ポリフェノールサプリメントの害について

ポリフェノールとは

ポリフェノールとは、植物に含まれる色素や苦味の成分で、ほとんどの植物に存在します。ポリフェノールの種類は5000種類以上もあるとも言われています。

例えば、緑茶のカテキン、ブルーベリーのアントシアニン、生姜に含まれるショウガオール、カカオに含まれるカカオポリフェノールなどが有名ですよね。

お酒を呑む人に人気のウコンの主成分であるクルクミンも、ポリフェノールの一種です。

ポリフェノールには強い抗酸化作用があり、ストレスや過労、加齢などによって起こる酸化の害を防ぎ、身体を疲れにくくしてくれたり、老化を遅らせたりする効果が期待できると言われています。また、種類によってそれぞれ独自の機能があることも分かっています。

 

ポリフェノールサプリの過剰摂取がなぜ害になる?

ポリフェノールを積極的に摂取することは、身体にとって様々な良い効果をもたらすことが期待できる反面、ポリフェノールサプリなどの過剰摂取によって逆に悪影響を与えてしまうこともあるという報告もあり、注意が必要であると言われています。

なぜなら、ポリフェノールは体内で代謝されてフェノールという物質に変化します。フェノールは毒性のある物質なので、体内のフェノールが過剰になると様々な弊害が出てきます。特に、ストレス状態にある人や、代謝機能が滞っている人は、フェノールを代謝できずにこの悪影響を受けやすい状態になっているので要注意。代謝機能が滞る原因としては、様々なことが関係していますが、ストレスや、それによる消化機能の不調、腸内環境の悪化などは大きな影響を与える要素となります。

ポリフェノールの過剰によって起こる症状と対策

ポリフェノールの過剰によって起こる症状としては、疲労感や血糖コントロール能力の低下、情緒不安定、不眠などが挙げられます。

これらは副腎疲労と似たような症状ですね。

原因不明の体調不良を感じていて、ポリフェノールをたくさん摂り過ぎているような場合は、いったんポリフェノールを控えて2週間ぐらい様子を見てみると良いでしょう。

ただし、不調の原因は一つだけでないことの方が多いため、ポリフェノールをやめることで症状が完全に良くなるパターンは少ないかもしれなせん。また、ポリフェノールの抗酸化作用による恩恵もあるため、もちろん「ポリフェノール=悪者」というわけではありません。

とはいえ、ポリフェノールによる悪影響も十分に考えられることから、長期的に多量のポリフェノールばいのサプリを摂ることに関しては注意が必要であると言われています。

 

ポリフェノールに限らず、ただやみくもにサプリメントを摂るのではなく、自分の体調を見ながら、量や摂り方を調節しながら取り入れていくのはとても大切なことですよね!

 

 

 

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活性酸素の毒を防ぐための食事

酸化ストレスから身体を守る栄養素とは?

 

細胞にダメージを与える「酸化ストレス」の害を食い止めるのに役立つのが、食品に含まれる抗酸化物質です。抗酸化物質は体内に入ると、細胞膜の脂肪酸を保護する助けとなります。抗酸化物質として知られている栄養素は、ビタミン類(C・E・A)、植物に含まれるフィトケミカルや、グルタチオンなど。これらの物質は、体内の活性酸素と結びつくことで、細胞の酸化を防いでくれます。

特に、身体の細胞の中で特に酸化ストレスの影響を受けやすいのが赤血球です。血液検査の結果から溶血が疑われる場合は、抗酸化対策がとても重要となります。

①ビタミンC

ビタミンCは水溶性抗酸化物質として、細胞の内側や体液中などで活性酸素を中和する働きをしてくれます。生体内では還元型の「アスコルビン酸」という形で存在します。アスコルビン酸は、電子を失いやすい性質を持ち、自らが酸化することで体内の酸化を食い止め、酸化ダメージを防ぎます。
また、活性酸素と結びついたビタミンEは、ビタミンCの働きによって再び抗酸化力を回復して活性体になることができるため、ビタミンEとビタミンCと一緒に摂ることで、抗酸化力が一層高まります。

ビタミンCはかんきつ類やアセロラ、キウイ、イチゴ、キャベツ、じゃがいもなどに多く含まれるほか、ビタミンCを効率よく摂取するためのサプリメントも広く利用されています。

