン水を飲みます。チェックを行う場合は、たんぱく質などが十分に含まれる通常のメニューを食べます。一口食べたら一口レモン水を飲む、という要領で行い、食事の前半にレモン水を飲み切ってしまってOKです。

このレモン水は、胃酸のpHと近いため、これを食事と一緒に摂ることで、胃酸を補うのと同じ効果が得られるというわけです。

 3.食後2~3時間後に、自分の身体の状態をチェックし、判定します。

チェックの時に食べたものをメモしておくと尚良いです。一回だけではよくわからない場合もあるので、その場合は2~3回行ってみましょう。

 

判定

 ★胃が重く、不快感を覚えた場合→ 胃酸の分泌は、ある程度十分であると考えられます

 ★いつもよりスッキリすると感じたり、いつもより空腹感を感じり、疲れない、眠くならないと感じた場合→普段の胃酸の分泌量が不足している可能性があります

この方法は、とても手軽に自分で胃酸の分泌状態を調べることができる便利な方法ですが、中には、胃酸の量がとても少ないのにその状態が当たり前になってしまっていて、自分で調べても良くわからない、と感じる方もいらっしゃるようです。

 

胃酸の状態を、もっと数値化して調べたい!という場合には、血液中のペプシノーゲンを検査するという方法もあります。

それについては、また今度!

胃酸の不足が逆流性食道炎や胃もたれ、胸やけなどを引き起こす理由

なぜ胃酸が足りないのに逆流性食道炎になるのか?

 

前回のブログで、「胃酸の不足が逆流性食道炎や胃もたれ、胸焼けの原因となっていることがある」と書きました。

 

それでは、なぜ、胃酸が不足していると、胃酸が食道まで逆流してきてしまったり、胃酸が過剰なように感じられたりすることがあるのでしょうか。

 

それは、胃酸には、「食道括約筋」という筋肉を働かせる役割もあることに起因します。

 

食道括約筋とは、食道と胃の境目にあり、胃酸が食道へ上がってくるのを防いでいる筋肉です。食道括約筋は、胃内のpHが胃酸のよって下がって強酸状態になると収縮して、食道と胃の通路を閉じる仕組みになっています。

 

中には、胃酸の分泌量が多すぎて、胸焼けや胃酸の逆流などが起こっているケースもありますが、胃酸の分泌量が少ないがために、食道括約筋の働きが弱くなってしまっていることがとても多いと言われています。

 

また、胃酸の刺激によって、消化物が小腸まで送られて、胃から先の消化を進めるためにも胃酸が不可欠となります。  胃酸の分泌量が少ないと、これらの機能が十分に働かなくなって、胃酸が食道まで逆流しやすくなったり、胃から腸へと食べ物が送られにくくなることによって、消化不良や膨満感を引き起こすことにつながります。 

 

胃の入り口や出口の筋肉は、加齢と共に弱くなってくるため、こういったトラブルは年齢を重ねるほど起こりやすくなると言われています。ただでさえ消化機能が弱くなっている所に、消化をコントロールしてくれるはずの胃酸を抑える薬を飲んでしまったら、ますます悪循環に陥ってしまう恐れがあるということです。  

 

従って、逆流性食道炎などの症状がある場合、できれば症状を抑える対処療法としてすぐに制酸剤(胃酸を抑える薬)を飲むのではなく、まずはご自身が十分な量を分泌できているのかどうかを知っておくべきであるといわれています。

 

もしも胃酸の分泌量が少ないということが分かった場合には、適正量の胃酸を作り出す能力を回復させるための対処をしていくことが望ましいと言えます。

 

 

胃酸不足によって様々な不調が起こりやすくなる!

