甲状腺機能と血液検査

甲状腺機能の低下症状

甲状腺は、栄養素をエネルギーにする働きをする臓器です。

甲状腺機能は副腎機能に大きな影響を受けるため、副腎疲労の人は甲状腺機能の低下も起きている場合も多くみられます。

甲状腺機能低下の典型的な症状として、乾燥した髪、まばらな眉、眼のクマ、眼のむくみ、乾燥肌、低体温、疲労感などが挙げられます。ただし、これら全部の症状が出るわけでもなく、気が付かないうちに甲状腺機能が低下している場合もあります。

 

甲状腺と関係するホルモン

甲状腺に関係するホルモンには、次のものがあります。

甲状腺刺激ホルモン TSH
甲状腺ホルモン FT3(遊離トリヨードサイロキシン)←活性度が高い。
FT4(遊離サイロキシン)

FT4はFT3に変換され、活性度の高いホルモンとなります。コルチゾールが多すぎる場合(つまり副腎疲労の反応期)T4からT3への変換が妨げられT3が少なくなり、甲状腺機能の低下が見られます。
さらに副腎疲労が進行しコルチゾールが低下すると(つまり副腎疲労の疲弊期)、T4は活性度の低いrT3(リバースT3)となってしまいます。

目安としては、TSHは1ぐらいが理想的です。TSHが多すぎる場合は甲状腺機能の低下があるため血中のFT4が減ってしまっているので、TSHをたくさん出して頑張っている状態であると推測されます。特に、TSH2以上は甲状腺機能低下の可能性があると考えられます。(ただし副腎疲労が進行すると低下することもあり)
そして、FT3の値は3ぐらい、FT4の値は1.5ぐらいが理想です。

尚、妊娠中は甲状腺機能が亢進するためTSHは低下します。

 

ヨウ素と甲状腺ホルモンについて

ヨウ素は甲状腺ホルモンの主原料となります。ヨウ素が不足すると甲状腺ホルモンの合成が損なわれ、 甲状腺機能低下症や、胎児においては死産や流産、先天性異常の原因となります。しかし、ヨウ素を過剰に摂取しすぎると、今度は逆に過剰なヨードが甲状腺機能を弱める結果となります。特に日本は海に囲まれた国なので、海藻(特に昆布とヒジキに多い)や魚介類を通じてヨウ素を過剰に摂取する機会は多いのかもしれません。
また、甲状腺疾患を持つ人がヨードを過剰に摂取することで甲状腺機能低下症を発症する可能性があるので注意が必要であるといわれています。また、バセドウ病を発症し治療を行っている人がヨードを摂取しすぎると、内服薬の効き目が弱くなることがあるようです。甲状腺ホルモンの産生を抑制するためにヨードの摂取を制限することもあります。

 

甲状腺機能低下による血液データへの影響

甲状腺機能が低下すると、コレステロール値は上昇する傾向が見られます。だだし、もともと低コレステロールの人はデータがマスクされてしまってコレステロール値が丁度よい値になっているというケースもあります。

甲状腺機能低下によって、コレステロール値だけでなく、MCVも上昇する傾向が見られます。一方、ALPは低下します。

 

甲状腺機能低下による血液データへの影響をまとめると、次の通りです。

コレステロール↑(上昇)

MCV↑

ALP↓(低下)

TSH↑(副腎疲労の人は低くなる場合もあり)

FT4↓