尚、人間は体内でビタミンCを作ることができない代わりに、抗酸化物質として働く尿酸を作り出していると言われています。尿酸値が高すぎれば高尿酸血症となってしまいますが、逆に尿酸値が低くなりすぎている人は抗酸化力が低く活性酸素を除去する力が弱くなっているということが予測されます。

 

②ビタミンE

ビタミンEにも高い抗酸化作用があり、脂溶性抗酸化物質として主に細胞膜の抗酸化に働きます。体内の細胞が酸化ストレスにさらされると、まず、細胞膜の脂質が酸化されて細胞膜が弱くなり、生体活動の低下につながるのですが、ビタミンEが細胞膜に存在することで、それを防いでくれます。同時にセレンや亜鉛などのミネラルは、抗酸化酵素や解毒反応の補因子として働きます。ビタミンEは、未精製穀物、小麦胚芽、種子類、緑黄色野菜、ナッツ類、多価不飽和植物油(大豆油や紅花油)、卵黄など、様々な食品に含まれています。尚、ビタミンEをサプリメントとして摂る場合、人工的に作られた合成ビタミンEは、小麦胚芽や植物油から抽出して作られた天然ビタミンEに比べて、生理活性が劣ることがわかっています。

③ビタミンA

ビタミンAも、脂溶性抗酸化物質として、細胞膜などで抗酸化作用を発揮し、がんなどを防ぐことでも注目されています。また、ビタミンAはたんぱく質の合成や細胞の分化にも関わっています。ビタミンAは、卵、レバー、魚などに豊富に含まれます。ベータカロテン(ビタミンAの前駆体)として摂取する場合には、ほうれん草や色の濃い緑黄色野菜、かぼちゃ、にんじん、オレンジ色の果物などに豊富に含まれます。ビタミンAの小腸での吸収率は80~90%であるのに対し、ベータカロテンの吸収率は、約1/3程度(低いものでは10%、高いものでも30~60%)であるといわれています。そのため、ビタミンAとして摂取したほうが効率は良いと言えます。ただし、ビタミンAは脂溶性ビタミンであるため、過剰症を引き起こしやすいうえに、動物性食品のカロリーやコレステロールの過剰摂取も気をつけるべきでもあります。一方、ベータカロテンは、低カロリーで食物繊維も豊富な植物性食品由来のものであり、必要量のみ体内でビタミンAに変換されるため、過剰摂取による害の心配が少ないという利点があります。一般に、ビタミンAとベータカロテンを半々程度で摂ると良いと言われています。

④フィトケミカル

果物や野菜の植物栄養素に含まれるフィトケミカルも、重要な抗酸化物質源となります。フィトケミカルには、たくさんの種類がありますが、鮮やかな色が特徴のカロテノイドや、お茶に含まれるカテキン、赤ワイン含まれるアントシアニン、ベリー類に含まれるプロアントシアニジンなどが有名です。

⑤コエンザイムQ10

エネルギーを生み出すために欠かせないコエンザイムQ10は、エネルギーの代謝時に発生する活性酸素を除去する抗酸化物質としても重要な役割を持ちます。コエンザイムQ10 をサプリメントで摂ることは、スポーツにより大量に発生した活性酸素を取り除きたい時や、持久力を高めパフォーマンスを維持したい時にも有効であると言われています。抗酸化のためには、ビタミンCやビタミンEとともにコエンザイムQ10を摂ることが効果的です。

⑥グルタチオン

グルタチオンは、抗酸化力の高いサプリメントとしても注目されている栄養素の一つです。グルタチオンは、肝臓や他の細胞で作られます。アミノ酸(グルタミン酸、システイン、グリシン)が連なってできたトリペプチドの一種で、グルタチオンには、酸化型ビタミンC(さび取りをして疲れたビタミンC)を還元型ビタミンCに戻す(もとの元気な形)作用があり、活性酸素によるダメージから細胞を守る抗酸化作用の他、肝機能を高め解毒力を高める働きもあります。グルタチオンは、ホウレンソウ、キャベツ、きゅうり、カボチャ、牛レバー、ブロッコリー、酵母、キウイフルーツ、アボカドなどに多く含まれますが、食品の鮮度や加熱調理などによっても変化すると言われています。

日本では1969年より医薬品の原料として市販され、現在でも日本では医薬品として扱われています。(海外ではサプリメントの素材としても広く知られています)

 

 

酸化ストレスとは?