 

その他にも、胃酸が不足すると、たんぱく質やビタミン・ミネラルの不足や、病原菌やバクテリアの増殖なども起こりやすくなります。

①たんぱく質の吸収力低下→ 貧血 、むくみ、筋力の低下、抵抗力の低下、イライラ、うつ、食欲不振、疲労、脱力、虚脱 など

②ビタミン・ミネラル吸収力低下→ 神経機能の低下、骨がもろくなる、抵抗力の低下、疲労、脱力 など

③病原菌・バクテリアの増殖によって起こること→ 胃炎、胃潰瘍、胃がん、カンジダ症 など

 

胃酸が不足すると、実に様々な不調を引き起こしやすくなってしまうのですね。

胃酸が不足する原因

尚、胃酸が不足する理由としては、様々な要因が考えられますが、もともと体質的に胃酸分泌が少ないタイプであったり、慢性ストレス、食生活、不適切なダイエット、加齢なども大きな要因となります。

 

また、長期的に糖質制限食を摂っていると、血糖値を上げる働きをもつ「グルカゴン」というホルモンの分泌が促進されると言われています。そして、グルカゴンは、血糖値を上げるだけでなく、胃酸を止める働きを持つとも言われています。従って、極端な糖質制限食を長期に渡って続けることは、重篤なⅡ型糖尿病などでない限り、あまりおすすめできません。

 

胃の調子が悪い時には、胃薬を飲んではいけない?!

逆流性食道炎や胃もたれ、胸やけの意外な原因とは

 

皆さんは、「逆流性食道炎」や「胸焼け」について、どのようなイメージをお持ちでしょうか。

 

「胃酸の量が多すぎて食道まで胃酸が上がってきてしまったり、胸が焼けるような不快を感じたりする症状だから、胃薬を飲んで胃酸を抑えることで、楽になる」

という考えが、一般的なものなのではないでしょうか。

私も、以前はそのような認識を持っていました。

 

確かに、この考え方は、間違いではありません。

胃酸の分泌量が多過ぎることが原因となって、胃酸の逆流や胸焼けが起こっているケースももちろんあります。

 

 しかし、それ以上に多いケースは、

「逆流性食道炎や胸焼けは、胃酸の過剰ではなくで、胃酸の不足によって起こっている」

ということなのです。

 

これはいったい、どういうことなのでしょうか。

 

胃酸の役割とは?

 

そもそも、胃酸とは、食べ物を消化するために必要なものなのですが、その働きは、ただ単に「胃の中の食べ物を消化するのを助ける」だけではなく、様々な役割を持っています。

胃酸の働きを簡単にまとめると、こんな感じです。

◇たんぱく質の消化に不可欠である。

◇強酸によって消化物を殺菌する。

◇膵臓や腸を刺激して、消化酵素を分泌させる。

◇腸内環境を整える

◇胃の入り口と出口の筋肉の働きを促進し、胃酸の逆流を防いだり、消化物を腸へ運ぶのを助けたりする。

◇ビタミン・ミネラルなどの吸収を助ける

 

つまり、胃酸は、食べたものをしっかりと消化吸収して、栄養素を身体の細胞にまで届け、私たちの健康を維持していくために、絶対にぜ~ったいに必要不可欠なものなのです。

そのため、胃酸が不足しているタイプの逆流性食道炎や胸やけに対して、胃酸を抑える働きのある制酸剤を用いると、食道まで逆流してきた胃酸が中和されて、一見症状が改善されたように感じられるかもしれませんが、根本的な解決にはなっておらず、むしろ更なる悪影響を及ぼす恐れすらあるのです。

 

次回のブログでは、胃酸の不足が逆流性食道炎を起こしたり胸焼けを引き起こす理由について、詳しく解説していきます。

 

消化吸収と〇〇が、健康へのカギ!

なぜ消化吸収が大切なのか?

 

前回のブログで、私たちの身体はもちろん、心も栄養からできている、というお話をしました。

だから、例えば、イライラしたり、うつ気味になったり、よく眠れなくなったり、といった問題も、実は栄養不足が原因であったりすることもあるわけです。

だったら、足りない栄養素をいっぱい食べて補えば、精神状態が良くなるのか?というと、必ずしもそれだけではうまくいかないことも多い。

 

 なぜなら、胃や腸の状態が悪ければ、せっかく食べても食べたものをしっかりと消化吸収できないし、体内でうまく利用することができないからです。また、精神的ストレスが強過ぎる状態では、どんなに栄養素を補っても追いつかず、いくら身体に良いことをしていたとしても、やはり体調を崩してしまいます。

 

特に胃や腸の状態は、自分でも気が付いていなくても、実は胃酸や消化酵素の量が少なすぎたり、腸内環境が悪かったり、といった問題が潜んでいることが非常に多いものです。

 

体調を万全に整えるためには、食生活を見直し、ストレスをなくし、胃と腸の状態を整え、体内の炎症を取り除き、重金属をデトックスして、遺伝的にリスクがある場合はそこを補って、、、

という感じになるのでしょうけれども、いざいきなり全部やろうとしても、うまくいくものではありません。

 

そこで、とりあえず、今日は一番簡単でてっとり早くできる方法を一つだけ挙げたいと思います。

 

それは、ものすごーく基本的なことですが、

よく噛んで食べる。

ということです!