「酸化ストレス」と、健康を保つために欠かせない「抗酸化」について説明します。

酸化とは

そもそも、「酸化」とは何でしょうか。

私たちの体の中では、常に細胞内で無数の化学反応が起き、代謝を行うことで生命活動を維持しています。化学反応において、一つの分子が電子を失うことを「酸化」と呼びます。すると、もう一方の分子では電子を得ることになります。これは「還元」と呼ばれます。これが「酸化/還元反応」ですね。酸化/還元反応は、細胞の生存と、体内の恒常性(ホメオスタシス)の維持のために不可欠な生理機構です。

細胞膜の構造

ところで、細胞の一番外側の膜の部分=細胞膜は、体内全ての細胞間のコミュニケーションを行い、細胞機能を正常に保つために非常に重要な働きをしています。細胞膜を形成するリン脂質は、疎水性の脂肪酸尾部が向かい合っていて、親水性のグリセロール頭部はそれぞれ反対側に並ぶというつくりになっています。つまり、細胞膜の内部には疎水性の脂肪酸が充満し、膜の外側(つまり細胞の内側と外側と接する部分)は親水性になっている、という構造。このような構造は「細胞膜の脂質二重層」と呼ばれます。
細胞膜がこのような構造をしていることによって、細胞膜全体は細胞内外の環境になじみ、内側には疎水性の脂肪酸が充満しているため細胞の内外をしっかり遮断することができるようになっているのです。

活性酸素はなぜ身体に悪い??

「活性酸素が身体に悪い」というのは皆さんもよく聞いたことのある言葉だと思います。活性酸素とは、代謝の過程で生成される反応性の高い(つまり酸化力の高い)酸素のことです。通常、物質を構成している元になっている原子はそれぞれの電子殻内の電子がペアになっていることで安定しているのですが、活性酸素では、最外殻(電子の通る軌道の一番外側の部分)に「不対電子」と呼ばれるペアになっていない電子を持つために、他の分子から電子を奪うか与えることによって安定しようとする性質を持ちます。活性酸素はこの反応性の高さにより、体内のたんぱく質・脂質・核酸にダメージを与えることで、健康な細胞にダメージを与える連鎖反応を引き起こすのです。

特に、活性酸素は、脂質過酸化反応を通して、細胞膜の脂質二重層にダメージを与えてしまいます。細胞膜がダメージを受けると、細胞内の酵素活性が低下したり、DNAの損傷を引き起こしたりすることもあります。DNAが損傷すると、複製や転写といった、細胞の増殖に必要な機能を妨害してしまうため、非常に大きなダメージとなります。

活性酸素は、体内に取り込まれた食物と化学物質の代謝過程で生まれるものであり、生きている限りこれを避けて通ることはできません。私たちの身体には、活性酸素を制御する機序が備わっているのですが、現代生活では、活性酸素が過度に生成される状況になることが多く、活性酸素を除去する作用が追い付かなると、細胞の損傷箇所を修復する働きとのバランスがとれなくなり、体内の細胞がダメージを受けることになります。これが、「酸化ストレス」が強い状態ということです。

細胞膜を健康に保つ脂肪酸

適切な細胞機能のためには、細胞膜の二重層をしっかりと形成させることが重要です。そのためには、材料となる飽和脂肪酸やコレステロール、必須脂肪酸を適度に組み合わせて供給することが欠かせません。

飽和脂肪酸やコレステロールは、膜の形成と安定を助け、必須脂肪酸である不飽和脂肪酸は、膜の滑らかな流動性の維持を助けます。不飽和脂肪酸の中でも、オメガ3系の不飽和脂肪酸とオメガ6系不飽和脂肪酸では、細胞膜において相反する働きを持ち、オメガ6は細胞膜を硬くする作用を持ち、オメガ3は細胞膜を柔らかくするという性質があります。身体が生きていくためには、どちらの作用も必要で、両方の機能がしっかりと働くことによって、膜の適度な流動性が保たれます。さらに、脂肪酸の種類は、体内の炎症とも大きな関係があります。オメガ3と6の間では変換ができないため、両方をバランスよく摂る必要があります。

また、トランス脂肪酸(人工的に作られた水素化油脂)は細胞膜を硬化させ、細胞の正常機能を妨げるため、極力避けるべきです。

活性酸素の原因となるものとは?