 

「なあんだ。そんなことか。」

と、思った方こそ、もしかしたら、あまり噛まずに食べてしまっているかもしれません!!

ーく噛んで食べよう!

食べ物をしっかりと消化、吸収することは、何よりも大切なことのうちの一つです。消化吸収のためにはもちろん、胃腸の状態を整える必要がありますが、意外と忘れがちなのが、消化の第一段階である咀嚼。

咀嚼によって、食べたものを物理的に分解すると同時に、唾液アミラーゼによって化学的にも消化を助けるだけでなく、さらに、噛むことが刺激となって胃での消化酵素や胃酸を出すことを誘発することにもつながります。特に、日本人は胃酸の量が少なく消化が弱い人が多く、年齢と共に消化力が落ちていくことを考えると、まずはしっかり噛むということはかなり重要です。

 

まずは、自分が一口につき何回ぐらい噛んで食べているか、意識してみましょう。

もしも、あまり噛まずに飲み込んでしまっていると気が付いた場合は、一口につき少なくとも20回、できれば30回ぐらいは噛むように心がけてみてください!!

 

次回のブログからは、適切な消化吸収のために重要な、「胃」をテーマにしていきたいと思います。

イライラや憂鬱の原因とは? 神経伝達物質と「心」の関係

「心」って、何からできている?!

 

突然ですが、「心」って、何でできていると思いますか??

ここでいう「心」とは、精神論やスピリチュアル的なことはさておき、脳の化学的な反応の結果として起こる感情や思考や気持ちなどのこととして考えてみたいと思います。

脳の中には、膨大な数の脳神経細胞があることはよく知られていますよね。

この神経細胞どうしは直接つながっているのではなく、細胞と細胞の間にはごくごく小さな隙間があります。

そこに「神経伝達物質」と呼ばれる特別な化学物質が神経細胞から放出され、次の神経細胞を刺激することで、電気信号が伝わっていくという仕組みになっています。

その反応によって、私たちの思考や感情が起こり、行動することができます。

ところが、放出される神経伝達物質の量が過剰になったり不足したりすると、信号を正しく伝えることができなくなり、脳の働きのバランスが崩れ、身体や精神状態に影響を与えることになるのです。

 

「神経伝達物質」と聞くと、なんだか難しそうですが…

 

「GABA」とか、「ドーパミン」とか、「セロトニン」etc.

といった言葉を、皆さんも聞いたことがあるかと思います。

 

そう、これらも、「神経伝達物質」の一種なのです。

 

そして、「神経伝達物質」の原料となるのは、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、その他の天然の物質。これらは言うまでもなく、私たちが食べたものから得た栄養素です。

 

もちろん、脳の神経細胞そのものも、栄養素から作られます。

 

つまり、私たちの身体はもちろん、心も栄養からできている!!ということもできるのです。

 

だから、なんだか最近妙にイライラする、とか、憂鬱で眠れない、とか、そんな悩みがある方も、もしかしたら、栄養状態や、腸内環境が影響しているのかもしれません。

 

分子栄養学と栄養療法

 

食生活や胃腸の状態だけでなく、炎症、重金属の問題なども、とても重要な問題です。

遺伝的に精神的な不調が起こりやすい体質の方もいらっしゃるといわれています。

分子栄養学では、それらの問題を一つ一つ良くしていくために、カウンセリングをしたり、身体の状態を知るために血液検査(または毛髪検査や尿検査や便検査)などを行って、食事を見直したり、サプリメントを使用したり、様々な方法でアプローチを行っていくわけです。

 

「分子栄養学」を勉強すると、精神的トラブルがある場合に、副作用の多い薬に頼るだけでなく、もっとできることがあるということがわかります。また、深刻なうつや精神的な問題を持つ方にとっては、薬を全てやめるというのはなかなか難しいかもしれないが、薬を減らすことは可能であると言われているそうです。

 

最近読んでいる、「栄養素のチカラ」という本(ウィリアムウォルシュ博士 著)には、うつ病をはじめとする精神疾患(統合失調症、自閉症、ADHD、アルツハイマー病など)のタイプ分類の方法や、副作用の少ない栄養療法について書かれていて、非常に興味深いです。

 

この分野の研究がさらに進み、もっと広く認知されるようになれば、精神疾患や、その薬の副作用で苦しむ人をかなり減らすことができることでしょう。

「分子栄養学」の更なる発展に期待です!!

 

食生活について考える。目からウロコ!の栄養セラピー

はじめまして

 

こんにちは!

このブログでは、栄養や健康に関して、なるべく実践に役立つことをお伝えしていきたいと思います。

「病気ではないけれど、なんとなく体調が悪い」「原因がわからない不調」「生まれつきの体質だから」   

・・よく聞く言葉ですよね。

でも、ちょっと待って!

身体は嘘をつきません。必ずどこかに原因はあるし、何かしら、アプローチできることがあるはず!

「〇〇健康法」とか、「〇〇ダイエット法」といった方法ではなくて、自分に合った方法で、一生続けられる健康法を一緒に見つけていきましょう。

一般的な栄養に関する情報だけでなく、分子栄養学の話など、普通の栄養学の教科書にはあまり載っていないようなこともお伝えできたら良いなと思っています。

難しくて専門的な内容は極力避け、誰にでもわかりやすい言葉で書いていきたいと思っているので、栄養や健康に関することに興味のある全ての方に読んでいただけると嬉しいです!

 

「何を食べるか」よりも大切なこと

 

さて、今日のテーマは、健康を維持するための栄養の考え方についてです。

食生活について考える時、皆さんは何を意識しますか?

まずは、「何を食べるか」そして「どのぐらいの量食べるか」を考えますよね。

でも、それだけでは十分ではないのです。

なぜなら、食べ物を口の中に入れただけでは、まだ、本当の意味で体内に入ったわけではないからです。

食べたものが体内で消化・吸収されて、適切な状態で細胞にまでしっかりと届けられて初めて、体内に入ったと言えるのです。

 言われてみれば、すごーく当たり前のことなのですが、つい見逃しがちな点でもあります。

 消化吸収に影響を与えるものとは、栄養素の摂取状況はもちろん、胃や腸の状態、内分泌腺の状態、体内の酵素の状態、精神状態などが複雑に絡み合っているので、単に「栄養所要量を満たしているからOK!」とはいかないのです。

また、その人の体質によっても、栄養状態は大きく変わってきます。

 人それぞれの遺伝情報や生活環境、食習慣、ストレス状態、子どもの頃から食べてきたものなど、人によって違いがあります。だから、誰かにとって良い方法でも、それが他の人にとって最適な方法とは限らないのです。

 つまり、人によって「体質」が違うので、その人に合った食事法や健康法も様々であるというわけです。

 そして、忘れてはならないのが、「心」の問題です。

 私たちの身体は、単に物質として存在しているのではなく、目には見えない「心」の状態から多大な影響を受け、健康状態が大きく左右されています。

心の状態によって、自律神経やホルモンバランス、そして、体内で日々作られている細胞の遺伝情報にまでも影響が及ぶため、このようなことが起こります。

 例えば、同じものを食べても、それが身体にとってプラスになるかマイナスになるかということも、その人の心の状態によって変わり得るということです。

また、どんなに良い食事を摂って健康的な生活を送っていたとしても、ストレスが大きい時には体調を崩してしまうこともあります。

逆に、自律神経やホルモンバランスや細胞の状態によって、精神状態は大きく左右されます。心と身体は、まさに一心同体!

 だから、体の状態をより良くするには、食事を見直すだけでなく、「心」の影響を重要な要素の1つとして捉えながら、生活習慣全体を見直すことが、とても大切!!

 これらの点を踏まえた上で、食生活について考えていきたいと思います。