通常の代謝過程によっても生成されている活性酸素ですが、活性酸素を過度に生成させて体内の酸化ストレスが引き起こす要因となるものは色々あります。

過労や激しい運動、トランス脂肪や酸化した植物油、アルコールの摂りすぎ、重金属、農薬、X線・紫外線・大気汚染・煙草の煙・水質汚染・工業溶剤のような環境毒素なども酸化ストレスを引き起こす要因となります。

 

血液検査から見る体内の酸化ストレスの状態について

酸化ストレスの影響によって全身の細胞膜が弱くなっているとき、赤血球の細胞膜も障害を受けて壊れやすくなっています。そこで、血液検査の結果から溶血(赤血球が壊れること)の有無を調べることで、酸化ストレスの度合いを予測することができます。詳しくは「間接ビリルビン」の項目をチェックしてみてください。

また、酸化ストレスが大きいときには、間接ビリルビンだけでなく、網状赤血球血清鉄なども高値になる傾向が見られますので、血液検査データがある場合はぜひチェックしてみましょう。

体内の慢性炎症が強い場合も、かなり酸化ストレスが強い状態であると言えますので、要注意です。慢性炎症の有無は高感度CRPフェリチン値からも予測することができます。

そして活性酸素の害を防ぎ、細胞膜を元気に保つには、抗酸化物質の摂取が欠かせません。抗酸化作用がある栄養素としては、ビタミンEやC、ビタミンA、フィトケミカル、グルタチオンなどが挙げられます。これらの抗酸化物質については、またの機会に詳しく書いていきたいと思います。

また、不足しがちなオメガ3系の脂肪酸をしっかりと摂ることも大切です。

基本的にはこれらの栄養素は食品からとることが望ましいのですが、食生活や生活習慣によっては不足してしまうこともあるため、サプリメントによる摂取が有効な場合もあります。

 

まとめ

生きている限り、酸化ストレスを避けることはできないけれど、現代人の生活では酸化の害を受ける機会が多く、特に、ハードな日常生活を送っている方や、血液検査の結果から、高いストレス状態や体内の炎症、赤血球の損傷などがみられる場合などは要注意。

ストレスを避ける生活習慣や、脂肪酸の摂り方、抗酸化物質の摂取などを心がけることが大切である。

腸の炎症によって引き起こされることとは?

「腸の炎症」があるとどうなるの?

 

前回のブログで炎症についての説明を行いましたが、炎症は腸にも起こります。腸の炎症に炎症があると、どのようなことが起こるのでしょうか。

 

①腸内環境が悪いと、腸に炎症が起こります。腸の炎症によって損傷が進むと、LGS※を引き起こし、栄養素の吸収障害が起こるようになります。栄養素の吸収障害は、例えば貧血や骨の弱化の原因にもなります。

※LGSとは?
LGS(腸管壁浸漏症候群)では、腸から大きな食物分子、バクテリア、真菌類など、本来腸から入るべきでないものが漏れ出して、血管や体内に侵入して、アレルギーをはじめとする免疫系疾患、肝臓への負担など、様々な悪影響が起こります。栄養素の吸収障害も起こります。
食物に対する過敏症のうち、即時型の「食物アレルギー」は全体の4~5%であり、それ以外の90%以上は、厳密にいうと「食物不耐性」(食品過敏症)であると言われています。即時型の食物アレルギーは、少量でもすぐに発症し、死亡など生命を脅かす症状が出るものです。一方、「食物不耐性」とは、「遅延型アレルギー」とも呼ばれ、たんぱく質の分解不足が主な原因となります。LGSがあると、未消化のたんぱく質が腸管から血液中に入り、遅延型アレルギーを引き起こします。遅延型アレルギーは、その日の体調によって症状が出なかったりしますので、即時型の食物アレルギーとは異なります。また、少量摂取では発症しないことが多く、生命にかかわる症状は少ないです。遅延型アレルギーは段階的に発症し、自覚するには数時間または数日かかるという特徴もあります。

②腸の炎症は、消化の問題を起こすだけでなく、炎症の影響が全身に回り、様々な不調を引き起こします。「なんとなく具合が悪い」という人は、腸の状態が悪いという場合が非常に多く見られます。

精神状態への影響

腸の炎症は、精神状態の悪化にも大きな関わりがあります。「腸脳相関」とも言われるように、腸は迷走神経を経由して脳とコミュニケーションをとっています。また、脳内の神経伝達物質の大半は腸内で作られます。従って、腸の状態が悪いと精神状態にも悪影響を与え、うつや不眠の原因にもなるのです。

免疫系への影響

腸の炎症は、アレルギーや上咽頭炎など、免疫系の異常を引き起こします。「腸管免疫」という言葉がある通り、免疫の70%は腸が担っています。

③逆に、歯周病や上咽頭炎、副鼻腔炎などが、腸の炎症を引き起こしている場合もあります。従って、腸の炎症を治したいときは他の部分も同時にケアする必要があるのです。

腸の炎症によって起こる症状の例
・便秘
・下痢
・おなかにガスがたまる
・便やガスの悪臭
食物不耐性(遅延型アレルギー)
・アレルギー(花粉症も)、抵抗力の低下
・不眠やうつ、イライラ、神経機能の低下、認知機能の低下
・貧血
・疲労
・なんとなく具合が悪い

腸の炎症の原因となるもの

腸の炎症が体に悪いことはよくわかりましたが、では、なぜ腸の炎症が起こってしまうのでしょうか。

原因として、以下のようなものが挙げられます。

・消化力の問題(胃酸不足、消化酵素不足、慢性胃炎、ピロリ菌など。未消化の食べ物は腸内環境を悪化させます。)

・食事内容(糖質の多い食事、小麦、乳製品、イースト菌 などのとり過ぎ。食物繊維などの不足。つまり、腸内の悪玉菌を増やしやすい食生活。
また、個人差がありますが、ナス科植物※によって炎症を起こしている人も多いようです。)

※ナス科植物:ナス、トマト、ピーマン、ジャガイモ、唐辛子、パプリカなど。詳しくはこちら

・カンジダ菌の過剰増殖(カンジダ菌はもともと腸内に存在する「常在菌」なのですが、増殖しすぎることで腸の炎症を引き起こします)

・ストレス(交感神経優位な状態はアドレナリンを分泌させます。アドレナリンが過剰だと、腸内の悪玉菌を増やします)

・カフェインや刺激物の摂りすぎ

制酸剤、抗生物質などの薬

・便秘

・重金属の蓄積

 

腸の炎症対策① 腸の炎症を起こさないための食事

胃腸の不調を感じている方や、いつもなんとなく疲れやすい、理由はわからないけれどなんとなく体調が悪い、という方は、実は腸の炎症が影響しているのかもしれません。腸の炎症が気になる方はぜひ、食事の内容を見直してみてください。

①体質に合った食事を心がける
体質に合う食事は、人それぞれ。胃腸の状態や体調を見ながら、食べるものや量を調節していきましょう。
②炭水化物(特に精製されたもの、小麦、甘いもの)は極力避ける。高糖質の食事は腸内の悪玉菌を増殖させるだけでなく、高血糖が血管を傷つけ血管の炎症を引き起こします。
③乳製品、カフェイン、アルコール、食品添加物も控える。
④トランス脂肪を避け、オメガ3食品を積極的に摂る
⑤胃酸不足・消化酵素対策
・食べたものをしっかりと消化吸収できるよう、食事に集中してよく噛んで食べます。(30回以上)
・腸の調子が悪い時には、無理に食べないようにします。
・食事は酸っぱいもの(梅、レモンなどの柑橘類、酢など)と組み合わせて食べると消化を助けてくれます。
・または、食事の時に、レモン汁大匙1と水大さじ3程度を混ぜたレモン水を少しずつ飲みながら食べるのもおすすめ。
(一口食べたら一口飲み、食事の最初の方に飲み終わってOK)
消化酵素サプリやクエン酸サプリなどを利用しても良いでしょう。
・食事と一緒に飲み物を飲むのは良いのですが、飲みすぎると胃酸が薄まってしまうので、飲み過ぎには注意しましょう。
⑥発酵食品、海藻類、野菜類などを積極的に摂りましょう。
⑦玄米など、未精製の穀物は有用な面もたくさんありますが、玄米に含まれるフィチン酸の消化が苦手な人も多いため、お腹の調子を見ながら取り入れましょう。

⑧アマルガム※、重金属の害をなくす(水銀は腸内環境を悪化させるだけでなく、体内で栄養素の代謝障害を引き起こします。尚、ミョウバン《ベーキングパウダーなどに含まれていることが多い》や胃薬《ガスターなど》に含まれるアルミも害になります。

※アマルガムがある場合は、安易に除去せず必ず専門医に相談を!

腸の炎症対策② 生活習慣の見直し

腸の炎症対策として、食生活以外にも、生活習慣の見直しや腸以外の炎症対策を行うことも非常に重要です。

・歯周病(歯の炎症)の改善
・上咽頭炎、副鼻腔炎の確認、口呼吸を改善する。
・姿勢の矯正(姿勢が悪いと、栄養の吸収も悪くなる)
・ストレスケア、頑張り過ぎを避ける(ストレスは栄養をものすごく使うので、身体の修復のために使えなくなってしまいます。また、ストレスホルモンであるコルチゾールが慢性的に出過ぎると副腎機能にダメージが起こります)
・運動(ミトコンドリアを増やし、代謝を良くする効果があります)

腸内環境を改善するサプリメント

腸の炎症対策①②を実行したうえで、腸内環境を改善するのを助けてくれるサプリメントを摂ることも有効です。

・乳酸菌、酪酸菌など(ビオスリー、ミヤリサンなど)、善玉菌と呼ばれる腸内細菌(プロバイオティクス)

・オリゴ糖や食物繊維など、善玉菌の栄養源となるもの(プレバイオティクス)

・フコダイン(もずくやめかぶに含まれる水溶性食物繊維)、ラクトフェリン、VA、VC、VD

・下痢気味の場合→グルタミンサプリ※

(※グルタミンサプリメントは、自閉症の子どもは禁忌です《グルタミンを体内でうまく処理できないため。》また、便秘の人が飲むとさらに便秘になりやすくなるため注意が必要です)

・便秘の場合→マグネシウム

体内の慢性炎症を作りやすい食生活とは?

炎症とは?

身体の組織が損傷した時、それを治そうとして生体内の反応が起こります。この時に引き起こされるのが炎症反応です。炎症は、本来は生体の防御反応として必要な反応なのですが、過剰な炎症時反応は生体の自己組織の損傷や、痛みの憎悪を引き起こしてしまいます。

炎症は、怪我、感染、激しい熱や刺激性の化学物質にさらされるなどといった要因によって引き起こされます。このような急性的な炎症は「急性炎症」と呼ばれます。

一方、慢性的な感染や、自己免疫疾患、あるいはストレス状態が続いていたり、身体に合わない食生活を続けていたりする場合には「慢性炎症」が起こり、免疫機能が絶え間なく働いて、徐々に組織の障害が進行し、健康を害することになります。

 

急性炎症のしくみ

細胞が損傷を受けたとき、細胞からは炎症性の化学物質(ヒスタミンなど)が放出されます。すると白血球が損傷個所に移動し、組織に侵入した細菌や細胞の残骸の貪食を始めます。
急性炎症の徴候は、発熱・赤み・痛み・腫脹(腫れ)・機能低下などが典型的な症状です。発熱や赤みは、血管拡張と血流の増加によって起こります。そして腫脹は、たんぱく質とリンパ液が、間質スペース(血管やリンパ管外のスペース)に移動することによって起こります。また、この時に生じる痛みは、炎症の過程で生じる様々な化学物質(ヒスタミン、プロスタグランジン、ブラジキニンなど)が関係していることがわかっています。急性炎症によって起こった発熱・赤み・痛み・腫脹・機能低下の徴候は、徐々に和らぎ始め、損傷が鎮静化するとともに、新しい組織が形成されていきます。

 

慢性炎症はなぜ体に悪い?

慢性炎症とは、免疫系が絶え間なく活性し慢性的に炎症が起こっている状態です。これによって、徐々に組織破壊が進行していき、さまざまな異常が引き起こされます。例えば、アレルギー・自己免疫疾患・アルツハイマー病・慢性感染症・心臓血管疾患などといった疾患にも大きく関係していると言われています。歯周病や上咽頭炎も慢性炎症の一つ。他にも、糖尿病で血糖値が高い状態が続くと、血管の壁を傷めつけて炎症を起こしますし、腸内環境が悪ければ腸に炎症が起こります。脂肪肝は肝臓に慢性的な炎症が生じている状態です。慢性炎症を防ぐためには、ストレスを軽減することや、食生活に留意することが非常に重要となります。

(血液検査の「高感度CRP」から炎症の有無を調べる方法はこちら

炎症と脂肪酸

私たちが食事から摂取する脂肪(脂肪酸)には色々な種類がありますが、摂取する脂肪酸の種類は体内の炎症反応と大きな関わりを持っています。

脂肪酸からは、「エイコサノイド」の一種である「プロスタグランジン」と呼ばれる生理活性物質が作られます。プロスタグランジンは、細胞間のコミュニケーションに関与し、血圧や血液の流れやすさ、免疫機能、炎症反応など、体内の様々な機能をコントロール働きを持っています。プロスタグランジンは、材料となる脂肪酸の種類によって働きが異なります。

 

炎症促進に働く脂肪酸と、炎症抑制に働く脂肪酸

脂肪酸の中で、二重結合と呼ばれる不安定な構造を持つ脂肪酸は「不飽和脂肪酸」と呼ばれます。不飽和脂肪酸は、脂肪酸の鎖の端(メチル端末‐CH3)から数えていくつめの炭素に最初の二重結合があるかによって、オメガ3・オメガ6・オメガ9系という分類ができます。そのうちオメガ3とオメガ6系脂肪酸は、食事から供給する必要のある必須脂肪酸です。なぜなら、ヒトの細胞は、脂肪酸のメチル端末から6番目以下の位置に二重結合をつくる酵素を持っていないので、オメガ6やオメガ3系を体内で自ら作ることができません。

そのうちオメガ6系脂肪酸からは、体内の炎症を促進する「プロスタグランジン2」が作られ、オメガ3系脂肪酸からは、炎症を抑制する「プロスタグランジン3」が作られます。オメガ6と3系脂肪酸は、体内で作ることができないだけでなく、オメガ6系と3系で互いに変換することもできないため、これらをバランスよく摂取することが必要となります。

 

脂肪酸の種類に限らず、糖質の多い食事やトランス脂肪酸、ビタミンやミネラルの欠乏した食生活は慢性炎症を引き起こしやすくなってしまうため注意が必要です。

慢性炎症を起こしやすい食生活

炎症を誘発するプロスタグランジンが作られやすい食生活は以下の通りです。

・肉類に偏った食生活、オメガ6系脂肪酸に偏った食生活(体内の炎症を測る「CRP定量」と、オメガ6系と3系脂肪酸を含む食品についてはこちら

・砂糖の摂りすぎ、単糖類の多い食事における高インスリン状態

・トランス脂肪(人工的に水素化した脂肪酸)

・亜鉛・ビタミンC・ビタミンB群などの栄養素の欠乏

腸の炎症にも注意

 

体内の慢性炎症の症状を緩和するための食事

一方、体内の炎症を鎮めるためには、オメガ3系脂肪酸を多く含む食品を積極的に摂り、炎症を促進する砂糖やトランス脂肪は最小限にすることが有効です。また、生姜やクルクミン、玉ねぎとにんにく(ケルセチンを含む食材)などは、炎症抑制作用のある食材として知られています。

その他にも、抗炎症作用を持つものとして、たんぱく質分解酵素サプリ(プロテアーゼ)を空腹時に摂取することも有効であると言われています。たんぱく質分解酵素が吸収されて血液中に入ると、炎症が起こっている箇所に蓄積した細胞の壊死組織片や古い免疫たんぱく質を分解するのを助けてくれます。

 

次回は腸の炎症についてです。